【超便利!】XPathの基本や書き方まで、Webスクレイピング初心者にも分かりやすく解説

Webスクレイピングの基礎となるXPathの基本を分かりやすく解説します。Webスクレイピングを行う上で欠かせないのがXPathです。

XPathは、Webサイトの構造を表現する言語であり、特定の要素を効率的に抽出することができます。

しかし、XPathは初めて触れる人にとっては、難解な言語と感じるかもしれません。そこでこの記事では、Webスクレイピング初心者でも簡単に使えるXPathの基本や書き方をご紹介。

Webスクレイピングができれば、価格比較や競合調査や顧客情報の収集、ニュース記事の収集、商品情報の更新など、様々なビジネスシーンで役立てることができます。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

執筆者 Yuni

システム管理・運用や新規CSチームの立ち上げ、新規事業プロジェクトの進行などを経験し、現在はマーケティングやインフルエンサー事業をメインとする。

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    XPathとは?

    XPathとは?

    XPathはXML文書を処理するための言語です。複雑なXML文書から必要なデータを効率的に抽出したり、XML文書を編集したりすることができます。

    仕組みやメリット、使用シーンを詳しく見ていきましょう。

    XPathの基本原理

    XPathの基本的な仕組みは以下の通りです。

    ノードの種類 XPathは、XML文書の要素、属性、テキストノードなど、さまざまな種類のノードを区別可能
    軸は、現在のノードから他のノードへの方向を表す。子ノード、親ノード、兄弟ノードなど、さまざまな軸が存在
    演算子 演算子は、ノードを選択するための条件を指定するために使用。論理演算子、比較演算子、数学演算子など、さまざまな演算子が存在
    関数 ノードの操作や文字列処理などを行うための関数

    これらの要素を組み合わせて、XPathのパス式を作成することができます。パス式は、以下の形式で記述されます。

    /軸1/軸2/…/ノードの種類[条件1][条件2]…

    XPathはさまざまな条件を指定して、必要なノードを効率的に選択することができます。

    XPathは、XML文書を処理するさまざまなアプリケーションで使用されています。例えば、Webスクレイピング、XMLデータの変換、XSLTによるスタイルシート処理など、幅広い用途に使用されています。

    XPathのメリットと使用シーン

    XPathのメリットは以下の通り。

    • シンプルで使いやすい: 
    • 強力な機能
    • 汎用性が高い

    XPathはシンプルな構文で記述されており、初心者でも比較的簡単に習得することができます。初心者でも複雑な条件に基づいてデータを選択したり、データを編集したりすることが可能。

    また、様々なプログラミング言語やXML処理ツールで利用することができるので便利です。

    では、XPathはどのようなシチュエーションで使われるのでしょうか。

    • XML文書からのデータ抽出
    • XML文書の編集
    • XML文書の変換

    Webサービスのレスポンス、データベースのダンプなど、様々なXML文書から必要なデータを抽出するだけではなく、XML文書の要素を追加したり、削除したり、変更したりすることもできます。

    具体的には、Webサービスのレスポンスから、商品名、価格、在庫数などの情報をXPathを使用して抽出したり、XML文書をXPathを使用して解析し、データベースに格納したりすることです。

    また、XPathを使用して、XML文書を別の形式に変換することができます。XPathを使用して、XML文書をHTMLに変換し、Webページとして表示することが可能です。

    XPathの書き方

    ここからは、XPathの具体的な書き方を紹介します。

    基本的なXPathの書き方

    XPathは、XML文書の構造を利用して、特定の要素や属性を効率的に取得するための言語です。HTML文書にも適用できます。

    XPathの書き方は、以下の3つの要素を組み合わせることで構成されます。

    1. 軸:要素間の関係を表します。

    代表的な軸は以下の通りです。

    • //:ドキュメント全体から要素を検索
    • /:子要素を検索
    • ..:親要素を検索
    • preceding:前の要素を検索
    • following:後の要素を検索

    2. ノードテスト:検索対象となる要素の種類を表します。

    代表的なノードテストは以下の通りです。

    • *:すべての要素
    • tagName:特定のタグ名を持つ要素
    • @attributeName:特定の属性を持つ要素

    3. 述語:要素を絞り込むための条件を表します。

    代表的な述語は以下の通りです。

    • =:属性値が等しい
    • !=:属性値が等しくない
    • <:属性値が小さい
    • >:属性値が大きい
    • contains():属性値に特定の文字列が含まれている

    これらの要素を組み合わせて、XPathを記述します。

    例は次の通り。

    //h1:ドキュメント全体からh1要素を取得
    /html/body/div[@id=’main’]:id属性が”main”であるdiv要素を取得
    //p[contains(text(), ‘キーワード’)]:テキスト内容に”キーワード”を含むp要素を取得

    XPathは、複雑なXML文書から必要な情報を効率的に取得するための強力なツールです。上記の基本的な書き方を理解すれば、様々な情報を取り出すことができます。

    応用的なXPathの書き方

    XPathは、XML文書の要素を抽出するための言語です。基本的な書き方は簡単ですが、複雑な文書を扱う場合は、より高度なテクニックが必要になります。ここでは3つ紹介します。

    述語による条件指定

    XPathでは、要素の属性やテキスト内容に基づいて、抽出対象を絞り込むことができます

    • contains():特定の文字列が含まれる要素を抽出
    • position():特定位置の要素を抽出
    • and/not/or:複数の条件を組み合わせて要素を抽出

    例は次の通りです。

    //book[contains(@title, “ABC”)] //author

    上記は、タイトルに “ABC” という文字列が含まれる書籍の著者の名前を抽出します。

    axesによる関係性の表現

    XPathでは、要素間の関係性を表現するaxesを使用できます

    • parent:親要素
    • child:子要素
    • descendant:子孫要素
    • ancestor:先祖要素
    • following-sibling:後続兄弟要素
    • preceding-sibling:先行兄弟要素

    例を挙げます。

    //book[author = “DEF”] //following-sibling::book

    上記は、DEF著の書籍の後に続く書籍を抽出します。

    名前空間の扱い

    XML文書では、名前空間を使用して要素を一意に識別することができます。XPathでは、名前空間を指定することで、特定の名前空間の要素のみを抽出できます。

    • namespace:::名前空間プレフィックスを指定
    • *:すべての名前空間

    こちらも例を紹介します。

    //ns:book[contains(@title, “ABC”)] //ns:author

    上記は、ns という名前空間の book 要素のうち、タイトルに “ABC” という文字列が含まれる要素の author 要素を抽出します。

    他にも、以下のような高度なテクニックもあります。

    • fn:string():数値やノードセットを文字列に変換
    • fn:number():文字列を数値に変換
    • fn:boolean():文字列をブール値に変換
    • fn:substring():文字列の一部を抽出

    XPathは簡単ですが、豊富な機能があるので使いこなすには時間がかかります。自社でしたいことをきちんと見極めて、必要なテクニックを身につけましょう。

    XPathの基本や書き方についてのご相談は、ぜひ当社にお任せください!
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      XPathを使ったスクレイピングテクニック

      XPathを使用したスクレイピングのテクニックを紹介します。

      効率的なデータ収集のためのXPathテクニック

      XPathは、XML文書から特定のデータを抽出するのに役立つ強力なツールです。効率的なデータ収集のために、以下のテクニックを覚えておくと役立ちます。

      軸とノードテスト XPath式は軸とノードテストを組み合わせて構成されます。軸は、現在のノードからどのように移動するかを指定し、ノードテストは選択するノードの種類を指定します。
      述語 述語は、ノードを選択するための条件を指定します。ノード名、属性、名前空間などを比較することができます。
      ワイルドカード ワイルドカードは、ノード名や属性値の一部に一致するノードを選択するのに役立ちます。
      名前空間 名前空間は、異なるXML文書で使用されている要素名を区別するのに役立ちます。
      関数 XPathには、文字列操作、数値操作、日付操作など、様々な関数が用意されています。
      テンプレート 繰り返し処理されるXPath式をまとめるのに役立ちます。

      これらのテクニックを組み合わせることで、複雑なデータでも効率的に抽出することができます。

      スクレイピングの精度を高めるXPathテクニック

      スクレイピングの精度を高めるためには、以下のXPathテクニックを使用することができます。

      ワイルドカード

      ワイルドカードを使用することで、複数の要素を取得することができます。例えば、以下のXPathは、すべてのdiv要素を取得します。

      //div

      属性

      属性を使用することで、要素の属性値を取得することができます。例えば、以下のXPathは、id属性がmainであるdiv要素を取得します。

      //div[@id=’main’]

      関数

      XPathには、さまざまな関数が用意されています。これらの関数を使用することで、データの抽出をより効率的に行うことができます。例えば、以下のXPathは、text()関数を使用して、div要素内のテキストを取得します。

      //div/text()

      XPathを活用したWebスクレイピングの効果

      XPathを活用した場合、Webスクレイピングにはどのような効果があるでしょうか。ビジネスシーンへのメリットや事例も含めて紹介します。

      WebスクレイピングにおけるXPathの効果

      • 高い効率性
      • 高い精度
      • 柔軟性
      • コードの簡潔性

      XPathは、Webサイトの構造を理解し、特定のデータをピンポイントで抽出できるため、効率的にデータ収集を行うことができます。大量のデータを短時間で取得したい場合に特に有効です。

      また、要素の属性や位置関係を指定することで、必要なデータを正確に抽出することが可能です。誤ったデータを取得するリスクを減らし、データの信頼性を向上させることができます。

      さらに、複雑なWebサイトの構造にも対応できる柔軟性を持っています。様々なWebサイトからデータを収集したい場合に最適です。

      そして、シンプルな構文で記述できるため、コードの理解とメンテナンスが容易で、チームでの開発や将来的な改修にもぴったりです。

      これらの効果により、XPathを使ったスクレイピングは、以下のビジネスシーンで大きなメリットをもたらします。

      • 商品情報の収集
      • 価格調査
      • 顧客情報の分析
      • 市場調査
      • 競合調査

      XPathを利用することによる業務効率化、コスト削減、売上向上、顧客満足度向上など、様々な効果を期待できます。

      XPath活用事例

      では、実際にはどのようなところでXPathが利用されているのでしょうか。

      楽天市場:商品情報の抽出

      楽天市場では、XPathを使用して商品ページから商品名、価格、画像などの情報を効率的に抽出しています。

      この情報は、商品検索結果の表示や、レコメンデーションシステムなどに活用されています。

      //div[@class=”item-info”]//h1[@class=”item-name”]

      このXPathは、商品ページのタイトル要素を取得します。

      メルカリ:出品情報の管理 メルカリでは、XPathを使用して出品者が出品した商品の情報を管理しています。

      商品のタイトル、説明、価格、画像などの情報は、XPathによってデータベースに格納され、検索や表示などに活用されています。

      //div[@class=”item-card”]//a[@class=”item-title”]

      このXPathは、出品ページの商品タイトルを取得します。

      Amazon:商品レビューの分析

      Amazonでは、XPathを使用して商品のレビューデータを分析しています。

      レビューの内容や評価などを分析することで、商品の改善や顧客満足度の向上に役立てています。

      //div[@class=”review”]//span[@class=”rating”]

      このXPathは、レビューページの評価を取得します。

      金融機関:顧客情報の管理

      金融機関では、XPathを使用して顧客情報を含むXMLファイルを処理しています。

      顧客の氏名、住所、口座情報などの情報は、XPathによってデータベースに格納され、各種業務に活用されています。

      //customer[@id=”12345″]//address

      このXPathは、顧客ID 12345 の顧客の住所を取得します。

      医療機関:診療録の管理

      医療機関では、XPathを使用して電子カルテなどのXMLファイルを処理しています。

      患者の氏名、病歴、検査結果などの情報は、XPathによってデータベースに格納され、診療や研究などに活用されています。

      //patient[@id=”12345″]//medical-history//diagnosis

      このXPathは、患者ID 12345 の患者の診断結果を取得します。

      このように、XPathは様々な業界で様々な用途で活用されています。これらの事例を参考に、ぜひ業務に役立ててみてください。

      まとめ:XPathでのWebスクレイピングを活用してビジネスに活かしましょう

      Webスクレイピングは、Webサイトから必要な情報を自動的に抽出する技術です。XPathは、そのスクレイピングにおいて重要な役割を果たす言語です。

      XPathは、Webサイトの構造を表現する言語であり、特定の要素を効率的に抽出することができます。この特性を活かすことで、ビジネスに役立つ様々な情報収集が可能になります。

      もし、「XPathを扱えるリソースがない」「専門家にお任せしたい」とお困りであれば、ぜひ株式会社Jiteraへご連絡ください。

      スクレイピングだけではなく、情報をいかに活用できるかまで、専門的な知見でアドバイスいたします。

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