データ活用が当たり前になっている直近、鍵を握るのがBI(ビジネスインテリジェンス)です。データを集約し、分析し、可視化する…これらの対応を人間の力で行うにはスキルとコストがたくさん必要になってきます。ですが、BIを利用することで、ITの知識がない方でも簡単にデータ分析からレポーティングまで行えます。
この記事では、BIの定義やBIツールの種類や使い方など、知っておくべきBIに関する情報をまとめました。
ぜひこちらの記事を参考に、企業でもBIの促進を進めていきましょう。
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
BI(ビジネスインテリジェンス)とは?
BIの定義は組織内で情報共有するためのシステムのことを指していました。ですがこちらの定義は少し古く、近代の定義は様々なデータとツールを組み合わせて、データから得られる情報を増やす支援全体のこととなり、より具体性の高い定義へと変化しています。
近年よりデータを参考にした意思決定の重要性が高まっている中で、データの集約が進んでいます。しかしその分今の企業が持つデータ量は莫大であり煩雑です。これらをビジネスに昇華しやすくするためにBIが注目されているのです。
BIではデータ自体に関する収集、蓄積、分析、可視化全てを含んだことを指していますが、実際BIをビジネスに活用する時はBIツールを理解することが重要となります。BIツールはその名の通りBIを行うために利用するツールですが、そのBIツールをうまく活用することで、データの活用レベルが向上します。企業のデータを最大限に活用するために、BIツールの活用術を身につけましょう。
BIツールはいらない?導入目的とメリット
企業が持っているデータを最大限活用するために、BIツールは必ず導入するようにしましょう。BIツールを使用することでデータの収集、蓄積、分析、可視化を一括で網羅することが可能です。特に可視化のわかりやすさによって、説得力が大きく変わります。
社内のデータをわかる人だけがわかる状態で止まらず、みんながデータを利用してより良い選択をできる環境を整えることで、企業で考える戦略の精度があがります。より企業を成長させるためにBIツールを有効活用していきましょう。
データの可視化と分析
すでに多くの企業でBIを用いた分析が進められています。実際BIツールはどのような分析に活用されているのでしょうか。
BIツールの利用例は以下です。
- 経営分析・財務分析
- 営業分析・売上分析
- 人事データ分析・残業分析
上記であげたように会社に必要なシーンのほとんどでBIツールが利用されていることがわかります。
経営分析や財務分析では企業の利益確保のためのデータが集約されていて、多くの収支が発生している企業や経理の人員が足りていない企業にとっては必要不可欠です。
また営業分析、売上分析のシーンではBIツールを使ってデータの可視化を行い、営業で利用するプレゼンでも活用されています。最後の人事や残業のデータに関しても、数値化しにくい人の状態などを把握するBIツールもあるため、今まで定性的にみられていたものも定量的に分析が行われるようになっています。
このようにデータはどのシーンでも活用できるものです。
ですが、そのデータの活用の仕方はシーンによって異なります。より適した活用方法を見つけ、正しくデータを分析し可視化することで、BIツールを利用する多くのメリットがあります。
業務効率化
BIツールをシーンに合わせて活用することで、業務効率化を狙うことができます。DXの一環にもなりますが、BIツールを利用することでデータの収集後の分析、可視化とスキルのある人の手で行っていた工程をツールによって自動化することが可能です。データの数が多くなるほど分析の幅は大きくなりますが、その分コストがかかっていたのも事実。その課題を解決できるツールになっています。
また、人事業務のように定性的に把握し判断するシーンが多いと、より一層会議に時間がかかるなど、決定材料に困ることもあったのではないでしょうか。そのような業務に関してBIツールの利用による業務効率化は大きく見込めます。
人の思考や経験などに基づく判断は判断者への負担が大きくかかりますが、データによって判断材料を得ることができればその負担も軽減。データの集約も基準を設定することで数値として確認することができ、可視化して現せるため納得感の得やすい業務へシフトすることができます。
データ活用の促進
そもそもデータ活用の促進はなぜ進められているのでしょうか。
まず1点目は「判断材料を得ることができる」という点です。上記でもあげたように、定性的な情報の最終決定は人間の思考や経験に頼るシーンが多く、負担の多い業務となります。このような業務の負担をデータによる判断材料を得ることで適切かつ負担を軽くして行うことができるのです。
また2つ目は、「現状把握をより容易に的確に行えることができる」という点です。今の会社の企業の業績はどうなっているのか、社員の体調、今後の新規事業の進行など、企業が大きくなるほど把握しなくてはいけないことが多々あります。
これらを1人の人間がツールもなしに把握しようとすると、多くの人に聞き回り、数字を確認し、まとめるなど多くのプロセスが必要です。ここでデータがあれば推移や進行などを基準に沿って確認できるようになります。
3点目は、「判断の正確性」です。企業を動かす上で判断を要するシーンは多数。その選択によって大きく企業の今後に影響します。そのようなシーンで判断する人のスキルに頼るのではなく、データを活用して根拠を明確にすることで多くの人がより良い判断を行えるようになるのです。
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BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの種類と特徴
BIツールを利用する際、シーンや企業の特徴に合わせたものを選ぶことが重要となります。BIツールにも種類や個性が多く存在しているため、しっかり見極めるのにもノウハウが必要になります。ノウハウを得た上で企業の目的などを参考にどのBIツールを使うべきか選定を行うようにしていきましょう。
では実際BIツールはどのようなものがあるのでしょうか。現在市場にある主要なBIツールの種類や特徴をそれぞれ紹介していきます。
データウェアハウス(DWH)
多くの企業が利用しているDWHは、企業内の複数システムから大量のデータを時系列で蓄積するシステムです。BIツールは可視化までを含むと前述していますが、DWHは集約を行うツールであり、企業内に煩雑に保管されているデータを時系列に一元化できるのが大きな特徴となります。
すでにデータの集約は行っているという企業でも、それらのデータは経理、販売、顧客、人事…と別のツールで管理しているという企業が多く感じます。それだとデータ同士を噛み合わせて分析を行うことが難しくなるのです。
そこで活用できるのがこのDWH。社内のデータを一括管理できるため、複数の空間で保管されていたデータもまとめて管理することが可能になります。より精度の高い分析を行うためには必要不可欠なシステムです。
データマート(DM)
「データの市場」と表されることが多く、企業が持っている膨大なデータの中から、目的や用途に合わせて一部を取り出したデータベースのことを指します。
DWHがデータの保管を意図したツールであるのに対して、より活用することを目的としているものです。
業務の中であるデータを確認して参考したいと思った際にデータマートを使うことで、必要に応じたデータのみを抽出しカスタマイズすることが可能になるため、ピンポイントで欲しい情報を得ることができるのです。データの保管場所の煩雑性をDWHで整え、より細かい視点でデータを整理するのがデータマートになります。
データは多いほど分析等に生かせるのは間違いありませんが、そのデータをうまく扱えなければ意味がありません。そのような問題自体を防ぐために、DWHやデータマートをうまく扱って、データの活用を行いましょう。
【無料あり】代表的なBIツール
Tableau | Qlik Sense | Power BI | Looker | Domo | Microsoft Power BI Desktop | Looker Studio | Redash | Pentaho | |
料金 (最安) |
– | 月額$20/ユーザー | 月額¥1,250 ユーザー |
– | – | 無料 | 無料 | 無料 | – |
機能 | OLAP分析 レポート ダッシュボード タブレット対応 |
レポート ダッシュボード タブレット対応 |
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ETL OLAP分析 レポート ダッシュボード タブレット対応 |
提供形態 | オンプレミス クラウド パッケージソフト SaaS |
オンプレミス クラウド SaaS ASP |
オンプレミス SaaS ASP |
クラウド SaaS ASP |
クラウド SaaS |
パッケージソフト | クラウドSaaS ASP |
OSS | オンプレミス クラウド |
特徴 | 大規模データの共有 | 連想技術やAI活用 | Microsoftの分析ツール Webのみ |
独自の言語でデータの一貫性 | 500以上のコネクター | 完全無料 ローカルのみ |
Googleデータと連携可能 | 一元管理とレポートを完全無料で | ETLとBIをオールインワンで対応可能 |
BIツールの種類に関して大まかに説明しましたが、より細かく見るとデータの集約を得意とするものや可視化に特化したツールなど、多くのBIツールがあります。では実際に自分の企業ではどのツールを導入するのが良いのでしょうか。ここではその参考になるようにBIツールの特徴をまとめて記載しました。ツールそれぞれの機能や特徴を確認して、自分の会社ではどのBIツールがふさわしいか、レベルにあったツールはあるのかなど確認していきましょう。
Tableau(タブロー)
Tableauは可視化・分析・共有が特徴のツールです。分析したデータをグラフなどわかりやすい状態にまとめるだけでなく、数多くのツールでそのまま共有が可能になっているため、多くの人へ理解できる形でのデータを共有することが可能になります。
またインタフェースに優れているため、なんとなく見ただけで扱える初心者にとっても優しいツールです。合わせて作成するグラフも自由度が高いため、より自分が作りたいイメージに近いものを作成することができるようになります。
また、グラフ作成後にデータが蓄積され続けるときも、データの自動更新での蓄積が可能。
毎月あるデータを確認したいというときもわざわざグラフを作り直す必要もないため、業務効率化の面で大きなメリットがあります。
Tableauは有料ですが、料金プランが3つ用意されているため、一度もっとも値段の低いプランを試してみて慣れてきたらより良いプランへ変更する、というようにスモールスタートでの利用も可能になっています。
Qlik Sense
Qlik Senseはデータの蓄積から可視化まで行えるサービスで、セルフサービスで利用できるBIツールです。こちらも操作性が直感的でわかりやすいため、誰でも利用しやすいものになっています。
また、連想技術を搭載しており、様々なデータを入れると自動的に同じ値や同じ項目を統合し関連付けをしてくれます。これにより、今まで相関が見えにくかった項目も発見できやすくなり、良いビジネスチャンスを見つけやすくなるのです。
そしてQlik Senseはデータの対応をオールインワンで対応可能になっており、事前集計等も不要です。また、ガバナンスもしっかりしており、データの定義や権限管理などをサーバーで一元管理できるため、データの正確性やセキュリティ面で安心して利用が可能です。
また料金プランも3プラン用意されており、小規模なチームや一部門での利用であれはスタンダートプラン、一番人気のプレミアムプランでは最大限にQlik Senseを利用できます。また、より柔軟性高く利用したい場合お問い合わせ相談で利用可能です。
https://www.qlik.com/ja-jp/products/qlik-sense
Power BI(パワーBI)
マイクロソフトが提供しているPower BI。最新のMicrosoft AIを利用しているため、専門知識がない状態でも多くの状態から正確なビジネスポイントを発見することができます。
マイクロソフトが提供しているため、今までOfficeを使っていた方はMicrosoft アカウントで管理が可能になります。今まで利用していたWordやPowerPointと操作感も似ているため、Officeツールに慣れている方に特におすすめです。
また、Azure ADやMicrosoft Cloud App Securityポータルを利用しているため、セキュリティも安心です。データを扱うということは個人情報なども保有することになるため、セキュリティにこだわってツールを選択するようにしましょう。
また料金も他のツールに比べて安価となっております。無料プランもあるため、まずはお試しも可能。操作感を知りたい場合のために、まずは無料で試してからツールを選択するのもおすすめです。
https://www.microsoft.com/ja-jp/power-platform/products/power-bi
Looker
LookerはGoogle Cloudが提供するBIツールです。大きく括るとBIツールで間違いはないのですが、単純なBIツールではなく、「データプラットフォーム製品」と称されています。大きな特徴としては独自の言語を記述することでデータの一貫性を担保することが可能です。Lookerを使うと組織全体で同様の分析結果を得られ、同じデータを参考にビジネスに昇華することが可能になっております。
Lookerの強みとして、ドリルダウン可視化機能があげられます。こちらの機能によりデータをより詳細に探索することができるのです。
また、他の強みとしてGit管理のしやすさがあげられます。全てがweb画面で操作でき、ダッシュボードや指標の定義がコード化してくれるので、運用管理がとてもしやすくなっています。
ただ、反対にローカルへの接続はできないので、もしセキュリティの問題などでローカルでの対応が必要になる場合は他のBIツールを利用するようにしましょう。
https://cloud.google.com/looker?hl=ja
Domo
BIツールの利用用途のほとんどがマーケティングに関する分析です。しかし、Domoはマーケティング分析以外の部分に強みを持っています。マーケティング以外のオペレーションや人事、財務などの業務に関するデータ分析を行うために500以上のコネクターを提供しています。またDomoも視覚的にわかりやすい操作性となっているため、経理部のようなコードに関わりがなかった人でも利用しやすいツールとなっています。
多くのコネクターがあるDomoだからこそ、クラウドや社内システムなど幅広いデータへすばやくアクセスすることができます。
また、可視化されるチャートやグラフなどに関しても、150種類以上のデータビジュアライゼーションが用意されています。そのため、よりデータをきれいに見せるグラフ、視覚的にわかりやすいグラフをよりこだわって作成することが可能です。
料金はお問い合わせとなっています。ですが無料トライアルも用意されているため、見積もりをあげつつ、無料トライアルで操作感を試してしっかり理解してから導入へ進むことができます。
Microsoft Power BI Desktop
こちらもマイクロソフトが提供しているBIツールです。Power BIと同様マイクロソフトから展開されているため、WordやExcelなどのように操作が可能、そのため今までOfficeツールを利用していた方々にとってとても使いやすくなっています。
Power BIとの大きな違いは作業する環境です。Power BIの説明時にWeb上でのみの利用としましたが、対してこちらのMicrosoft Power BI Desktopはデスクトップで利用することが可能になっています。
その分Microsoft Power BI Desktop単体では、Webで利用はできないためPower BIと一緒に利用することがおすすめです。Microsoft Power BI Desktopで作成したのち、完成したものをPower BIで展開するという使い方をされている方が多くなっています。
https://powerbi.microsoft.com/ja-jp/desktop/
Looker Studio(旧Google データポータル)
Looker Studio(旧Google データポータル)はGoogleから提供されているサービスです。利用料金が基本無料ということもあり、導入している企業も多いのではないでしょうか。機能としてはデータソースの連携・可視化・レポート作成などが入っており、BIツールとして必要な機能を持っています。
また、Googleから展開しているためGA4やGoogleサーチコンソールとの連携が可能です。これにより自社が持っているデータだけでなく、Googleが持っているデータとも連携して、自社の状況を確認することができます。
これらの特徴から、Webサイト分析や広告分析に利用されることが多く、マーケティング面で活躍してくれるツールになっております。
基本無料のためビジュアライゼーションなどに限りがありますが、基本的な機能だけで良い、Googleにすでに使い慣れている、という方にぜひおすすめのBIツールです。
https://cloud.google.com/looker-studio?hl=ja
Redash
RedashはOSSで提供されていて無料で使えるBIツールになっています。Redashはダッシュボードを作成するツールとなっていて、データの蓄積は他ツールを通して行い、連携する形で作成するものとなっております。
ですが、MySQLやTreasureData、Googleスプレッドシートとも連携が可能であるため、多くのデータを利用することが可能です。
データマイニングやプランニングの機能はなく、あくまでデータの一元化とレポート化がメインのBIツールとなっております。
そのため、データの蓄積はすでに行っているがバラバラな状態である、傾向など簡単なデータが見たいが作業に時間がかかるなどの課題を持っている企業におすすめです。
なお、ExcelやCSVには対応していないため、データをこれらで管理している企業の場合、他のツールを選ぶのが好ましいかもしれません。無料であることもあり、ひとまずデータの一元化を進めてみたいという方はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
Pentaho
Pentahoは世界的にも多くの企業に利用されています。データ収集〜加工・出力を行うことができ、データ統合基盤(ETL)と、BIを一緒に行うことができるツールです。ノーコードのためプログラミングスキルや知識がなくても簡単に開発が行える、初心者にもおすすめのツールです。
サポート体制もしっかりしていて、セキュリティ情報の毎週配信の中でリスクや解決策を配信しています。さらに、24時間体制で受付サポートがありますので、緊急時も迅速なサポートを受けられるようになっています。
料金に関してはお問い合わせになっておりますが、無料で30日間利用できるサービスなども行っています。サポート体制の充実もあるので、BIツール初心者の方は一度Pentahoにお問い合わせしてみても良いかもしれませんね。
https://www.hitachi.co.jp/products/it/bigdata/platform/pentaho/index.html
BIツールの使い方
ここまでおすすめのBIツールについて説明してきました。多くツールがある中で初心者向けのものと紹介しておりましたが、実際に企業で扱うとなるとある程度混乱は発生するかもしれません。データを一元化しグラフにしてみてもいまいちビジネスに昇華することが難しいものではあります。
事前の知識を少しでも持っておくためにここでBIツールの使い方について学びましょう。ビジネスで有効活用するための方法も合わせて紹介します。
データの収集・準備
まずデータはとにかく集めることから始まります。ある分析を行うためには、このデータが必要…というものもありますが、準備の段階ではひたすら集めることに注力することをおすすめします。どのようなデータもいずれか他の分析で必要になることや、クロス分析などで相関をみると新しい結果が見えてくることがあるためです。
収集元は軽いデータであればExcelやGoogleスプレッドシートなど、他にもSQLなど多くのツールが存在しています。また前述したツールの中にもあるように、収集や蓄積の機能があるBIツールを使うのもおすすめです。
合わせて保管場所に関して、WEB上にするならばサーバーも必要になってくるため、その準備もしておきましょう。
データの分析
ビジネスへの活用が狙えるデータの分析方法を3つ紹介します。企業の目的に合わせて分析方法を選んでいきましょう。
- 予実分析
- ABC分析
- クロス集計
まず予実分析とは、予算と実績の比較を行う分析です。現状の把握と、残りの余白を埋めるために何が足りないのかを簡単に確認することができます。BIツールを利用することで必要なデータをまとめ、簡単にレポートにまとめることが可能です。
2つ目はABC分析です。製品やサービスのウェイトを基準にランク付け・管理する方法になります。重要度ごとに並べ、上からABCとグルーピングしていきます。影響度が高い製品やサービスによりコストをかけるようにして、ビジネスの利益最大化を狙っています。
3つ目のクロス集計は、データの相関などを見つけるために、収集した全体のデータのうち2つもしくは3つ程度の属性に着目して集計・分析する手法です。この分析方法は多くのデータを持ち込み、様々な角度から分析を行うため難しいものですが、BIツールを使うことで自動化も狙うことができます。
データの可視化
最後にデータを分析したら行われるのが可視化です。データを順番に並べただけではなにがそのデータから得られているのかわからない状態になってしまいます。そのために可視化を行い、視覚的にこのデータ・分析からどのような傾向があり、どこがチャンスなのかを提示する必要があるのです。
可視化の種類として、レポーティングやチャート、グラフと大きく分けられます。定期的な数値の変化はレポーティングがおすすめ、またチャートやグラフに関しては傾向や分類を分ける際に使うことが良いです。
BIツールを使うことで多くの種類を簡単に作成してくれるので、適した可視化の方法を見つけるのにも最適です。
また可視化とデータ集約を別のツールで行うと、データが変わったら可視化した資料の数値も変えなくてはいけない手間もありますが、BIツールによっては自動で数値を更新してくれますので、業務効率化を狙うことができます。
BIツール導入の際の注意点
便利でありビジネスの中で使うべきBIツールではありますが、導入する上で潜在的なリスクも存在します。
BIツールにてデータの集約〜可視化まで簡単に行えますが、実際扱っていると分析までで止まり、その後ビジネスへの昇華がうまくできていないことや、BIツールを使ったとしてもデータが多くなり煩雑化が進んでしまうことも。
これらを回避するためにはどうするべきかお伝えします。
目的を明確にする
まずどんな分析を行うときも目的を明確にしてから行うことを意識しましょう。データの分だけ意思決定のヒントはあっても、ヒントしかなければなにも生まれません。データを使ってビジネスに生かすためには、目的を持った上でその目的に即したデータからヒントを得て意思決定を行うという流れがベストです。
目的はより明確な方がより良いです。例えば目的を「企業の状況把握」のみだと結局どのようなデータが必要なのか不明確です。より「社員の体調の状況把握」や「新規事業の動向」などより明確にすることで、よりピンポイントで参考になるデータを得ることができますよ。
必要なデータを把握する
前述しているように、「必要なデータ」というのはとても重要です。目的を明確にすることによってデータ分析の道筋が立てられますが、ここに関してもスキルがなければどのようなデータをとれるのかわからない場合もあります。それでは結局ありきたりなデータのみになってしまいます。
そのため欲しい情報を得るためには、どんなデータをとることができるか把握することも大切です。これらを理解するためには前述した分析方法を理解して、どの分析を行うことでどういった情報が得られるかを知ることも必要になってきます。
ですが、こちらもBIツールを利用することで自動化できたりもしますので、しっかり活用してみてくださいね。
適切なツールを選ぶ
前述した通りBIツールには多くのものが存在しています。またそれぞれ機能から違うため、企業が求める機能がないものを選んでしまうともったいないことに。まずは機能から、その後特徴などを見比べてより適したツールを選びましょう。
しかし、やはり知識がない状態で選ぶには難しいため、ツール導入の前にシステムに強い企業へ外部委託をして、ツールの相談をしながら選ぶことをおすすめします。ツールによっては導入後コードを使うシーンも出てきますので、そういった時の場合にも外部委託でBIツールを扱える方がいると安心ですね。
運用体制を整える
BIツールを取り入れるということは、今後データを業務の一部とした運用が始まっていくということになります。その準備としてデータ業務を取り入れた運用体制を整えておきましょう。
BIツールを利用して業務改善が狙えたとしても、業務が増えることに変わりはないため、データに時間を費やす人材が必要になります。また社内全体でもデータを確認する時間を取らないと、結局企業全体でデータを理解し状況を理解することにはなりません。
データに特化した部署を作ったり、定期MTGを開催し数値を振り返る時間を作ったりと、体制を整えた上でBIツールを迎えるようにしましょう。
継続的に改善する
データを扱うメリットとして変化を的確にみることができる、という点があります。しかしこのメリットは継続的な改善を行わないと活かすことができません。マーケティングは環境や状況に応じて流れが変わるものです。
特に新規事業のデータは要注意です。軌道に乗るまでのビジネスは特に変化が大きいので、少し目を話した隙に状況が大きく変わっているということも。
BIツールを利用すればグラフの数値も自動更新してくれますので、確認に工数も取りません。
データの振り返りを行い、分析をすることで因果が見えてきます。より的確・スピーディに改善できるよう、BIツールでデータを最大限に活用していきましょう。
まとめ:BIツールを効果的に活用
BIは今後のデータ社会では必要不可欠であり、大きな意思決定をする際の重要な指標となります。まだBIツールの導入ができていない方も、一度試しに使ってみてはいかがでしょうか。
BIツールの種類はたくさんあり、無料で試せるものも多数。まずは気軽に始められるツールから入って、データ管理の限界がきたら少し規模や機能の多いBIツールに変えていくのもおすすめです。
BIツールをうまく活用したいがスキルがないので心配、どのツールを選ぶべきか相談に乗って欲しいという方は、ぜひjiteraへ相談してみてください。企業の特徴に合わせた最適なBIツール、活用方法が見つかるかもしれませんよ。