製造業、製品開発業界でよくある悩みを解決してくれる管理システムを、PLMといいます。PLM(Product Lifecycle Management)を導入すると、企業はより効率的に製品を開発し、競争力の強化が可能です。
この記事ではPLMとは何かからおすすめツール、事例まで紹介します。基本から知りたい方はぜひお読みください。
![Nao Yanagisawa](https://xs691486.xsrv.jp/wp-content/themes/JITERA/images/director-nao-1.png)
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
アプリ・システム開発は生成AIを活用することで、従来の開発ではあり得なかった、低コスト・高品質開発・スピード開発が同時に実現できます。
▼従来の開発とAIを使った開発の違い
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![](https://xs691486.xsrv.jp/wp-content/uploads/2024/06/メイン画像-1-1.png)
システムソリューションを得意とし、新規事業からDX推進まで幅広いジャンルの開発実績があります。
PLMとは?
PLMというのは、製品ライフサイクル管理(Product Lifecycle Management)の略称です。製造業・製品開発業界でよく使われる言葉で、製品の設計~販売など、製造過程全体の工程を管理するツール群のことをPLMと言います。
製品の開発プロセスでは、設計図面、仕様、材料リスト、製造手順、品質管理データなど、製品に関する様々な情報がPLMには含まれています。開発プロセス全体を効率化するために、異なる部門や拠点間で情報を共有するために使われます。
これにより、製品の品質向上や市場投入までの時間短縮、コスト削減などの目標を達成し、競争力を向上させます。PLM(Product Lifecycle Management)を導入すると、企業はより効率的に製品を開発し、競争力の強化が可能です。
PLMの定義
製品の設計~販売に至るまでの全体的なライフサイクルを計画し、管理するためのアプローチやプロセスがPLMなのです。
製品に関連する情報やプロセスの統合、製品の開発、製造、サポートを効率的に行うための実現方法です。この方法で、製品の品質向上、市場投入までの時間短縮、コスト削減などの重要な目標が達成できます。
PLMは製品の設計段階~廃棄まですべてを包括し、製品の生産性や競争力を向上させることに焦点を当てています。効率的な情報の管理やプロセスの最適化で、企業は市場での競争力を強化し、顧客ニーズに迅速かつ効果的に対応できます。現代の製造業において不可欠な戦略的ツールです。
PLMとPDMの違い
PLM | PDM | |
対象範囲 | 製品ライフサイクル全体(企画、設計、開発、製造、販売、アフターサービス) | 開発・設計工程 |
管理データ | 製品データ、文書、プロセス、プロジェクト情報など | 設計図、部品表(BOM)、CADデータなど |
機能 | データ管理、ワークフロー管理、プロジェクト管理、品質管理、コラボレーションツールなど | データ管理、バージョン管理、変更履歴管理、ワークフロー管理など |
目的 | 製品開発の効率化、品質向上、コスト削減 | 設計・開発業務の効率化、データの一元管理、変更管理の徹底 |
メリット | 部門間の連携強化、意思決定の迅速化、リスク管理の強化、製品品質の向上、開発期間の短縮、コスト削減 | 設計・開発業務の効率化、データの一元管理による情報共有の円滑化、変更管理の徹底による品質向上、開発期間の短縮 |
デメリット | 導入コストが高い、導入に時間がかかる、運用に手間がかかる | 機能が限定的、他のシステムとの連携が難しい |
導入事例 | 自動車、航空宇宙、家電、機械、医療機器など | 自動車、家電、機械、IT機器など |
PLMとPDMは、どちらも製品開発に関連するソフトウェアです。しかしその目的と対象範囲は異なります。
PDMは製品データの管理に特化したシステムで、主に設計部門で使用されます。一方でPLMは、製品ライフサイクル全体を管理するソフトウェアで、設計から製造、販売、保守までの各部門で活用されます。
PLMはPDMの機能を包含しつつ、より広範囲のデータや業務プロセスを扱うのです。PDMが製品の設計データを中心に管理するのに対し、PLMは設計データに加えて、製造工程、部品表、コスト情報、サプライチェーンデータなども一元管理します。
このようにPLMは、PDMを超えた統合的なソリューションとして位置づけられています。
PLMツールとは?システムの基本構成と機能
PLMシステムの基本構成や機能には何があるのでしょうか。ここでは、PLMツールの基本構成と主な機能ついて詳しく解説します。
PLMツールの基本構成
PLMツールの基本構成は、製品データ管理(PDM)、ドキュメント管理、ワークフロー管理、プロジェクト管理の4つの主要な機能から成り立っています。
PDMは製品情報を一元管理し、設計データや部品情報などを効率的に管理する機能です。
ドキュメント管理は製品に関連する各種文書を一元管理し、バージョン管理やアクセス制御を行います。
ワークフロー管理は、製品開発プロセスを可視化し、タスクの割り当てや進捗管理を支援するものです。
プロジェクト管理は、スケジュールや資源の管理を行い、プロジェクトの遂行を円滑にします。
これらの機能が連携することで、製品ライフサイクル全体のデータを一元管理し、製品開発を効率化するPLMツールが実現されます。
PLMツールの主な機能
PLMツールの主な機能は、以下の3つです。
- データの一元管理
- コラボレーション支援
- ワークフロー管理
データの一元管理機能により製品情報を一箇所で管理できるため、設計開発の各工程間のデータ連携がスムーズになり、情報の重複や矛盾を防ぐことが可能です。
コラボレーション支援機能は、企業内の複数のチームやシステム間で必要なコンテキスト、セキュリティ、トレーサビリティ、プロセスを提供し、製品データへのアクセスを容易にします。
ワークフロー管理機能は製品開発プロセスを可視化し、タスクの割り当てや進捗管理を行います。これにより、業務の効率化とリードタイムの短縮が実現できます。
さらに検索機能の充実、大容量データを扱うときの動作スピードの高速化、インターネット関連技術への対応といった機能向上も図られています。
【人気】おすすめPLMツールを比較4選
PLMソフトウェアは、製品のライフサイクル全体を管理するための多様なツールがあります。それぞれのソフトウェアには異なる特徴や機能があります。たとえば、製品設計や開発段階をサポートするCADソフトウェアや、製品の製造や品質管理を支援するCAMソフトウェア、製品のデータ管理や文書管理を行うPDMソフトウェアなどがあります。
これらのソフトウェアを組み合わせて使用することで、効率的な製品開発プロセスを実現することが可能です。ここではソフトウェアの種類別の特徴や機能を解説します。
ツール名 | 公式サイト | 特徴 |
---|---|---|
PTC Windchill | Link | リアルタイムでの情報共有や変更管理ができる |
Hi-PerBT PLM | Link | 日本企業向けに開発された国産PLMツール |
Siemens Teamcenter | Link | 製品のライフサイクル全体を統合的に管理できる |
MasterControl | Link | 品質管理に特化 |
PTC Windchill
PTC Windchill | |
トライアル | なし |
費用 | 要問合せ |
主な機能 | PDM、CAD統合、プロセス管理、コンプライアンス |
対応業種 | 製造業、自動車、航空宇宙など幅広い産業 |
PTC Windchillは、製品の設計、開発、製造、品質管理などのプロセスを統合し、リアルタイムでの情報共有や変更管理ができます。
さらに、規制順守や品質向上を支援し、グローバルなチーム間での協業を強化します。PTC Windchillは、製造業や製品開発業界で広く利用され、企業の競争力を高めるための重要なツールとなっています。
Hi-PerBT PLM
Hi-PerBT PLM | |
トライアル | 不明 |
費用 | 要問合せ |
主な機能 | PDM、BOM管理、workflow管理 |
対応業種 | 製造業 |
Hi-PerBT PLMは、日本企業向けに開発された国産PLMツールの一つです。Hi-PerBT PLMは製品情報を一元管理し、設計から製造、保守に至るまでの情報共有を促進します。システムエンジニアやITコンサルタントとしての経験を活かし、製品開発プロセスの効率化と品質向上に貢献できるツールといえるでしょう。
Siemens Teamcenter
Siemens Teamcenter | |
トライアル | 不明 |
費用 | 要問合せ |
主な機能 | PDM、CAD統合、デジタルモックアップ、シミュレーション |
対応業種 | 自動車、航空宇宙、機械、電気電子、プラントなど |
製品のライフサイクル全体を統合的に管理できるのがSiemens Teamcenterです。統合性と柔軟性に優れており、設計から製造、品質管理、変更管理までの機能が一元化されています。豊富な機能を備えており、製品データ管理、製造プロセス管理、品質管理、変更管理機能があります。
また、オープンプラットフォームで、さまざまなCAD、CAM、CAE、ERPなどのシステムと統合できます。クラウドベースの展開も可能で、セキュリティ機能や規制順守にも配慮されています。Siemens Teamcenterは、多くの企業にとって信頼性の高いPLMソフトウェアとして広く利用されています。
MasterControl
MasterControl | |
トライアル | 不明 |
費用 | 要問合せ |
主な機能 | クラウドベースの包括的なQMS |
対応業種 | 医療機器、ライフサイエンスなど |
MasterControlは、品質管理に特化したPLMソリューションです。主に半導体や自動車、医薬品業界での利用が見込まれており、企業の技術情報や品質管理業務のデジタル化を支援します。
文書管理や品質マネジメントシステムとしての機能を備えており、開発工程全般の管理に適しているとされています。2024年時点での人気・おすすめPLMツールの一つとして、比較検討の対象になっている製品です。
【機能充実】おすすめPLMツールを比較4選
ここからはより充実した機能を搭載したおすすめのPLMツールを、4つ紹介します。
ツール名 | 公式サイト | 特徴 |
---|---|---|
COLMINA | 公式サイト | 製造業向け |
DEXPERIENCEプラットフォーム | 公式サイト | イノベーションとビジネスのためのプラットフォーム |
Dassault Systèmes ENOVIA | 公式サイト | 企画から販売終了までの製品ライフサイクル全体を管理できる |
Autodesk Fusion Lifecycle | 公式サイト | クラウドベースのPLMで製品開発の全プロセスを一元管理する |
COLMINA
COLMINA | |
トライアル | 不明 |
費用 | 要問合せ |
主な機能 | PDM、BOM管理、workflow管理 |
対応業種 | 製造業、建設、プラント |
COLMINAは、製造業向けのPLMソリューションです。設計から製造、サービスまでの製品ライフサイクル全体をカバーする機能を備えているのが特長です。
例えば機械・電気・制御の設計者間で情報を共有し、製造やサービスの現場でも3次元データを活用できる機能があります。また、CADデータやBOMデータなどを一元管理するPDM機能も備えています。
COLMINAは豊富な機能を持ちつつ、ユーザー独自のカスタマイズにも対応できる柔軟性の高さが評価されています。2024年時点での機能充実したPLMツールの一つとして注目されています。
3DEXPERIENCEプラットフォーム
3DEXPERIENCEプラットフォーム | |
トライアル | 不明 |
費用 | 要問合せ |
主な機能 | CAD統合、デジタルモックアップ、シミュレーション |
対応業種 | 自動車、航空宇宙、産業機器など |
3DEXPERIENCEプラットフォームは、ダッソー・システムズが提供するイノベーションとビジネスのためのプラットフォームです。企業活動やエコシステムを包括的かつリアルタイムに可視化し、設計から製造、シミュレーション、ビジュアライズまでを一つのプラットフォーム上で実現します。
従来のPLMシステムとは異なり、各種ツールがシームレスに連携し、コラボレーションを促進するのが特長です。また直感的な操作性を備えており、3Dスケッチなどの機能により素早くアイデアを形にできます。
専用プログラムを用いることで、既存のCAD環境との連携も可能になります。機能充実したPLMツールとして、製品開発プロセス全体の効率化と最適化に貢献します。
Dassault Systèmes ENOVIA
Dassault Systèmes ENOVIA | |
トライアル | 不明 |
費用 | 要問合せ |
主な機能 | PDM、CAD統合、プロセス管理 |
対応業種 | 自動車、航空宇宙、ハイテク、消費財などAutodesk Fusion Lifecycle |
Dassault SystèmesのENOVIAは、製品ライフサイクル全体を統合的に管理するPLMソフトウェアです。ENOVIAは、製品の設計、開発、製造、販売、そして廃棄に至るまでのプロセスを効率化して、グローバルなチームとのリアルタイムなコラボレーションができます。
また、変更管理や品質管理を強化し、規制順守やセキュリティにも配慮しています。ENOVIAは、製造業や航空宇宙、自動車業界などで幅広く利用され、企業の競争力向上に貢献しています。
Autodesk Fusion Lifecycle
Autodesk Fusion Lifecycle | |
トライアル | 不明 |
費用 | 要問合せ |
主な機能 | クラウドベースのPDM、BOM、プロセス管理 |
対応業種 | 製造業 |
クラウドベースのPLM(Product Lifecycle Management)ソリューションで、製品開発の全プロセスを一元管理します。柔軟でカスタマイズ可能で、設計、製造、品質管理、変更管理などの機能を統合し、リアルタイムでの情報共有を実現します。規制順守やセキュリティ機能も備えていて、製品の品質向上と競争力の強化をサポートします。
【海外連携可能】おすすめPLMツールを比較3選
ここからは海外との連携が可能なおすすめのPLMツールを、3つ紹介します。
ツール名 | 公式サイト | 特徴 |
---|---|---|
DELMIA Apriso | Link | 海外を含めた複数拠点の製造管理が可能 |
Oracle Fusion Cloud PLM | Link | CADやPDM、CAEといったソフトウェアとの連携も可能 |
SAP PLMソリューション | Link | クラウドベースで利用できる |
DELMIA Apriso
DELMIA Apriso | |
トライアル | 不明 |
費用 | 要問合せ |
主な機能 | 製造実行システム(MES) |
対応業種 | 自動車、航空宇宙、機械、電気電子など |
DELMIA Aprisoは、コベルコシステム株式会社が提供する現場の進捗管理や業務のオペレーションまで管理できるPLMシステムです。
海外を含めた複数拠点の製造管理が可能であり、中国・ASEAN、欧米など、さまざまな地域での導入実績があります。アプリケーション間のシームレスな連携により、データの保持や責任者の特定にかかる作業の重複を回避することが可能です。
グローバルなオペレーションを適正に行うために、製造オペレーションのグローバルな可視性向上にも役立ちます。統合データベースを使用して生産、メンテナンス、倉庫のオペレーションと緊密に連携し、製品検査計画の変更の完全なトレーサビリティーを確保します。
Oracle Fusion Cloud PLM
Oracle Fusion Cloud PLM | |
トライアル | 不明 |
費用 | 要問合せ、クラウドサブスクリプション |
主な機能 | クラウドベースのPDM、CADデータ管理 |
対応業種 | 製造業 |
Oracle Fusion Cloud PLMは、オラクル株式会社が提供する高度なデータ分析やデータ活用を行うためのPLMシステムです。製品やサービスの革新、開発、商品化に取り込まれるデータとプロセスを標準化および構造化し、コラボレーション可能なプラットフォームを提供します。
他のシステムとの連携が可能なため、迅速で効率的な業務プロセスを実現でき、設計チームとの円滑な業務連携により、製品の品質向上や開発期間の短縮化に貢献します。また、CADやPDM、CAEといったソフトウェアとの連携も可能です。
クラウドサービスとして提供することにより、より柔軟な導入と運用を実現しています。ビジネス・プロセスとの連携により、イノベーションの加速や製品の設計、製造、保守、点検方法の改善に役立ちます。
SAP PLMソリューション
SAP PLMソリューション | |
トライアル | 不明 |
費用 | 要問合せ |
主な機能 | PDM、CAD統合、PLM業務プロセス |
対応業種 | 自動車、機械、電気電子、ハイテクなど |
SAP PLMソリューションは、SAP SEが提供する製品ライフサイクル管理のためのソフトウェアです。デジタルサプライチェーンの構築により、革新的で持続可能な製品を定義、開発、実現、管理できる環境を整えます。
クラウドベースで利用できるのが特徴で、顧客ごとの需要の違いにも個別に対応可能です。PDMと呼ばれる情報一元管理機能を備えており、CADデータやBOMデータなどを一つのシステムで管理できます。
またCADとPLMの連携やE-BOMと生産部品表の一元管理など、企業での活用事例をベースに開発されているのが強みです。海外拠点との連携を考えている企業におすすめのPLMソリューションとして注目されています。
【使いやすい】おすすめPLMツールを比較3選
ここからは使いやすいおすすめのPLMツールを、3つ紹介します。
ツール名 | 公式サイト | 特徴 |
---|---|---|
OpenPDM 核 | https://www.core.co.jp/openpdm/ | 純国産のPLM/PDMシステム。Excelのようなシンプルな操作性。 |
ものづくリンク | https://www.jsol.co.jp/solution/plm.html | 製造業の業務効率化を実現する |
mcframe PLM | https://www.mcframe.com/product/plm/visualbom | ものづくりの品質を高めて利益を生む強い製品企画を支援する |
OpenPDM 核
トライアル | |
費用 | |
主な機能 | |
対応業種 |
OpenPDM核は、純国産のPLM/PDMシステムです。必要な機能を揃えつつ使いやすさと導入しやすさを追求しています。
Excelのようなシンプルな操作性を重視しており、コピーや貼り付けなどの基本操作に加え、列の入れ替えや指定項目のソート、ページ内検索などが簡単な操作で可能です。
マスタ管理やワークフロー、ファイル管理、プロジェクト管理など、多彩な機能をベースパッケージとして提供しており、かつ低価格での導入が可能です。小規模での導入プランも用意されています。
既存のPLM/PDMシステムからのリプレース時に発生する、カスタマイズのしすぎ問題を軽減できるでしょう。
ものづくリンク
トライアル | |
費用 | |
主な機能 | |
対応業種 |
ものづくリンクは、株式会社JSOLが提供する製造業向けPLMソリューションです。製造業の業務効率化を実現するPLMシステムとして、以下のような特徴を持っています。
社内の各部門が管理する技術情報をBOMデータと統合して一元管理できます。これにより、部門同士の連携や生産性の向上が可能になります。パワーサプライテクノロジー株式会社での導入事例では、業務の効率化や品質向上などの効果が報告されています。
ものづくリンクは、自社に見合ったPLMシステムを選ぶ上で比較検討すべき選択肢の1つと言えるでしょう。部門間の情報共有と連携を促進し、製造業のDXを推進するツールとして注目されています。
mcframe PLM
トライアル | |
費用 | |
主な機能 | |
対応業種 |
mcframe PLMは、キヤノンITソリューションズが提供する「ものづくりエンジニアリングプラットフォーム」です。ものづくりの原価を高精度で把握し、品質を高めて利益を生む強い製品企画を支援するPLMシステムとして注目されています。
mcframe PLMはコストの見える化で関連部門の知恵を集結し、効果的な「原価のつくりこみ」を支援するほか、設計初期段階から品質やコスト、納期を考慮した設計を支援するのが特徴です。
また、PLMを成功に導くためのノウハウを解説した資料を提供するため、使いやすさとPLM導入のしやすさを重視する企業におすすめのPLMシステムといえるでしょう。
【低コスト】おすすめPLMツールを比較2選
ここからは低コストでおすすめのPLMツールを、2つ紹介します。
ツール名 | 公式サイト | 特徴 |
---|---|---|
Aras Innovator | https://www.aras.com/ja-jp | 製品ライフサイクル全体を統合的に管理できる |
Obbligato III R4.3 | https://jpn.nec.com/obbligato/index.html | 製品ライフサイクル全体の技術情報を包括的に管理できる |
Aras Innovator
トライアル | |
費用 | |
主な機能 | |
対応業種 |
柔軟性とカスタマイズ性に優れたPLM(Product Lifecycle Management)ソフトウェアです。製品ライフサイクル全体を統合的に管理し、製品設計、開発、製造、販売、そしてサポートのプロセスを効率化します。オープンなので、モデルベースのアプローチを支援し、製品の変更管理や品質管理を強化します。
また、クラウドやオンプレミスでの展開が可能であり、規制順守やセキュリティ機能も提供されています。Aras Innovatorは、さまざまな産業で幅広く利用され、企業のイノベーションと競争力を支援しています。
Obbligato III R4.3
トライアル | |
費用 | |
主な機能 | |
対応業種 |
Obbligato III R4.3は、NECが提供する低コストで導入可能なおすすめのPLMシステムです。
最小構成で360万円から利用でき、製品ライフサイクル全体の技術情報を包括的に管理します。製品開発プロセス全体を通したコストの最適化を実現し、企画段階から部材の原価管理を行い、為替レートや構成部品の原価変動による影響のシミュレーションが可能です。
NECの豊富な導入実績から生まれたベストプラクティスをパッケージ化しており、製品コンテンツを製品ライフサイクル全体で管理し、開発プロセスの最適化や業務効率化を促進します。
コストを重視しつつ、製品ライフサイクル全体の情報管理を実現したい企業におすすめのPLMシステムと言えるでしょう。
自社に合ったPLMツールの選び方
PLMツールを導入するにあたり、どのような視点で選べばよいのでしょうか。自社に合ったPLMツールを選ばなければ、期待する効果は得られません。ここからは以下4つの自社に合ったPLMツールの選び方について、詳しく解説します。
導入目的に合った機能があるか
導入目的に合った機能があるかを確認する際には、以下のポイントが重要です。
まず、製品設計や開発プロセスにおけるデータ管理機能が充実しているかを見極める必要があります。例えば、CADツールやプロジェクト管理ツールとの連携機能があるかどうかは、業務の効率化に直結します。また、製品の品質管理やコスト管理を支援する機能が備わっているかも、選択の際の重要な判断基準です。
自社に合ったPLMツールを選択することは、製品開発の効率化や品質向上、コスト削減に直結します。導入目的に合った機能を備えたPLMツールを選ぶことで、製造業における競争力の強化が可能になるでしょう。
自社の規模や業種に合っているか
PLMツールを選択する際には、自社の規模や業種に合っているかどうかを確認することが重要です。そのためにはまず、自社の製品開発プロセスや業務フローを理解することが求められます。
例えば小規模な企業であれば、シンプルで使いやすいツールが適している場合があります。一方で大規模な企業や複雑な製品を扱う業種では、高度な機能を備えたPLMツールが必要になることがあるのです。
また自社の業種に特化した機能を持つPLMツールを選択することも、効率的な製品開発には欠かせません。例えば自動車業界や航空宇宙業界など、特定の業種向けに最適化されたPLMツールが存在します。これらのツールは、業種特有の要求に応えるための機能を備えており、製品開発の効率化をさらに進めることが可能です。
自社の規模や業種に合ったPLMツールを選択することは、製品開発プロセスの効率化や品質向上、コスト削減に直結します。自社のニーズを正確に把握し、適切なツールを選択することで、製品ライフサイクル管理の効果を最大限に引き出すことができるでしょう。
コストは予算内で収まるか
自社に合ったPLMツールを選択する際、コストは重要な検討事項の一つです。
予算内で最適なPLMツールを見つけるためには、まず、自社のニーズとPLMツールが提供する機能を照らし合わせる必要があります。PLMツールは製品の設計から製造、保守に至るまでのライフサイクル全体を管理し、効率化を図るためのものですが、すべての機能が自社にとって必要かどうかを見極めることが大切です。
PLMツールの選択にあたっては、初期導入コストだけでなく、運用コストも考慮する必要があります。高機能なツールほどコストが高くなる傾向にありますが、実際に必要とする機能が限られている場合、無駄なコストをかけることになりかねません。そのため、自社のプロセスに本当に必要な機能を持つツールを選択し、コストパフォーマンスを最大化することが重要です。
デモやトライアルでのサポート体制はしっかりしていたか
PLMツールを選択する際、デモやトライアルでのサポート体制の充実度は重要なポイントです。
自社のニーズに合ったPLMツールを見極めるためには、実際にツールを試用し、その機能や使い勝手を確認する必要があります。このプロセスで、ベンダーから提供されるサポート体制がどれだけ充実しているかが、選択の決め手となることが少なくありません。
デモやトライアル期間中にしっかりとしたサポートを受けられるかどうかは、その後の導入や運用においてもスムーズな対応が期待できるかの指標になります。サポート体制が整っていることで、導入初期の不明点や問題が発生した際に迅速に解決でき、業務への影響を最小限に抑えることが可能です。
デモやトライアルを通じて、ツールのカスタマイズ性や拡張性についても評価できます。自社の業務プロセスや将来的な拡大を見越して、柔軟に対応できるPLMツールを選択することが重要です。この点でも、サポート体制の充実度は重要な要素となります。
PLMツール導入のメリット
企業がPLMを導入することで享受できるメリットは多数あります。導入するメリットがなければ意味がありません。また、自社に最適なものを採用することで、システムを最大限に活用できます。自社の利益を最大化するためにも、PLMを理解することが重要になります。
最大のメリットの一つは、品質向上や生産性の向上です。製品開発や製造プロセスにおける効率化や品質管理の強化により、製品品質や生産性が向上するので製品競争力が発揮できます。
さらに、情報の共有が重要なメリットの一つです。製品情報を統合し、関係者間でリアルタイムに情報を共有できるプラットフォームを提供します。これにより、意思決定が迅速化します。
そして、企業は組織の尊厳を高められます。先進テクノロジーや効率的なプロセスを導入すれば、市場での競争力が向上し、顧客や取引先からの信頼を得られます。
これらのメリットを理解し、自社のニーズや目標に合わせたシステムを導入することで、企業はプロセスの最適化や成果の最大化を実現し、競争力を強化できます。PLM導入の最大のメリットには、品質向上や生産性の向上があります。そのほかにも、情報の共有と一元化が考えられます。今から、品質向上、生産性の向上、情報の共有と一元化の3つのメリットを詳細に解説します。
生産性向上と効率化
企業にとって、生産性の向上と管理面の充実は重要な課題です。PLMは、これらの課題に対処するための効果的な手段です。PLMを導入すると、製品開発プロセス全体の効率が向上し、生産性が向上します。また、製品情報やプロジェクトデータの一元管理により、情報の共有と透明性が高まり、意思決定の迅速化やミスの軽減につながります。さらに、製品品質の向上やコスト削減、開発サイクルの短縮など、さまざまな面で改善が見込まれます。
これにより、競争力の強化や顧客満足度の向上など、企業の総合的なパフォーマンス向上につながります。ここではどのような点が実際に改善されるのかを解説します。
プロセスの統合と最適化
製品開発から販売までの全プロセスを統合し、効率的に管理します。これにより、部門間の情報共有ができるため、生産プロセスが最適化できます。統合プロセスにより、生産性が向上し、無駄な手順や重複作業が削減できます。
リアルタイムの情報共有と可視性の向上
リアルタイムに製品情報を共有し、作業者が必要な情報にアクセスできるようにします。このため、迅速な意思決定ができ、生産性が向上します。また、製品の進捗状況や品質データがクリアになるため、問題の早期発見や解決が可能です。
変更管理の迅速化
製品の変更管理を効率化します。識別が迅速にできるため、製品の設計や製造プロセスでの遅延が最小限に抑えられます。これにより、生産性が向上し、プロジェクトのスケジュールの遅れがなくなります。
作業の自動化と効率化
自動化ツールやワークフローが組み込まれており、繰り返し作業の自動化ができます。これにより、従業員はより高度な作業に集中し、生産性が向上します。
リスク軽減と品質向上
製品を製造から輸送販売まで行う際には、様々なリスクが存在します。製造や販売におけるコストや品質の問題、そして市場変動や競合他社の影響などがその一例です。こうしたリスクを軽減し、品質を向上させるのがPLMです。PLMは製品のライフサイクル全体を管理し、効率的なプロセスや品質管理を実現することで、リスクの最小化に貢献します。
リスクの軽減、品質向上ができるのがPLMです。詳しく解説します。
リスクの可視化と管理
製品ライフサイクル全体を管理し、リスクの要因や影響を透明化します。製品の設計や製造プロセスにおけるリスクを定量化し、早期に特定することで、問題の予防や対処が可能となります。
品質管理の強化
品質管理プロセスを強化し、製品の品質を継続的に監視・評価します。製品に関する情報を一元管理し、品質基準を遵守することで、製品の信頼性や耐久性を向上させます。
変更管理の迅速化
製品の変更管理を迅速化し、品質に関するリスクを軽減します。変更が即座に識別され、効果的に管理されるため、品質の劣化や問題の拡大を防止します。
品質データの分析と改善
製品の品質データを収集し、分析して品質改善の機会を特定します。製品の性能や不良率に関するデータを活用し、製品設計や製造プロセスの改善に反映します。
情報の一元化と共有化
PLMによって情報を一元管理して共有できます。具体的な内容を紹介します。
PLMは製品ライフサイクル全体にわたるデータや情報を一元化します。これにより、設計、製造、マーケティング、サポートなど、あらゆる部門が同じ情報にアクセスできます。これが、部門間の情報の乖離を解消し、製品に関する情報の一貫性を確保してくれます。
また、製品開発に関する情報やデータが、関連するステークホルダー間で効率的に共有されます。これにより、意思決定の迅速化やコミュニケーションの改善が図られます。
PLMツール導入の手順
PLMを導入するには、次の手順があります。まず、導入の目的や目標を明確にし、現状の業務プロセスや課題を把握します。次に、信頼できるPLMプロバイダーを選定し、ソフトウェアのカスタマイズや設計を行います。データの移行やシステム構築、テストを経て導入し、最終的に運用段階に移行します。
素人でも導入は可能ですが、プロのサポートを受けることでスムーズに進めることができます。PLMプロバイダーは導入から運用までのサポートを提供しており、専門知識や経験を活かして効果的な導入を支援しています。
手順1. 目的とビジネスニーズを把握する
企業の目標や課題、現行プロセスの問題点の特定が含まれます。関係者との協力を通じて、PLM導入によって解決すべき課題や目標を明確化します。次に、導入目標を設定し、具体的な成果を明示します。現在のプロセスやシステムを評価し、ビジネスニーズとの整合性を確認します。これにより、PLM導入によってどのような改善が期待されるかを把握します。
最後に、導入の必要性や利点を関係者に説明し、プロジェクトの方向性を確定します。この段階では、ビジネスケースの作成やROI(投資収益率)の評価も行われる場合があります。PLM導入の成功には、ビジネスニーズの適切な評価が不可欠です。
手順2. ソフトウェアを選ぶ
重要なステップの1つは、適切なソフトウェアの選定です。まず、企業のビジネスニーズと目標に基づいて、適切なPLMソリューションの要件を明確化します。次に、市場調査やベンダーの比較を通じて、複数のPLMベンダーを評価します。各ソリューションの機能、柔軟性、拡張性、価格、サポートなどを比較し、ビジネスに最適なものを選択します。
また、ソリューションのデモやトライアルの実施、実際のユーザーからのフィードバックの収集も重要です。最終的に、選定されたPLMソフトウェアがビジネスニーズを満たし、適切なROI(投資収益率)を提供するかどうかを確認し、導入計画に進みます。 PLMソフトウェアの選定は、導入プロジェクトの成功に不可欠な要素であり、慎重な検討が必要です。
手順3. 導入計画を作る
導入目標とスコープを明確に定義します。次に、導入の範囲、スケジュール、予算、リソース、および役割と責任を決定します。これには、プロジェクトチームの編成とトレーニング計画も含まれます。さらに、ソフトウェアの構成、カスタマイズ、データ移行、テスト、および導入後のサポート戦略を検討します。
リスク管理と変更管理のプロセスも策定されます。最終的に、コミュニケーションとステークホルダーの関与を確保し、プロジェクトの進捗状況を監視・評価するメカニズムを確立します。
手順4. システムの構築とカスタマイズを行う
導入計画に基づいて必要なインフラストラクチャーを構築し、PLMソフトウェアを導入します。次に、ベンダーから提供された基本設定をベースに、企業のニーズに合わせてシステムをカスタマイズします。これには、フォームやワークフローの設計、データモデルの構築、レポートやダッシュボードの作成などが含まれます。また、既存システムとの統合も検討されます。
ユーザーのトレーニングやテストを行い、システムが適切に機能し、ビジネスニーズを満たすことを確認します。最終的に、プロダクション環境にシステムを展開し、運用を開始します。この段階では、定期的な保守とアップグレードが計画され、システムの安定性と効果的な運用が確保されます。
手順5. 社員教育とトレーニングを行う
導入計画に基づいてトレーニングプランを策定します。これには、管理者、エンドユーザー、およびシステム管理者向けのトレーニングが含まれます。トレーニングコースや教材の開発が行われ、トレーナーが配置されます。
次に、ユーザーに対するトレーニングが実施されます。これには、ハンズオンセッションやオンラインコース、マニュアルの提供など、さまざまな教育方法が利用されます。トレーニングでは、PLMシステムの基本操作から高度な機能の活用まで、必要なスキルと知識を提供します。ユーザーは、システムの操作やベストプラクティスについて学び、実際の業務で効果的に活用するための能力を身につけます。
手順6. リリースする
準備が整った段階で、PLMシステムの最初のリリースを行います。これには、事前に設定された基本的な機能が含まれます。次に、リリース計画に従って、ユーザーへのシステムの展開が行われます。展開は段階的に行われ、部門や地域ごとに行われることが一般的です。
展開プロセスでは、ユーザーへのトレーニングやサポートが提供され、システムの利用を円滑に行えるようにします。展開の際には、ユーザーからのフィードバックを収集し、必要に応じて調整や改善を行います。展開後も、システムの監視と効果的な運用が重要です。運用中は、定期的なメンテナンスやアップデートが実施され、システムの安定性とパフォーマンスを維持します。また、ユーザーからのフィードバックを収集し、システムの改善や追加機能の検討も行います。
手順7. サポートと保守を行う
導入後、システムが適切に機能し続けるためには、定期的なサポートと保守が不可欠です。サポート体制は、問題解決や技術的な支援を提供することによって、ユーザーのニーズに応えます。また、ソフトウェアのバグ修正やパフォーマンスの最適化も含まれます。
保守は、システムの安定性とセキュリティを確保するために定期的に行われます。これには、アップデートやパッチの適用、バックアップと復元、システムの監視とトラブルシューティングが含まれます。さらに、ユーザーからのフィードバックを収集し、システムの改善や機能強化に活用します。
PLMツール導入による成功事例の紹介
PLMは多数の有名企業でも導入されていて、業績への多大な影響を与えています。PLMを導入するきっかけになったのは何なのか、導入することで何が変わったのかを実際に導入している企業を2社紹介します。自社のPLMの導入の検討材料にしてください。
キリンビール
項目 | 詳細 |
会社名 | キリンビール株式会社(キリンホールディングス株式会社の出資比率100%) |
所在地 | 東京都中野区中野四丁目10番2号 中野セントラルパークサウス |
会社概要 | キリンビールの製造販売元で、全国に事業者がある日本屈指のビール会社です。 |
PLM導入のきっかけ | 消費者ニーズの多様化や食の安全・安心への関心の高まり、卸・小売業者からの商品情報開示要求の増加に対応し、商品管理を全てPLMで一元管理することにしました。 |
PLM導入効果 | 部門間で商品成分や原料などの最新情報の共有ができ、営業担当者や流通各社に迅速に情報を提供できるようになりました。 |
サイトURL | https://www.kirin.co.jp/ |
ローレルバンクマシン株式会社
項目 | 詳細 |
会社名 | ローレルバンクマシン株式会社 LAUREL BANK MACHINES CO.,LTD. |
所在地 | 東京都港区虎ノ門1-1-2 |
会社概要 | 通貨処理機専門メーカー |
PLM導入のきっかけ | 企画段階で計算していた原価と設計後の原価の乖離がひどく何か打開策はないのかと探していた後PLMを導入するきっかけとなりました。 |
PLM導入効果 | PLMにコストシミュレーション機能搭載したものを導入することで作業工程別のコスト計算が正確にできるようになり、正確な原価を導き出すことが可能になりました。 |
サイトURL | https://www.lbm.co.jp/ |
まとめ:PLMツールを上手に活用して開発管理を効率化
ここまで、PLMとはどういうもので、どのような特徴や機能があるのかを解説してきました。また、PLMを導入することでどのようなメリットがあるのかについても解説してきました。そして、PLMの種類ごとの紹介を行ってきて、導入するときに必要な作業についても見てきました。
PLMは企業規模に関係なく、導入することで、商品管理・生産性がアップすることがわかったのではないでしょうか。今、製造・生産業界で管理や生産性で悩んでいる企業様、PLMを導入したいと考えている企業様は、Jitera社へ相談されることをお勧めします。自社の明るい未来を築くためにも、PLMの導入を検討されてください。
Jitera社は非常に有益な協力先です。同社は豊富な経験と専門知識を有し、的確なアドバイスを提供しています。Jitera社の協力を得ることで、効率的かつスムーズなシステムの導入が期待できます。
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