グローバルなプロジェクトが増えていく中、英文でのメールやチャットを書くことが増えてきたと感じる方が多いのではないでしょうか?英文の作成に慣れていない方は、英文でのテキスト作成には時間がかかるものです。日本語なら1分もせずに書き上がる文章を、細かいニュアンスが間違っていないか調べながら書いていたら、いつのまにか10分、20分・・・
こうした時に役立つのが翻訳ツールですが、その中でも注目なのがQuillBot AIです。QuillBot AIにより、英文でのコミュニケーションが大幅に改善できます。
まだQuillBot AIを知らない方は、ぜひこの記事を見て、活用を検討してみてください。
コンサルティング業界に20年以上在籍。IT戦略・構想策定など上流系が得意。
QuillBot AIとは

QuillBot AIは、英文を始めとした文章の作成を強力にサポートするAIアプリです。英文を添削したり、意味を変えずに適切な言い換えをするなどの機能を搭載しています。単なる翻訳ツールにとどまらず、英文作成の際の困りごとを解決してくれるサポート機能が豊富なことが特徴です。
もちろん、日本語からの英文翻訳機能も備えており、日本人にとっても使いやすいアプリです。無料で利用できる機能も多く、少し使ってみて有料版への移行を考えるのも良いでしょう。
QuillBot AIの特徴

従来、翻訳ツールを使って英文を作成する場合、生成された文章が果たして本当に、もっとも適切な言い回しなのか?もっと適切な表現が無いのか?と思ったことは無いでしょうか。
サジェストされた複数の文案のどちらが良いのかわからず、それぞれの単語の意味を調べてみたりして、翻訳案自体を細かくチェックする時間が膨大にかかってしまうことがあります。
QuillBot AIには以下のような機能が搭載されており、翻訳ツールと比べると、AIに”丸投げ”できる範囲が広いのが長所です。
適切なモードに合わせた文章が書ける
QuillBot AIは、文章の言い換えを行う機能を搭載しています。単に同意語を使って言い換えるだけではなく、フォーマルな言い方や学術的な表現に変えるなど、複数のモードを使い分けて言い換えることが出来ます。
英文の文章を作成する際に一番気を配るのは、相手に失礼のない言い方になっているかではないでしょうか?
日本の英語教育で学んできたいくつかのフレーズは、口語で使うと失礼だったり、違和感を感じるものだと言われています。これらの文章を、ネイティブの相手に違和感なく伝えられる言い換えは、日本人にとって大変重宝する機能でしょう。
言い換えのモードは2024年8月時点で10種類用意されています。
多言語に対応している
メニュー画面は英語ですが、様々な言語に対応しています。日本語から英語への翻訳はもちろんのこと、スペイン語・フランス語・ドイツ語・中国語のような国際的な言語にも対応しています。
また、ビジネス上で関係が深い東南アジアについても、ベトナム語・インドネシア語・マレー(マレーシア)語・ヒンディー語・タガログ(フィリピン)語にも対応しています。
現地の要員とコミュニケーションを取るときに、お互いあまり得意ではない英語を介するよりも、現地語を使う方が円滑になるかもしれません。
もちろん日本語の言い換え等も可能ですので、コミュニケーションを取る相手方の外国人に利用してもらえれば、さらに円滑なコミュニケーションができるようになるでしょう。
オリジナル性のある表現で文章が書ける
QuillBot AIの言い換え機能では、Creative Modeを選択することでユニークな文章への言い換えも可能となっています。
また、有料版の機能ではありますが、Plagiarism Checkerという機能では、いわゆるコピペチェックを行うことが出来ます。チェック結果が良好であれば、独自性の高い文章であることが保証されます。
著作権侵害を防止することはもちろんのこと、類似性のある文章はSEOの観点でも不利になります。Web検索の結果で優先順位を下げられてしまうので、Webで記事等を書く場合には大いに役立つ機能です。
QuillBot AIにある8つのツール

QuillBot AIには、現在8つのツールが搭載されています。これらの機能を活用することで、利用シーンに合わせた適切な英文作成が行えるようになります。
従来、翻訳ツールで自動翻訳してみたはいいが、翻訳された文章が果たして本当に適切な書き方なのか・・・と悩み、時間をかけて調べていた時間が大幅に短縮されます。
また、英文でのプレゼンや、論文の作成などのような文章の正確性が特に求められる作業においては、きわめて重要なツールとして活躍してくれるでしょう。
Paraphraser
Paraphraserは、上でも紹介した言い換えを行うツールです。言い換えには10のモードがあります(2024年8月現在)。それぞれのモードは言い換えの仕方を以下の方針に従って調整します。
| モード | 有料/無料 | 言い換えの仕方 |
| Standard | 無料 | デフォルトモード。テキストの変更と、元の意味を維持することのバランスを取ります。 |
| Fluency | 無料 | 文法的な間違いを修正しつつ、修正範囲は最小限にします。 |
| Natural | 有料 | 機械的な文章でない、ヒトが書いたような文章にします。 |
| Formal | 有料 | プロフェッショナルな文章に見えるように変更します。学術・ビジネス文書に最適です。 |
| Academic | 有料 | さらに学術的な内容に言い換えを行うことが出来ます。 |
| Simple | 有料 | 平易で読みやすい文章に言い換えます。 |
| Creative | 有料 | 最も多く変更を加えるモードです。そのため、時には文章の意味が変わってしまうこともあります。 |
| Expand | 有料 | 単語の数を増やし、テキストをできるだけ長くします。 |
| Shorten | 有料 | 元の意味を保ちながら、テキストをできるだけ短くします。 |
| Custom | 有料 | カスタマイズにより、さらなる自由度の高い言い換えを行います。 |
Grammar Checker
Grammar Checkerは、文法上の誤りや不自然な箇所を修正してくれます。誤りを指摘するだけでなく、自動で修正を行うことも可能です。
読みづらい文章は、読み手にストレスを与え、本当に伝えたかったことを伝えるのに障害となってしまいます。Grammar Checkerは、読み手がストレスなく文章を読み、文意がスッと頭に入ってくるようにするために役立つツールだと言えるでしょう。
Plagiarism Checker
上でも紹介した、いわゆるコピペチェック機能です。意図せず他者の著作権を侵害していないかといったコンプライアンスチェックに役立ちます。また、たとえ著作権侵害には当たらなくても、既に公開されている文章と似たような文章を公開することは、独自性の無い著作物を世に出すということであり、当初考えていた効果が得られません。
類似性が高い著作物が先に公開されているかをチェックすることで、自身の著作物の差別化にも貢献することが出来るでしょう。
AI Detector
文章の中に、AIが生成した文章が含まれていないかをチェックします。大学の教授が欲しがりそうな機能です。
生成AIの登場で、AIが創作を行えるようになりました。これ自体は素晴らしいことですが、ヒトの創作物を競わせるコンテストにAIが混在することが問題になることもあります。
AI Detectorは、ヒトの創造力をAIによって失うことが無いよう、様々なコンテストや教育の場で用いられることになるでしょう。
Summarizer
文章を要約することが出来る機能です。文意を変えず、長い文章の要約を作ることが出来ます。
近年は1つの記事を、様々な媒体で掲示するために、異なる文字数制約で表現することがあります。他にも、コンサルティング会社であれば「エグゼクティブサマリー」というページを報告書に挿入した方も多いでしょう。長い報告書には、要約したサマリーが必須です。
Summarizerは、なにかと登場機会の多いサマリーを簡易に作ることが出来るツールとして重宝できます。
Citation Generator
引用を自動作成する機能です。論文や記事等では、他者の著作物を引用する機会も多いです。Citation Generatorは、引用対象のWebページのURLを貼り付けるだけで、引用を自動的に作成することが出来ます。
たとえば、本記事を引用した場合は以下のようなテキストが生成されます。
Translator
いわゆる翻訳ツールと同じ機能です。もちろん日本語にも対応しています。
このため、上記の様々なツールを使って英文のブラッシュアップを行う前に、そもそも日本語から英語への翻訳をしたい、という時にもQuillBot AIが利用できます。
Translatorの機能を単独で見る限りは、他の様々な翻訳ツールと機能に大差はありません。対応言語もおおよそ必要なものは用意されており、利用に支障は無いでしょう。
Flow
ライティングを補助してくれる機能です。文章を書き始めると、続きの文章を考えてくれます。
また、Grammar Checkerによって文法の誤りの修正、Paraphraserによる言い換えによって読みやすさの改善を行うこともできます。
いわばQuillBot AIのオールスター勢ぞろいといった機能だといえ、QuillBot AIの複数機能によるライティング補助を行ってくれます。
QuillBot AIの使い方

QuillBot AIは、分かりやすいレイアウトで構成されており、初めてでも難しいアプリではありません。
使えば使うほど、よく使うお気に入り機能が出来てくるはずですので、どんどん使い込んで習得しましょう。ここでは簡単にQuillBot AIの使い方をご紹介します。
8つのツールから使いたいツールを選択
まずは、トップページから使いたいツールを選択します。最初はツールが6つしか表示されていませんが、「View more tools」を選択すると、8つすべてのツールが表示されます。

テキストを入力する
ここでは代表的なツールであるParaphraserを利用してみましょう。テキストを左側の入力欄に記入します。もちろん、ペーストも可能です。

Paraphraseを押す
Paraphraseボタンを押すことで、右側に言い換え案を表示します。なお、モードを変更して再度言い換え案を作成するときには、Rephraseボタンで構いません。
なお、以下の原文は株式会社Jiteraの会社説明をChatGPTにさせてみた文章です。

文章をモードに沿って言い換える
Fluencyモードに変更すると、別の言い換え案が表示されます。モードを変更することで、かなり文面が異なってくることがわかります。

QuillBot AIの料金

QuillBot AIは無料でも使えますが、すべての機能を活用するためには有料版(Premium)へ移行する必要があります。有料版は月払い、四半期払い、年払いの3種類があります。
特別な割引が臨時に行われることがありますが、ここでは定価での価格(2024年8月時点)をご紹介します。
| 契約単位 | 価格 | 年間の負担額 | 月単位に対する割引率 |
| 月単位 | $19.95 | $239.40 | – |
| 四半期単位 | $39.95 | $159.80 | 33% |
| 年単位 | $99.96 | $99.96 | 58% |
無料プランとプレミアムプランにおける、利用できる機能の違いの概要は以下の通りです。
| 機能 | 無料 | プレミアム |
| Paraphraser | モードは「Standard」「Fluency」のみ 125単語まで 等 |
すべてのモードを利用可能 単語数に制限なし |
| Summarizer | 1,200単語まで | 6,000単語まで |
| Flow | 10MBまで保存可能 | 100MBまで保存可能 |
| Plagiarism Checker | 利用不可 | 利用可 |
なお、詳細についてはQuillBot AIのページを参照してください。
QuillBot AIと似ている文章生成・編集ツール5選

QuillBot AIの他にも、文章生成や編集を行えるツールがあります。それぞれのツールと、QuillBot AIとの違いを紹介します。
それぞれ一長一短があるので、自身の利用シーンや費用面を参考に、自分に合ったツールを使ってみてください。
QuillBot AIのように、多くは無料プランがあるので、まずは無料で使ってみて、良ければ有料プランの検討をするのがいいでしょう。
Grammarly

Grammarlyは、英文の校正をAIで行ってくれるツールです。QuillBot AIにおけるGrammar Checkerに相当します。
上の画像サンプルでは、赤くハイライトされた箇所の構文ミスを右側で表示されているように修正することが提案されています。
また、有料プランではコピペチェックにも対応しており、同じく有料プランで使えるQuillBot AIのPlagiarism Checkerに相当する機能です。
UGUIS.AI

UGUIS.AIは、英語ライティングを学習するためのサービスです。AIが問題を自動で生成し、学習改善に役立つフィードバックを即時表示します。試しに上の論述問題を添削してもらった結果が以下の画面です。

論述の回答として、意見や理由の言及があるかといった文章の構成に対する指摘のほか、文法上の誤り等も指摘してくれています。語彙・文法、内容・構成のレベルについても指摘があり、改善のポイントが分かりやすく指摘されています。
英検対策はもちろんのこと、日ごろの英語学習にも十分活用できると思います。QuillBot AIをビジネス用ではなく、学習用として使いたいと思っていた方は、こちらを使う方が良いかもしれません。
Ginger

Ginger Pageは、英文でのメール作成等における翻訳・校正が実施できるツールです。ログインが不要で、すぐに使える手軽さが特長です。
QuillBot AIでも利用できる文法・スペルチェック、翻訳、類語検索等が無料で利用できることから、無料版を手軽に活用したい場合は利用してみても良いかもしれません。
Hemingway

Hemingwayは、英文の文章の校正に活用できるツールです。最初のページを開くと上のような画面になり、分かりやすく使い方を教えてくれています。
黄色い箇所は長すぎて難解な文章、赤は内容を詰め込み過ぎて難解な文章です。
紫はより簡単な言葉に置き換えることが可能な箇所、青は表現が弱い箇所で、表現を変えたり取り除くことが出来ます。例の”are marked”は受動態から能動態に、”I believe”は削除が推奨されています。
自動的に校正してもらうだけでなく、なぜそうすべきなのかが理解できれば学習にも役立ちます。Hemingwayは、学びながら活用するのに向いていると言えるでしょう。
ProWritingAid

ProWritingAidは、英文の文章の校正ツールです。校正案の作成のみならず、文章の評価を行ってスコアリングをしてくれます。これにより、文章の出来の良さが把握できるのが良いところです。
ただ、他でご紹介したツールと比べると、機能がやや難解です。日本語のヘルプや第三者の紹介サイトもほとんど無いため、英文を作成するのがあまり得意でない人が使うには厳しいように見受けられます。
QuillBot AIの評判は?

英文の文章校正ツールは様々あることをご紹介しましたが、QuillBot AIは比較的紹介サイトも多く、日本人が使うのに適しているツールと感じます。
ここからは、QuillBot AIの評判について触れていきます。
使いやすい
無料プランでも機能が豊富にあり、すぐに使い始めることが出来ます。また、他ツールと比べると”英文の文章作成が得意でない人が英文を書く”というシーンに合う機能が多く搭載されています。
一見どのツールも同じようなことが出来るように見えるのですが、細かいUIや表現がシンプルで、いい意味で”プロ仕様ではない”のが特長です。
特にParaphraserにおいては、シーンに応じて言い換えのモードを選択できるところが魅力です。この機能には大きな優位性があると思います。
ブラウザ拡張機能が便利
QuillBot AIにはブラウザ拡張機能が用意されています。これをインストールすれば、普段使っているメール等でもQuillBot AIの機能を使うことができます。
翻訳ツールにも同様の拡張機能が搭載されているものがありますが、同じような感覚で言い換えやスペルチェック、自動校正ができるようになります。
言い換えの単語が少ない
無料プランでは言い換えのモードも2つしか使えず、単語数にも制約があります。言い換え機能であるParaphraserをフル活用したいと思うなら、有料化(プレミアムプラン)を検討する必要があるでしょう。
より本格的なプロの文章を作成したい場合は、別のサービスを検討してみてもいいでしょう。ただ、一般的なビジネスコミュニケーションで使う表現は、平易なものであることが求められます。
プロ仕様の言い換えができるからといって、その機能をフル活用しなければならないシーンはあまり多くないので、それほど不利な制約とはならないでしょう。
QuillBot AIのまとめ

グローバル化が進み、英文でのコミュニケーションは重要性を増しています。その中で、言語を越えたコミュニケーションは生産性を大きく下げることがあります。しかし、言い方を変えれば改善の余地が大きいということでもあります。
QuillBot AIは英文でのコミュニケーションを行う上で、最初に使ってみるのに向いているツールです。そのうえで機能も多く、使い慣れても不足感をあまり感じない、長く付き合っていけるツールだと思います。
AIは世の中を変える様々なツールを世に出しており、まだまだその活用余地は高いと言えるのではないでしょうか。Jiteraでは、AIを中心に様々な開発案件等のご相談をお受けしています。ご興味を持っていただけたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

