Tailwind CSSとは?話題のCSSフレームワークのメリットや使い方を詳しく解説!

Webデザイナーや開発者にとって、効率的に品質の高いコードを書くことは常に課題です。しかし、Tailwind CSSを使えば、少ない行数で洗練されたスタイルを実現できます。

Tailwind CSSは、事前に定義された様々なユーティリティクラスを使って、HTML要素に視覚効果を与えることができるフレームワークです。Bootstrapなどと比べると、非常に自由度が高くカスタマイズしやすい特徴があります。

本記事では、私自身のTailwind CSS活用経験も交えて、そのメリットと基本的な利用方法を解説します。本フレームワークの可能性を最大限に引き出すヒントになれば幸いです。

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監修者 Ando

東京在住、大手IT企業出身、Web業界10年以上のアラサーです。新規事業開発やシステム開発にプロジェクトベースで関与したりこれまでの経験をもとに執筆活動を行っています。

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    Tailwind CSSの概要

    Webデザイナーや開発者にとって、品質の高いコードを効率的に書くことは常に課題です。Tailwind CSSなら少ないコード量で洗練された視覚効果を実現できます。事前に定義づけられた様々なユーティリティクラスを組み合わせて使用することで、HTML要素をスタイリングできるフレームワークです。

    以下、詳しく解説していきます。

    Tailwind CSSとは

    Tailwind CSSは、ウェブサイトやWebアプリケーションのスタイリングを支援するCSSフレームワークです。事前に多数のスタイルユーティリティクラスが定義されており、これらのクラスをHTMLのclass属性値として指定することで、容易に視覚効果を実現できるのが大きな特徴です。

    具体的には、Tailwind CSSには文字サイズ、文字色、背景色、余白、パディング、幅、高さなど、スタイルを指定するための様々なユーティリティクラスが揃っています。こうしたクラスをHTML要素のclass属性に指定するだけで、CSSでスタイル定義をしなくても視覚効果を実現できるのです。

    BootstrapやFoundationなど他のフレームワークと比較して、Tailwind CSSが非常に高い自由度でカスタマイズが可能という大きな利点があります。ユーティリティクラス自体のスタイル定義を変更したり、独自クラスの追加が簡単に行えるため、使い手の好みに合わせたアレンジが手軽にできるのです。

    ユーティリティファーストとは

    「ユーティリティファースト」とは、Tailwind CSSの設計思想を表す言葉です。スタイリングをする際に、わざわざ新しいCSSクラスを作るよりも、既存のユーティリティクラスを組み合わせて使うことを第一優先で考える、という発想です。

    例えば、文字サイズや色、余白、パディングなどのスタイル要素ごとにユーティリティクラスが用意されているため、これらを自由自在にミックス&マッチできます。ボタンコンポーネントであれば、背景色や文字色、境界線、角の丸みなどスタイル要素ごとにクラスを割り当てることが可能です。

    この「ユーティリティファースト」の考え方に基づいて設計されているため、Tailwind CSSを使うことで以下のようなメリットが得られます。

    ・コード量の大幅な削減が可能 ・ユーティリティクラスの再利用性が高い

    ・プロトタイピングがしやすく、開発スピードが上がる

    ・他のUIフレームワークより自由度が高い

    以上のように、ユーティリティファーストの発想に基づいたTailwind CSSのアプローチは、効率的なスタイリングと保守性の高いコード作成を実現してくれます。

    Tailwind CSSのメリット

    Tailwind CSSには、効率的な開発と自由度の高いカスタマイズが可能という、大きなメリットがあります。事前定義のユーティリティクラスを使うことで、短時間で品質の高いUI実装ができるうえ、必要に応じて細かな調整も行えます。

    レスポンシブ対応も簡単なので、開発速度とコードの保守性を両立できるのです。

    高度なカスタマイズ可能性がある

    Tailwind CSSでは、予め定義されたユーティリティクラスを使用することで、簡単にスタイルを要素に適用することができます。しかし、そのユーティリティクラスはカスタマイズが可能であり、プロジェクトのデザインに合わせてスタイルを調整することができます。具体的には、アセットファイル内の設定を変更することで、ユーティリティクラスのスタイルを変更することができます。

    この高度なカスタマイズ可能性により、デザイナーや開発者は自由度の高いデザインを実現することができます。既存のスタイルを再利用しながら、独自のデザインを作成することが可能です。

    レスポンシブデザインのサポートが提供されている

    Tailwind CSSは、レスポンシブデザインに特化したサポートを提供しています。ユーティリティクラスには、ブレークポイントごとに異なるスタイルを定義することができるクラスが用意されており、デバイスごとのレイアウトやスタイルを簡単に設定することができます。

    これにより、デザイナーや開発者は、さまざまなデバイスに対応した見栄えの良いレスポンシブデザインを迅速に作成することができます。また、ユーティリティクラスを組み合わせて使用することで、ブレークポイントごとに異なるスタイルを適用することも容易です。

    効率的なデザイン構築が可能

    Tailwind CSSのもう一つのメリットは、効率的なデザイン構築が可能であるということです。ユーティリティクラスを活用することで、HTML内にスタイルを直接記述することができます。これにより、CSSファイルの切り替えや参照の手間を省くことができ、開発作業の効率化が図られます。

    さらに、ユーティリティクラスの組み合わせによって、複雑なデザインを短いコードで実現することができます。CSSを繰り返し記述する必要がなくなるため、開発時間を短縮することができます。

    以上が、Tailwind CSSのメリットについての詳しい解説です。これらの特徴を活用することで、効率的に高度なカスタマイズが可能なデザインを構築することができます。

    Tailwind CSSのデメリット

    Tailwind CSSには、学習コストの高さやコードの冗長化といった短所もあります。ユーティリティクラスの名称を覚えることが初期の障壁となり、HTML内でクラス指定が長くなる傾向があります。しかし、これはある意味トレードオフの関係にあり、高い実装スピードと引き換えに生じる弊害であるとも言えます。

    学習コストがかかる

    Tailwind CSSを始めて使う際、最初のハードルとなるのが多数のユーティリティクラスの名称と用途を覚えることです。ゼロからCSSスキルを習得するよりは容易ですが、ある程度の記憶力が必要不可欠でしょう。しかしJavaScriptフレームワークを学ぶのと同じ要領で、Usageベースで徐々にインプットしていけば習熟速度は早いと言えるでしょう。

    具体的には、文字色、フォントサイズ、余白、パディング、幅、高さなどのスタイル要素別にユーティリティクラスが用意されています。例えば「text-lg」はフォントを大きくするクラスですし、「p-4」はパディングを4px与える、といった風に覚えていきます。ネーミングルール自体に一貫性があるので、ある程度暗記していけば自然と身についていきます。

    また、Tailwind CSSには、複数のクラスをまとめて適用できるShorthand機能もあります。こうしたテクニックを使いこなせるようになれは、コード補完による実装スピードも格段に向上します。学習コストが開発効率化につながる投資であると言えるでしょう。

    コードが冗長になりがち

    ユーティリティクラスの文字列を組み合わせる形になるため、class属性値が必然的に長くなります。HTML内にCSS的な情報が混在する形になるので、可読性を損ねるリスクがあるのは確かです。ただしこれはある意味スピードとのトレードオフで、コンポーネント分割を適切に行えば、この弱点はかなり軽減できます。

    例えば、ボタンUIの場合、文字色・背景色・サイズ・角丸など複数のユーティリティクラスを指定するため、見た目上冗長なコードになりがちです。しかしこうした要素ごとの微調整こそが、Tailwind CSSの強みでもあります。

    このトレードオフを上手く活用するには、以下の点に注意します。

    ・同一のスタイルを再利用する場合はカスタムクラスを作成する

    ・セクションごとに適切にコンポーネント分割を行う

    ・コーディング規約を設定し、クラス名のPrefix等を統一する

    ・Shorthand記法を利用し、できる限り一行で指定できるようにする

    以上を心がければ、見た目上長くなりがちなコードも、ある程度はDRY(Don’t Repeat Yourself)な状態を保つことができます。HTMLとCSSの分離・結合のバランスがTailwindCSSの鍵と言えるでしょう。

    Tailwind CSSの基本的な使い方

    Tailwind CSSを実際にプロジェクトで利用するには、まずパッケージのインストールが必要です。npmコマンドで簡単に導入でき、CSSファイルを生成した後はHTML内でユーティリティクラスを指定していく流れになります。複数のクラスを組み合わせることで、複雑なUIスタイルも手軽に構築することができます。

    基本的な使用方法

    Tailwind CSSを使用するためには、まずTailwind CSSをインストールする必要があります。インストール方法には、CDNやnpm、yarnを使用する方法があります。具体的な手順は公式ドキュメントを参考にしてください。

    Tailwind CSSを利用するにはまず、WebプロジェクトのディレクトリでTerminal(コマンドプロンプト)を開き、npmまたはYarnを使ってTailwind CSSパッケージをインストールします。

    npm install tailwindcss

    次に、tailwind.config.jsファイルをルートに生成します。このファイル内で、Tailwind CSSのカスタマイズ設定を後から変更可能です。

    インストール後は、CSSファイルをビルドする必要があります。これによってTailwind CSSの全てのユーティリティクラスが使用できるようになります。

    ユーティリティクラスの適用

    Tailwind CSSでHTMLにスタイルを適用するには、事前定義されたユーティリティクラスをHTML要素のclass属性値として指定します。

    例えば以下のように、文字サイズや色、マージン・パディング・幅・高さなどのスタイルを簡単に指定できます。

    <div class="text-lg text-center bg-gray-500 mx-auto p-4 w-1/2">
    Hello World
    </div>

    このdiv要素には、text-lgでフォントサイズを大きく、text-centerで中央寄せ、bg-gray-500で背景色をグレーに設定しています。さらにmx-autoで水平方向中央寄せのマージン、p-4でパディングを全方向に4px付加しています。

    このようにクラスを組み合わせることで、CSS知識がなくても直感的にレイアウト構成ができるのが強みです。

    クラスの組み合わせ

    Tailwind CSSの大きな魅力は、様々なユーティリティクラスを自由自在に組み合わせられる点です。例えばボタンコンポーネントの場合、次のようにtext、background、border、padding、width、radiusと要素ごとにクラスを割り当てる形になります。

    <button class="text-white bg-blue-500 border border-blue-700 px-3 py-2 rounded">
    Button
    </button>

    このボタンには、文字色を白、背景色を青、枠線を青、水平パディングを3px、垂直パディングを2px、border-radiusによる角丸表示を設定しています。

    ユーティリティクラスは modifier 的な性質が強いので、BEM記法の「Block__Element–Modifier」の構造と似ています。同じ青系の色調だけでなく、色相やトーンも細かく変更できるのが強みです。

    また、レスポンシブ対応も簡単に実現できます。

    <button class="text-white bg-blue-500 md:bg-blue-700 ...">
    Button
    </button>

    今後はコンポーネント単位でこの組み合わせ方を抽象化したり、Shorthand記法で効率化することが望まれます。

    Tailwind CSSのカスタマイズ方法

    Tailwind CSSのもう一つの魅力はカスタマイズのしやすさです。

    コード上で様々な設定変更が可能なうえ、公式プラグインや自作の機能拡張が手軽に実現できます。デザイン体系に合わせた色やサイズの調整、代替クラスの作成など自由度は非常に高いので、様々なプロジェクト要件に対応しやすいでしょう。

    テーマ設定

    プロジェクトで使用するカラーやフォントサイズなどのデザイン体系を、Tailwind CSS側でも設定変更できます。Tailwind.config.jsファイルにthemeプロパティを指定し、デフォルト値から独自のテーマ設定を行うことが可能です。

    色のカスタムパレットやフォントサミリー、フォントサイズの基準値を手軽に変えれるため、ブランドイメージに忠実なUIを効率的に構築できるでしょう。

    具体的には以下のような設定が可能です。

    • colorsプロパティで使用色をカスタマイズ
    • fontFamilyプロパティでフォントリストを変更
    • fontSizeプロパティで基準サイズをリセット

    例えば、企業独自のカラーパレットがあり、文字サイズも全体的に1px拡大したい場合は、次のように設定変更できます。

    // tailwind.config.js

    module.exports = {

    theme: {
    colors: {
    ‘my-black’: ‘#333’,
    ‘my-white’: #eee’,
    }
    fontSize: {
    ‘base’: ’16px’,
    }
    }

    }

    こうしたテーマ設定を行えば、ブランドイメージやデザインガイドラインをCSS側にも反映できるので、開発の一貫性と効率を高められます。

    プラグイン利用

    Tailwind CSSを拡張し、追加の機能を実装するには、プラグインの利用がオススメです。公式プラグインから必要なものを選択し導入することができるほか、JavaScriptやCSSで独自プラグインのコードも簡単に作成できます。

    特定のデザインパターンをクラスとして再利用したり、代替スタイルを定義することが可能です。例えばボタンやカード、アコーディオン型FAQコンポーネントなどのUIパーツをプラグイン化し、手軽に使いまわせるようにすることができます。

    また最近では、ReactやVueなどのフロントエンドフレームワークと連携したプラグインも増えてきました。Tailwind CSS側からコンポーネントへCSSプロパティを渡す、いわゆるCSS-in-JS的な使い方を実現します。

    このようにTailwind CSSの能力を必要に応じてカスタマイズし拡張することで、開発スピードとメンテナビリティの両立が可能になります。UI開発プロセス全体の効率化に寄与できるでしょう。

    Tailwind CSSを活用した開発のポイント

    Tailwind CSSを導入したからと言って、すぐに効率的な開発ができるわけではありません。適切なコーディングルールの設定やコンポーネント設計、チームでの利用規約の共有など、いくつかの実践ポイントを押さえる必要があります。

    正しい知見と技術に基づいたアプローチを取ることで、はじめてこの強力なツールの真価が発揮されるのです。

    コーディングルールを決める

    CSSフレームワークと呼ばれるTailwind CSSですが、実際に記述されるのはHTML内のClass属性です。長くなりがちなこのクラス指定を読みやすくするために、適切な命名規則をチームで定めることが大切です。Prefixによる分類、要素-修飾子形式の活用など、BEM記法とも相性が良いやり方がオススメです。

    例えば、ボタンコンポーネントのクラス名を次のような形式で統一することが考えられます。

    <!-- ベース -->
    <button class="btn">...</button>
    <!-- 色変種 -->
    <button class="btn btn--primary">...</button>
    <button class="btn btn--secondary">...</button>
    <!-- サイズ変種 -->
    <button class="btn btn--lg">...</button>
    <button class="btn btn--sm">...</button>

    このように、要素名と修飾子で構成することで、セマンティックなclass名を実現でき、可読性も向上します。

    コーディング規約をある程度定めておくことで、メンテナンス性を高め、複数人での開発時のコンフリクトも回避できます。文書化されたガイドラインがあれば尚更効果的です。

    コンポーネント設計

    Tailwind CSSでは、ユーティリティクラスを再利用性高く組み合わせることが重要な鍵となります。これはUI開発におけるコンポーネント指向アプローチと非常に親和性が高いといえます。

    例えば、「プライマリーボタン」「セカンダリーボタン」などの汎用的なパーツを1つのコンポーネントとして定義づけておきます。ボタンコンポーネントを1ヵ所で更新すれば、アプリ上の全てのボタンデザインを一斉変更できるためです。

    この考え方を徹底していけば、Tailwind CSSは単なるユーティリティツールに留まらず、素早く正しいUI開発を可能にする新たなアプローチフレームワークへと進化することができます。コンポーネントリポジトリの作成による最大限活用が可能となります。

    まとめ

    Tailwind CSSは、ウェブデザインと開発を加速するための新しい世代のCSSフレームワークです。事前定義された多数のユーティリティクラスを使うことで、短時間でクオリティの高いUIスタイリングができる一方、高度なカスタマイズ性も備えています。

    本記事では、Tailwind CSSの基本的な機能と活用法をご紹介しましたが、このフレームワークの可能性はまだまだ広がりつつあります。今後さらに進化していくことでしょう。

    新規事業のフロントエンド開発や既存サービスのリニューアルなど、様々な場面でこの次世代ツールの威力を発揮できるはずです。ぜひ自社の開発現場でもTailwind CSSの本格的な導入を検討いただければ幸いです。

    最後にWebアプリケーション開発において、CSSフレームワーク選定などどのような設計をしたら良いかわからない、開発案件でお悩みの際はぜひ一度Jiteraへお問い合わせください。

    例:開発手順、ツール、プロンプト

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