React Hooks(フックス)とは?仕組みやできることをわかりやすく解説!

React Hooksは、ReactというJavaScriptのライブラリに組み込まれた機能です。この記事では、その特徴、基本的な使用方法、そして注意すべきポイントについて易しく説明しています。UI開発、特にWebサービスの開発に関わるシステム担当者、事業責任者を対象に解説していきます。

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監修者 Ando

東京在住、大手IT企業出身、Web業界10年以上のアラサーです。新規事業開発やシステム開発にプロジェクトベースで関与したりこれまでの経験をもとに執筆活動を行っています。

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    React Hooks(フックス)の概要

    Reactは、Meta(Facebook)によって開発されたJavaScriptライブラリであり、ユーザーインターフェースの構築に使用されます。Reactを使用することで、再利用可能なコンポーネントを作成し、効率的かつスケーラブルなアプリケーションを構築することができます。

    React Hooks(フックス)は、React 16.8で導入された新機能です。これにより、クラスコンポーネントを書かずに、関数コンポーネント内でReactの機能を使用することができます。Hooksは、状態の管理や副作用の実行など、様々な機能をシンプルに実現するための仕組みです。

    React Hooksは、クラスコンポーネントよりもシンプルで読みやすいコードを書くことができるため、初心者にも扱いやすいです。また、既存のコードに対しても後方互換性があるため、既存のプロジェクトにHooksを導入する際にも比較的容易です。

    React Hooksの基本的な使い方や機能について、以下で詳しく解説していきます。

    React Hooks(フックス)の特徴とメリット

    React Hooks(フックス)は、React 16.8で追加された新機能です。これにより、クラスを書かずにReactの機能を使うことができます。React Hooksは、関数コンポーネントで実行されるため、コンポーネントの管理が簡単になり、初心者でも利用しやすいです。

    React Hooksの特徴とメリットは以下の通りです。

    関数コンポーネントにステートを持たせる

    以前は、クラスコンポーネントでステート(状態)を管理していましたが、React Hooksを使うことで、関数コンポーネントでもステートを持つことができるようになりました。useStateというフックを使うことで、関数コンポーネント内で状態を管理できます。このフックは現在の状態の値と、状態を更新するための関数を返します。

    ライフサイクルに応じた処理の実行

    React Hooksのもう一つのメリットは、ライフサイクルに応じた処理の実行です。useEffectというフックを使うことで、外部のシステムとの同期や特定のタイミングでの処理を行うことができます。これにより、クラスコンポーネントのライフサイクルメソッドを使わずに、関数コンポーネントで同様の処理を行うことができます。

    再利用可能な関数の作成

    React Hooksを使うことで、再利用可能な関数を簡単に作成できます。フックは単純なJavaScriptの関数であり、他のフックやカスタムフックと組み合わせることができます。これにより、関数を分割し、コードの再利用性を向上させることができます。

    これらの特徴とメリットにより、React Hooksを使うことでコードが簡潔になり、読みやすくなります。また、既存のコードを書き換えずにReact Hooksを導入することができ、後方互換性も保たれています。ただし、React Hooksは関数コンポーネント内でのみ呼び出すルールがあり、ループや条件分岐、ネストされた関数内での呼び出しは避ける必要があります。

    React Hooks(フックス)の使い方

    React Hooks(フックス)を使うことで、関数コンポーネント内でReactの機能を利用することができます。具体的には、useState関数とuseEffect関数を使うことで、状態の管理や特定のタイミングでの処理を行うことができます。以下では、useState関数とuseEffect関数の使用法について説明します。

    useState関数の使用法

    useState関数は、関数コンポーネント内で状態を管理するためのフックです。useState関数は、現在の状態の値と、状態を更新するための関数を返します。具体的な使用法は以下の通りです。

    1. import文を使ってuseState関数をインポートします。
    2. 関数コンポーネント内で、useState関数を呼び出して状態を作成します。
    3. useState関数の引数には、状態の初期値を指定します。
    4. useState関数は、現在の状態の値と、状態を更新するための関数を返します。
    5. 状態の値は変数に代入して利用することができます。
    6. 状態を更新するための関数は、イベントハンドラなどで呼び出すことができます。

    以下に具体的なコード例を示します。

    “` import React, { useState } from ‘react’; function Counter() { const [count, setCount] = useState(0); const increment = () => { setCount(count + 1); }; return (

    Count: {count}

    Increment

    ); } “`

     

    上記の例では、useState関数を使ってcountという状態を作成しています。countは現在の状態の値であり、setCountは状態を更新するための関数です。increment関数はボタンがクリックされたときに呼び出され、countの値を1つ増やします。

    useEffect関数の使用法

    useEffect関数は、関数コンポーネント内で特定のタイミングでの処理を行うためのフックです。具体的な使用法は以下の通りです。

    1. import文を使ってuseEffect関数をインポートします。
    2. 関数コンポーネント内で、useEffect関数を呼び出して処理を実行します。
    3. useEffect関数の第1引数には、処理の内容を記述した関数を指定します。
    4. useEffect関数の第2引数には、関数の実行タイミングを指定する依存配列を指定します。
    5. 依存配列を省略すると、関数コンポーネントが初期描画されるたびに処理が実行されます。
    6. 依存配列に変数を指定すると、その変数の値が変更されたときに処理が実行されます。
    7. useEffect関数の中でクリーンアップ処理を行いたい場合は、関数を返すことができます。

    以下に具体的なコード例を示します。

    “` import React, { useState, useEffect } from ‘react’; function Timer() { const [seconds, setSeconds] = useState(0); useEffect(() => { const interval = setInterval(() => { setSeconds(prevSeconds => prevSeconds + 1); }, 1000); return () => { clearInterval(interval); }; }, []); return (

    Seconds: {seconds}

    ); } “`

    上記の例では、useEffect関数を使って1秒ごとにsecondsの値を更新しています。useEffect関数の第1引数には無名関数を指定しています。無名関数の中でsetInterval関数を使って1秒ごとにカウントアップを行っています。また、useEffect関数の返り値としてクリーンアップ処理を行う関数を指定しています。

    React Hooks(フックス)の実用例

    React Hooks(フックス)を使用すると、さまざまな実用的な場面でコードをシンプルかつ効果的に記述することができます。以下にいくつかのReact Hooksの実用例を示します。

    1. フォームの状態管理

    フォームに入力された値を管理する場合、useStateフックを使用すると状態を簡単に管理できます。例えば、ユーザー名とパスワードを入力するフォームがある場合、以下のようにuseStateフックを使用して状態を管理できます。

     

    const LoginForm = () => {
    const [username, setUsername] = useState(”);
    const [password, setPassword] = useState(”);

    const handleUsernameChange = (event) => {
    setUsername(event.target.value);
    };

    const handlePasswordChange = (event) => {
    setPassword(event.target.value);
    };

    return (

    ); };

     

    このようにすることで、フォームの入力値を状態として管理することができます。

    2. APIとのデータ同期

    外部のAPIからデータを取得し、Reactコンポーネントに表示する場合、useEffectフックを使用すると便利です。以下は、useEffectフックを使用して、APIからデータを取得し、コンポーネントに反映させる例です。

     

    const DataComponent = () => {
    const [data, setData] = useState([]);

    useEffect(() => {
    fetch(‘https://api.example.com/data’)
    .then(response => response.json())
    .then(result => setData(result));
    }, []);

    return (
    {data.map(item => ( {item.name} ))} ); };

     

    この例では、コンポーネントがマウントされた時に一度だけAPIからデータを取得し、取得したデータを状態として管理しています。

    これらはReact Hooksの一部の実用例ですが、他にもさまざまな応用例が存在します。React Hooksを使用することで、コンポーネントの状態管理やデータの取得など、よりシンプルで効率的なコードを記述することができます。

    注意点と振る舞いのルール

    React Hooks(フックス)を使用する際には、注意点や振る舞いのルールに従う必要があります。これにより、コードの安定性や予測可能性を高めることができます。

    まず、React Hooksは関数コンポーネント内でのみ呼び出す必要があります。クラスコンポーネントやループや条件分岐など、他の場所でHooksを使用することはできません。これは、HooksがReactの内部で特定の順序で呼び出されることを前提としているためです。

    また、Hooksは常に同じ順序で呼び出す必要があります。これは、Hooksの呼び出しの順序に依存しているためです。そのため、条件付きでHooksを呼び出すようなコードやループ内でHooksを呼び出すようなコードは、意図しない振る舞いを引き起こす可能性があります。

    さらに、Hooksはネストされた関数内での呼び出しも避ける必要があります。関数内でHooksを呼び出す場合、それはその関数自体がコンポーネントの一部であることを意味し、Hooksはコンポーネントのルールに従って呼び出されるべきです。

    React Hooksの使用には、eslint-plugin-react-hooksというESLintプラグインを使って検証することが推奨されています。これにより、Hooksに関するベストプラクティスやルールに従うことができます。

    以上がReact Hooksの注意点と振る舞いのルールです。これらのルールに従うことで、コンポーネントの機能を安全に管理し、予測可能な振る舞いを実現することができます。

    React Hooks(フックス)を使ったプログラムの高速化

    メモ化とhook

    React Hooks(フックス)を使ったプログラムの高速化には、メモ化とhookの組み合わせが有効です。

    メモ化は、関数の実行結果をキャッシュしておくことで、同じパラメータでの再計算を省略する技術です。これにより、処理速度を向上させることができます。

    React Hooksでは、useMemoというフックを使用してメモ化を行うことができます。useMemoは、計算結果を保持するためのキャッシュを作成し、依存関係が変更されない限り、同じ結果を返します。

    例えば、あるコンポーネント内で重い計算を行う場合、その計算結果をuseMemoを使ってメモ化することで、再描画時に再計算する必要がなくなります。

    また、useCallbackというフックを使用して、コールバック関数のメモ化も行うことができます。useCallbackは、依存関係が変更されない限り、同じコールバック関数を返します。これにより、子コンポーネントに渡されるコールバック関数が同じであれば、再描画時に再生成する必要がなくなります。

    メモ化とhookを組み合わせることで、パフォーマンスの向上とコンポーネントの再描画の最適化が可能になります。重い処理や再計算が必要な場合には、積極的にメモ化とhookを活用しましょう。

    まとめ

    今回はReact Hooks(フックス)について概要や特徴、使い方、実用例、注意点、そして実行プログラムの高速化について解説しました。

    React HooksはReact 16.8で追加された新機能であり、クラスを書かずにReactの機能を使うことができます。また、後方互換性があり既存のコードを書き換えずに利用できます。

    React Hooksの特徴としては、関数コンポーネントにステートを持たせることができる点や、ライフサイクルに応じた処理の実行、再利用可能な関数の作成などがあります。

    具体的な使い方としては、useState関数を使って関数コンポーネント内で状態を管理することや、useEffect関数を用いることで外部のシステムとの同期や特定のタイミングでの処理を行うことができます。

    また、React Hooksを使うことでコードが簡潔になり、読みやすくなるというメリットもあります。ただし、React Hooksは関数コンポーネント内でのみ呼び出すルールがあり、ループや条件分岐、ネストされた関数内での呼び出しは避ける必要があります。

    最後に、React Hooksには他にもState HooksやContext Hooksなど、さまざまな種類のフックが存在し、eslint-plugin-react-hooksというESLintプラグインを使って検証することが推奨されています。

    React HooksはReactを使う上で非常に便利な機能であり、これまでのクラスコンポーネントでは実現が難しかったことも簡単に実現できるようになりました。是非、Hooksの使い方を覚えて効率的な開発を行いましょう。

    この記事ではReact Hooksについてご紹介しました。React Hooksについてまずはどのようなものか理解したいと考えている方、React Hooksを取り入れるべきか検討されている方にとって、参考になりましたら幸いです。

    React Hooks含めた技術選定など開発課題をお持ちの方はぜひ一度Jiteraまでご相談ください。

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