システム開発会社の見積もりが想像していたよりも高かったという思いは、開発見積もりをおこなう方なら、だれしも一度は経験があるかもしれません。
そこで、今回は高いシステム開発会社からの見積もりが高いと思った際に、どのようなポイントをチェックするべきなのか、相見積もりを価格だけで判断してはいけない理由や開発会社との交渉のポイントについてわかりやすく解説していきます。
システム開発会社の実績や信頼性、開発の品質やスピード、コストパフォーマンスなど、重要な要素を確認し、最適な判断を下すためのポイントを紹介するので、高い見積もりに困っている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
見積もりが「高い」理由は?
システム開発の見積もりが高いかどうかを判断するには、単純な金額比較だけでなく、その背後にある理由を理解する必要があります。
見積もりが高い場合の理由は様々ですが、それぞれの状況に応じて適切な判断を行うことが重要です。ここでは、見積もりが高い理由をいくつか探ってみましょう。
開発規模が依頼した開発会社と合わなかった
開発会社と依頼プロジェクトの規模が合わない場合、見積もりが高くなることがあります。
大手企業が中小企業向けに提供する見積もりは、規模や要求仕様が異なるため、見積もりの金額が相対的に高くなることがあるのです。開発会社の特性やプロジェクトの規模を考慮した上で、見積もりの適正性を判断することが重要です。
受注会社の業務知識不足
ベンダー企業が依頼した業務の知識や経験が不足していると、過剰に保守的な見積もりになる可能性があります。
システム開発では、業務要件を正しく理解し、適切な設計を行うことが重要です。業務知識が乏しいと、リスク回避のため余分な工数を見積もらざるを得ず、結果として高額な見積もりとなってしまいます。
業務知識の不足を補うためには、十分なコミュニケーションや教育が必要です。
見積もりを依頼する前に受注会社が発注元の業務をしっかり把握しているか確認しておくとよいでしょう。
足元を見られている
システム開発案件の発注の際に、発注元企業の対応や質問の内容から、ITリテラシーや交渉力が低いと受注側に判断されると、余計な工数や金額を盛り込まれるリスクがあります。IT知識が高く、交渉力があると判断されれば、より適正な見積もりが期待できます。
システム開発会社に見積もりを行う際には、発注元もある程度のIT知識や相場観を把握しておく必要があると覚えておきましょう。
開発会社が受注したくない
開発会社がプロジェクトを受注したくない場合、見積もりが高くなることがあります。
プロジェクトがリスクや問題を抱えている場合や、開発会社の技術やリソースが不足している場合に、見積もりが高くなる可能性があります。開発会社のモチベーションやリソースを確認し、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。
正しく開発依頼をしていない
プロジェクトの要件や目標が明確でない場合、開発会社は見積もりを行う際に不確定要素を考慮する必要があります。そのため、見積もりが高くなることがあるのです。
開発依頼を行う際には、要件や目標を明確にし、開発会社に正確な情報を提供することが重要です。
適正価格で依頼するには?
システム開発の見積もりを複数社から取る際は、単に金額が高いか安いかだけでなく、なぜその単価や工数設定になっているのか、その妥当性を確認することが重要です。
ベンダー間で見積もり内容に大きな開きがある場合は、見積もりの背景や理由を確認し、適正水準を見極める必要があります。ここでは、見積もり金額の妥当性を確認する方法や、高い場合と安い場合の理由について解説します。
見積金額が高い理由を知る
システム開発会社によって、人件費や品質へのこだわり、リスクヘッジの考え方が異なるため、見積金額にばらつきが出ます。
例えば、高額な見積もりとなる主な理由としては、以下のようなケースが挙げられます。
- 人件費が高水準の優秀な技術者を多数擁する
- 高い品質を実現するため、綿密な設計やテストに多くの工数を割く
- 保守運用コストなどのリスクヘッジ分を見積もりに含める
こうした背景を踏まえた上で、実際の工数や人件費単価などを確認し、適正水準か判断する必要があります。
見積金額が安い理由を知る
見積もり金額が安い場合も注意が必要です。
安価な見積もりとなる理由としては、人件費の工数単価が低い開発リソースを活用していたり、工数を極端に削減している可能性があります。安さの理由を理解し、工数や工数単価の確認を怠らないようにしましょう。
見積もりが安い場合は、十分な品質と信頼性が保証されているかどうかを確認することが大切です。
見積もりが想定より高い場合のチェックポイント
システム開発会社の見積もりが高い場合には、次のポイントをチェックしてみましょう。
要件定義の明確化
開発要件が明確でない場合、システム開発会社はさまざまな予測をおこない、その分コストが上がるケースがあります。そのため、要件を明確化し、納得できる見積もりが提示されるまで再度話し合いをおこなってみましょう。
開発期間の見直し
開発期間が長期化、または納期までの期間が短いと開発費用が高くなる傾向があります。見積もりが高い場合は、開発期間が現実的であるか確認し、余裕をもった見積もりを提示してもらうようにすることで費用を抑えられる可能性があります。
開発手法を確認する
システム開発には、ウォーターフォール型やアジャイル型など様々な開発手法があります。開発手法によって、見積もりが異なることがありますので、どのような開発手法を採用するのか確認することが大切です。
開発担当者の技術レベルを確認する
システム開発会社によっては、開発担当者の技術レベルが違うことがあります。開発担当者の技術レベルを確認し、必要に応じて開発担当者の人数や役割を見直してもらうことで費用を抑えやすくなります。
製品の品質や保守・運用にかかる費用を見直す
開発費用の見積もりには、開発だけでなく製品の品質や保守・運用にかかる費用も含まれることがあります。これらの費用が高い場合、製品の品質や保守・運用のクオリティが高いといえる場合があります。
これらのチェックポイントを確認したうえで見積もりが高い場合は再度話し合いをおこない、見積もりを調整するようにしましょう。
相見積もりで価格だけで判断してはいけない理由
システム開発をアイミツの価格だけで判断することは、次のような理由からやめておきましょう。
必要な機能への対応力がない
システム開発では、必要な機能をすべて実装し、正しく動作することが求められます。そのため、アイミツの価格で提供されるサービスは、必要な機能を実現できるかどうかを確認する必要があります。低価格であっても、必要な機能への対応力が不足している場合は、結果として開発期間や運用期間において無駄なコストにつながります。
品質と信頼性が低い
システム開発においては、品質と信頼性が重要な要素となります。アイミツの価格で提供されるシステムの品質が低く、信頼性が低い場合、そのシステムを使用することによって大きな被害を受けることがあるため、それらの要素にも十分に配慮する必要があります。
サポートとメンテナンスが不明確
システムの開発後には、運用やメンテナンスが必要になります。アイミツの価格で提供されるサービスが運用やメンテナンスに対して十分なサポートを提供していない場合、サービス公開後やトラブル発生時に困ることになります。
将来的な拡張性がない
システム開発では、将来的な拡張性を考慮して会社選びをおこないましょう。なぜなら、ユーザーからの満足度を上げるには、システムに機能を追加して、次々と要望に応えていく必要があるからです。そのため、アイミツの価格で提供されるシステムが将来的に追加の機能や拡張性をサポートできるかどうかを確認する必要があります。
以上の理由から、システム開発を相見積もりの価格だけで判断せずに、価格以外の要素を総合的に判断しましょう。
システム会社への発注をする際に重要視するべき要素
システム会社へシステム開発を発注する際には、金額だけでなく様々な要素を総合的に検討する必要があります。適切なベンダーを選定し、高品質なシステムを適正な価格で構築できるかどうかは、要件の明確化や発注プロセス次第です。ここでは、発注時に重要視すべき主な要素をご紹介します。
評判や実績の高さを優先する
システム会社の評判や実績は、その信頼性や技術力を測る上で非常に重要です。具体的には、過去にどのようなプロジェクトをおこない、その成果物がどの程度の品質で納品されたかを確認することが必要です。
また、顧客からの評価や評判が高いかどうかも確認しましょう。これらの情報は、インターネット上で検索したり、システム会社のホームページやSNSでの発信内容をチェックしたりすることで具体的な情報を見つけられます。
要件への対応力や性能の高さを優先する
要件への対応力やシステム性能の高さを求める場合、どのようなシステムやソフトウェアを提供しているのか、それらがどのような機能や性能を持っているのかを把握しましょう。そして、提供されるサービスや製品が将来的にも継続的にサポートされることが保証されているかを確認することも大切です。
プロジェクトマネジメント能力を優先する
プロジェクトマネジメントには、スケジュールや予算の管理、品質管理、リスクマネジメント、コミュニケーション能力などが含まれます。事前にどのような能力を持っているかを確認し、信頼できるプロジェクトマネージャーが担当してくれるかどうかを確認しましょう。
技術力を優先する
システム会社が必要な技術力を持っているかどうかも、プロジェクトの成功に影響を与える重要な要素です。必要な技術が何かを明確にし、それを実装できるスキルを持っているかどうかを確認しましょう。また、最新の技術やトレンドにも詳しいかどうかも重要です。プロジェクトの成功には、常に最新の技術やトレンドに沿ったサービスの提供が欠かせません。
契約条件を優先する
システム会社との契約条件は、発注者にとって非常に重要な要素です。具体的には、納期や価格、サポート体制、保証、契約違反時の罰則、プロジェクトの進捗状況を報告する頻度や報告書の内容などを明確にしておきましょう。また、契約条件には、著作権や知的財産権に関する条項も含まれます。必要に応じて、法的アドバイスを受けることをおすすめします。
サポート体制を優先する
システム会社が提供するサポート体制も、プロジェクトの成功に重要な要素の一つです。システムの保守やサポートが必要になった際、迅速で適切な対応ができるかどうかを確認しましょう。また、システムトラブル発生時の緊急対応についても確認しておくことをおすすめします。
価格を優先する
システム会社が提供するサービスや製品の価格は、プロジェクトの予算にも大きな影響を与えます。ただし、単純に価格が安いからといって、必ずしもそのシステム会社が最適な選択肢とは限りません。必要なサービスや品質に対して、適切な価格が設定されているかを確認し、コストパフォーマンスを検討しましょう。
目的と要件を明確にする
最初に何を達成したいか、必要な要件は何か、目的と要件を明確にすることが重要です。会社として、どのようなシステムが必要か、どのような機能が必要か、予算はどの程度かなど、可能な限り具体的に決定しておくとシステム会社との交渉がしやすくなります。
交渉の席で自分の立場を明確にする
交渉の席では、自分の立場をはっきりと伝えることが重要です。予算や期限に関する制限がある場合は、そのことを開発会社に伝え、可能な範囲で最適な提案をしてもらうようにしましょう。
良好な関係を築く
システム開発会社との交渉は、長期的なパートナーシップを築くことで有利な条件を提示してもらいやすくなります。そのため、できる限り開発会社との良好な関係を築き、信頼関係を構築しましょう。
システム開発会社の見積もりが高い場合のまとめ
システム開発の見積もりが高いと感じた場合、その背景にある理由を確認することが重要です。
開発規模とベンダーの能力のミスマッチ、業務知識の不足、発注側への身勝手な価格設定など、見積もり金額が高額になる原因はさまざまです。
一方で、安価な見積もりも品質面や手抜きのリスクがあるため、見積もり金額が安すぎるケースも要注意です。見積もり金額が高い場合も安い場合も、適正な内容かどうかを見極める必要があります。
見積もりの妥当性を判断するためには、工数の設定根拠や人件費単価、品質へのこだわりなどを詳細に確認し、総合的に検討することをおすすめします。中小企業のIT投資は予算の制約もあり、適正な価格設定は非常に重要です。
システム開発の見積もりに関するご質問やご相談があれば、IT専門家のいるJiteraまでお気軽にご連絡ください。見積内容の確認や、適正価格の見極めをサポートさせていただきます。
株式会社Jiteraは、システム開発のプロフェッショナル集団としてビジネス上の課題を解決するためのベストな技術やサービスを提供しています。弊社は、システム開発をご依頼になられる会社様へサービスを提供するために、グローバルでハイレベルな技術者や経験豊富なプロジェクトマネージャーを含めた強力なチームを結成しています。
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