無線LANを利用する際に、パスワードを打ち込んだことがあるかと思います。
このパスワードのことをネットワークセキュリティキーと呼びます。
環境によっては定期的に打ち込まなければならず、手間に感じた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ネットワークセキュリティキーはセキュリティの基本であり、現代において導入を行わないことはとても危険なことなのです。
そうは言っても、今までネットワークを接続する前のパスワードくらいの位置付けで認識していたのかもしれません。
今回は、そんなネットワークセキュリティキーがなぜ重要なのかと、導入しなければどのような危険性があるのかをご紹介していきます。
これを機会に、安全なネットワーク運用を目指しましょう。
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
ネットワークセキュリティキーとは?
無線LANに接続する際にパスワードを入力した経験があると思います。
この入力しているパスワードこそが、ネットワークセキュリティキーと呼ばれるものなのです。
少々面倒に感じることもあるかもしれませんが、実はネットワークを第3者に使用されないということはもちろん、通信を傍受されないようにするという役割もあるのです。
では、ネットワークセキュリティキーが一体どのような役割を担っているかをご紹介しますので、もしネットワークセキュリティキーを設定していない方がいらっしゃいましたら、急いで設定してくださいね。
ネットワークセキュリティキーの概要
インターネットの通信は、その内容が機密情報や個人情報であることが多いため、暗号化されて通信が行われます。
機密性を守るためには、通信を送信した人とそれを受信した人しか解読できなければ意味がありません。
例えばホームページを閲覧する際に、パソコンからサーバに対して「このページが見たい」というレスポンスを送ると、サーバは「はいどうぞ」と目当てのページのデータを送ってくれるのです。
暗号化された通信は、第3者が通信を傍受しても解読することは基本的に不可能であり、何を書いてあるのかわからないのです。
ただし、この通信を複合化する際には暗号を解く鍵が必要になります。
この暗号を解くために必要となるのが、無線LAN接続を行う際に利用可能なネットワーク一覧という名称で出てくるSSIDとネットワークセキュリティキーです。
この2つの認証を通すことによって、正規の通信者ですという証明ができて暗号化通信のやり取りができるようになるのです。
ネットワークの暗号化のタイプ
ネットワークを暗号化するにあたり、いくつかのタイプがあります。
このタイプは暗号化方式により分かれており、最新のものであればあるほどセキュリティが高いと言われています。
例えばWEPと呼ばれる方式だと暗号鍵とは別に、初期化ベクタと呼ばれる暗号化鍵がなければ複合化できませんでした。
しかし、WEPの弱点は最初にご紹介した暗号鍵が全ユーザが同じであることと、初期化ベクタ自体が暗号化されず、さらには通信を行なっている間は変更されないのです。
つまり、初期ベクタを解析されてしまえば簡単に第3者に複合かされてしまう危険があったのです。
そこで暗号鍵を一定時間で変更できるようになったのがWPAです。
WPAは2や3も出ておりますが、仮に通信相手がこの暗号化に対応していないこともありますので使用できないこともあります。
ネットワークセキュリティキーの確認方法3つ
無線LANルータを新たに購入してきて、いざ接続しようとした際にパスワードがわからなくて探した経験はないでしょうか。
また、近年増加しているリモートワークを行おうと会社からパソコンを持ってきた際にも、ネットワークセキュリティキーの入力が必要になります。
時間がない中でネットワークセキュリティキーがないと焦ってしまいますよね。
そこで、どこを見れば確認できるかを事前に覚えておきましょう。
Wi-Fiルーターで確認する
まずは近年使用者が増加しているWi-Fiルータの確認方法ですが、基本的には機器にSSIDとネットワークセキュリティキーが記載されたステッカーが貼られています。
機器にそんな重要な情報を記載しておくのはセキュリティ上問題があると思うかもしれませんが、第3者が傍受して悪用する場合、基本的に全く知らない赤の他人であることが多く、実際に機器を見られることは少ないからです。
シールではない場合、別にカードが同包されていてそちらに記載されていることもありますので、ネットワークセキュリティキーとSSIDを確認するまでは捨てないように注意してください。
モバイルルーターで確認する
モバイルルータもWi-Fiルータと同様に、機種に記載されていたりカードが同封されているケースもあります。
しかし、近年直接モバイルルータを操作し、SSIDとネットワークセキュリティキーを確認するものも増えてきました。
この場合は同包されている取扱説明書やホームページに操作手順が記載されていますので、確認してください。
また、ネットワークセキュリティキーを変更することも可能な機種もあり、もし会社で付与されているモバイルルータであればすでに変更されている可能性も高いです。
自身で設定した場合は忘れないように、また、付与されてい一元管理されている場合は管理者へ問い合わせてみてください。
スマートフォンのテザリングで確認する
デザリングでスマートフォンから接続を行う場合、まずはデザリングの設定を行わなければなりません。
そこで、SSIDとネットワークセキュリティキーを設定しますので、ここで自分しかわからないネットワークセキュリティキーを入力してください。
他のモバイルルータなどはパスワードポリシーが設定されており、例えば8文字以上やアルファベット大文字小文字は含まなければならないなどの細かな規定の上設定されています。
これらのように、予測しにくいネットワークセキュリティキーを設定することによって、他人からアクセスされにくい設定ができます。
【デバイス別】ネットワークセキュリティの利用方法
それではここで、簡単にネットワークセキュリティキーを使用するにあたり、どのような操作が必要かについてご説明していきます。
もちろんネットワークセキュリティキーを利用しなければネットワークに接続できないので知らず知らずに使用されていることもあるかもしれませんが、これを機にどんな機種でもネットワークセキュリティキーを利用できるよう、知識を身につけておきましょう。
iPhone
iPhoneをWi-Fiに接続する際、自動で出てきたものからパスワードを入力して接続を行う場合もあります。
しかし、目当てのネットワークが検出されない場合は手動でネットワークを探さなければなりません。
まずはホーム画面の「設定」から「Wi-Fi」を選択してください。
そこには接続可能なネットワークの一覧が表示されますので、接続したいSSIDを探して選択します。
ここでパスワードを入力すると接続可能となりますが、自動接続などの設定を行うのもこの項目から行うことができます。
また、IPアドレスや細かな情報も確認できるため、ネットワーク関連で調べたいことがある場合はこちらを利用してみると解決することが多いです。
Android
AndoroidもiPhoneとほぼ同じ流れとなります。
ただし、Androidの特徴としてデバイスによっては多少異なることもありますので全く同様の操作とはならないかもしれませんが、基本を抑えることで自分自身で探して行き着けるようになります。
操作方法の基本はホーム画面の「設定」から「接続」をタップし、「Wi-Fi」を選択します。
そこからiPhone同様にネットワークの設定を行うことが可能であり、パスワードを打ち込めばネットワークに接続することが可能です。
近年、AndroidとiPhoneの操作方法にもそこまで差異がなくなってきたように感じますので、もしプライベートで使用しているのがAndroidで、仕事で使っているのがiPhoneだった場合にも、基本操作は同じなのでそこまで身構える必要もありません。
Windows
Windowsの場合は搭載されているOSのバージョンにより異なることがありますが、基本的な流れを抑えておけば初見のバージョンでも対応できることが多くあります。
まず初めに、タスクバーにある「地球儀のマーク」をクリックしてください。これがネットワークの設定につながります。
クリックするとアクセスポイント一覧が出てきますので、接続したいSSIDをクリックします。
そうするとネットワークセキュリティキーを入力するバーが出てきますので、接続したいキーを入力すれば接続は完了です。
Mac
Macも基本的にはWindowsと同様で、右上にあるWi-Fiマークをクリックすると利用できるネットワーク一覧が出てきます。
その中から接続したいネットワークを接続すれば、ネットワークセキュリティキーが入力できるようになります。
Windowsと異なる点は、OSによって大きく操作性は変わらないことです。
これから先変更になることはあるかもしれませんが、今まではずっと右上に出ており変わらない接続方法なので一度覚えてしまえばどのMacでも利用することが可能です。
ネットワークセキュリティキーを導入しないリスク
ネットワークセキュリティキーを導入しない環境では、パスワードなしですぐに接続できて便利に感じるかもしれません。
しかし、現代においてネットワークセキュリティキーを導入しないということは公共の場で個人情報や会社の機密情報を大声で話すのと同等の危険性があります。
また、進入経路にもなり得ることから鍵をかけずに家を無人にするようなものです。
これらのリスクが一体どういうことなのかをご説明していきます。
第三者による不正利用
ネットワークセキュリティキーを導入しなければ誰でも接続が可能ということです。
そのため、第三者が勝手にネットワークを利用することが考えられます。
すぐに思いつくのはアクセスが集中することによるネットワークの遅延が起こってしまいます。
また、不正利用した人物が訪れたページには不正利用したネットワークの痕跡が残るため、ネットワークセキュリティキーを導入していなければ自分が利用していないサイトに、あたかも自分が訪れたような痕跡が残ってしまうということです。
これらのリスクは一見して見ると軽い気がしますが、実はネットワーク界では重要なこととなるのです。
通信データの傍受
無線ネットワークは電波を集約し、各インターネット回線に接続できるように働いてくれていますが、もし不正利用している人がその通信を盗聴してしまう可能性もあることは忘れてはいけません。
現在は暗号化技術が進んでおり、簡単に盗聴できないようにはなっていることと、APや各種インターネット機器のセキュリティ技術は向上していると言っても100%ではありません。
重要な情報を第三者に盗まれてしまっては、不正利用だけではなく被害が拡大してしまう恐れがあることを覚えておきましょう。
不正アクセス
不正利用によって接続されたサイトには、不正利用されているネットワークの痕跡が残ることはご紹介しました。
もし仮に、そのサイトに対して不正アクセスを第三者が行った場合、まず初めに疑われるのは不正利用されたネットワークを管理している人物です。
誰が不正利用したかまで調べられることも少なく、犯罪に加担したとされる可能性も非常に高くなることから、インターネットセキュリティキーを設定しないということは犯罪に加担する可能性もあることは自覚しておいてください。
近年不正アクセスの件数が増加していることもあり、犯罪者は常に不正利用できるネットワークを探しているのです。
マルウェア拡散
パソコンやシステムに重大な被害を及ぼすプログラムであるマルウェアを拡散するために、不正利用したネットワークが利用されることがあります。
これについても、先ほど触れた通り自分のネットワークでマルウェアを拡散すればIPアドレスから身元が判明してしまうため、どこか自分の痕跡がつかないネットワークを探しているのです。
マルウェア拡散についても犯罪行為であり、そのネットワークが不正に利用されたとしても犯罪者に加担しているという疑いをかけられても何の不思議もありません。
インターネットセキュリティキーを導入しないままネットワークを利用するということは、犯罪につながる危険性があるということです。
まとめ
あまり気にせずネットワークセキュリティキーを利用していた方もいらっしゃるかもしれませんが、実はセキュリティにおいて大変重要なものであり、絶対に利用しなければならないものだったのです。
また、ネットワークセキュリティキーは関係者以外に簡単にわからないようにするというセキュリティ教育も重要になります。
安心してネットワークを利用するための基本的な事項として、しっかり知識を身につけて正しく利用してください。
また、自分でネットワークセキュリティキーを導入して運用している方で不安な方がいらっしゃいましたら、一度Jitera社へ相談することも検討してみてください。
経験豊富なスタッフが、適切なアドバイスをくれること間違いなしです。