ネイティブアプリ開発とは?仕組みやWebアプリとの違い・メリットまでわかりやすく解説!

ネイティブアプリという言葉を聞いたことや、読んだことはあるけれど、どのようなアプリのことだがわからない。知りたいという方は多いかとおもいます。この記事ではネイティブアプリとはなにか、メリットや特徴について解説しいきます。

この記事を読むことで、ネイティブアプリの定義や特徴、メリット・デメリットを確認できます。併せて、開発に利用される言語や流れ、注意点など実践的な内容もご紹介します。

監修者 元エンジニア takakuni7777

コンピュータの専門学校がプログラミング及び、コンピュータの基礎を学び、その後、日本電気の子会社で働きました。その後、いくつかの開発の仕事を経て,コンピュータの専門学校の講師兼担任を経験し、その後はフリーにてシステムエンジニアやプログラマーの開発の仕事を担当、そのかたわらプログラミングスクールや職業訓練所、企業の新人教育などを担当しました。 25年以上のシステムエンジニア、プログラマーの仕事の経験があります。

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    ネイティブアプリとは?

    ネイティブアプリとは、スマートフォンやタブレットなどの端末専用に設計・開発されたアプリケーションのことです。今、みなさんがブラウザでご欄になっているのはWEBです。WEB上で実行できるアプリをWEBアプリと呼びますが、ネイティブアプリはスマートフォンやタブレット等にインストールして使います。WEBを使わずにスマートフォンやタブレットの本体で実行されるのでネイティブアプリと呼ばれます。

    例えば、App StoreやGoogle PlayでダウンロードできるゲームやSNSアプリなどがそうです。こうしたアプリは、それぞれの端末のOS(iOSやAndroidなど)やハードウェアを最大限に活用できるのが大きな特徴です。

    特徴①:iOS/Androidなど端末ごとに開発するアプリ

    ネイティブアプリは、端末やOSの違いに対応する形で開発する必要があります。

    例えば、iPhone向けに作成したiOSアプリをそのままAndroidスマホで動作させることはできません。Android用に個別に開発する必要があるわけです。

    iOSとAndroidでは、アプリ開発に利用できるプログラミング言語が異なります。iOSの場合は、SwiftObjective-Cが主流で、Androidの場合は、JavaKotlinなどを利用します。またOSが提供している、SDKやAPIもそれぞれ異なるため、OSや端末の違いに合わせた実装が求められます。

    アプリのUIや画面デザインについても、iOSのHuman Interface GuidelinesAndroid Design Guidelinesなどに沿ったUIデザインを採用するのが一般的です。

    端末メーカーごとのカスタマイズや、最新ハードウェアを活用した機能実装も求められる場合があるでしょう。

    つまり、1つのOSと端末で完成するわけではなく、クロスプラットフォーム対応が必要になるため、 AndroidとiOSの両方に対応するのであれば、両プラットフォーム用に個別に開発実装していくことが基本となります。

    特徴②:パフォーマンス(処理速度)が速い

    ネイティブアプリは、それぞれの端末向けに最適化されているため、ウェブアプリなどと比べてパフォーマンス(処理速度)が高速です。

    画面のスクロールやアニメーションのなめらかさなど、操作感と反応の速さが非常に良好なのが特徴です。UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)が高い水準に保たれているのです。

    これはネイティブアプリが、端末のOSやハードウェア、CPUやメモリといったシステムリソースを直接制御できることが大きな理由です。コードも機械語に近い形で実行されるため、処理速度が非常に高速なわけですね。

    一方、ウェブアプリはブラウザ上で動作する形式ですので、間にブラウザという抽象層が介在する形になります。結果としてアプリ起動時のロード時間や処理速度などのパフォーマンス面では劣ることになります。

    UIのスムーズさ以外にも、バッテリーの消費量が少ない、カメラやGPSなどデバイスの機能利用がしやすいなど、操作性と性能の両面でネイティブアプリの優位性が表れていると言えます。

    ネイティブアプリとWebアプリの違い

    ネイティブアプリとウェブアプリでは以下のような違いがあります。

    項目 ネイティブアプリ ウェブアプリ
    実行環境 端末のOS上で動作 ブラウザ上で動作
    開発言語 Swift、Java、Kotlinなど HTML、CSS、JavaScriptなど
    パフォーマンス 高速 低速
    UI/UX 高度に最適化されている ブラウザ依存の制限がある
    機能制限 ほぼない ブラウザに依存
    更新頻度 端末やOSのアップデートに合わせる ウェブアプリ側の都合で可能

    ネイティブアプリは、端末と深く連携したアプリで、ブラウザで成り立つウェブアプリに比べると、パフォーマンスやUI/UX面での最適化が高いです。反面、複数OSへの対応やアップデートコストは高くなります。

    ネイティブアプリの方がパフォーマンス面で優れている理由は、端末のOSやハードウェア、CPU/メモリなどを直接制御できるからです。その結果、処理速度や動作の軽快さが高い水準で実現できているわけです。

    一方で、複数のOSプラットフォームや端末に対応するためには、OSやデバイスごとに個別最適化したアプリを用意する必要があります。つまり、同一アプリのコードを流用するというわけにはいかず、iOS版、Android版と別々に開発せざるを得ません。

    加えて、それぞれのOSで新バージョンがリリースされるたびに、デバイスやSDKの新機能に対応する形でアプリのアップデートを実施する必要が出てきます。このため、ネイティブアプリの更新頻度は高く、メンテナンスコストも高いものとなります。

    ネイティブアプリが適しているサービス


    ネイティブアプリは、特定のデバイスのハードウェアやOSの機能を直接呼び出して動作するアプリなので、デバイスに特有のハードウェア機能を使ったサービスが適しています。以下に、ネイティブアプリが適しているサービスとその理由をご紹介します。

    プッシュ通知機能を利用するサービス

    プッシュ通知とは、例えばXなどのSNSでメッセージが届いた時や、アプリの更新情報などにお知らせをする機能です。
    ネイティブアプリはプッシュ通知機能を利用できます。(WEBアプリでは本体にプッシュ通知は使えません。)
    プッシュ通知は、ユーザーの満足度を高めることができます。¹

    カメラ機能を活用するサービス

    ネイティブアプリはスマートフォンのハードウェアを直接に制御できるため、カメラ機能を最大限に活用できます。写真や動画の撮影、フィルタやスタンプの装飾、画像処理など、高度なカメラ機能を求めるアプリに適しています。

    位置情報機能を利用するサービス

    ネイティブアプリはGPSや位置情報を利用できるため、位置に基づいたサービスやロケーションベースのアプリに適しています。例えば、地図アプリや近くの店舗を探すアプリなどです。

    ネイティブアプリ開発のメリット

    ネイティブアプリには、パフォーマンスの高さや操作性の良さなど、以下のようなメリットがあります。

    メリット 内容
    操作性が高い スクロール、アニメーションのなめらかさなどUI/UXが高品質
    端末機能を最大活用 カメラ、GPS、通知機能との連携が深い
    最新OSで新機能をいち早く利用 端末ごとに最適化するため新機能を先駆的に使える

    操作性が高い

    UIの動きや反応の速さが非常に滑らかで、ストレスなく快適に操作できるのも魅力的なポイントです。スクロールフリックのなめらかさや、ボタンタップから画面切り替えまでのレスポンスの速さなどが挙げられます。アニメーション表現も、美しく表現できるでしょう。

    こうした操作感の良さを実現できるのも、ネイティブアプリが端末のハードウェアとつながりが深いことが大きな理由です。描画処理はGPUを活用し、表示領域の更新は部分的に行うなど、UI表示に関連する機能は細かく最適化が図られています。

    加速度センサーやジャイロセンサーなども利用して、端末を傾けたりスワイプしたときの動きをリアルタイムでキャッチしUIを更新することで、なめらかな操作フィードバックが実現しているのです。

    マルチタッチによる拡大・縮小や、ドラッグ操作といった新しいインタラクションもその時々の最新端末機能に合わせて高度に実装できるため、革新的な操作体験を提供できるのが特徴です。

    端末機能をフルに利用できる

    ネイティブアプリは、端末のカメラやGPS、通知機能といったハードウェア機能と深く連携しています。

    例えば、高画質なカメラ機能を生かした写真アプリや、GPSと連動したナビゲーションアプリなど、端末ならではの機能を最大限に活用できるのが特徴です。

    ネイティブアプリは端末メーカーが公開しているSDKを利用することで、最新のハードウェア機能をアプリの中から完全に制御できるようになっています。

    例えば、複数のカメラを切り替えたり特殊な撮影モードを実現したり、AR要素を利用したり、WiFiやBluetoothといった通信機能を作りこんだり、さまざまなハードウェア機能と連携したアプリ構築が可能です。

    新しい端末が発売になるたびに、搭載される新技術をいち早くアプリ側から引き出せるのがネイティブアプリの強みでもあります。

    ※SDK・・・Software Development Kitの略で、アプリ開発のために端末メーカーが提供するツールキットです。

    最新のデバイス・OSに即したアプリを提供できる

    端末メーカー各社が最新OSをリリースするたびに、新しいSDKを利用してアプリのアップデートをしていきます。

    そのおかげで、消費者は最新機能をいち早く体験できるというメリットがあります。AR機能や新しいカメラモードなどがその代表例です。

    例えば、Appleが新しいiPhoneを発売する際には、新バージョンのiOSも合わせてリリースします。このときに、搭載される新プロセッサやカメラ機能を最大限に利用できるよう、SDKやAPIも併せて公開されます。

    ネイティブアプリの開発者は、すぐに新SDKを活用して、高速なCPU性能を生かしたグラフィック表現や、画質・性能を引き上げたカメラアプリの機能アップデートを実現できるのです。

    消費者は新型iPhoneを購入したその日から、新機能をフルに経験できるアプリを利用できるというメリットが生まれます。この即時対応力こそが、ネイティブアプリの大きな魅力であると言えるでしょう。

    ある意味で、最新テクノロジーをいち早く体験できるプラットフォームとしての側面も持っています。

    ネイティブアプリ開発のデメリット

    一方でネイティブアプリには以下のようなデメリットもある点に注意が必要です。以下、詳しく解説していきます。

    デメリット 内容
    ユーザー獲得のハードルが高い ストアを通じての入手や、インストールが必要なこと
    リリース・アップデートの際に審査がある ストアごとの審査基準が存在する
    開発コストが高い 端末・OSごとに個別最適化が必要で人件費がかさむ
    アプリの移植性が低い あるOSのアプリをそのまま他OSで利用できない
    メンテナンスコストが高い OSアップデートに随時対応し続ける必要がある
    開発難易度が高い 習熟すべき技術要素が多岐に渡り専門性が必要

    ユーザー獲得のハードルが高い

    ネイティブアプリは、App StoreやGoogle Playなどのストアを介してダウンロードして使用するため、使う人が面倒に感じます。また、検索エンジンからのユーザー流入が期待できないため、Webサイトなどに広告を出稿して、ストアページへ誘導する必要があり、されに、インストールする必要もあるため、アプリを利用するまでのハードルが高い点がデメリットとなります。

    リリース・アップデートの際に審査がある

    ネイティブアプリのリリースやアップデートには、ストア(例:Google PlayやApp Store)の審査が必要です。

    そのために、審査基準の理解・公式ガイドラインの確認(ストアごとにアプリに求められる仕様が決まっている)などの事前準備や仕様への影響があり、さらに、プライバシーポリシーの準備など開発以外の工程も必要となり、仕様の制限も発生します。

    開発コストが高い

    ネイティブアプリは、端末やOSごとに個別最適化した形で開発する必要があるため、エンジニアの人件費や時間がかさんでしまいがちです。アプリを1つ開発するだけでなく、iOS版、Android版と複数個別に開発していくことになるので開発コストが従来のウェブアプリなどと比べても高くなります。

    AndroidとiOSでは開発言語やSDKが異なるうえ、UIデザインもそれぞれ別途定められたガイドラインに沿って設計する必要があります。エンジニアのスキルセットも。プラットフォームごとに求められることが異なってきます。

    つまり、同一人員でクロスプラットフォーム対応を図るよりは、iOSチームとAndroidチームに分割して並行作業を進めるほうが一般的です。人数が増える分作業時間も必要となり、結果的に人件費の上昇につながります。

    1つのアプリをリリースするために、必要なコストが膨らみやすいのが課題であり、費用対効果を慎重に見極める必要があると言えます。

    アプリの移植性が低い

    あるOS用に開発したネイティブアプリを、全く同じ仕様で他のOS上で動作させることは基本的に不可能です。利用するプログラミング言語やSDKも異なるので、ゼロから別途開発が必要になります。

    例えば、iOSでObjective-CやSwiftを使って書かれたアプリを、そのままAndroid OS上で動かすことはできません。JavaやKotlinなどの言語を利用して、再度個別に開発する必要があります。

    単に言語だけではなく、UIの定義方法や機能設計の考え方もそれぞれ異なる点が多いです。アーキテクチャを抜本的に見直して、用途やUIに合わせた最適なコーディングをやり直すことが一般的です。

    ゼロからの再開発でないと同等のアプリを実現できないため、移植性と言う意味では汎用性に大きな制限があり、プラットフォーム依存の強さがデメリットとして存在するのです。

    メンテナンスコストが高い

    端末メーカーやOS開発元が新バージョンをリリースするたびに、新機能への対応や互換性の確保を図る形でアプリのアップデートが必要です。ネイティブアプリはブラウザを介さないので、OSアップデートに伴うメンテナンス作業は欠かせません。人件費や時間的コストが継続的に発生します。

    iOSとAndroidは、毎年のように新バージョンが提供されており、新機能や仕様変更への追従が課題となります。アプリが突然動作しなくなったり、予期せぬエラーが発生したりすることも少なからずあるでしょう。

    この対応のため、継続的に自社開発体制を維持しつつアップデート作業を行うか、外部委託して保守・運用フェーズを支える必要があります。

    多大な更新頻度と人的コストが長期に渡ってかかる側面が、ネイティブアプリの大きな負担ポイントと言えます。

    開発に高度な技術力が必要

    AndroidやiOSといったプラットフォームごとに、開発言語やSDK、デザインガイドラインなど習熟すべき要素が多岐に渡ります。ネイティブアプリエンジニアに要求されるスキルセットは高度で、即戦力となるには多大な学習が必要不可欠です。

    Objective-C、Swift、Java、Kotlinといったプログラミング言語の習得に加え、SDKや開発工具の使い方を体得する必要があります。デザイン面でも、人間中心の考え方を理解しUI構築できる力が求められます。

    単純に文法を覚えるだけでなく、デバッグ方法、最適化技法、セキュリティ対策といった開発現場での実践ノウハウが不可欠となります。

    即戦力人材を確保するためには、多額の教育コストと時間が必要で、中途採用も難しく自社内で長期的に育成していく以外に人材確保する方法はあまりありません。

    ネイティブアプリ開発の流れ

    ネイティブアプリを作る際の一般的な開発プロセスを順を追って見ていきましょう。

    要件定義

    まず初めに、顧客がアプリで実現したいことをヒアリングし、提供する機能や画面、操作性などを文書化した要件定義書を作成します。この段階で開発目的と要件を明確化します。

    要件定義では、アプリの目的、ターゲットユーザー、実現したい機能とその優先順位、UIや操作の定義をできるだけ具体的に明文化します。

    例えば、時間割管理アプリであれば「遅刻が減ること」を目的とし、管理者向けには投稿記事の追加機能、一般ユーザには通知設定機能などを要件化します。細かなUI要件まで定める場合もあります。

    こうした要件定義の作業を通じ、お客様と開発側がアプリのあり方や目指すべき目標について、認識を共有することが重要です。要件漏れが後の手戻りにつながる場合があるため、綿密なヒアリングが必要不可欠となります。

    要件定義については、こちらの記事でさらに詳しく深掘りしています。

    設計

    次に、要件定義に基づいて、エンジニアがアプリの内部設計や画面遷移、画面デザインといった設計書を作成します。ここで、アーキテクチャが決まります。データ構造や処理フローもここで決定します。

    SQLiteやFirebaseといった、データベース/ストレージの選定、MVVM、MVCといったアーキテクチャの決定もこのタイミングです。セキュリティ面や拡張性なども考慮する必要があるでしょう。

    作成した設計書に基づいて、お客様と設計レビューを実施し、要件と設計の整合性や達成可能性を確認します。納得がいく設計であるかが重要なポイントとなります。

     

    ※SQLite・・・スマートフォンをはじめとしたモバイル端末や組み込み機器向けに開発された軽量データベースです。サーバ不要でアプリ内にデータベースを組み込めることが特徴です。

    ※Firebase・・・Googleが提供するモバイルアプリやWebアプリ向けのバックエンド基盤(BaaS)です。認証、データベース、ストレージ、ホスティングなど、アプリ開発に必要な機能をクラウドから提供します。

     

    実装

    設計に沿って、エンジニアが実際にコーディングを進めていき、アプリを形にしていきます。iOSならSwift、AndroidならKotlinといった使用言語が決まっています。

    1画面ずつコーディングした単体の動作を確認しながら、最終的に画面を接続していき全体としてのアプリが形成されていきます。

    実装フェーズでは定期的にデモを作成し、顧客に動作を確認してもらう作業を繰り返すのが一般的です。要件と実装のずれを、可能な限り小さく保つことが重要度となります。

    テスト

    アプリの品質を確認する大切な工程です。動作テスト、UIテストといった種類があり、不具合を洗い出します。

    アプリが要件通りに動作するか、思わぬエラーや異常終了がないかをしっかりテストするフェーズです。

    単体テストは個別機能のテスト、結合テストは機能同士の連携テスト、総合テストは全体のシナリオテストと、段階を追って品質検証を実施していきます。

    受入テストとして、ユーザー視点での動作確認、ユーザビリティテストとして操作性や分かりやすさの確認も並行して行います。

    テストを通じて、洗い出された不具合は管理ツールに登録され、優先度や修正状況を一元管理します。

    リリース

    テストで問題がなければ、App StoreやGoogle Playストアへアプリを公開し利用開始となります。アプリの動作に問題がないことが確認されたら、公開に向けた最終準備作業を行います。

    App StoreやGoogle Playストアで必要となる、アイコン画像・スクリーンショットの作成、説明文の作成を行います。

    公開前にクライアントとの最終確認を行い、リリースの完了後はダッシュボードからアプリのダウンロード数や評価の推移を追うことができます。

    アプリ公開後も、ユーザーからのフィードバックを基に新要件を汲み取り、更新を重ねていくアジャイル開発が基本となります。

    新機能追加に伴うアップデートの提供、OSバージョンアップに対応したメンテナンス、評価・レビュー対応といった作業が継続的に発生します。

    ネイティブアプリ開発のポイント

    ネイティブアプリを開発する際や外注を検討する際の主要なポイントを解説していきます。

    開発プロセス

    先ほど説明した、要求定義からテスト、運用/保守に至るフルコースの開発サイクルを体系的に回していけることが大切です。

    アプリ開発とは、単にプログラミングをするだけでなく、システム開発手法に基づいた一連のプロセスを回すことで初めて成功を収めることができます。

    要件定義に始まり、設計、コーディング、テスト、保守/運用フェーズへと段階的に進んでいく過程で、ズレが生じないよう管理していくことが重要視されます。

    たとえ当初想定していなかった機能追加など仕様変更が入ったとしても、開発プロセスさえ守られていれば柔軟に受け入れ、対応していくことが可能です。

    つまり、開発プロセスの遵守がベースとなり、品質の高いアプリ開発を実現できるのです。

    開発技術

    SwiftやKotlinなど開発言語の習熟はもちろん、iOSやAndroidが提供するSDKを使いこなせる技術力が欠かせません。

    ネイティブアプリ開発には、プログラミング言語の文法や構文の理解だけでなく、SDKを駆使してアプリケーションコードを実装できる応用力が요求されます。

    単にチュートリアル的なコードを複製するだけでは、商品価値のあるアプリは開発できず、APIの仕様理解やデバッグ手法、最適化技法、セキュリティ対策といった開発現場での実践ノウハウが欠かせません。

    開発言語とSDKを武器に、素早く品質の高いアプリを作り込むことができる技術力の習得には、実際にサンプルを量産しながらスキルアップする以外に近道はありません。ネイティブ開発は、即戦力育成が難しく本格的な文化を必要とします。

    発注先とのコミュニケーション

    発注先に、要件定義からリリース、運用までしっかりと作業を任せる以上、綿密なコミュニケーションが不可欠です。疑問点や状況変化を、即座に共有し確認することが大切です。

    ネイティブアプリ開発は、複雑な要素技術の連携が必要な上に、要件変更への対応が発生しやすい開発形態です。発注元と綿密に連絡を取り合い、開発方針をすり合わせることがとても大切です。

    例えば、要件の優先順位が変更になった場合、すぐに開発側と共有し方向性を再確認します。新機能追加が提案された際もスケジュールとコストの再評価が必要です。このように、迅速な意思疎通を心がけることがポイントといえます。

    アジャイル開発

    要件の変更や追加が発生することを前提とし、機動的に対応できる柔軟性も求められます。

    ネイティブアプリ開発では、要件が固まった後に、一気に完成形で開発するウォーターフォール型開発よりも、要件定義と開発を並行して進めるアジャイル開発手法のほうが一般的です。

    アジャイルでは、要件自体が開発を進めながら変化していくことを前提としています。新機能の創出や、要件変更が発生しやすいため、頻繁にデモを作成しながら開発を進め、変化への対応力が問われます。

    スプリント期間を1~2週間程度とし、定期的に納品とフィードバックを繰り返すことで、要件変更に対する柔軟性と生産性を高めることができます。

    アジャイル開発については、下記の記事でより詳しく解説しています。

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    コスト管理

    人月規模に応じたコストが大きくかかるだけに、可能な限りコストを抑制する努力が欠かせません。

    コストを抑えるために重要なことは、要件の見直しと開発体制の最適化です。

    まず要件から不要不急の機能を省いて、最小構成を考えることです。加えて、簡素なUI/UXで実現できるものはシンプルにすることも検討します。

    人員体制と工数見積りは定期的に見直しを行い、必要以上に手厚くせず適正規模を保つこともコストカットにつながります。また技術者ひとりひとりの生産性を上げることで、工数を圧縮できる場合もあります。

    最新アプリ形式の紹介


    ネイティブアプリのデメリットの章でも説明しましたが、ネイティブアプリはストアを通じての入手が必要で、ユーザー獲得へのハードルが高いことがあげられました。一方でWEBアプリはネイティブアプリのようにハードウェアにかかわる部分の機能が使えないなどのデメリットがあります。そこで考えられたのがPWAというアプリの形式です。

    PWA(Progressive Web Apps)は、Webサイトをネイティブアプリのように利用できる技術です。オフラインで動作したり、プッシュ通知を送信したりする機能を持ちながら、アプリストアを経由せずにインストールなしでも利用できます。ユーザーエクスペリエンスの向上や開発コストの削減ができます。

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    ネイティブアプリのまとめ

    本記事では、ネイティブアプリの定義からメリット、デメリット、開発言語、必要スキルまで詳しく解説しました。

    パフォーマンスと端末の連携の良さが最大の魅力ですが、多大な開発コストが課題です。

    Jiteraでは、要件定義を書くだけでAIが開発支援をしてくれるツールで、アプリ・システム開発を行っています。制作している途中で要件が変更になっても柔軟に修正しながら開発できるので、アプリ開発・システム開発のご相談、またネイティブアプリについてわからないことや、簡単な疑問があれば、ぜひ、お問い合わせください。

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