AmazonAPIは、Amazonの出品者が効率的に作業を行うための強力なツールです。
このAPIを使用することで、商品情報の一括更新や削除、支払情報の取得など、多岐にわたる操作が可能です。
この記事では、AmazonAPIの基本的な知識、利用できる機能、実際の使用例を紹介しています。 さらに、APIの導入方法や、システム開発を外部に委託する際の注意点についても触れています。
AmazonAPIを活用することで、ビジネスの効率化を図り、よりスムーズな運営を実現することができますので、この機会にぜひご検討ください。
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
Amazon APIとは
APIとは「アプリケーション・プログラミング・インターフェイス」の略称で、異なるソフトウェア間で機能を共有するための橋渡し役を果たします。
Amazon APIは、Amazonの機能を他のアプリケーションやサービスで利用できるようにするための手段を提供します。
これにより、SNSアカウントを使用してログインする機能や、外部データベースから情報を取得する機能など、多様な操作が可能です。
APIは、プログラムが互いにコミュニケーションを取り、機能を統合することを容易にするための重要な技術です。
物販に活用できるAmazon APIは、大きく次の2種類に分けることができます。
Product Advertising API(PA-API)
Amazon Product Advertising APIは、アフィリエイトによる商品リンクや広告の実装を支援するAPIです。このAPIを使うことで、自社サイトやアプリ内にAmazonの商品画像や情報、価格比較機能を組み込めます。
アフィリエイトは、ユーザーが商品をクリックしたり購入した際に報酬が発生する仕組みのことです。
開発者側からはAmazonの巨大な商品カタログと顧客基盤を簡単に活用できるため、課金制のアフィリエイト事業を始められます。一方で利用にはAmazonアカウントが必要で、制限や禁止事項もあるので注意が必要です。
広告運用の成功には商品データの戦略的な活用がカギを握っています。
MWS API
Amazon Marketplace Web Service(MWS) APIは、Amazonマーケットプレイスで販売する出品者やベンダーが利用できるAPIです。商品データのアップロードや在庫同期、注文情報の取得、支払いの確認など、様々なマーケットプレイス関連のデータにプログラムでアクセスできます。
巨大な流通プラットフォームであるAmazonマーケットとシームレスに連携でき、自動化された業務プロセスを構築可能です。利用にはセキュリティ面の厳格な条件が課せられるので、開発上や運用上の細かなルールも守る必要があります。
ただし、MWSは2023年12月31日以降は利用できなくなります。Amazon出品パートナーが、注文、出荷、支払いなどのデータにプログラムでアクセスするための「Selling Partner API」が提供されており、こちらの活用が今後スタンダードとなっていきます。
Amazon APIで何ができるのか?
では、Amazon APIではどのようなことができるのでしょうか。
物販事業には欠かせないツールがそろっており、業務効率化や自動化、データ分析など、多岐にわたってAPIの活用場面があります。それぞれの機能について説明していきましょう。
商品情報の一括管理
Amazon APIでの「Feeds API」という機能を使うことで、商品情報をファイルにまとめてAmazonに送信し、一括で商品登録や在庫更新ができます。CSVやXMLファイルを使い、商品IDや価格、数量、商品説明などの項目を設定します。
一つ一つWeb画面から登録する手間が省けるため、数多くの商品を扱う企業にとって業務効率化に大変有効なツールです。ただしデータ内容に誤りがあると不正確な情報が公開される恐れもあるので、テストを十分に行う必要があります。
注文の管理
Amazon APIでの「Orders API」を使うことで、受注から配送までのデータを一括管理できます。このOrders APIを利用することで、自社システム上から新規受注の一覧を取得したり、発送済みやキャンセル注文のステータス管理を行ったりできます。
また、在庫数の更新や顧客情報の取得など関連する情報もすべてAPIを通じて行えますので、注文全体の業務プロセスをシステム化できるメリットがあります。受発注システムとの連携もスムーズにできるので導入効果は大きいでしょう。
販売レポートの取得
Amazon APIでの「Reports API」を利用し、売上や在庫、顧客トラフィックなどのレポートデータを定期的に取得できます。このデータを基に売上分析やマーケティング活動の計画立案が可能です。
レポートの内容も注文トレンドから人気商品、評価推移まで幅広いため、自社商品の改善点や販促施策の優先順位付ける際などに参考になります。システムとの連携で自動化できるので、継続的なモニタリングにも対応できる手軽さが大きなメリットです。
支払情報の取得
Amazon APIでの「Finances API」を利用し、決済や入金に関するデータを取得できます。売上金の合計額や振込明細、手数料の内訳などをAPIで引き出せるので、自社の財務システムと連携しやすくなります。
また入金確定日や返品時の値引率などの情報も含まれるため、キャッシュフロー計画や在庫リードタイムの調整に活用できます。自動更新にすることでリアルタイムな資金管理が実現できるなど、Amazon販売事業を効率的に運営するために大変有用なツールといえます。
商品検索・最安値情報の取得
Amazon APIでの「Product Advertising API」を利用し、サイト上の商品検索やランキングデータを取得できます。カテゴリごとの売れ筋情報や、特定商品の価格推移などを抽出可能です。
こうしたマーケット内の商品動向を分析することで、市場予測や最適価格の設定、競合他社との差別化などの検討に活用できます。定期的にAPIで情報をインポートすれば、低コストでリアルタイムな商材調査を実現できるので、Amazon販売者にとって大きなメリットがあります。
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Amazon APIを導入するメリット
Amazon APIを導入するメリットを説明します。
コスト削減と効率化につながる
複雑なプログラムの開発は時間とコストがかさむものですが、無料で提供されているWeb APIを利用することで、これらのコストを大幅に削減することが可能です。
Web APIは仕様変更がない限り、追加の運用コストがほとんどかからず、システム運用を自動化することで負荷を軽減することができます。
また、APIを通じて他のサービス機能を統合することで、開発プロセスを効率化し、ゼロからのプログラミングを不要にすることができます。
例えば、気象情報APIを使用して天気予報ボットを簡単に作成でき、開発のハードルを下げ、より多くの開発者がアクセスしやすくなります。
顧客満足度の向上につながる
Amazon APIの導入は、顧客体験を大幅に向上させる手段となり得ます。
このAPIを駆使することで、顧客の注文や配送の最新情報を即座に把握し、迅速かつ効果的なサービス提供が可能になるでしょう。
さらに、収集されたデータを分析することで、顧客の嗜好や要望を深く理解し、パーソナライズされたサービスや製品の提案が行えるようになります。
このような対応は顧客の信頼と満足度を高め、長期的な顧客関係の構築に寄与します。
Amazon PA-APIの導入方法
では、Amazon PA-APIの導入方法を解説していきます。実際のAmazon APIの画面画像も確認しながら、登録を進めていきましょう。
Amazonアソシエイト・プログラムに登録
PA-APIは、Amazonアソシエイトが提供するアフィリエイトプログラムと連動します。そのため利用するにはまず、Amazonアソシエイト・プログラムへの登録が必要です。
会員登録の申請を行い、利用規約に同意した上で、アソシエイトIDが発行されます。このIDがあることで初めて後続の Product Advertising API の登録や、アクセスキーの発行を受けられるようになります。
加盟店としての登録なので、事前の審査やセキュリティ面での要件をクリアする必要があります。
アフィリエイト利用者情報やWebサイト情報などを入力
Product Advertising APIを使うには、AmazonアソシエイトIDを取得し、アフィリエイトプログラムに登録する必要があります。登録時には、あなたの連絡先住所や電話番号、メールアドレスなどの個人情報を入力します。
また、アフィリエイトサイトとして利用予定のWebサイトのURLや業務内容の説明なども求められます。これはAmazon側でアフィリエイト参加資格を判断するためで、不正利用を防ぐ目的もあります。
入力内容に虚偽があると登録が遅れたり却下される可能性があるので、正確性は必須です。
アソシエイトセントラル管理画面にサインイン
AmazonアソシエイトIDを取得したら、次のステップとしてアソシエイトセントラルの管理画面にサインインします。ここでは自分のアフィリエイトアカウントを管理でき、商品リンクの作成や売上状況の確認、報酬明細の入力などが行えます。
また、重要なアクセスキーや広告用画像・情報をダウンロードできるほか、利用上のルール確認や各種設定もここから操作できます。
日々のアフィリエイト運営にはこのセントラル画面が欠かせないので、ログイン方法や画面配置を良く理解しておく必要があります。
Amazon Web Servicesにサインイン
Product Advertising APIを開発者として利用するには、Amazonウェブサービスのアカウント作成が別途必要です。これはクラウドインフラを提供するAWSのアカウントです。
AWSにサインインした上で、「Amazonアプリケーションとサービス」メニューからProduct Advertising APIへのアクセス権限を設定します。するとアクセスキーIDやシークレットが発行され、これを使ってAPIを呼び出す認証ができるようになります。
開発環境構築上欠かせない段階なので、サインイン方法を確実に押さえておきましょう。
アクセスキーとシークレットキーをダウンロード
Product Advertising APIを使って商品データにアクセスするには、アクセスキーIDとシークレットアクセスキーの取得が必須です。これらのキーはAmazonアソシエイトセントラルの管理画面や、Amazon Webサービスのセキュリティ認証情報画面からダウンロードできます。
発行された認証キーはAPIを呼び出す際のアクセストークンとして機能するため、セキュリティ面での管理が大切です。アクセスキーを紛失すると再取得作業が必要なので、ダウンロード後は安全な場所に保存しておきましょう。
リクエストURLをPHPで作成して実行
Product Advertising APIを呼び出すには、アクセスキーとシークレットキーを含むリクエストURLを生成し、GETメソッドで送信します。
PHPで作成する場合は、APIのエンドポイントURLに対して、キー認証情報や検索条件などをクエリ文字列で追記していきます。その後curlなどのライブラリを使ってURLを実行すれば、JSON/XML形式で商品データを取得できるようになります。
リクエスト作成や実行コードは公式ドキュメントやサンプルコードを参考に、開発言語に合わせてカスタマイズしていく必要があります。
Amazon APIを導入する際の注意点
Amazon APIを自社システムに導入する際に、注意点するべき項目があります。主なポイントを以下に箇条書きで整理しました。
ポリシーとガイドラインの遵守
Amazon APIの利用には、Amazonが定める利用規約や各種ガイドラインを理解し同意した上で遵守する必要があります。APIの不適切な使用が規約違反と見なされた場合、アカウントの停止措置などのペナルティを課される場合もありえます。
たとえば検索APIでクロールを過度に行うことや、画像を無断で複製保存することなどは不正利用に該当します。APIキーの管理方法や課金上の注意点などもガイドラインで指示されていますので、サービス利用開始前には必ず確認しましょう。
APIキーの管理の徹底
Amazon APIを利用するために発行されるアクセスキーやシークレットキーの管理は、セキュリティ上で最も重要なポイントです。これらの認証キーが第三者に漏洩すると、アカウント乗っ取りや不正な料金請求などの重大事故につながる可能性があります。
キーはアカウントユーザー自身しか知りえない状態に保ち、サーバーやクライアントPC内でも厳重にファイル保護をする必要があります。定期的にキーのローテーションを実施することや、複数人での管理体制構築などが望まれます。
レート制限を理解しておく
Amazon APIを利用する上での制限の1つに、APIのコール数に対するレート制限が設定されている点があります。
例えば商品検索APIでは1秒間に1リクエストまでという制約が課されています。制限を超えるとHTTPエラーが返ってきて、正常にAPIが利用できなくなります。大量の商品データ取得を行う場合は、このレート制限に注意しつつ、複数アカウントを使ったり適切に間隔を空けながら実行する等の設計が必要です。
利用状況に応じて制限も変更されうるため、公式サイトでの確認も欠かせません。
タイムアウトに気をつける
Amazon APIを利用し商品データを取得する場合、1リクエスト当たりのタイムアウト時間が設定されています。
これは1回のデータ要求で許容される最大応答時間のことで、例えば検索APIだと5秒間がデフォルトのタイムアウト値です。 つまり、5秒以内に処理が完了しない場合、強制的にタイムアウトエラーが発生して検索が中止されます。
大規模なデータ取得を行う際に起きやすいので注意が必要です。十分な値を設定しておくことで、エラーを回避できるでしょう。
サイズオーバーに気をつける
Amazon APIで商品データなどを検索する際、1回のリクエストで取得できるデータサイズには規定の制限があり、これを超えるとエラーが発生します。
例えば、商品検索の場合はデフォルトで1リクエスト当たり10MBまでです。10MB以上の結果件数が帰ってきた時は、サイズオーバーのエラーが出ます。
こうした場合、検索条件を区切って2回以上のリクエストに分ける等の対応が必要です。データ全体の容量をある程度事前評価した上で、適切にバッチ処理を調整する作業が導入時には求められますので注意しましょう。サイズ制限もAPI種類によって異なります。
以上のことを踏まえて上で、Amazon APIの導入を行ってみてください。
もし、導入を検討している方で、進め方などでわからないことがある場合は、Jiteraのエキスパートチームがサポートいたします!
Jiteraでは、APIの要件定義から設計、実装、テスト、運用まで、すべてのフェーズでお手伝いします。また、Jiteraの開発プラットフォームを活用することで、開発スピードが最大3倍に向上し、迅速かつ効率的なシステム構築が可能となります。
小さなことでもサポート可能ですので、わからないことがある際はぜひお問い合わせください。
Amazon API の主要サービス「Gateway」とは?
Amazon API Gatewayは、Amazonが提供するAPIに関するサービスのひとつです。このGatewayを使うと、簡単にAPIを作成して、アプリケーションとAWSの他の機能をつなげることができるようになります。つまり、アプリ開発者にとって、AWS上でAPIを活用するための入り口となる重要なサービスだと理解してください。
Amazon API Gatewayとは?
API Gatewayは、Amazonが提供するWeb APIを作成・公開するためのサービスです。例えばあなたが開発したアプリに、Amazonクラウド上のデータベースなどのAWS機能を簡単に組み込みたい場合に使えます。
Gatewayを介することでアプリからAPIを呼び出し、Amazonのクラウドサービスと容易に連携ができるのです。
設定画面からAPIの作成から公開までをGUIで操作でき、プログラミング不要でアプリに機能を追加できる手軽さが特徴です
Amazon API Gatewayでできること
Amazon API Gatewayは、APIのライフサイクル全体を管理するための機能を提供します。これには、自動スケーリング、運用の可視性の向上、サーバーサイドのパフォーマンスメトリクスのモニタリング、バージョン管理、そして認証が含まれます。
これらの機能はフルマネージド型サービスとして提供されるため、ユーザーはAWSが提供する機能を利用するだけで済み、管理の手間を省くことができます。
APIの作成においては、Amazon API Gatewayを使用することで、迅速かつ容易にAPIを構築できます。
AWS Lambdaなどのサービスとの統合がシームレスに行えるため、プロジェクトの効率化が図れます。
また、既存のAPIを複製するクローン機能を使用すれば、新しいプロジェクトや機能の追加時にも迅速なAPIの展開が可能です。
Amazon API Gatewayのメリット
Amazon API Gatewayを利用することで、効率的なAPI開発が実現します。バージョン管理が容易であり、新しいバージョンの開発とテスト、リリースをスムーズに行うことができます。
APIのモニタリングが簡単になり、APIコールやデータレイテンシー、エラー率をリアルタイムで追跡し、問題解決を迅速に行うことが可能です。Amazon CloudWatchと統合されたダッシュボードにより、効率的な問題の特定と対応が可能になります。
さらに、Amazon CloudFrontとの連携により、グローバルなエッジロケーションネットワークを通じて、エンドユーザーに最適なレイテンシーでAPIリクエストとレスポンスを処理することができます。これにより、どのような環境でも高速なパフォーマンスを提供することが可能です。
API Gatewayの無料枠を利用すると、HTTP API、REST APIの呼び出し数がそれぞれ月間100万回まで、そしてメッセージの送受信数が月間100万回まで無料です。さらに、接続時間は月間750,000分まで無料で利用可能で、この枠は最初の12ヶ月間有効です。これにより、開発者はコストを心配せずにAPIの構築とテストを行うことができます。
ノウハウがない場合はシステム導入の委託も検討する
Amazon APIの導入において、初心者が直面する技術的課題は多岐にわたります。スキル不足が壁となる場合には、専門家の手を借りましょう。外部の専門家にシステム導入を委託することで、多くのメリットが得られます。
専門家は豊富な経験と最新技術に精通しており、迅速かつ効果的にシステムを導入してくれます。システム設計やセキュリティ対策が適切に行われ、プロジェクトは順調に進行するでしょう。
また、専門家のサポートを受けることで、初心者でも学びながらスキルを向上させることができます。
外部への委託はリスクを軽減し、高品質なシステム構築を可能にします。さらに、委託によって得た知識やスキルは将来的な自己運用にも役立ち、初心者でも安心してAmazon APIを利用することができます。
真剣にAmazon APIの導入を検討している場合は、豊富な知識と経験を持つ株式会社Jiteraに相談することをおすすめします。
経験豊富なエンジニアが、ニーズ分析の段階から手厚くサポートしてくれます。
Amazonのブランド力を活かしたサービス導入と改善を実現するAPIは、顧客満足度を高めるための重要な競争力強化となります。物販事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を視野に入れ、Amazon APIの導入をぜひ検討してみてください。