デジタルマーケティングにはWebサイトの作成が欠かせません。その際利用するシステムを一般的にCMS(Contents Management Systemコンテンツマネジメントシステム)と言います。その名前の通りWebサイトを構成しているコンテンツである画像やテキスト、デザインやレイアウトなどを一次元的に保存および管理しているシステムのことを指し、代表的なもので言えば世界でトップシェア率を誇るWord Pressが一番わかりやすいのではないでしょうか。
しかし、こうしたWebの技術は発展スピードが速いものであり、最近では新しいシステムとしてヘッドレスCMSが台頭し始めていることをご存じでしょうか?
そこでこの記事ではヘッドレスCMSについて概要とメリットやデメリットおよび代表的な3つについて紹介していきますので、ヘッドレスCMSを導入する際に参考に指定頂けますと幸いです。
千葉県出身。落花生はあまり好きじゃない。魚が好き(千葉は漁業も盛んなのです)。 高校卒業後小売業に6年間従事、2023年よりSESインフラエンジニアとしてシステム開発・運用保守業務に携わりながら勉強中。 知識の幅を増やすため2024年より副業でライター活動を開始。 バックエンド・フロントエンド両方興味があるので幅広く知っていきたいと考えています。 座右の銘:【鉄は熱いうちに打て】
ヘッドレスCMSとは?

おそらくWebサイトの作成を考えていく上でCMSを知り、ヘッドレスCMSという新しい技術も存在することを知ることが多いのではないでしょうか。ヘッドレスCとCMSについて先述した内容を含め簡単に解説していますので、まずはこちらで基本的な内容を把握して頂ければと思います。
ヘッドレスCMSの概要
ヘッドレスCMSとはコンテンツの管理に特化した次世代型のCMSです。Webサイトやサービスを表示する通称ヘッドと呼ばれるビューワー機能を持たないことが特徴です。
この技術が発明された理由としてこのような背景があります。
- 従来のシステムでは運用が長いほどフロントエンドとバックエンドの大量のデータが蓄積される
- 他のCMSへ移行する際に移行や障害発生したときに原因特定に時間が掛かる
このような課題を抱えており、ビューワー機能を管理するフロントエンドとコンテンツ管理を行うバックエンドを一元管理している従来のCMSでは長期間のWebサイト運営をしていく上で大きな課題があるとされています。また、プラグインの更新によって場合によっては意図しないエラーや表示崩れが起きる場合もあり、そういった管理の手間も発生してしまいます。
そこで新たに開発されたヘッドレスCMSでは、フロントエンドとバックエンドが分けられていて干渉しないため、システム変更がしやすいものとなっているのです。また、そのほかにもレスポンスが速く、フロントエンドを好きな言語で開発できるため従来のCMSよりサーバー攻撃に対するリスクを低減させることも可能となっています。
ヘッドレスCMSの特徴
ヘッドレスCMSには以下のような特徴があります。それぞれについて詳しく解説します。
- コンテンツの高い柔軟性
- APIによる自由度の高いコンテンツ配信
コンテンツの高い柔軟性
ヘッドレスCMSではフロントエンドとバックエンドが切り離されているため、コンテンツ構造を柔軟にすることが可能となっています。従来のCMSでは投稿などのブログに特化したシステムをベースに固有のコンテンツモデルを持っていますが、ヘッドレスCMSでは完全にオリジナルで企業のサイトや商品や製品の情報発信ページ、ECサイトなどを作成することができます。
APIによる自由度の高いコンテンツ配信
ヘッドレスCMSではAPIを利用してJSONやXMLなどの構造的データとして配信を行っています。HTTP通信を用いてインターネットを経由してデータをやり取りするAPIをWebAPIと呼びますが、このWeb APIを利用してヘッドレスCMSではコンテンツ配信を行っています。そのため、Webサイトに関わらずIoT端末やモバイルアプリなどさまざまなデバイスやプラットフォームでコンテンツの利用することができ、従来よりも露出度の高いコンテンツ配信が可能となっています。
このような2つの特徴から、コンテンツの活用により可能性を広げつつ開発側の維持開発コストを向上ができるため、今後伸びていく技術といえるでしょう。
従来型のCMSとの違い
さらに具体的にはこれまでのWord PressなどのようなCMSとヘッドレスCMSではどのような違いがあるのか表にして簡単にまとめました。
| 項目 | これまでのCMS | ヘッドレスCMS |
| アーキテクチャ | バックエンドとフロントエンドが一体化している | バックエンドとフロントエンドが分離されている |
| コンテンツ配信 | Webブラウザを前提にWebページで配信 | API経由で任意のプラットフォームへ配信 |
| コンテンツの活用範囲 | 単一のWebサイトのみ | 複数のWebサイトおよびアプリケーション |
| ワークフローの流れ | ウォーターフォール | アジャイル |
| 開発コスト | 低くプログラミングの知識が無くてもある程度Webサイト作成可能。プラグイン利用でコスト削減も可能 | 高くデザインからプログラミングおよび実装まで行う。 |
| 自由度 | 限定的で低い | 好きな言語で実装するため自由度が高い |
| 保守運用コスト | 高い。プラグインの定期的な更新や脆弱性対応などがある | バックエンドの保守運用が不要なため低い |
CMSでは簡単に開発できる分、維持運用にコストが掛かりテンプレートを利用するため自由度が低くなっていることがわかります。そして、ヘッドレスCMSでは基礎部分から実装を行う必要があるためプログラミングの知識が必要となります。しかし、その分言語選択やコンテンツ配信のプラットフォームが幅広くかなり自由度が高くなっています。このため、どちらを取り入れるかは企業やプロジェクトにあった開発コストと技術的リソースの有無から考えると良いでしょう。
ヘッドレスCMSのメリット

先ほど簡単にメリットの部分を紹介しましたが、さらに詳しくヘッドレスCMSを導入した場合の利点を紹介していきます。実装した場合のメリットについて知ることで、企業やプロジェクトがCMSとヘッドのどちらを利用するべきか決めやすくなるでしょう。
表示速度が速い
ヘッドレスCMSではこれまでのCMSと比べて画面(ビュー)を生成する必要がないため、表示速度が非常に速く利用するユーザーに対して画面表示まで待たせることが無くなります。
これはユーザーに対して非常に大きなメリットとなります。記事を表示するたびに時間が掛かっていてはユーザーは離れてしまいますし、サイト内を見て回ることもなくなり、検索エンジンからの評価も高くならず機会損失につながってしまうため、管理者にとっても大きなメリットといえるでしょう。
開発の自由度が高い
テンプレートを利用せず作成するため記事やカテゴリ投稿者などのコンテンツを自由に作成でき管理画面の入力フォーマットに縛られない自由なコンテンツ設計が可能となります。そして好きな言語やフレームワークを用いてフロントエンドを自由に改修できますしバックエンドで変更や修正、機能の追加をフロントエンドへの影響を考えることなく行うことができます。変更した際にサイト全体を作り直すという必要もないため会社のホームページやECサイトの商品ページなどのような比較的変更が頻繁に行われるような場合に最適といえます。
セキュリティ面が強い
動的なコンテンツでは不正アクセスやデータの改ざんといたサイバー攻撃問題が後を絶ちません。企業の大小や個人法人関係なくWeb上に公開されているものであれば誰しもが狙われます。これはCMSで作成されたWebサイトでは、動的ファイルを表示させる際にサーバーとデータをやり取りする為に起きています。ヘッドレスCMSではフロントエンドに静的なファイルしかを置かないため従来の脆弱性に対して強力な対策となります。
一度情報漏洩やセキュリティインシデントが起きると大きな信用問題になってしまいます。そうならないためにもセキュリティ対策を行うことが必要不可欠となります。
マルチデバイスに対応している
ヘッドレスCMSはフロントエンドとバックエンドが別々になっており、バックエンドのみのコンテンツ管理に特化しています。そのためデバイスごとに独自のデザインを用いたフロントエンドの構築ができ、Webサイトの他にAndroidアプリやiOSアプリなどのようにユーザーが利用する環境に合わせたフロントエンドを提供することができます。フロントエンドではAPIを利用することでヘッドレスCMSからデータを受信しビューを形成するため、CMSよりもより柔軟にユーザーの環境に合ったサービスを提供可能にしています。
ヘッドレスCMSのデメリット

ここまで自由度の高さやセキュリティの面からさまざまなメリットがあることがわかったと思いますが、そんなヘッドレスCMSでもデメリットがいくつか存在します。デメリットを把握した上で採用するかどうかを決めるようにしましょう。
エンジニアが必要になる
従来のCMSではプログラミングの知識が無くても作れるほど簡単にWebサイトを作成できますが、ヘッドレスCMSでは導入の際にAPIを利用したデータのやり取りやNuxt.js、Next.jsといったフレームワークとともにフロントエンドの知識も要求されます。フロントエンドの他にバックエンドでもAPIの設計力が求められるため双方の技術的知見があるエンジニアが作成することが望ましいですが、基本的にはフロントエンドとバックエンドそれぞれ個別にエンジニアをつけて開発するという形になることが多くなります。両方できるエンジニアを探すのは苦労しますし雇う際に高額になってしまうことは言うまでもないため、導入段階でどこまでコストを掛けられるかによって対応方法が異なっていきます。
このように導入コストが高くなりやすいことがデメリットの1つといえます。
運営に高い技術が求められる
従来のCMSでは操作がわかりやすくWeb上に情報が多くあることから非エンジニアでも導入と保守運用が簡単にできていましたが、ヘッドレスCMSではフロントエンドとバックエンドが分離しているため、それぞれ導入した言語に対して知識やスキルがないとサイトの開発や運営が難しいものとなります。また、言語が違えばその分異なった脆弱性が出てくるため、サイバーセキュリティの観点から見ても脆弱性に対する対処を確実に行う為に一人が管理せず複数人のエンジニアで分担してサイトを管理することが望ましいでしょう。
プレビュー表示が複雑になる場合がある
ヘッドレスCMSの特徴としてフロントエンドのビュー機能を持たないことから、フロントエンドとして別に専用のプレビュー表示機能を利用する必要があります。フロントエンドと個別に開発できるため選択肢は広いものの、その分設計が複雑になりがちです。そのため設計を適切に行うスキルが求められます。しかしながら、ヘッドレスCMSでは基本的には技術者向けに作られたツールのため非エンジニアが操作に慣れる、言語を習得するには多くの時間が掛かることでしょう。こうした非エンジニアにとって細かい設定部分が難しいことがデメリットの1つでもあります。
ヘッドレスCMSを選ぶときのポイント

ヘッドレスCMS導入にはコストが高くなりやすいこと、そのぶんデバイスに制限されることなく自由な開発が可能でサイバー攻撃に強いことがわかったかと思います。それでは導入する際にどのような観点から決めていけば良いかを以下の大きな3つのポイントに絞って解説していきます。
- 機能が充実しているか
- フレームワークの範囲や対応言語は幅広いか
- 料金体系はわかりやすいか
機能が充実しているか
コンテンツ作成にあたり運用や更新する為に必要な機能が充実しているかどうかを確認し、内容をしっかりと把握しましょう。コンテンツ作成時の下書きを保存する機能はもちろんですが画面プレビューや予約投稿などの機能が存在しているものを利用した方が後から追加するよりも楽ですし便利です。
また、ヘッドレスCMSでは複数人でのサイト管理を行うことになるかと思いますので、フロー承認機能やレビュー申請、バージョン管理機能があるとなお良いと思われます。特にバージョン管理機能は、誰かが誤って更新してしまった場合や思わぬエラーが起きた際にエラーが起きる前にバージョンを戻して、Web上の表示を問題なくした上で差分を比べ短期間でのエラー解決に繋げることができます。
こうしたリカバリと確実な運用管理ができるような機能の有無を確認することが大切です。
フレームワークの範囲や対応言語は幅広いか
従来のCMSでは提供されているシステムに制限された言語でしか利用できませんでしたが、ヘッドレスCMSでは対応や連携に利用できる言語およびフレームワークの種類が多種多様です。しかしAPIを利用する際に対応する言語やフレームワークが限られている場合があるため、APIが幅広い言語やフレームワークに対応したものを利用することで、開発者が開発しやすい環境になります。
次に紹介する3選には選ばれていないものの、Meta社が開発したGraphQLを利用したい場合にはGraphCMSが選択しになりますし、KurocoではREST APIに対応している全ての言語やフレームワークが利用できます。このため利用したいAPIやフレームワークを決めておくことで選択肢をある程度絞ることができます。
料金体系は分かりやすいか
ヘッドレスCMSの料金体系はプランによる月額制からPV数によって料金が変動する従量課金制などサービスにより異なっているため、どのような料金体系なのか把握することが必要です。費用をかけずに導入や運用を行いたい場合は、オープンソースなものを利用すると無料で利用することもできます。しかしそういったものは多くが英語であったり言語の設定から行う必要があるため、やはりある程度のスキルが問われるものとなります。有料のサービスを利用してスムーズな開発を行うか、価格を重視して多少苦労してでも無料のサービスを利用するかはエンジニアの有無や記号やプロジェクトがかかけられるコストによりますので、慎重に選びましょう。
代表的なヘッドレスCMS3選

ではここで実際に代表的な3つのヘッドレスCMSについて紹介していきます。もちろんほかのサービスもありますが、これらは多くの企業やプロジェクトで導入されているため、エラーやわからないことが起きた場合にWeb上で情報を収集しやすい利点があるため、ぜひ検討してみてください。
Contentful

Contentful(コンテントフル)はドイツで開発されたヘッドレスCMSです。APIベースのため言語の縛りがなく多言語を利用した開発が可能です。コンテンツを作成する際にはコンテンツタイプとして記事や製品、イベントなどを定義して各種のコンテンツ構造やフィールドの設定を行うことができます。またAPIを利用することが前提とされているため、カテゴリー一覧や記事一覧などのUIについては自分で用意する必要があります。
機能としてはバージョン管理やワークフロー管理、リアルタイムレビュー機能やアクセス管理といった機能をもち、APIの自由度の高さと開発の際の利便性の高さが人気の理由の一つとなっています。有名なところではSpotifyがこのContentfulを利用しています。
基本的には無料で多くの機能が利用できるものの、場合によってはグレードアップが必要になる場合があるかもしれません。また、料金がサービスの中では高めの設定であることと、公式の情報も日本語に対応していないことから英語の説明を理解する必要がありやや敷居が高いものとなっています。
料金体系としては期限なしの無料版Freeと月額型のBasic、カスタムして細かく設定のできるPremiumの3つがあります。詳しい内容は以下の通りとなっています。
| 項目 | Free | Basic | Premium |
| ユーザー数上限 | 5 | 20 | カスタム |
| 権限数 | 2 | 4 | カスタム |
| スペース(データベースのようなもの) | 1 | 1 | 2 |
| コンテンツタイプ上限数 | 25 | 50 | カスタム |
| サポート | コミュニティベースのサポート | 標準的な技術的サポート | 優先的なカスタマーサポート |
| API呼び出し上限 | 100万回/月(超過分は認めれれない) | 200万回/月(超過分は有料で開放) | 制限なし |
| 料金 | 無料 | 約73,930円/月 | カスタム |
以上のことから、英語をある程度理解でき利用者数や豊富な開発実績、コミュニティなどで情報を収集しながら導入を決めたい場合におすすめと言えます。
microCMS

microCMS(マイクロCMS)は日本製のヘッドレスCMSであり、7,000社以上かつ継続率が99%を誇る人気サービスでありAPIベースのシステムとなっています。
予約公開や権限管理機能、画像APIを利用したパラメータで画像サイズやフォーマットを指定して取得する機能があります。また、データベース構造であるスキーマを自由にカスタマイズすることが可能で、メディアサイトからECサイトなど幅広いWebサイト構築を可能としています。また、画面操作が直感的で非エンジニアでも操作しやすくなっており、データ取得時に利用するAPIが開発者向けになっているため、多様なデータを扱えます。ノーコードでコンテンツ単位から管理できるため既存のサイトとの統合を簡単に行い、アプリコンテンツのシステムを導入することが可能であるため開発、運用コストが削減できます。
料金体系としては4つあり、無料のHobby、月額制のTeamとBusiness、Advencedがあります。月額制では上限があっても追加料金を支払うことで枠を広げることも可能です。詳しい内容は以下の通りです。
| 項目 | Hobby | Team | Business | Advenced |
| メンバー人数 | 3 | 3(+1,200円/人) | 20(+1,200円/人) | 50(+1,200円/人) |
| APIリクエスト数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| データ転送量 | 20GB/月(超過時はAPI停止、翌月上限解放) | 200GB/月(+20円/GB) | 1TB/月(+18円/GB) | 1TB/月(+16円/GB) |
| API数上限 | 3 | 10(+2,000円/個) | 30(+2,000円/個) | 50(+2,000円/個) |
| コンテンツ数 | 10,000件 | 20,000件 | 50,000件 | 100,000件 |
| メディアストレージ | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| 料金 | 無料 | 4,900円~/月 | 63,000円~/月 | 150,000円~/月 |
Webサイトを作成するための基本的な部分はどのプランでも無料となっているため敷居が低いことがわかります。また、細かく状況に合わせて料金を変更できるため柔軟性があります。その分、料金についてしっかり把握しないと「気付いたらコストが膨らんでいた」ということになりかねませんので注意しましょう。
小から中規模であればHobbyまたはTeamプランを利用しそれ以上大きいものであればBusiness、よりセキュリティを強化したい場合にはAdvancedを選ぶなど、規模やニーズに合った選択をすることが可能です。
以上を踏まえて複数サイトをで入稿したコンテンツを利用したい場合や、さまざまなサイトを運営していて見た目を自由に変えたい、またはさまざまな言語やフレームワークを利用したサイト構築をしたい人であったり、日本語の情報が多いことから開発者として学習のためチュートリアルやAPIドキュメントを必要とする人などが導入すると良いでしょう。
Strapi

strapi(ストラピ)はAPIのBootstrapをサポートするために作られましたが、現在ではフレームワークを制限されることなく利用できるオープンソースのヘッドレスCMSであり、GitHubからソースを見ることができます。セルフホスティング型とクラウド型のサービスがあり、セルフホスティング型では基本的に無料で利用できますし、クラウド型では14日間の無料トライアル付きの月額制であるため試しに導入してみて合わなければ利用をやめることもできます。
クイックスタートコマンドを打ち込むことで即座に開発環境を構築することが可能です。開発環境の構築が完了した後strapiにログインすることで管理パネルやAPIを簡単にカスタマイズしたりコンテンツタイプの作成やタイトルや本文などのフィールドを追加することができますが、JavaScriptで作成されているためインストールする際にNode.jsやパッケージマネージャー、利用したいMySQLやSQLiteなどのサポートされているデータベースなどを事前に用意しておく必要があります。
基本的にソースコードを公式やコミュニティから参考にして、欲しい機能やプラグインをローカル環境で作成することが可能なため、かなり柔軟に開発することができる環境になっています。
セルフホスティング型サービスを利用する場合のCOMMUNITYとENTERPRISE版の違いは以下の通りです。
| 項目 | COMMUNITY版 | ENTERPRISE版 |
| 権限制御 | 可能 | 可能 |
| コンテンツ管理機能 | あり | あり |
| カスタマイズ機能 | あり | あり |
| API呼び出し回数 | 無制限 | 無制限 |
| サポート体制 | コミュニティ | コミュニティの他にテクニカルサポートやカスタマーサクセスマネージャが利用可能 |
| リリース機能 | なし | あり |
| ワークフロー機能 | なし | あり |
| 料金 | 無料 | カスタマイズ |
そしてクラウド型サービスを利用する際の料金体系や内容は以下の通りです。
| 項目 | DEVELOPER版 | PRO版 | TEAM版 |
| アカウント数 | 1 | 5 | 10 |
| 登録可能なコンテンツ数 | 1,100 | 100,000 | 1,000,000 |
| 自動バックアップ機能 | なし | あり | あり |
| 監査ログ機能 | なし | なし | あり |
| ワークフロー承認機能 | なし | なし | あり |
| リリース機能 | なし | なし | あり |
| 料金 | 約4,390円/月 | 約14,980円/月 | 約75,520円/月 |
以上から基本的にはセルフホスティング型のサービスを利用することが望ましく、利用にはある程度のプログラミングに関する知識が必要です。情報も英語のものが多いため、敷居が高めではあります。しかしクイックコマンド1つで素早く開発環境を整えることができ、無料で利用できることは大きなメリットといえます。
一方でクラウド型サービスを利用すれば導入にコストが掛かるものの、プログラミングの知識をセルフホスティング型よりも必要とせず開発環境を整えることができます。企業やプロジェクト内に対応可能なエンジニアがいるかなどで料金体系を選ぶと良いかもしれません。
strapiの導入についてまとめると、自社でサーバー設置ができたり自分で用意ができるスキルがあり、開発環境を素早く整えプラグインなどをオリジナルで作るなど高度な柔軟性が欲しい場合に導入するのがお勧めといえます。
ヘッドレスCMSのまとめ

ヘッドレスCMSについて概要やサービスについて紹介してきましたが、現在広く使われているCMSが駄目というわけではなく、あくまでも導入する技術の1つとしてこのヘッドレスCMSが注目されているということを忘れないでください。企業やプロジェクトがCMSとヘッドレスCMSのどちらを導入するのが良いかをまず考えた上で、ヘッドレスCMS導入するのであればネックとなるのがエンジニアや導入する技術やサービス料金の存在となります。このような課題について株式会社Jteraにお問い合わせいただければ豊富な実績と経験、AIを利用した短期間での問題解決やサポートが可能ですのでぜひ一度お問い合わせください。
