ユーザーが製品やサービスを通して高い満足度を得られるためのツールとして、Web制作やシステム開発は欠かせません。
そのシステム業務で重要なのがUXデザインですが、「そもそもUXデザインとは?」と疑問に思う人も多いですよね。
意味や役割、UIデザインとの違いはなんでしょうか?
今回は、UXデザインについて、定義やUIデザインとの違い、効果的なデザインを、例を紹介しながら詳しく解説しま これから学ぶ人にも理解が深まるような内容をわかりやすくまとめていますので、この記事を通してUXデザインの知識を身につけて、質の高いサイトを制作していきましょう。
UI・UX、アプリ開発などのシステム開発を中心に執筆しながら、日々勉強しています。特に用語解説を得意とし、システム開発やIT系業務の初心者にもわかりやすい記事を心掛けています。
UX(ユーザーエクスペリエンスデザイン)デザインとは

UXデザインとは、ユーザーエクスペリエンスデザインの略称であり、ユーザーが製品やサービスを利用して得られる体験を設計することを指します。
UXは「顧客体験」を意味しており、概念は利用時や利用前後で起こる感情・反応・感触など、ユーザーが得られる体験すべてです。
フライパンの購入を例にしてみましょう。
購入しようとECサイトを利用したところ、「条件にあった商品がすぐに出てきて見つけやすかった」「サイズの比較画像や使い方の情報が細かく載っていてわかりやすかった」といった感覚が、UXです。
また、UXの概念は商品のみでなく、サービス面も含まれることから、ライフラインのサポーターの対応の質も該当します。
そして、UXデザインには基本となる原則があり、①ユーザー中心主義、②使いやすさ・アクセシビリティ、③効率性、④楽しさや感動、⑤美しさ、⑥信頼性、の6つです。
こちらは下記の 「効果的なUXデザインのアイデア」で詳しく紹介します。
UX(ユーザーエクスペリエンスデザイン)デザインの具体的な要素

ユーザーがより良い体験ができるサービスを提供するためにも、筋の通ったUXデザインの構成要素を押さえることは重要です。
しかし、実際どのように構成するといいのかわかりづらいことも多いですよね。
ここでは、チームで制作・開発をしていくからこそ統一したデザインが構成できるよう、具体的な要素と段取りをひとつひとつ解説します。
戦略
戦略段階は、「誰に」「なぜサービスを提供するのか」を定めて、製品やサービスをつくるその目的の根本になる重要な要素です。
この土台作りを行って初めて、開発のスタートをきります。
そして戦略でまず行うことは、ユーザーの抱える課題や事業の強み、相場・物資環境などを組織でインプットすることです。
「なぜ制作・開発するのか」「ユーザーが本当に求めていることは何か」「当社のどのような強みを活かして、ユーザーのニーズにどう応えるか」と、これらの課題や情報を探して共有することで、開発の方向性が見えてきます。
そこからサービスの方針やコンセプトをアウトプットして、戦略構成ができます。
ユーザーにアンケート・インタビューや、事業所内での情報共有・聞き取りも、リサーチ方法の1つの手段です。
要件
要件段階では、戦略段階で決まった方針・コンセプトとユーザーの課題解決・目的を、「実現するために必要な機能は何か」を見出します。
この「必要な機能やコンテンツ」をデザインする方法として代表的なのが、ユーザーストーリーです。
「ユーザーが理想とする体験の言語化」というもので、戦略で決めたコンセプトを基に、対象となるターゲット・課題・目的を意識して、ユーザーの体験をイメージ・言語化します。
この手法を通してユーザーの視点になって要求を可視化し、チームで共有することで、ユーザーの要求と開発者側の価値観に一貫性が生まれます。
そして「その実現のためには何が必要か」「どのような機能やコンテンツがあればいいのか」と落とし込み、アウトプットをしていくことが要件段階です。
構造
戦略と要件で定義した方向性や必要な機能の情報は抽象的な段階でしたが、次の構造から少しずつデザインを具象化します。
構造段階では、要件で固まった「必要な機能・コンテンツ」を実際に形にするために、全体の構造を設定します。
そして構造設計のポイントは、構造するコンテンツがユーザーにとってわかりやすく、使いやすいものになるように設計することです。
主な内容は、目的のコンテンツに辿り着くための導線設計や、サイト内の画面・ページのレイアウト、情報をジャンル・カテゴリー別の整理が挙げられます。
ユーザーが開きたいページをスムーズに開けるようにURL掲載したり、そのURLをわかりやすい位置に配置したりすることが、ユーザーが満足のいくサービスへの一歩となります。
デザインの骨格
構造段階でのレイアウトや機能面の設計を終えたら、次は骨格作りです。
骨格段階では、ワイヤーフレームという設計図を用いて、構造で設計したレイアウト・機能・情報を落とし込み、制作してきます。
実際にアップするサイトのデザイン案を作ることで、それまでの設計かわ可視化でき、必要な機能・情報のより細かな設計が可能です。
そして、設計図ができあがったら、ユーザーに実際に触れてもらい、テストを実施します。
実際に触れてもらうことでユーザーからの意見・感想を得られ、ユーザーニーズと利便性に沿った、機能・情報設計ができます。
また、次は表層段階に入るので、制作が長引かないためにも、情報設計はこの時点で終えるようにしましょう。
表層
設計図作成とユーザーテストを繰り返し、骨格が完成したら、最後は表層段階です。
表層では、色・画像・フォントの選定・ボタン・見出しの制作などの作業を行います。
そのため、この段階で情報設計やコンテンツ制作を長引かせないよう、骨格段階て設計を終えるようにしましょう。
具体的には、背景やポイントにしたい見出し、文章のカラー設定、画像の適切な配置・大きさの調整、フォントの統一や大きさの調整などをします。
情報がわかりやすい、見えやすい、もっと見たくなるようなビジュアルにすると、ユーザーは関心が高まり、サービス・製品に触れる機会も増えていきます。
表層の作業が終了すれば、UXデザインは完成です。
UIデザインとUXデザインの違い

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UIデザインは、ユーザーが視覚や感触・創作など、「ユーザーが直接触れるもの」がより良いものになるように設計・制作します。
一方でUXデザインは、ユーザーがサービス・製品に触れることを通して得られる体験を指すので、「ユーザーがより良い体験ができるように設計する」ことであり、実際に形にはできません。
つまりは、ユーザーがより良い体験(UX)をするためには、ユーザーが触れるものの質(UI)を高める必要があるので、関係性が極めて深いです。
| 項目 | UIデザイン | UXデザイン |
| 役割 | 操作や視覚的な理解が容易にでき、サービス利用の意欲を高める | サービスや製品の利用を介して、体験を得る |
| 要素 | 写真・ボタンなどのレイアウト、情報への導線設計 | ユーザー中心・使いやすさ・効率性・楽しさ・美しさ・信頼性 |
| 目標・目的 | 利便性あるサービスに向けて、機能面をデザイン | ユーザーの要求・課題の現状を改善 |
| 関係性 | ユーザーが良い体験を得られるよう、使いやすくてわかりやすい設計 | UIデザインした機能に触れることで、初めて体験する |
役割
UIデザインの役割は、見えやすさの質を上げ、ユーザーがサービス・製品に関心を持ち、利用や購入の意欲を高めることです。
Webサイトや製品で最初に触れるのは視覚であり、視覚の情報が魅力的であれば興味を引くことができ、その上、操作も簡単で使いやすいデザインなら利用意欲を高められます。
そして、UIデザインによる視覚や感触などの接触を通して、「そのサイトはわかりやすい」というユーザー体験の設計が、UXデザインの役割です。
UXデザインは、UIデザインの知識やスキルも必要ですが、ユーザーのニーズも考慮した上でデザインをするものです。
したがって、「ユーザーが何を求めているのか」「抱えている課題は何か」と、客観的視点も重要になります。
具体的な要素
UIデザインの要素は、「ユーザーが触れるもの」であることから、ボタンや画像などの視覚的要素とレイアウトがデザインをする上で重要です。
また。発信者と受信者の双方向性と、サービスの円滑さ、馴染みやすさも不可欠なデザイン要素です。
視覚的要素とレイアウトの効果で、ユーザーがサービスに関心を持ち、購入や使用の意欲を引き出すことが求められます。
そして、結果として、ユーザーにとって「サービスが利用しやすい」と感じ、利用の意欲を高めることがUIデザインの成功への道となります。
一方のUXデザインの要素は、使いやすさや効果性、信頼性などが重要です。
ユーザーの価値観が軸となり、要素が満たされることで、ユーザーは価値のある体験ができます。
目標・目的
UIデザインの目的は、ユーザーがサービスや製品を使いやすいように機能的にデザインをすることです。
ユーザーの要求に沿った機能や情報の設計・提供、効率よく使えるような、利便性あるサービス・機能など、ユーザーが満足感を得られるデザインをします。
また、レイアウトや視覚的要素のデザインは、ブランドのイメージをつくる目的にもつながります。
一方でUXデザインの目的は、ユーザー体験をいいものにするための、現状の体験の改善です。
良いUXデザインにするためにはU UIデザインの質が重要ですが、両者を設計する背景が、UXデザインの根本になります。
そして、両者の目的の共通点として、ユーザーの満足度の向上がサービスの価値の向上につながります。
UIデザインとUXデザインの関係性
これまでの説明をまとめると、ユーザー体験で「使いやすい」「見やすい」といった高い満足度が得られるためには、ユーザー視点で考え、ユーザーが触れる機能・情報の充実性や効率性が重要です。
制作者が「こんな機能があったらいいのでは」と、機能性を求めたサービスだけでは、ユーザーの要求とミスマッチしてしまい、興味が引かれない可能性があります。
一方で、ユーザーのニーズにとらわれて、情報量が多くなってしまったり、あらゆる機能が搭載されてサイトやサービスが使いづらくなったりしても、ユーザーは遠ざかってしまいます。
このバランスが難しいところでもありますが、ユーザーのニーズに合ったUI/UXデザインが設計できると、満足度の高く、価値のあるサービスとなるのです。
良いデザインとは

ユーザーにとって製品やサービスが使いやすく、良い体験を得られるためにはUXデザインをします。
そして、効果的な UXデザインのポイントは、シンプルさと、ユーザーニーズに沿ったデザインプロセスです。
ここでは、効果的なデザインの成功例を挙げながら、2つのポイントを解説します。
シンプルさが鍵のUXデザイン
情報のポイントや操作方法が一目でわかるシンプルなデザインは、使いやすさがグンと上がります。
ユーザーは、情報をいち早く得たくて検索をかけているので、サイトを開いてすぐに欲しい情報が得られて、操作も簡単にできるスピーディーさが求められます。
情報のボリュームが多すぎたり、ぼたや見出しの配置・デザインが複雑であったりすると、ユーザーにとっては「わかりにくい」と避けてしまうため、注意が必要です。
シンプルで直感的なデザインの例として、Appleの公式サイトを挙げましょう。
製品名称のフォントや画像はインパクトのある大きさと、説明文を極力控えたシンプルさで、理解しやすさと、「もっと見たい」「この商品欲しい」というユーザーの心を掴むデザインが工夫されています。
サイトを開くと、トップにメニューバーと、製品画像に「さらに詳しく」「購入」のナビゲーションて概ねデザインされている情報の見つけやすさが、ユーザー体験を重要視した構造から制作されていることがわかります。
近年ではアニメーションのクオリティや製品画像・動画の解析度も高く、通販でも安心して買える点は大きな評価点ですね。
ユーザー中心のデザインプロセス
UXデザインをする上で、「ユーザーが本当に求めていること」の顕在的・潜在的ニーズを汲み取り、「ユーザーから見てわかりやすいか」というユーザー視点ての設計が重要です。
これらのユーザーのニーズに沿ったデザインがされていることで、ユーザーはサービス・製品への信頼を抱きます。
このユーザー中心のデザインプロセスで成功した例が、任天堂Switchです。
Switchは、「ゲーム機とソフトが手元にないと一緒に遊べない」というこれまでの課題や、ゲームに特化したハードの需要性、スマホゲームの普及による手軽さなとのかだ・時代背景から開発されました。
結果、ゲームで遊ぶことに特化するゲーム機として原点に帰り、屋内外で遊べるハードウェアが誕生したことで、多くの人から大きな支持を受けました。
加えて、ホーム画面1つでソフト・アイコン・設定の場所がわかるシンプルなレイアウトや、分離式コントローラーこ利便性、振動機能で臨場感の体験などのUIデザインの工夫が、UXデザイ成功の秘訣と言えるでしょう。
効果的なUXデザインのアイデア

ここでは、冒頭でも紹介しました、UXデザインをする上で押さえておきたい「UXの基本原則」について解説します。
基本原則は、言い換えると顧客体験を構成する要素を指し、「ユーザーの価値観」を中心にハニカム構造されているものです。
これから挙げる6つの要素がUX改善のポイントとなり、要素が満たされることでユーザーはサービス・製品の価値を体験できます。
ユーザー中心主義
ユーザーのニーズに応えられる・ニーズを満たせることができてはじめて、サービスや製品の価値を発揮します。
利用するユーザーは必ず何かしらの目的があり、「動画編集に強いパソコンを買いたい」「デートのランチはどこがいいか」など、ニーズはさまざまです。
提供するサービスかわユーザーにとって役立つか、ニーズに応えられているかという観点で、改善を行っていきましょう。
そのためには、ユーザーのターゲットを決め、ニーズを把握するユーザーリサーチが重要です。
市場調査やアンケート調査、アクセスの解析などの手法で調べ、収集したユーザニーズを踏まえたサービスの企画や立案が、ユーザー中心主義の改善ポイントです。
使いやすさ・アクセシビリティ
ユーザーが、得たい情報・辿り着きたいコンテンツまでスムーズに操作できる使いやすさも、重要な要素です。
検索で検出された記事を開示しても、欲しい情報がどこに載っているのかわかりづらいデザインになっていて、スピーディーにニーズが満たされなければ、ユーザーはストレスを感じてしまいます。
より満足感のある体験をするためには、ストレスがなく、直感的に操作ができる設計が大切です。
具体的なアイデアとして、デザイン設計時やユーザーテストで課題の把握、画面内のシンプルなデザイン・レイアウト、スマホやパソコンなどのデバイスに合った表示のデザインがあります。
「使いやすい・わかりやすい」と一言で言っても、ビジュアルだけでなく、ユーザーが目的としているコンテンツに辿り着くまでの機能や導線のデザインも、デザイン改善の重要なポイントです。
効率性
Webサイトの利用において、いかに効率よく情報が引き出せるかが、良いユーザー体験の鍵となります。
ユーザーは少しでも早く情報を知り得たいので、手間となるような複雑なアクセス方法や、必要以上に時間を割くことは避けたいものです。
先ほどの「使いやすさ・アクセシビリティ」とも類似しますが、ユーザーが目的とするコンテンツを速く、簡単に見つけられることでユーザー体験の満足度が上がりますので、効率性も重視しましょう。
効率よく見つけられる・探せるデザインの改善ポイントとして、スムーズなナビゲーションの設計や、ユーザーの検索にヒットしやすい用語を盛り込む、カテゴリー別や段階的な階層の構造設計などがあります。
楽しさや感動
ユーザーが求める情報を迷わず見つけるためには、情報への接続のしやすさも改善ポイントです。
現在では、学生から高齢者まで、目や手、耳が不自由な方など実にさまざまな方がWebサイトを利用しています。
誰でもスムーズにアクセスできるサイトは、情報の見つけやすさだけでな楽しさや感動も感じられ、サービスへの好感度も上がります。
例えば、音声や矢印記号での操作のガイダンスをする機能を搭載し、ユーザーの状態に合わせた操作対応ができると、初めての人やハンデがある人も迷わず利用が可能です。
他にも、記載された文章の読み上げや、文字や背景の色を変更、フォントの拡大などの機能もあり、ユーザーへの配慮かわ行き渡ったサービスが充実していると、ユーザーは「また使おう」とサービスの価値を感じてくれます。
美しさ
サイトを開いたときに、ユーザーが興味や関心を引かれたり、見ていて前向きな感情を持ったりできる美しいデザインは、閲覧時間やアクセス数が伸びる効果があります。
視覚的デザインを良くすることはもちろん、ブランドのイメージやアイデンティティがビジュアルから伝わるようなデザインに、ユーザーは好感を持ちます。
サイトを見るであろうユーザーの趣味趣向によせたデザインにすることも、改善ポイントの1つです。
代表的な活用例では、ホバーエフェクトやクリックアニメーションがあります。
カーソルを画像や文字に合わせると拡大・縮小・強調したり、クリックをするとアニメーションがあったりと、動的なアクションをつけることで、サイトやブランドの魅力が上がります。
信頼性
ユーザーから企業やブランド、提供元を信頼してもらうためには、正確な情報の提供が極めて重要です。
どんなに使いやすくてわかりやすいデザインであっても、情報に信憑性がなければ、ユーザーは利用の価値を感じなくなってしまいます。
ユーザーが安心してサービスを利用できるよう、情報の発信元や企業の詳細情報など、必要な情報を正確に明記しましょう。
他にも、サイト・プライバシーポリシーの明記や、誤字脱字のない文章、ユーザーの入力情報を暗号化してサーバーに転送するフォームのSSL対応なども、改善ポイントです。
デザインしたWebサイトが信頼できるものか、ユーザー視点で見直して、模索することが大切です。
良いUXデザインの実際の事例

UXデザインの構造や良いデザインのポイントは押さえられても、実際にとのようなデザインがUXを高めているのかわかりづらいことも多いですよね。
最後に、UXデザインが優れたサービス・サイトと、具体的な成功ポイントを紹介します。
UXの構造要素を網羅し、いいUXへと導いたポイントを簡単にわかりやすくまとめましたので、今後のUXデザインのヒントになりますよ。
Spotify
音楽ストリーミングサービスのSpotifyは、ユーザーのニーズに沿って、使いやすく魅力的なUXデザインにしたことで、人気に火がつきました。
特に評価が高いのは、シンプルで直感的なナビゲーションです。
楽曲の検索・再生・保存の一連の操作が容易で、レイアウトもわかりやすいため、ユーザーは快適に音楽を楽しめます。
また、ユーザーの好みや再生履歴に合わせてプレイリストがカスタムされたり、おすすめの楽曲が提供されたりする機能も搭載され、新たな音楽との出会いが体験できる点も魅力の1つです。
ほかにも、オフラインでの楽曲再生が可能で、音楽ストリーミングでありがちなストレスもなく楽しめる利便性や、SNSで楽曲の共有が可能な時代に合ったコミュニティなども、ユーザーの満足度を高めています。
ユーザーのニーズや趣味趣向に沿ったデザイン・機能・コンテンツの提供により、UXを向上させたことは、UXデザインの良い例になります。
Google Maps
今ではなくてはならない存在となったGoogle Mapsも、2012年より大幅なアップデートを積み重ね、優れたUXデザインにより成功を収めました。
社会状況やユーザーニーズ、使いやすさの観点から、地図アプリの再定義をしたことが、最大の改善ポイントと言えるでしょう。
こちらもシンプルで直感的なデザインが特徴で、画面上には、検索・位置情報・経路などの最低限の情報が表示され、その使いやすさからユーザーの満足度を上げています。
その中でも、地図アプリとして重要な役割の「検索」では、目的地のピン表示と経路が瞬時に検出されたり、車や徒歩、交通機関など多様な移動手段と所要時間が同時に確認できたりします。
この検索時間と情報表示のスピーディーさが、価値ある体験へとつながっているのです。
また、デバイスごとに利用できるユーザー中心と利便性や、レビュー・評価による情報の信憑性など、優れたUIデザインが施されている点も、 UXデザインの成功例として挙げられます。
Airbnb
Airbnbは、使われていない部屋や物件を宿泊施設として提供し、世界各国の人々が宿泊できるサービスで、現在大きな注目を集めています。
フォームの使いやすさや魅力的で豊富な情報がUXデザインの特徴です。
例えば、検索の際に予定日や目的地、人数などの入力が簡単で、それだけでニーズに合った宿泊施設の検索・予約が可能です。
さらには、Webサイトとアプリの操作に一貫性があるため、Webからでもアプリからでもスムーズにサービスを利用できます。
また、視覚的デザインの重要視から、ホスト先や宿泊施設のページでは文章よりも豊富な画像を有効に活用し、ユーザーにとって強く惹かれるための工夫がされています。
画像を通してユーザーのニーズに沿った雰囲気や目的地かを把握できる点は、予約者として安心ですよね。
その上、詳細情報やレビューにより具体的な情報も得られるため、ユーザーにとっても大きな信頼感を抱けて、UXデザインとして効果絶大です。
Amazon
世界的に有名なネットショップサイトのAmazonも、操作のシンプルさや購入体験の安定感、ブランドへの信頼感などから、UXデザインの成功例として挙げられています。
商品名やキーワードを入力して簡単に検索できたり、ホーム画面で大量の商品を表示させなかったりと、意外性のあるシンプルさが、ユーザーにとって馴染みやすい印象を与えます。
また、カテゴリ別や絞り込み機能、「今すぐ買う」での即購入、配達の早さなど、あらゆる点から効率性も高く発揮され、ユーザーの課題をいち早く解決することが可能です。
ほかにも、Amazonの魅力として挙げられるのは「楽しさ」です。
豊富な商品を取り揃えているので、検索でヒットした商品や類似商品、おすすめ商品などが一度に多くの情報が表示され、ユーザーの選択肢を拡大して、最適な答えを見出せます。
特に、類似・おすすめ商品では「こっちのほうが安い」「こんなのもあるんだ」と、商品との新たな出会いの可能性もあり、買い物の楽しさを体験できます。
写真や動画をシェアしてコミュニティを築くInstagramも、優れたデザイン性により世界中から支持されているサービスです。
最大の特徴は、写真・動画を中心とした視覚的情報のわかりやすさと楽しさです。
ホームや検索、ストーリーのいずれにおいても、投稿された写真や動画が真っ先に大きく表示されます。
これにより、探している情報がわかりやすく見つけられたり、ユーザーが興味を持ったりと、ユーザーが利用したくなる効果を大いに発揮しています。
また、検索では、ユーザーがよく見る投稿のジャンルに沿っておすすめの投稿の自動カスタマイズや、ハッシュタグの検索によって、欲しい情報を効率よく見つけられる要素も、ユーザーニーズを満たすポイントです。
これらの要素を踏まえ、ユーザー間のコミュニケーションの機会も得られるSNSならではのサービスも施されています。
視覚や操作、ユーザー同士などあらゆる接点からニーズを満たしていることで、良いUXデザインへと成功したのでしょう。
まとめ

UXデザインは、ユーザーがサービス・製品を利用してニーズを満たせる「良い体験」ができるよう設計することを言います。
ユーザーのニーズや課題を把握し、「どうしたら満足できるか」とユーザー視点でデザイン・検証を積み重ねていくことが重要です。
そして、良いデザインを設計するためには、5段階の構造、UIデザインとの関係性と重要性、 UXの構造要素などの理解を深めて活用し、良いユーザー体験の提供へとつなげていきましょう。
また、自社でのデザイン設計でお悩みの場合は、外部への委託も可能です。
株式会社Jiteraでは、UI/UXデザインやビジュアルの設計、UXの視点など、豊富な実績に基づいて貴社の要件に沿った的確なアドバイスが提供できます。
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