VB.Netという言葉は耳にしたことがあるかもしれませんが、具体的にどのようなものか、何ができるのかを詳しく知らない方も多いでしょう。ここでは、VB.Netの基本的な概要と、どのようなメリットやデメリットがあるのかを解説します。
また、VB.Netを活用するための開発環境や、効果的な勉強法についても紹介します。これからVB.Netを学びたいと考えている方は、この記事をしっかりと読んで理解し、VB.Netを用いた開発スキルを身につけるための第一歩を踏み出してください。
プログラマー(PG)経験 3年 システムエンジニア(SE)経験 8年 プロジェクトマネージャー(PM)経験 7年 過去の開発システム ・ロケット飛行安全システム ・魚雷発射評価シミュレーションシステム ・船舶電話システム ・NHK番組管理システム ・IBM生産管理システム(データベース設計) ・学習塾管理システムパッケージソフト開発 ・6軸アームロボット開発 ・露光装置監視システム その他多数システム開発にかかわってきました。 39歳で独立して、アフィリエイトシステム開発と運営を3年ほど行い、 ライター業務を始めて現在に至ります。
VB.Netとは

VB.Net(Visual Basic .NET)は、Microsoftが開発したオブジェクト指向プログラミング言語です。VB.Netは、.NET Framework上で動作するプラットフォームを利用してソフトウェア開発が可能です。
この言語は、使いやすさと効率の良さを兼ね備えており、誰でも低コストでソフトウェアを開発できるため、広く利用されています。VB.Netは、特に初心者からプロフェッショナルまで幅広く支持されている人気のある開発言語です。
VB.NetとVBとの違い
VBは初期段階で誰でも簡単にプログラミングができるように開発された言語で、オブジェクト指向はほとんどなく、VB.Netは、オブジェクト指向を考慮していて、本格的なアプリケーション開発に向いています。
| 項目 | VBの特徴 | VB.NETの特徴 | 
| プラットフォーム | Windows上での開発を行う | .NET Frameworkおよび.NET Core/.NET 5以降のプラットフォーム上の開発 | 
| 言語機能 | 旧開発言語なので、.NET環境のサポートはほどんどない | 例外処理、ジェネリクス、言語統合クエリなど最新の言語機能が搭載 | 
| 開発環境 | 古い開発環境なのでVB.NET開発のような環境は利用できない | 最新の統合開発環境が利用可能 | 
| オブジェクト指向 | オブジェクト指向の概念がほとんどない | 完全なオブジェクト指向プログラミング言語である | 
VB.NetとVBAとの違い
VB.Netは汎用的なアプリケーション開発に向いていて、VBAはOfficeアプリケーションとの結合をするうえで効果的な言語です。
| 項目 | VB.NETの特徴 | VBAの特徴 | 
| プラットフォーム | .NET Frameworkおよび.NET Core/.NET 5以降のプラットフォーム上での開発 | Microsoft Office アプリケーション上で行う | 
| 開発環境 | 最新の統合開発環境が利用可能 | Microsoft Officeアプリケーション内に組み込まれているVBAエディタを使って開発する | 
| オブジェクト指向 | 完全なオブジェクト指向プログラミング言語 | オブジェクト指向は基本限定的でなし | 
| コンパイルと実行 | 実行する前にコンパイルし、.NET Frameworkや.NET Coreで実行 | 実行時に1コードずつ解釈して実行する | 
VB.NetとVBScriptとの違い
VB.NetとVBScriptはMicrosoftによって開発された言語です。VB.Netは本格的なアプリケーション開発を行うに向いていて、VBScriptは簡単なシェルスクリプト言語で、簡単なジョブをコーディングするときには便利な言語です。
| 項目 | VB.NETの特徴 | VBScriptの特徴 | 
| プラットフォーム | .NET Frameworkおよび.NET Core/.NET 5以降のプラットフォーム上での開発 | ウェブブラウザ・Windowsのスクリプトエンジンで使用される | 
| 言語機能 | 例外処理、ジェネリクス、言語統合クエリなど最新の言語機能が搭載 | オブジェクト指向のサポートがなく動的型付けで、比較的簡単な構文で作られる | 
| 開発環境 | 最新の統合開発環境が利用可能 | テキストエディタ・Windows Script Hostで作成する | 
VB.Netのメリット

VB.Netはオブジェクト指向型の開発言語で、利用する側には多数のメリットがあります。ここでは、VB.Netのメリットを解説します。
無料で利用できる
VB.Netを用いたアプリケーション開発の最大のメリットは、その開発環境を無料で利用できる点です。MicrosoftのVisual Studio Communityエディションが提供されており、これにはデバッグツール、コード補完、GUIデザインツールなど、開発に必要な全ての機能が含まれています。
また、VB.Netに関連する情報やサポートも充実しており、公式ドキュメントやフォーラム、コミュニティサイトなどが無料で提供されているため、問題解決や学習の際にもコストを抑えられます。
可読性が高く初心者に優しい
VB.Netはプログラミング初心者に非常に適した言語です。その理由は、自然言語に近い構文を採用しており、直感的に理解しやすいコード作成が可能であるためです。この特徴により、コードがより読みやすく、保守が容易になります。また、豊富なリソースとサンプルコードが提供されており、初心者でも簡単に学ぶことができます。
自然言語のようなわかりやすいコードが使える
VB.Netの最大のメリットの一つは、そのわかりやすいコードを書くことができる点です。VB.Netは自然言語に近い構文を採用しており、直感的で理解しやすいコードを記述できます。
このため、コードが非常にわかりやすく、プログラミングの初心者でも学びやすいです。わかりやすいコードは、デバッグの際にも大いに役立ちます。エラーを効率的に発見し、短時間で修正できるため、開発プロセスがスムーズに進みます。
さらに、開発後にコードの修正や機能追加を行う際にも、最初にプログラミングを行った人以外でも容易に理解し、作業を進めることができます。このように、VB.Netの簡潔で理解しやすいコードは、プログラミング初心者が勉強を始める際にも非常に適しており、学習や開発のハードルを低くしています。
フォームによる効率的な開発が行える
VB.Netは、ビジュアルなGUIデザインツールを提供しており、ドラッグ&ドロップ操作でフォームの作成が可能です。この機能により、プログラミング初心者でも直感的にユーザーインターフェースを設計しやすく、コーディングの手間を大幅に削減できます。
この直感的で効率的な開発環境により、アプリケーション開発がスムーズに行え、プログラミングの学習がしやすくなるのです。
オブジェクト指向と手続き型のどちらにも対応できる
VB.Netは、オブジェクト指向型プログラミングと手続き型プログラミングの両方に対応しているため、非常に汎用性が高いプログラミング言語です。
オブジェクト指向型の特性を活かして、複数のプロセスやジョブを同時に実行し、柔軟で拡張性のあるアプリケーションを構築することができます。また、手続き型プログラミングのスタイルもサポートしており、シンプルで効率的なコードの記述が可能です。
これにより、開発者は自分のニーズやプロジェクトの要件に応じた最適なプログラミングアプローチを選ぶことができます。さらに、VB.Netは英語に近い表現でコーディングが行えるため、コードが直感的で読みやすく、理解しやすいという特徴があります。
ダックタイピングが使える
ダックタイピングとは、プログラミングにおける型システムの一つで、オブジェクトの具体的なデータ型や内部構造を重視せず、オブジェクトが持つメソッドやプロパティに基づいて型を判断する方法です。
これは、オブジェクトが特定のインターフェースを実装していれば、そのオブジェクトが期待する動作を提供するものであると見なされる考え方です。
VB.Netでダックタイピングを活用することで、型に対する柔軟性が大幅に向上し、より使いやすいコーディングが可能になります。ダックタイピングを利用することで、開発者は型の詳細に煩わされることなく、より抽象的で汎用的なコードを書くことができます。
Windows系開発の幅が広がる
VB.Netは、Visual Studioという強力な統合開発環境を利用できるため、プログラミング初心者でもスムーズに開発を進めることができます。Visual Studioには、デバッグツール、コード補完機能、GUIデザインツールなど、プログラム開発に必要な豊富な機能が揃っています。
デスクトップアプリケーション開発
VB.Netは、デスクトップアプリケーションの開発において特に強力です。Windowsフォームライブラリを活用することで、直感的で柔軟なユーザーインターフェースを持つアプリケーションを簡単に作成できます。これにより、ユーザーのニーズに応じたカスタマイズ性の高いデスクトップアプリケーションを構築することができます。
ウェブベースアプリケーション開発
VB.Netはウェブベースのアプリケーション開発にも適しています。ASP.NETとの統合によって、安定性の高いウェブサイトやウェブサービスを構築することができます。これにより、動的なウェブアプリケーションや企業のビジネスニーズに対応したオンラインサービスの開発が可能になります。
VB.Netの持つ強力なツールとライブラリの組み合わせにより、デスクトップアプリケーションやウェブアプリケーションの開発がスムーズで効率的に行えるため、幅広い開発ニーズに対応できるのが大きな魅力です。
VB.Netのデメリット

VB.Netにはメリットばかりではありません。デメリットもあります。VB.Netのデメリットにはどのようなものがあるのかを具体的に解説します。
複雑すぎる開発には不向き
VB.Netには、複雑なプログラミングに対していくつかのデメリットがあります。特に、ボタンやテキストボックスなどのGUI開発には優れた適性を持っていますが、非常に複雑なシステムやアーキテクチャの構築には不向きです。
その理由として、VB.NetはシンプルなUIの作成には向いているものの、複雑なロジックや大規模なシステムの構築では他の言語と比べて相性が良くないことが挙げられます。
また、高パフォーマンスが要求されるアプリケーションにおいても、VB.Netは他の言語(例えばC++やC#)と比べるとパフォーマンスが劣るため、性能重視のプロジェクトには適していないことがあります。
将来性に不安がある
VB.Netの将来性については、いくつかの懸念があります。まず、C#やJavaScript、Pythonなどの言語が登場し、複雑なプログラミングや最新の開発トレンドに対応しているため、VB.Netの人気は相対的に低下しています。特に、C#はマイクロソフトの主要な開発言語として多くのリソースが投入されており、新機能やアップデートが積極的に行われています。
それに対して、VB.Netへの関心は減少しており、Microsoft自身もC#や他の言語に注力している状況です。これにより、VB.Netの将来的なサポートや機能追加が限られる可能性があり、技術選定において不安が残ることがあります。
VB.Netを使うには?主要な開発環境

VB.Netでのプログラミングを行うときに、どのような開発環境があるのでしょうか。VB.Netでプログラミングを行うときの快活環境としては、以下の2つが代表的なものです。
- Visual Studio(Visual Studio Community)
 - Visual Studio Code
 
それぞれの開発環境の特徴・機能について解説します。
| 開発環境 | 特徴 | 機能 | 
| Visual Studio
 (Visual Studio Community)  | 
  | 
  | 
| Visual Studio Code | 
  | 
  | 
Visual Studio(Visual Studio Community)、Visual Studio Codeには特徴や機能の違いがあります。自分にあった開発環境を選択してプログラミングを行いましょう。
VB.Netを学習する方法

ここまでVB.Netの特徴、メリット・デメリット、開発環境などについて解説してきました。ここでは、実際にVB.Netの勉強をしてプログラミングができるようになるためにこなうと早期に習得できる方法を解説します。
公式のチュートリアルを利用する
Visual StudioやVisual Studio Codeを効果的に学ぶためには、公式のチュートリアルを利用するのが最適です。公式のチュートリアルは、特に初心者に向いており、基礎から段階的に学びながら、標準的な使い方をマスターするのに役立ちます。
公式チュートリアルには無料と有料の選択肢があり、まずは無料のチュートリアルを利用することで、基本的な機能や使い方を学ぶことができます。公式サイトでは、簡単な操作から高度な機能まで幅広くカバーしています。
さらに、より深く学びたい場合や専門的な知識を求める場合には、有料の書籍やオンラインコースを利用するのもおすすめです。これにより、専門的な内容や実践的なスキルを身につけることができ、より効果的に学習を進めることができます。
オンライン講座やスクールに申し込む
公式チュートリアルを利用した後にオンライン講座やスクールに申し込むことで、さらに本格的な学習が可能です。オンライン講座やスクールでは、自分のペースで学べるため、より深い理解が得られます。
これらの講座やスクールは、24時間いつでもアクセスできるビデオやコンテンツを提供しており、自分の都合に合わせて学習を進められます。プログラミング、デザイン、ビジネススキルなどの専門性の高い分野に対応したスクールもあり、業界のプロから直接指導を受けられるのです。
また、プロジェクトベースの学習を通じて、実践的なスキルを身につけられます。費用は、無料のコースから数十万円の有料コースまで幅広く、最初は無料のコースで基礎を学び、その後に有料コースでさらに深く学ぶのが良いでしょう。
動画や書籍で独学する
VB.Netを独学する際には、動画や書籍を活用する方法があります。動画で学ぶと、視覚的に操作手順や技術的な部分が理解しやすくなります。具体的な操作やテクニックを実演することで、細かな部分も把握しやすく、学習したい内容を再度視聴することができるのも便利です。さらに、無料で利用できる動画も多くあります。
一方、書籍を使った学習には、専門的な知識を深く学べるメリットがあります。書籍は持ち運びができるため、場所を選ばずに学ぶことができ、安価で購入しやすい点も魅力です。また、書籍は体系的に知識を整理しながら学ぶのに適しています。
どちらの方法も自己のペースで進めることができるため、自分の学習スタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
コミュニティーやフォーラムに参加する
コミュニティーやフォーラムを利用することで、迅速に自分が知りたい情報に対する回答を得られます。これらのプラットフォームでは、専門的な知識を持った複数の人々の意見を聞くことができるため、問題に対する多角的な視点を得ることができます。特に、特定の技術的な疑問や課題に直面した際には、迅速に解決策を見つけるのに役立ちます。
多くのコミュニティーやフォーラムは無料で参加できるため、コストをかけずに他のユーザーと情報交換しながら学習を進めることが可能です。リアルタイムでの対話を通じて学びたい人や、疑問点が生じた際にすぐに解決したい人には非常に有効な勉強法です。コミュニケーションを取りながら学ぶことで、学習の効率も高まり、理解が深まります。
まとめ:VB.Netを習得すればWindows系開発で有利になる

ここまで、VB.Netについての概要・メリット・デメリット、そして開発環境にはどのようなものがあり、どのような人が学ぶといいのかについて解説してきました。また、VB.Netを習得すると、Windouwsの開発をするときには有利になります。VB.Netを学ぶにはどういう学び方があるのかも紹介してきましたので参考にしてください。
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