エンジニア全般
近年のシステム開発において、ネットワークの活用は不可欠です。システム規模に関係なく、ネットワークを導入します。ネットワーク形態には何があるのかよくわからないという企業担当者様は多いのではないでしょうか？ネットワークトポロジーという言葉を耳にしたことはありませんか？これは、ネットワーク内のデバイスやリンクの配置や接続方法を示します。この記事では、トポロジーについて紹介します。
プログラマー（PG）経験 3年 システムエンジニア（SE）経験 8年 プロジェクトマネージャー（PM）経験 7年 過去の開発システム ・ロケット飛行安全システム ・魚雷発射評価シミュレーションシステム ・船舶電話システム ・NHK番組管理システム ・IBM生産管理システム（データベース設計） ・学習塾管理システムパッケージソフト開発 ・6軸アームロボット開発 ・露光装置監視システム その他多数システム開発にかかわってきました。 39歳で独立して、アフィリエイトシステム開発と運営を3年ほど行い、 ライター業務を始めて現在に至ります。
ネットワークトポロジーとは？
物理的または論理的な構造でコンピューター・デバイスがどのように接続されるかを示し、各デバイス間の関係性や通信の手段です。ネットワークトポロジーには特徴があります。最初に、異なるトポロジーというのは異なる接続形態を示します。例えば、スター型では、中央のハブやスイッチにすべてのデバイスが接続されます。
このトポロジーは、ネットワークの性能や管理に大きな影響を与えます。トポロジーの選択を間違えなければ、ネットワークの効率性と信頼性を確保するために極めて重要です。例えば、メッシュ型は冗長性と信頼性が高いのですが、接続数が多くなり複雑な管理が必要になります。
ネットワークトポロジーの選択をミスると、ネットワーク全体の機能に影響を及ぼす恐れがあります。そのため、慎重なトポロジーの選択が必要です。
ネットワークトポロジーの種類と特徴
ネットワーク接続でのネットワークトポロジーの役割と特徴を見てみましょう。大きく分けると次の5つの種類のトポロジーには、があります。ネットワークトポロジーの特徴を解説します。ネットワークを拘置しようと考えている企業様は、検討材料にご利用ください。
スター型トポロジー
スター型では、各デバイスはハブ、スイッチに独立して接続され、必ず中央装置を介して通信します。
これは、中央のハブやスイッチが全ての通信の中継役を果たすのです。デバイス１つからの通信が他のデバイスに到達するには、ハブやスイッチを経由しなければなりません。この構造は、デバイス間の接続性を単純化し、管理を容易にします。また、一つのデバイスの障害が他のデバイスに影響を与えることはありません。しかし、中央装置に障害が起きると、全ての通信が妨げられる可能性があります。
小規模なオフィスネットワークでよく使用されます。シンプルで管理しやすいためこの形態が使われるのです。また、ハブやスイッチを介した通信で、データの伝送効率が向上し、ネットワークの信頼性も高められます。
ただし、大規模ネットワークでスター型トポロジーを使うと、中央装置に過負荷がかかることがよくあります。そのため、より複雑なトポロジーが必要なケースも出てきます。
バス型トポロジー
中央の通信媒体に接続され、このバス上をデータが流れて目的先に到達するのがバス型の特徴です。主に小規模ネットワークで使用されてきました。
デバイスが共通のバスに接続されているため、バス上をデータが流れる形で送受信されます。デバイスがデータを送信するときは、他のデバイスがバスを利用していないかを確認し、バスが利用可能であればします。ただし、複数デバイスが同時にデータを送信しようとすると、デバイス間で衝突が起こる可能性があります。そのため、衝突を検知し、再送信を行う仕組みが必要になります。
バス型トポロジーのメリットは、接続の単純さとコストの安さです。全てのデバイスを1本のバスで接続するため、簡単なケーブルの配線ですみ、コストも抑えられます。また、小規模なネットワークでは、効率的なデータ伝送が可能です。しかし、デバイスの追加、バスの長さの制限、通信の衝突などを起こすこともあり、大規模なネットワークには不適切です。
リング型トポロジー
リング型には、円環状にコンピューターやネットワークデバイスが接続されます。デバイスは隣接するデバイスと直接接続され、データはリング状の経路を一方向に伝送されます。最後のデバイスから最初のデバイスに向かってデータがループします。
このトポロジーでは、各デバイスがリング上に位置し、隣接するデバイスと直接通信できるため、シンプルな通信経路になっています。一方向にデータが流れるため、通信の確実性が高めたいときにおすすめです。また、障害が発生した場合でも、リング上につながっている別の経路を通じて通信できます。しかし、リング型トポロジーには問題点もあり、一つは、リング上のデバイス数の増加に伴いデータの伝送遅延が増加し、性能が低下する恐れがあることです。また、一部の障害がリング全体に影響を及ぼす可能性があるため、信頼性に課題が起きることがあります。
このトポロジーは、小規模ネットワークや特定の環境でよく利用されます。例えば、ユーザーグループやセキュリティシステムなど、目的によってはリング型トポロジーが使われます。リング型トポロジーは特定のニーズに対応するための選択肢として検討されます。
メッシュ型トポロジー
複数のコンピューターやネットワークデバイスが相互に直接接続されるネットワーク形態がメッシュ型です。デバイスが他のすべてのデバイスと接続され、それぞれのデバイス間には複数の通信経路が確率されます。これにより、高い冗長性・信頼性を提供します。
メッシュ型トポロジーでは、複数の経路を通ってデバイス間の通信が行われます。もし通信経路に障害が発生しても、別の経路を利用して通信できます。このような冗長性は、信頼性を高めるうえに、ネットワークの障害に対する耐性も向上させます。
ただし、接続数が多くなるメッシュ型トポロジーは、配線・管理が複雑になります。また、接続数が増えると管理コストやリソースの消費も増加します。そのため、大規模なネットワークを実装するときは計画をしっかり行い十分なリソースが必要です。
メッシュ型トポロジーは、特に通信の安定性やセキュリティが重視されるネットワーク環境で使われることがあります。例えば、金融取引・防衛システムなど、信頼性が求められる業務領域で使われることがあります。また、インターネットバックボーンなどの基盤的なネットワークでも一部で使われています。
ツリー型トポロジー
ツリー型は、ルートノードから複数のブランチが伸び、端末ノードが各ブランチに接続されます。各端末ノードは、そのブランチの末端に位置し、ルートノードを経由して他の端末ノードと通信します。
これは、階層構造を持つので、管理・制御が容易にできます。通信経路が定義されており、ルートノードから末端ノードまでデータは一方向に流れます。また、障害が発生した場合でも、階層構造により影響を局所化できやすく、他のブランチや端末ノードへの影響を極力避けられます。
ツリー型トポロジーは、特に大規模ネットワークや広範囲の地理的領域において効果が発揮できます。例えば、企業の広域ネットワークやインターネットサービスプロバイダー（ISP）のネットワークなどでよく使われます。また、教育機関・研究機関などのネットワークでもよく使われています。
ツリー型には、ルートノードやブランチの容量や帯域幅が制限される恐れがあるのです。特に、上位階層でのトラフィックが集中すると、下位階層へ大きな影響を及ぼす場合があります。また、階層構造が複雑化すると、管理や設計が複雑になる傾向があります。
ネットワークトポロジー図の作成方法
重要な意味が、ネットワークトポロジー図の作成にはあります。トポロジー図を作成することで、目的を明確にでき、どのようなことに注意すべきか明確になります。ネットワークトポロジー図の作成を行う上で基本的なステップを見てみましょう。
目的の明確化
トポロジー図を作成する意味には何があるのか、具体的な目的を解説します。
ネットワークの構造を可視化する
トポロジー図は、ネットワーク内のデバイスやコンポーネントの配置、接続方法、通信パスを視覚的に示すものです。ネットワーク構造や関係性を明確にすれば、ネットワーク全体を理解できます。
問題の特定と解決
トポロジー図は、ネットワーク内で起こる問題を特定し、解決策を検討するための重要なツールです。問題が発生した場合、トポロジー図を参照して、影響を受けるデバイスや接続を特定し、対応策を検討します。
設計の改善
ネットワークのトポロジー図を作成すれば、現在のネットワーク構造や設計についての洞察を得られます。問題や改善の余地を特定し、設計の改善を行うための基準となります。
ドキュメントとしての利用
トポロジー図は、ネットワークのドキュメントとしての役割も果たします。ネットワークの構造・接続を記録し、将来の参照や新規メンバーのトレーニングに活用できます。
情報の収集
トポロジー図を作成するとき、目的を明確化できた後は、作成に必要な情報収集が必要不可欠です。それでは、収集しなければいけない情報には何があるのかを具体的に紹介します。
デバイスリスト
ネットワークに接続されているすべてのデバイスのリストが必要です。これには、サーバー、ルーター、スイッチ、ファイアウォール、アクセスポイントなどのネットワークデバイスが含まれます。
デバイスの詳細
各デバイスの詳細情報が必要です。これには、デバイスの名前、IPアドレス、MACアドレス、モデル番号、製造元などがあります。
接続情報
各デバイス間の接続情報が必要です。物理的なケーブルやポートの接続、論理的な接続（VLANなど）が含まれています。また、ルーター・スイッチのポート番号、接続の速度や帯域幅などの詳細も必要になります。
ネットワークのセグメント
ネットワーク内のセグメントやサブネットの情報が必要になります。各セグメントのIPアドレス範囲、サブネットマスク、ゲートウェイなどが含まれます。
トラフィックフロー
ネットワーク内のトラフィックの流れや通信パスの情報が必要になります。特定のデバイス間の通信パターンや経路、そしてトラフィックの優先度などが含まれます。
セキュリティ情報
ネットワーク内のセキュリティ設定やポリシーの情報が必要になります。ファイアウォール・セキュリティグループなどの設定、アクセス制御リスト（ACL）、VPN接続などが含まれます。
図作成ツールの選択
トポロジー図を作成するときにいろいろなツールやサービスがあります。どのようなツールやサービスがあるのか、特徴を紹介します。
ネットワーク図作成ツール
専用のネットワーク図作成ツールは、ネットワークトポロジー図を作成するのに効率的なツールです。このツールには、Cisco Packet Tracer、Microsoft Visio、Lucidchart、Draw.ioなどがあります。このツールは、豊富なシンボルやテンプレートを提供し、トポロジー図の作成をスムーズに行えます。
ネットワーク監視ツール
ネットワーク監視ツールには、ネットワークの構成や接続情報を自動的に収集し、トポロジー図を生成する機能があります。例えば、SolarWinds Network Topology MapperやIntermapperなどのツールがそうです。これらのツールを使用すると、自動的にネットワークのマップを生成し、可視化できます。
クラウドベースのサービス
クラウドベースのネットワーク図作成サービスもあります。このサービスにはGliffyやCreatelyなどがあります。サービスを利用すると、インターネットに接続されたデバイスから直接ネットワークトポロジーの作成が可能です。
自動化スクリプト
ネットワークトポロジー図を作成するための、自動化スクリプトを利用できます。Python・PowerShellなどのスクリプト言語を使って、ネットワークデバイスから情報を収集し、自動的にトポロジー図を生成できるのです。
図の作成・レビュー
トポロジー図を作成する手順とその後のレビューは重要です。手順は、要件の明確化、要素の識別、配置の決定、ラベリング、レイアウト整備、検証とテストです。レビューでは、正確性、明瞭さ、一貫性を確認し、ネットワークの実際の構成と一致しているかを確認します。
可視化と理解
トポロジー図は、ネットワークの構造と接続を視覚的に表現します。これによって、ネットワークエンジニア・管理者はネットワーク全体の構造や機能を理解し、問題の特定・解決に役立ちます。
設計と計画
トポロジー図は、新しいネットワークの設計や変更の計画において重要な役割を果たします。ネットワークの構造や接続を明確に表現することで、設計の正確性や効率性を確認し、問題の事前発見やリスクの軽減に役立ちます。
トラブルシューティング
トポロジー図は、ネットワークの問題や障害の特定と解決にも役立ちます。問題が発生した際に、ネットワークトポロジー図を参照して、影響を受けるデバイスや接続を特定し、迅速に解決策を検討できます。
ドキュメントとしての役割
ネットワークトポロジー図は、ネットワークのドキュメントとしての役割も果たします。適切に作成されたトポロジー図は、将来の参照や新規メンバーのトレーニングに活用できます。
ネットワークトポロジー図を作成できるツール
ネットワークトポロジー図を作成する際には、重要になるのが適切なツールの選択です。ツールにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。自分のニーズや目的に合ったツールを選ばなければいけません。ツール選びを間違うと、思った通りのネットワークトポロジー図を作成できない可能性があります。
ネットワークトポロジー図を作成する際には、自分が何をしたいのかを明確にしましょう。その上で、適切なツールを選択してください。おすすめのネットワークトポロジー図作成ツールを4つ紹介します。
Microsoft Visio
Microsoft Visio（マイクロソフト ビジオ）は、ビジネスや技術分野で広く使用されるビジュアル ダイアグラム作成ソフトウェアです。これを使えば、様々な種類の図表やダイアグラムを作成できます。
例えば、フローチャート図、ネットワーク図、ブロック図など、多岐にわたる図表を作成できます。さらに、ビジネスマトリックスや便図など、さまざまな図表も作成できるのです。特に、ネットワーク図の作成にはVisioが非常に便利で、推奨されるツールです。
Visioは、ビジネスプロフェッショナルや技術者、プロジェクトマネージャー、情報技術者など、幅広い分野の専門家が使っています。その機能は、ビジネスプロセスの可視化・文書化、プロジェクト管理、システム設計、ネットワークのマッピング、組織図の作成など、多岐にわたります。
Microsoft Visioは、使いやすいインターフェースと豊富なテンプレート、図形、ツールを提供し、プロフェッショナルなダイアグラムの作成を支援してくれます。そのため、多くのユーザーにとって必須のツールです。
Lucidchart
Lucidchart（ルーシッドチャート）は、クラウドベースのサービスで、複雑なアイデアや業務フローを直感的に可視化するためのツールです。特に大手企業のITユーザーに広く利用され、リモートワーク時には不可欠なツールとして認知されています。
Lucidchartには、さまざまなタイプの図表やチャート、構成図、ワイヤーフレーム、インフォグラフィックスなどの機能が備わっています。複数ユーザーが同時に作業できるため、チームでのプロジェクト作業やアイデアの共有に最適です。
このツールはウェブブラウザ上で動作し、インターネットに接続されたデバイスからいつでもアクセス可能です。さらに、Google ドライブやMicrosoft Office 365などの他のツールとのシームレスな連携が可能であり、チーム間での効果的なコラボレーションができます。Lucidchartは使いやすく、高度な機能を提供しており、ビジネスプロフェッショナルや教育関係者、技術者など、さまざまな分野のユーザーに愛用されています。
Draw.io
draw.io（ドロー）は、インストール不要のWebベースの作図ツールです。オープンソースのオンライン図表作成ツールであり、様々な種類の図やチャート、フローチャート、ワイヤーフレーム、組織図などを作成するための豊富な機能が無料で提供されています。
このツールの特徴の一つは、直感的なインターフェースと使いやすさです。ウェブブラウザを通じてアクセス可能であり、専用のソフトウェアをインストールする必要がありません。さらに、Google ドライブやMicrosoft OneDrive、GitHubなどとの連携も可能で、作成した図表を簡単に保存や共有することができます。
draw.ioはオープンソースであり、個人の環境にインストールしてローカルで使用することもできます。この柔軟性により、個人ユーザーやビジネスユーザーのニーズに合わせて様々な用途で利用されています。利用料金が発生せず、多機能で使い勝手が良いため、利用者にとって有益なツールと言えます。
Google ドローイング
Googleが提供するオンライン図形作成ツールがGoogle ドローイングです。Web上で利用できる作図ツールで、インストールが不要です。ドキュメント作成時に図形を簡単に挿入できるため、多くの利用者に支持されています。Googleのドキュメント・スプレッドシートと同様に、無料で利用できる点が魅力の一つです。
Google ドローイングの機能には、図形作成、テキスト挿入、画像の挿入、図形の結合とグループ化、共有と協力などがあります。これにより、様々な要素を組み合わせて見栄えの良い図表を作成することができます。
利用用途としては、シンプルで使いやすいインターフェースを持ち、ビジネス文書やプレゼンテーション、学習資料など、幅広い分野で活用されています。また、他のGoogle アプリとの連携も強力であり、Google ドライブ内での作業効率を高めることができます。
まとめ：ネットワークトポロジーを理解して自分あった選択をしましょう
ここまで、ネットワークトポロジーとはどういうもので、どのような特徴があるのかを解説してきました。ネットワークトポロジーには、スター型トポロジー・バス型トポロジ・リング型トポロジー・メッシュ型トポロジー・ツリー型トポロジーがあり、それぞれについて紹介してきました。
また、ネットワークトポロジー図の作成方法についても解説してきました。ネットワークトポロジーを作成するときに利用価値が高い4つのツールもご紹介してきました。今からネットワーク構成を作成しなければいけないという方には、参考になる情報だったのではないでしょうか。
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