POSシステムとは?レジ端末の仕組みやメリットデメリットをわかりやすく解説

POSシステムとは簡単に言うと「販売の情報をその場で集めて、売上や在庫を管理するシステム」です。

最近ではクラウド型POSシステムやタブレット型POSシステムなど、様々な種類のPOSシステムが登場しています。

この記事では、POSシステムやレジ端末の仕組みやメリット、デメリットから事例までをわかりやすく解説します。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

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執筆者 toshi_writer

小中規模プロジェクトを中心にSEやコンサルとして活動。クラウド導入やスタートアップ、新規事業開拓の支援も経験しました。

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    POSシステムとは

    POSシステムとは、Point of Salesの略です。店舗などの「販売時点での情報管理システム」のことを指します。

    具体的には、レジで商品をスキャンし計算するPOSレジやそれに接続されたPOS端末、POSソフトウェアなどから構成されます。

    POSシステムを利用することで、商品の販売データをリアルタイムに管理でき、売上高や商品の在庫状況が一目で確認できるようになります。

    例えば、スーパーやコンビニで使われているレジや棚札、バーコードリーダーなどがPOSシステムの一部です。店員が商品に付けられたバーコードをスキャンするだけで、商品情報がPOS端末に入力され、スムーズに決済が完了します。

    POSシステムは小売店や飲食店はもちろん、美容室やクリニックなどのサービス業でも活用されています。販売や顧客管理をデジタル化することで、業務の効率化が図れるのが大きなメリットです。

    このようにPOSシステムは、販売時点で発生する様々なデータをリアルタイムに管理・処理をするシステムと言えます。

    POSシステムのメリット

    POSシステムを導入することで、小売店や飲食店の業務効率化だけでなく、販売分析などの戦略立案にも大きく役立つ効果が得られます。以下、POSシステムのメリットについて詳しく解説していきます。

    販売データの一元管理

    POSシステムを活用すれば、全店舗の販売データを本部で一括して管理することができます。新商品の売上推移や定番商品の販売個数をリアルタイムで把握できるため、商品開発や店舗の商品構成の改善に役立てられます。

    例えば人気商品について、購買層や購買時間帯などのデータを分析することで、その理由を探ることができます。そうした知見を活用すれば、新商品の開発や売場のレイアウト改善につなげることが可能です。

    一方で売れ行きが伸び悩んでいる商品のデータを見ると、地域や店舗形態によって売上に違いがあることが分かるため、その原因に応じた対策を講じることができるでしょう。このように顧客視点に立った商品開発や店舗運営が実現できます。

    決済業務の効率化

    POSシステムでは値引きやクーポン適用の計算を自動で処理するため、レジ精算ミスの防止が可能です。また会計時間の短縮により、お客様の待ち時間を減らすことで満足度向上も期待できます。

    さらに、本部からの期間限定セールのような施策変更もシステムへの反映が自動化されているため、店舗のオペレーション変更は最小限で済みます。

    結果、従業員は、商品知識の習得やお客様対応など、より付加価値の高い業務に注力することが可能になります。

    在庫管理の精度向上

    POSシステムでは実際の売上に連動して正確な在庫データの取得が可能です。

    これにより欠品リスクを最小限に抑えることができます。万が一過剰在庫が発生した場合も本部で把握できるので、次回の発注数を調整し最適な在庫水準を維持することができます。

    また定期的な棚卸し作業がほとんど不要になるため、業務効率化も実現可能です。売上向上とコスト削減の両立を後押ししてくれるでしょう。

    顧客管理と分析

    POSシステムにより顧客の購買履歴データを蓄積できるため、商品の購買傾向や来店頻度などのデータ分析が可能になります。分析結果を活用すれば、ターゲットを絞ったダイレクトメールの送付や、顧客ニーズに合わせた販促施策を打ち出すことができます。

    例えば、主婦層の間で人気の高い商品が分かれば、関連の販促キャンペーンを実施して集客増に結び付けられます。また夕方の時間帯に来店する顧客が多ければ、夕食向けの商品クーポンを送付するなど、費用対効果の高い施策が可能になるでしょう。

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      POSシステムの種類

      POSシステムの種類

      POSシステムには、大きく分けてパッケージ型とクラウド型の2種類があります。業種や店舗規模に合わせて選択することが重要です。以下、詳しく解説していきます。

      パッケージ型POS

      パッケージ型POSの大きな特徴は、専用のハードウェアとソフトウェアがセットになっているため、高い処理能力とセキュリティ性能を発揮できることです。

      POS専用のハードウェアを使用するため、商品の売買処理能力が非常に高く、大量の商品データや複雑な値引き設定も速やかに処理ができます。また、POS専用のオペレーティングシステムを採用することで、コンピューターウイルスへの対策もしっかり行われています。

      ソフトウェアもPOSに特化して設計されているため、売上管理や在庫管理といった小売業務に適した機能が充実しています。端末ごとに異なる商品グループを設定したり、時間帯によってレジの画面を切り替えるなど細かいカスタマイズが可能です。

      一方で、ハードウェアとソフトウェアが一体となっているため、POSシステムの入れ替え時には全面刷新が必要になります。また、利用できるソフトウェア機能にも制限が出てくる場合があります。

      このようにパッケージ型POSは、処理能力とセキュリティ面では高水準なものの、カスタマイズ性や拡張性に制限があるという特徴があります。

      クラウド型POS

      クラウド型POSの大きな特徴は、専用のハードウェアが不要で身近なタブレットやPCを利用できる点です。

      POSアプリをダウンロードするだけで使用できるため、初期投資と運用コストを大幅に抑えられます。さらにアプリのバージョンアップにより、新しい機能を取り入れることもできるので、システムの老朽化を防ぐこともできます。

      インターネット経由でサーバー上のデータを利用するため、複数店舗の集中管理がしやすくチェーン店舗などに向いています。本部などで、メニューや価格帯の変更を一括で反映できることが強みです。

      一方で、通信環境に左右されやすいことがデメリットです。インターネット回線が不安定な地域では導入が難しい場合があります。また、セキュリティ面での懸念もあるため、クレジットカード情報等の重要データは扱えないケースが多いです。

      このようにクラウド型POSは、低コストでの導入ができる反面、通信環境やセキュリティへの依存度が高いのが特徴といえます。

      POSシステムの仕組み

      POSシステムの仕組み・導入事例

      POSシステムは、ハードウェアとソフトウェアから構成されています。代表的なハードウェアには、POS端末やバーコードリーダー、レジなどがありソフトウェアがそれらを制御しています。代表的な機器とその役割を見ていきましょう。以下、詳しく解説していきます。

      ハードウェア

      主なハードウェアには、POS端末、バーコードリーダー、POSレジ、プリンターがあります。

      POS端末がレジデータの処理を管理し、バーコードリーダーが商品コードの読み取りを行います。POSレジは決済のための一体型機器で、プリンターがレシートを発行します。

      ソフトウェア

      ソフトウェア側では、POS端末を制御し商品データベース管理や売上処理、在庫管理などの機能を提供しています。

      商品データベースに登録された情報に基づき、レシート発行や売上計上が行われます。割引計算や特売対応など、販売管理機能も重要な役割を果たします。

      近年ではクラウド型のPOSソフトウェアが登場し、導入コストを大幅に引き下げることに成功しました。また、スマートデバイス対応のシステムも普及し始めており、POSソフトウェアの進化によりPOSシステム全体の性能の向上をもたらしています

      ネットワーク

      POSシステムでは、本部のコンピュータと各店舗のレジがネットワークでつながっています

      レジで商品のバーコードを読み取ると、その情報がネットワークを通って本部に送られます。本部のコンピューターはその情報を受け取り、データベースから商品名や値段を引っ張ってきます。それをまたネットワークでレジに送り返すので、レジに正しい金額が表示されるのです。

      会計が終わると、今度はレジから本部にお会計の内容が送られます。これにより、本部で売上管理ができるようになっています。

      データベース

      商品の名前や値段などの大事な情報は、本部のコンピュータにあるデータベースに入っています。データベースはデータをたくさん入れておける、大きな引き出しのようなものです。

      店舗で扱う全ての商品の情報が、このデータベースに入力されています。データベースにあるデータを、ネットワークを通じてレジに送ることで、レジで商品の正しい情報を確認できるのです。

      クラウドサービス

      最近ではPOSシステムを、クラウドと呼ばれるインターネット上のコンピュータで運用するサービスが増えています。

      クラウド上に本部の役割を持つコンピューターとデータベースがあり、店舗のレジはインターネットを通じてそことつながっています。ネットワークとデータベースの役割はこれまでと同じですが、コンピュータをクラウド上に置くことで手軽にPOSシステムを導入できるようになりました。

      POSシステムの導入をお考えなら、ぜひ株式会社Jiteraにご相談ください。豊富な開発実績と小売業界に特化したノウハウを活かし、貴社のニーズに合ったPOSシステムを提案いたします。
      Jitera

      Jiteraでは、POSシステムの設計・開発から導入・運用まで、トータルでサポートいたします。業界トップクラスのエンジニアチームが、最新のテクノロジーを駆使して、高品質なシステムを構築します。

      JiteraのPOSシステム開発の特徴

      • 貴社の業務フローに合わせたカスタマイズ性の高いPOSシステムの開発
      • AIを活用した高度な在庫管理や需要予測機能の実装
      • ECサイトとの連携による、オムニチャネル戦略の推進
      • 運用・保守を含めたワンストップでのサービス提供

      Jiteraが開発するPOSシステムは、業務の効率化だけでなく、データ分析を通じた戦略的な経営判断にも貢献します。販売データや顧客情報を可視化し、AIによる分析を行うことで、需要予測の精度向上や最適な仕入れ計画の立案が可能になります。

      POSシステムの導入は、小売業の業務改革と収益拡大への第一歩です。Jiteraは、貴社のビジネスの成長を、テクノロジーの力でサポートいたします。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。

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      POSシステムの機能一覧

      POSシステムは、販売から決済、在庫管理、分析、マーケティングまでの業務をサポートしてくれる便利なツールです。ここでは、どんな機能があるのかを紹介します。

      販売処理

      販売処理はPOSシステムの中核機能です。顧客が商品を購入した際に、その商品の情報をPOSシステムに入力し、売上を記録する一連の流れのことを指します。

      POSシステムの販売処理には、主に以下の3種類の方法があります。

      • バーコードスキャン
      • タッチパネル
      • POSキー

      割引やクーポンの計算も自動で行われ、ポイント計算や期間限定のキャンペーンも対応できます。複数の商品を一括して会計できるので、スムーズな販売が可能です。

      決済処理

      POSシステムにおける決済処理とは、顧客が商品を購入した際に、代金の支払い方法を選択し支払いを実行することです。

      決済処理には、主に以下の3つの方式があります。

      • オフライン処理
      • オンライン処理
      • モバイル決済

      近年では、キャッシュレス決済の普及に伴い、POSシステムの決済処理も大きく変化しています。従来の現金決済に加え、クレジットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済など、様々な種類の決済方法に対応したPOSシステムが主流となっています。

      在庫管理

      在庫管理とは情報をリアルタイムで把握し、最適な在庫レベルを維持するための機能です。具体的には以下のような機能が含まれます。

      • 在庫数の自動更新
      • 発注点管理
      • 発注管理
      • 棚卸し支援
      • 在庫分析

      POSで売れた商品データが本部に送られ、自動で在庫数が減算されます。本部で一括して在庫状況を把握でき、過剰在庫や欠品を未然に防げます。また発注計画の立案にも役立ちます。

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      売上分析

      POSシステムで記録された売上データを使って、売上状況を分析することです。具体的には、以下の項目を分析できます。

      • 商品別売上
      • 部門別売上
      • 顧客別売上
      • 時間帯別売上
      • 曜日別売上

      時間帯や地域、商品カテゴリーごとの売上データを様々な軸で分析できます。売れ筋商品の特定や、売り上げ不振商品の原因分析など、マーケティングに活用可能です。データに基づいた施策立案が可能になります。

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      顧客管理

      POSシステムの顧客管理機能は、顧客情報をデータベース化して管理・活用する機能です。顧客の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、購入履歴、ポイント情報などを登録し、様々な分析や施策に活用することができます。

      活用できる具体的な項目は以下のようなデータです。

      • 顧客情報の登録・編集・削除
      • 顧客情報の検索
      • 購買履歴の閲覧
      • ポイント管理
      • DM・クーポン発行
      • 顧客分析

      会員制の場合、顧客の購買履歴からニーズを把握できます。個人個人の嗜好に合わせた的確なアプローチや、ターゲットを絞ったキャンペーンなどを実施できます。

      POSシステムの導入方法

      POSシステムを導入する際のプロセスを順を追って見ていきましょう。以下、詳しく解説していきます。

      POSシステムの導入には大きく分けて4つのステップがあります。

      ニーズを定義する

      POSシステムの導入には、まずニーズの定義が重要です。

      在庫管理、販売管理、会計処理などの基本機能に加え、特に重視する機能要件は何かを洗い出します。現行システムの課題を分析し、データ処理の内容やインターフェース等の具体的なニーズを定義します。

      必要な機能とデータ処理内容を明確にしましょう。

      システムを選定する

      明確化したニーズに基づいて複数のベンダーから提案を受け、デモを確認しながら最適なシステムを選定します。機能面・コスト面・拡張性などの観点から最適なシステムを選定しましょう。

      システムを構築する

      選定したPOSシステムの具体的な構築作業を進めます。ハードウェア設置、ソフトウェア導入、ネットワーク構築、データ移行など様々です。

      実際の構築作業では想定外の作業が生じないよう、しっかりとしたスケジュール管理を行うことが大切です。

      運用する

      構築が完了したら、運用の開始です。運用開始時はシステムの動作確認や従業員の研修を行う必要があります。障害発生時の対応フローの確立と、定期保守による安定運用も重要です。

      ニーズの変化に合わせ、定期的なソフトウェアのアップデートと、数年に一度のハードウェア入れ替えを行いましょう。

      POSシステムの選び方

      POSシステムの導入では、総合的なコストと機能面での妥当性を見極める必要があります。さらにセキュリティ対策やサポート体制など、運用面での安全性と事業継続性の担保も重要な要素となります。

      POSシステム選定時のポイント5つを解説します。

      コスト

      OSシステムの導入には初期投資が必要です。ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク構築、データ移行の費用が発生します。また、運用開始後の保守・ライセンス更新費用も考慮する必要があります。
      総合的なコストを見積もり、投資対効果を検証することが重要です。

      必要な機能と拡張性

      POSシステムには在庫管理、販売管理、会計処理など、店舗運営に欠かせない様々な機能が必要です。

      機能面では必要最低限の要件をクリアしているかを確認が重要です。

      また、将来的な事業拡大にも対応できるよう、店舗の増設や新機能の追加など、拡張性の高いシステムを選ぶ必要があります。事業に合わせて柔軟に進化できるかがポイントです。

      セキュリティ対策

      POSシステムでは個人情報や決済データなど、センシティブな情報を取り扱います。外部からの不正アクセスや情報漏洩リスクに対し、堅牢なセキュリティ対策が不可欠です。

      例えば、データ暗号化、アクセス制限、監視ログの取得など、個人情報保護法を順守した十分な対策が求められます。

      サポート体制(障害時の対応)

      万が一システム障害が発生した場合、速やかに復旧できるサポート体制が重要です。障害時の初期対応はもちろん、遠隔保守による問題解決や、定期保守による予防保全などがあるものを選ぶのがおすすめ。

      ベンダーのサポート体制とサービスレベルを確認し、事業継続性の観点から評価することが大切です。

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      POSシステム導入のデメリット

      POSシステムには導入コストや運用面でのデメリットもあります。代表的な問題点は次の通りです。

      コスト負担

      POSシステムを導入するには、システム構築費用や端末導入費用などの初期コストがかかります。加えて、ソフトウェアのライセンス料や保守料などの定期的な運用コスト負担も発生します。小規模な店舗の場合、導入コストがネックになることがあります。

      例えば、パッケージ型のPOSシステムを導入する場合、1店舗あたり数百万円の初期費用が一般的です。端末やサーバー、キャビネットなどのハードウェアに加え、ソフトウェアのライセンス、設置工事費などが含まれます。

      またクラウド型でも、タブレット端末やプリンターなどのハードウェア購入費用、ソフトウェア使用料が発生します。

      維持運用する上でもバージョンアップのための追加投資や、端末や機器の定期交換が必要になるため、コストは長期にわたって継続的に発生します。

      小規模事業者にとってPOSシステムは大きな初期投資となるため、コスト対効果を慎重に判断する必要があります。クラウド型の定額制運用などの検討も重要だと言えます。

      システム障害リスク

      ネットワーク障害やシステムダウンが起きた際、POSが使用できなくなれば店舗営業そのものが機能しなくなってしまいます。障害時のバックアップ体制が必要不可欠です。

      例えば、通信回線の不調やサーバーの故障などでPOSシステムが一時的に使用不能に陥った場合、店舗は商品販売ができなくなります。特に電子マネーやクレジットカードが使えなければ売上機会を大きく逃してしまいます。

      そのため、通信回線の二重化や予備サーバーの設置、手動での売上処理が可能なバックアップ端末の用意など、障害時にも最小限の売上処理ができる体制を構築することが重要です。

      また、セキュリティ面でのリスクにも対応するため、POSシステムは常に最新の状態に更新されている必要があります。

      習熟に時間がかかる

      従業員が新しいPOSシステムに習熟するまでには訓練期間が必要です。習熟の遅れがサービス品質の低下につながる場合もあります。

      POSシステムの操作方法を覚えるだけでなく、商品データベースの登録や在庫管理、売上処理といった一連の業務フローを習得する必要があります。

      特に高度な機能を持つシステムの場合、管理者権限での設定等は非常に複雑です。店舗スタッフが短期間の訓練だけで使いこなせるとは限りません。

      訓練期間を十分に取れないまま導入すると、期待した効率化を達成できないばかりか操作ミスによる在庫管理の精度が低下するなどの弊害が出かねません。

      また、レジ打ちなどのお客様対応業務に支障が出るとサービス品質の低下に直結するため、十分な習熟期間を確保することは欠かせません。

      段階的な訓練計画を立て、日常業務と訓練を並行する期間を設ける等、工夫しながら従業員の習熟を図る必要があります。

      特定ベンダーへの依存

      システム導入後は、ベンダーのサポートに依存せざるを得ません。そこで、ベンダーの業績悪化などでサービスが受けられなくなるリスクが存在します。

      パッケージ型のPOSシステムの場合、ハードウェアとソフトウェアがベンダー独自のものに限定されるため、そのベンダーに強く依存することになります。

      例えば、ソフトウェアのバージョンアップで新機能を利用したい場合や、故障したハードウェアの修理などは元のベンダーに依頼するしかありません。

      ベンダーの経営が悪化したり事業継続が困難になった場合、必要なサポートサービスが受けられなくなる可能性があります。このリスクを回避するには、様々な会社のハードウェアと連携可能な、ありふれたソフトウェアを選択する等の工夫が必要です。

      ですからPOSシステムを選ぶ際に、ベンダー依存のリスクを最小限に留めることが重要だと言えます。

      POSシステムの導入事例

      ここからは具体的なPOSシステムの導入事例を見ていきましょう。成功のポイントを参考にして自社へ導入する際にも活かしましょう。

      株式会社タカミヤ

      株式会社タカミヤは、釣り顧客の深夜・早朝の需要に応えるため、従業員の労働環境改善を目的に無人店舗を展開することにしました

      そこで、NECのセルフレジシステム「NeoSarf/POS」と顔認証入退室システム「Bio-IDiom KAOATO」を導入。24時間営業の無人店舗「いつでも餌蔵」を2022年11月に開店しました。

      事前登録顧客のみ入店可能で高いセキュリティを実現しながら、従業員の深夜勤務を削減に成功。お客様自身がスムーズに決済操作できるシステムの採用が鍵となりました。

      事例紹介ページ

      株式会社パーク・コーポレーション

      フラワーショップやカフェを経営する株式会社パーク・コーポレーションではいち早くPOSシステムを導入しました。

      当時は紙のポイントカードを使用し顧客管理ができず、ポイント還元でしか活用できていませんでした。そこで、顧客管理がワンストップで対応できる「POS+」の導入を決定。

      iPadで誰でも簡単に使える上に、カスタマイズも可能なシステムなので、店舗対応がスマートになったとのことです。目的やニーズに沿った選定が成功のポイントとなった事例です、

      事例紹介ページ

      株式会社瀬戸内ジャムズガーデン

      瀬戸内ジャムズガーデンでは、当初POS機能がないレジスターを使用していました。データの蓄積や詳細な分析ができないため、商品開発や製造計画などに活用することができないのが課題でした。

      そこでPOSレジ導入を決定。全てのスタッフが操作しやすいことやサポート体制が決め手となり、POSレジ「BCPOS」の導入をすることにしました。

      POSレジのデータをマーケティングの軸として、イベント企画やネット販売、スマホアプリでの販売などに活用していく考えです。

      事例紹介ページ

      POSシステムの今後

      今後POSシステムは、単に商品の販売データを管理するだけのシステムではなく、小売業や飲食店をはじめとする様々な業種の中心となるシステムへと進化していくことが予想されます。

      例えば、顧客の購買データを分析することで、それぞれの属性や嗜好を明らかにし、商品開発やターゲティング広告などのマーケティングに活用できるようになるでしょう。

      また、AIを活用した自動発注や在庫最適化などの、高度な機能を備えた次世代型POSシステムが登場し、従業員の負担を軽減する役割も担うようになると考えられます。

      さらに、POSシステムとECサイトを連動させることで、実店舗とオンラインショップをスムーズに連携し、実店舗での販売データをオンラインショップと共有することができるようになります。その結果、両方で在庫管理を一括管理できるようになります。

      店舗内で売り切れていても、オンラインで注文をして店舗で受け取れるような、全く新しい買い物スタイルを提供できるようになるかもしれません。

      POSシステムとECサイトの連携は、対面販売とオンライン販売をぴったりとつなぎ合わせることができるため、より便利で快適な買い物環境を実現できる可能性があるのです。

      まとめ:POSシステムは売上と顧客を繋ぐスマートレジ

      今回の記事では、POSシステムの基本的な機能やメリット、デメリット、導入のポイントについて詳しく解説しました。POSシステムを上手く活用することで、店舗運営の効率化はもちろん、販売データの分析から新商品開発までさまざまな経営戦略に活かすことができます

      一方で、導入コストやセキュリティ面のリスクがあることも理解しておく必要があります。自社のニーズに合ったPOSシステムを選定するのが成功の鍵と言えるでしょう。

      POSシステム導入に興味がある方は、一度株式会社Jiteraに相談ください。当社ではPOSシステムに関する導入支援を行っています。お気軽にお問い合わせください。

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