CX(カスタマーエクスペリエンス)とは?顧客体験価値を向上させる取り組み事例も解説!

CXとは「顧客体験」という意味を持つ単語です。モノやサービスがあふれている現代、ビジネスでは顧客満足度の向上によって競合他社との差別化を図ることもできます。そのため、CXが重要視されている背景があります。

今回は、CXの概要や取り組みの具体例、CXの成功事例について詳しく見ていきます。CXの用語がわからない方から、実践的な内容を求めている方まで、幅広い方に役立つ内容となっています。ぜひ参考にしてください。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

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執筆者 武宮 太雅

東京都在住のライターです。わかりづらい内容を簡略化し、読みやすい記事を提供できればと思っています。

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    CXとは

    CXは「顧客体験」という意味の単語です。ここでは、以下の内容を紹介します。

    • CXの意味
    • CXの重要性とビジネスへの影響
    • CX向上によるメリット

    CXの意味

    CXはカスタマーエクスペリエンスの略で、日本語では「顧客体験」もしくは「顧客体験価値」を意味します。つまり、顧客が製品やサービスを利用する際の全体のことを意味します。製品を購入してから使用中、そしてアフターサービスまでの全体的な経験を充実させようとするのがCXの考え方です。

    たとえば、以下のような対策を行うことでCXが向上すると考えられています。

    • 製品の購入プロセスをわかりやすくする、魅力的なものにする
    • 製品の品質や機能性を充実させる
    • カスタマーサポートを設置し、いつでも疑問を解決できる状態を作っておく

    このように、顧客に寄り添ってサービスに満足してもらうことがCXの役割です。

    CXの重要性とビジネスへの影響

    CXを重視してサービスを展開することで、顧客満足度を高めることが可能です。そのため、再度商品を購入してもらえる可能性が高まります。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が実施した「買い物における『こだわり』に関する意識調査」によれば、20代、30代の7割以上が「購入体験も重視している」と回答しています。そして、ほかの年代を見ても60代以外は半数以上が「購入体験を重視する」と回答しています。

    NTTデータ経営研究所「買い物における『こだわり』に関する意識調査」

    この調査からも、CXの重要性が理解いただけるでしょう。

    また、CXはブランドや企業の評判にも大きな影響を与えます。購入体験が素晴らしいものであると「この商品を提供している企業はいい会社だ」と企業全体のイメージを向上させられます。結果として、企業に興味をもった人材が求人に応募してくれるかもしれません。

    したがって、優れたCXを提供することは、ビジネスの成功を実現するために欠かすことのできない要素だといえます。

    CX向上によるメリット

    顧客体験(CX)を向上させることで得られるメリットは、主に以下4つです。

    • 顧客満足度の向上
    • 顧客ロイヤルティの強化
    • 顧客生涯価値の増大
    • 良好な口コミによる新規顧客の獲得

    ※顧客満足度については上述したため、紹介を省きます。

    まず、顧客ロイヤルティとは、商品・サービスに興味をもった方が企業全体に良い印象を受けることです。顧客ロイヤルティが強化されたユーザーは、自社がどのような商品を販売したとしても、一定の興味を持ってくれる可能性が高いです。つまり、広告を出稿しなくても多くのユーザーに商品の情報が届きやすくなります。

    また、顧客生涯価値が高まることもCX向上のメリットです。顧客生涯価値とは「LTV(Life Time Value)」とも呼ばれ「顧客1人当たりが生涯に購入する額」のことを意味します。新規顧客を獲得するよりも、既存顧客にアプローチしたほうがかかるコストを節約できるため、LTVを高めるためにCX向上を図るというのは賢明な手段だといえるでしょう。

    そして口コミによって、新規顧客の開拓につながる可能性もあります。CXを向上させることで、上述した4つのメリットがあるため、企業は積極的に取り組まなければなりません。

    CX向上の取り組み例

    CXを向上させるためには、さまざまな対策を行う必要があります。そして、業種によっても取り組むべきことが違うため、何から手を付ければよいかわからない方も多いでしょう。

    ここでは、CX向上を目的として行える5つの具体的な取り組みについてみていきます。基礎的な取り組みではありますが、ここから始めることで、自社に必要な対策が少しずつみえてくるでしょう。

    ユーザーエクスペリエンス(UX)の最適化

    まずは、ユーザーエクスペリエンス(UX)の最適化を行いましょう。サービスを使用する過程でユーザーが得る体験全体に焦点を当て、質を高めるための取り組みを行います。

    具体的には、以下のような視点でUXの向上に取り組むとよいでしょう。

    • サービスの設計・開発段階からユーザーの視点とニーズを考える
    • 満足度を向上させるための仕組みを取り入れる
    • 商品の機能性を高める
    • コンテンツの最適化(導入事例や説明書など)

    ユーザーがサービスをスムーズに利用でき、素早く目的を達成できるようにすることで、CXを向上させられます。

    ユーザーインターフェース(UI)の改善

    ユーザーが直接操作するインターフェースの見た目や使い勝手を改善し、ユーザビリティを高めることも重要です。次のような部分に着目することで、ユーザーにとって使いやすいインターフェースが出来上がります。

    • アフォーダンスを意識する
    • 直感的に操作できる配置にする
    • 反復動作をワンクリックでアクセスできるようにしておく

    ユーザーがイライラせずに操作できるインターフェースに仕上げると、ユーザーの体験が充実し、CX向上につながります。

    マーケティング戦略の改善

    顧客のニーズに応えるため、そして製品やサービスの価値を最大限に引き出すために、マーケティング手法の見直しを行います。これは、現在採用しているマーケティング戦略が顧客のニーズや期待に対応しているかどうかを確認し、必要に応じて改善を行うためです。そして、時代に合わせて新たなマーケティング戦略の導入も検討しなければなりません。

    マーケティング戦略に正解はなく、一昔前は正しかったのに今は違う戦略の方が良いというケースも多々存在します。そのため、常にマーケティング戦略を見つめ、軌道修正を行うことが大切です。

    顧客サービスの充実

    顧客サービスの充実もCX向上に重要です。以下のような取り組みを行うことで、顧客サービスを充実させられます。

    • 問い合わせ窓口(カスタマーサポートを設置する)
    • 製品のアフターサポートを用意する
    • 返金サポートを実施する

    これらの行動をとることで、顧客との信頼関係を構築でき、自社の製品に興味を持ってもらいやすくなります。もちろん、対策を講じるにはコストがかかりますが、ビジネスの規模に合わせてかけられるコストで対策に取り組むことが大切です。

    データ分析とフィードバックの活用

    データ分析とフィードバックの活用も重要なポイントです。顧客の行動や反応をデータ化し、分析しましょう。そして、サービスの改善策を具体的に立案します。たとえば、改善策として、以下のようなものが考えられます。

    • サイトが使いづらい→サイト内のナビゲーションを改善する
    • 電話がつながらない→カスタマーサポートの対応時間を拡大する
    • 商品の認知度が低い→新製品やサービスの発表をユーザーに直接通知するシステムを導入する
    • 使いづらい→サービスを利用する過程をシンプル化する

    顧客からのフィードバックを積極的に取り入れることにより、我々の提供するサービスの品質を高められます。

    CX成功事例

    最後に、具体的な成功事例を通じて、顧客体験(CX)がビジネスにどのような影響をもたらしてきたかについて紹介します。自社に近いビジネスがあれば、参考にしてみてください。

    Starbucksの顧客エクスペリエンス戦略

    Starbucksは、一貫して高い品質の商品とサービスを提供することで、顧客体験の向上を図っています。

    まず、イメージしやすいのは、ユーザーが好みに合わせて商品をカスタマイズできることでしょう。糖質を制限している方なら、コーヒーフラペチーノに「ノンファットミルク」を追加することで、すっきりとした味わいを楽しめます。

    また、コーヒーショップではなく「サードプレイス」を提供しているStarbucksは、顧客とのコミュニケーションを重視し「ずっとここにいたい」と思うような空間づくりを実現しています。Starbucksは顧客に寄り添うことで、ユーザビリティを向上させようと努めているのです。

    Starbucks

    Appleのユーザーインターフェースデザイン

    Appleは、直感的でシンプルなユーザーインターフェースデザインの製品を多数販売しています。「かっこいい」「スタイリッシュ」というイメージだけでなく、ユーザーが製品に触れた瞬間、使い方を理解し、簡単に使いこなせるようなデザインに仕上がっています。

    たとえば、Appleが提供するワイヤレスイヤホン「Air Pods」シリーズは、イヤホンから伸びる先端をつまむことで、音量を上下させたり停止したりが可能です。何かアクションを起こしたいユーザーは、とりあえず耳に手を伸ばせばよいので、とてもアフォーダンス的な設計になっていることがわかります。

    Apple

    Amazonのパーソナライズされたマーケティング

    Amazonは、ユーザーニーズに合わせて製品をパーソナライズ化することで、顧客体験を向上させています。購入履歴や閲覧履歴などのデータを分析し、顧客の興味関心に合わせて「一緒に購入」や「他のお客様がよく閲覧している商品」といった項目を表示します。

    たとえば、リモコンを購入する場合「一緒に購入」という項目で電池を紹介してくれることがあり、これによって買い忘れを防止しています。「せっかく商品が届いたのに使えない」という不満を事前に解消する、ユーザビリティの高いサービスをAmazonは提供しています。

    Amazon

    Airbnbの顧客サポートとコミュニティ構築

    Airbnbは、世界中の宿泊所を利用できるサービスです。宿泊所の中には、個人で運営しているところもあり、何も管理をしていないと、トラブルが発生することもあります。

    そのため、Airbnbは顧客サポートとコミュニティの構築に重点を置いています。具体的には、Webサイトによくある質問のコンテンツとお問い合わせフォームを用意し、そこから素早くアクセスできるようにすることで、トラブルを未然に防いでいるのです。

    これにより、ユーザーは安心してサービスを利用でき、CXを向上させることにつながっています。

    Airbnb

    Zapposの顧客対応と文化

    Zapposは、靴を中心としたECサイトの販売を行っている会社です。多くの場合、靴を店頭で購入することが多い中、この会社では「新規顧客獲得の43%がクチコミから流入している」「顧客のリピート率は75%」というデータもあるようです。

    なぜ、これほど高いエンゲージメントを出せているかといえば、顧客満足度向上のための施策を惜しみなく提供しているからです。

    • 送料無料
    • 返品無料
    • 返品は1年以内なら何度でも無料
    • 翌日発送(ほとんどの場合)
    • 不定休の顧客サービス(24時間365日)

    このような質の高いサポートを行っているからこそ、インターネットで靴を売るというビジネスモデルが成り立っているのです。

    Zappos

    CXのまとめ

    この記事では、顧客体験(CX)の概念、重要性、向上によるメリット、具体的な取り組み例、成功事例について詳しく説明しました。CXは顧客が製品やサービスを利用する際の全体的な体験を指し、その向上はビジネスの成長に直結します。

    具体的な取り組みとしては、以下のようなものが挙げられます。

    • ユーザーエクスペリエンス(UX)の最適化
    • ユーザーインターフェース(UI)の改善
    • マーケティング戦略の改善
    • 顧客サービスの充実
    • データ分析とフィードバックの活用

    今回ご紹介した内容も参考に、CXの向上を目指してみてください。また、CXに関して不明な点や困ったこと、質問、相談、案件、依頼などございましたら、経験豊富な株式会社Jiteraにお問い合わせください。不安を解消できるような回答・提案をさせていただきます。

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