本記事では、c ++とAIの関連性やメリット、pythonでのディープランニングとの違いについて解説していきます。
c ++はC言語から発展したプログラミング言語です。つまり、「C言語」の機能をさらに拡張させたものが「c++」となるわけです。
WEBアプリケーションの開発、AIの開発、ロボット技術の開発など、あらゆる分野で使われているプログラミング言語です。
幅広く使われている言語ですが、今回はAIに焦点を当てて解説をしていきます。
C言語によるAI開発の可能性
コンパイル言語であるC++をはじめとしたC言語は、Ai開発にも用いられています。実用性が高く、人気の高いC言語ですが、AI開発ではどのような形で活用されているのでしょうか。
C++は組込みシステムやリアルタイム処理が必要なシステムの開発で利用されることが多いですが、AI開発においても広く利用されています。
例えば、TensorFlowやOpenCVなどの有名な機械学習ライブラリの一部はC++で書かれていたりします。低レベルのメモリ管理や効率的な演算など、リソースの制御が必要な場面でc++の強みが発揮されます。
ディープラーニングの分野ではPythonの利用が一般的ですが、プロジェクトの要件によってはC++が利用されることもあります。
C++におけるAI開発の基本的な流れ
AI開発のプロセスとしては一般的には以下の4つのフェーズに分けられます。
- 構想
- PoC
- 実装
- 運用
C++におけるAI開発の流れは、一般的なシステム開発とおおよそ同じ流れで開発を行います。「構想フェーズ」ではどのようなAIを開発するか検討・計画を行います。
「PoCフェーズ」ではプロトタイプを作成して、構想している計画が実現可能か実証実験をします。
「実装フェーズ」ではプロトタイプをもとに実際にAI開発を進めていきます。テストを行い問題ないことが確認できたら「運用フェーズ」に移ります。
AI開発においては運用=ゴールではありません。「構想フェーズ」で定めた目的を達成するために常にモニタリングを続けAIの精度を高めていく必要があります。
C言語でAIを開発するメリット
近年は、JavaやPythonの登場によって、ニーズが低下したといわれているC言語ですが、AI開発の分野においては強い存在感を放っています。AIコンテンツの作り方を学ぶ際は、C言語も合わせて習得するのがおすすめです。
なぜAI開発の分野において、C言語が活用されるのでしょうか。ここでは、C言語でAI開発を行うメリットを3つのポイントから紹介します。
高速処理性能
C言語は、構文の単純さとハードウェアリソースを有効活用することによる直接的なメモリ管理によって、高速処理性能を実現しています。JavaやPythonなどの主要なプログラミング言語と比べても圧倒的に処理速度が速く、大規模なデータセットや計算量の多いアルゴリズムでも迅速な処理が行えるため、AI開発には最適です。
リアルタイム性や大規模データの処理など、高速性が要求される場面において、C言語は有用です。効率的なAIコンテンツの作り方を学ぶには、C言語の学習が欠かせません。
ハードウェア制御への柔軟なアクセス
C言語はハードウェア制御への柔軟なアクセスが可能です。C言語の特徴の一つに、ハードウェアを直接的に制御できるという点があります。ハードウェア資源を最適化し、有効活用することにより、AI開発におけるパフォーマンスの向上を目指せます。
AIシステムのハードウェアレベルでの最適化やカスタマイズが容易になる点も、C言語を活用するメリットの一つです。
豊富なライブラリと開発環境
長い歴史を持つプログラミング言語であるC言語は、対応するライブラリや開発環境の数も豊富です。ライブラリや開発環境の活用は、開発効率を高めるには欠かせません。実際に、C言語は多くのAI関連ライブラリやフレームワークがC言語で実装されています。
例えば、OpenCVやTensorFlowなどのライブラリは、C言語で実装されており、画像処理やニューラルネットワークの実装を支援します。さらに、コンパイラやデバッガーなどのツールを利用できる開発環境を導入することで、効率的にプログラミングを行うことも可能です。
C言語は様々なプラットフォームで動作するため、異なる環境やデバイスに対応したAIシステムを開発する際にも適しています。これらの要素からC言語はAI開発に適した言語であることが分かります。
C言語を用いたAIコンテンツの作り方を学ぶ場合、ライブラリや開発環境についても十分にリサーチしましょう。
AI開発におけるC言語とPythonの比較
AI開発においてよく使われるC++をはじめとしたC言語とPythonについてそれぞれ、どのような特徴があり、どのようなシステム開発にむいているのか、比較表を用いて解説をしていきます。
また、開発をする際にどのプログラミング言語を選ぶとよいか、選択のポイントについても見ていきましょう。
C++とPythonの性能比較
C++とPythonの特徴にはどのような違いがあるのでしょうか。また、それぞれの言語がどのような開発に適しているかを見てみましょう。
C++ | Python | |
レベル | 上級 | 中級 |
開発可能なもの | AI・機械学習・Webアプリ・スマホアプリ など | AI・機械学習・Webアプリ・データ解析ツール など |
AIとの相性 | 良い。 処理速度が速い。 |
とても良い。 機械学習やディープラーニングのツールが使えるライブラリが充実している。 |
どの言語を選ぶべきか
冒頭でも記述した通り、AI開発に使われるプログラミング言語は複数あります。どの言語を選ぶかは企業のニーズに合わせた選択をする必要があります。具体的には次の2点を抑えるとよいでしょう。
- 学習コスト&分かりやすさ
- フレームワークについて
AI開発は、継続的に開発やメンテナンスを行うことが必要になります。そのため、対応できる人が多い言語であることがポイントになってきます。しかし、開発したいシステムによっては作りこみが必要になるため各プログラミング言語の特徴を理解した上で検討しましょう。
フレームワークはプログラミング言語を使用して開発する際に、必要な機能があらかじめ用意されているツールのことです。使用するプログラミング言語が対応しているフレームワークを選択しましょう。
C言語で開発できるAIの作り方
AI開発の分野でC言語は幅広く活用されています。では、C言語を活用してAIを開発するには、どのような準備が必要なのでしょうか。
ここでは、AI開発に必要な準備や、AIの作り方を4つのポイントから紹介します。
必要な知識の習得
C言語を用いてAI開発を行うには、必要な知識を習得する必要があります。C言語の基本的な文法や構文や、AI開発に必要な数学やアルゴリズムの知識の理解は欠かせません。また、機械学習アルゴリズムやニューラルネットワークの仕組みについても学習しましょう。
また、実際にAIを開発するには、実践的なスキルも重要です。データの前処理、モデルのトレーニングと評価、ハイパーパラメータの調整などのスキルを磨くことが求められます。C言語を使用するのであれば、特定のライブラリやフレームワークの使用方法をチェックしておくと良いでしょう。
AIの作り方は、座学的な知識だけでは把握しきることはできません。実践的な範囲もきちんと学習することで、正しい作り方を習得することができます。
C言語を使用したAI開発に取り組むには、ベースとなる知識の習得から始めてみてください。
準備・環境整備
AIの作り方に関する必要な知識を習得できたら、実際の開発に必要な環境を整えていきましょう。まず、開発に必要なツールやライブラリをインストールする必要があります。
C言語は対応するライブラリやフレームワークの数が豊富なので、開発するコンテンツとの相性をチェックすることも大切です。コンパイラやデバッガーなどのツールも導入しましょう。
次に、開発環境を整えます。テキストエディタや統合開発環境(IDE)を選定し、プロジェクトの管理やコーディングを効率化します。また、バージョン管理システムを導入して、プロジェクトのバージョン管理を行います。
さらに、AI開発ではデータセットの準備も重要です。適切なデータセットを収集し、前処理を行うことで、モデルのトレーニング制度も高まります。
最後に、アジャイルな開発手法やタスク管理ツールを活用して、効率的な開発を実現していきましょう。
モデルの構築
前準備が完了したら、モデルの構築を行っていきます。まず、ニューラルネットワークや機械学習アルゴリズムを実装するための基本的なデータ構造や関数を定義します。
次に、アーキテクチャを設計・選択し、C言語で実装しましょう。アーキテクチャを実装が完了したら、モデルを構築していきます。
モデルの学習では、学習データを使用して、モデルの重みやバイアスを更新し、目的関数を最小化することを目指します。これには、勾配降下法などの最適化アルゴリズムを実装し、学習プロセスを反復する方法が採用されることが多いです。
モデルの構築には、C言語の特性を活かした効率的な実装が求められます。メモリ管理や計算処理の最適化など、ハードウェアレベルでの最適化も重要です。
アプリケーションへの組み込み
モデルの構築が完了したら、アプリケーションへの組み込みを行いましょう。AI開発の最終段階であるアプリケーションへの組み込みは、モデルのラッパーやAPIを作成し、アプリケーションとのインターフェースを実装する必要があります。
また、リアルタイム性や効率性を考慮して、モデルの実行を最適化することも重要です。
C言語でAI開発する際の注意点
C言語でAI開発を行う際は、どのような点に注意すべきなのでしょうか。ここでは、C言語を用いたAI開発における注意点を4つのポイントから紹介します。
習得が難しい
C言語はAI開発の分野で活用されることが多いプログラミング言語の一つです。しかし、メモリ管理の難しさや言語仕様の大きさなどから、習得は困難であるとされています。
JavaやPythonなど人気の高いプログラミング言語に比べると、初級者には習得をすすめにくい言語であるという評価もあり、新たにプログラミング言語を学ぼうとしている人からすると、敷居が高く感じられるかもしれません。
ただし、処理速度が速く、ライブラリやフレームワークなどのツールが豊富なことから、AI開発との相性が良いことは確かです。
メモリ管理が必要
C言語はメモリ管理が必要なプログラミング言語です。C言語のメモリ管理は、開発者が手動で行う必要があります。
具体的な方法としては、malloc()やcalloc()などの関数で動的メモリを割り当て、free()関数で解放します。メモリ管理が自動で行われるプログラミング言語に慣れている人の場合は、違和感を覚えるかもしれません。
しかし、不適切な操作はメモリリークやセグメンテーション違反を引き起こす可能性があるため、C言語を活用するのであれば、適切な方法を学習しましょう。
デバッグが難しい
C言語はデバッグが難しいことも特徴として挙げられます。ポインタの誤使用やメモリリークなどのエラーが発生しやすいことが、デバッグが難しくなる理由であるとされています。
また、デバッグツールの利用が制限され、セグメンテーション違反などのエラーが見つけにくいことも一因です。
適切なデバッグを行うためには、経験や注意深いコーディングが必要です。
並行処理が難しい
C言語は並列処理が難しい言語であるとされています。C言語の並列処理が難しい理由は、スレッドやプロセスの管理が開発者に委ねられているためです。
同期や排他制御を手動で実装しなければならないため、初級者には対応が困難な形となっています。
競合状態やデッドロックなどの問題が発生しやすく、デバッグや安定性確保が難しくなります。
まとめ:C言語でAI開発に挑戦してみましょう
本記事では、C言語を活用したAI開発について解説をしてきました。
C言語はAI開発に適した特徴を有する一方で、正しく活用するには十分な知識とスキルを求められる難易度の高さも兼ね備えています。
AI開発にC言語を用いる際は、正しく開発計画を立てて、それに必要な準備に取り組まなければなりません。
C言語はうまく活用できれば、対応ツールも豊富で処理速度の高い有用なプログラミング言語となります。
効率的なAI開発を実現したい場合は、ぜひC言語の活用を検討してみてください。
より詳しい情報やAI開発において専門的な支援を受けたい場合は、是非Jitera社へお問い合わせください。