3Dグラフィックとは?活用事例や初心者でも使えるソフトまで紹介

デジタル技術の進化とともに、3Dグラフィックは芸術的表現から工業設計、エンターテインメントまで、あらゆる分野でその存在感を増しています。

3Dグラフィック技術は実世界をリアルに再現するだけでなく、想像上の世界の視覚化においても非常に大きな可能性を秘めています。これまでにない新しい形のクリエイティブな表現を実現可能です。具体的には、映画やビデオゲームだけでなく、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、産業設計など多様な領域で応用され、未来のイノベーションを牽引しています。

本記事では、3Dグラフィックの基本概要から使用例まで詳しく解説します。3Dモデリングを行うおすすめのソフトも紹介していくので、是非最後までご一読ください。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

執筆者 めだか

IT関連の会社でWebコーダー、某携帯キャリアでネット回線や携帯販売を行っていました。現在はライターを中心に、仕事で得た知識を活かして幅広く活動中。音声や動画の制作など、もの造りが好きです。

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    3Dグラフィックとは

    3Dグラフィックは、コンピュータを利用して3次元の空間を立体的に表現する技術です。従来のコンピュータディスプレイは2Dですが、3Dグラフィックの活用で奥行き感を表現できます。

    定義とその特徴の内容をまとめる

    3Dグラフィックは、コンピュータを用いて立体物を作り出すための技術です。平面ではなく3次元の物体を再現でき、物体の奥行きや立体的な形状を表現が可能になります。

    また、3Dグラフィックはリアルタイムでの表示が可能な点が特徴です。高速な処理能力と効率的なアルゴリズムにより、コンピュータ上でのリアルタイムな3D描画が実現できます。

    その他の特徴としては、光源の設定やテクスチャマッピングなどがあります。光源の設定では、物体に対して影をつけたり、光の反射や屈折を再現可能です。また、テクスチャマッピングにより、物体に写真や図柄の貼り付けも行えます。

    3Dグラフィックの活用例

    3Dグラフィックは、さまざまなアプリケーションや産業で活用されています。以下にいくつかの使用例を挙げます。

    ゲーム

    3Dグラフィックを使ったゲームは最早一般的といっても過言ではありません。コンシューマーゲーム機やスマートフォンの高性能化に伴い、3Dグラフィックも飛躍的な進化を遂げました。現実の人間のような生き生きとしたキャラクターはもちろん、立体的で奥行きのある背景は、より没入感のあるゲーム体験を実現します。

    キャラクターや背景は3Dモデリングソフトを利用して制作可能です。今まではポリゴンを使用した角ばった3Dモデルが主流でしたが、近年は立体物の凹凸が滑らかで違和感のないモデリング方法が確立したため、より現実に近い自然なモデルを制作できます。

    映画やアニメーション

    3Dグラフィックの技術は映画やアニメーションにも使用されています。実際に3Dグラフィックで作られた作品を観たことがある方も多いのではないでしょうか。3Dグラフィックは架空生物、キャラクターの実現や、現実にはない空想上の背景の制作に用いられています。リアルな表現や特殊効果を実現するために重要な要素です。

    大半は3DCGソフトを用いて作られており、立体的な3Dモデルを動かして映像を制作しています。中には3Dグラフィック技術で映像のレイアウトやコンテを作ってアニメーションを書いているケースもあり、今後も大きな活躍が見込まれます。

    インテリアデザインや建築設計

    建築やインテリアデザインの分野では、3Dグラフィックを使って建物や空間の仮想モデルを作成します。

    特に建築分野では3DCADを活用した立体的な設計図が重要視されています。従来の2Dの平面的な設計図では建築の細かい部分を確認できませんでした。しかし3Dグラフィックの活用で、設計図を立体データで可視化できるようになり、より精密な設計を可能としています。

    内部空間の表現にも3Dグラフィックは有効な手段です。部屋の窓やドアの位置を3Dで表現できれば、顧客も内装の想像がしやすく、建築時の齟齬を防げます。

    医療や教育

    医療や教育の分野では、3Dグラフィックスを活用したシミュレーションや診断の視覚化が行われています。現実と類似した3Dグラフィックを用いれば、患者にわかりやすく診断内容を伝えられます。3Dモデルの利用で病気の治療シュミレーションも可能です。

    昨今では臓器を3Dプリンターで制作し、手術のシュミレーションも行っています。実際の患者ではじめて手術を行うのは極めてリスキーです。臓器の3Dモデルを用いれば実践的な手術を行えるので、医師のトレーニングに役立ちます。

    ARやVR

    VR(仮想現実)やAR(拡張現実)では3Dグラフィック技術を用いて、まるで目の前に仮想の立体物があるような体験ができます。

    VRでは、ユーザーが仮想空間に没入し、自由に移動や操作が可能です。例えばVRゴーグルを身に着けるだけで、家にいながら3Dグラフィックで作られた仮想のテーマパークを体感できます。ARでは、現実空間に仮想オブジェクトを重ねられます。スマートフォンのカメラを通して、現実に立体のキャラクターを表示させる方法はAR技術です。

    現在ARやVRはエンターテインメントや教育他、多数の分野で取り入れられており、今後もさらに活躍の幅を広げるでしょう。

    3Dプリンター

    近年、3Dグラフィック技術と3Dプリント技術の連携が盛んです。デザイナーや製品開発者は3Dモデリングソフトで3Dモデルを作成し、そのまま3Dプリンターで実体化できます。

    3Dプリンターの造形技術の進歩で精度や材料の多様性も向上しており、より複雑な形状やディテールを持つ3Dモデルの製作が可能です。そのため、3Dグラフィックと3Dプリントが相互に補完しあい、よりリアルな表現行えます。

    中には3Dプリントを想定して、印刷物の補助機能が搭載された3Dモデリングソフトも登場しており、3Dプリンターは今後さらに普及していくでしょう。

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      3Dグラフィックの作り方

      3Dグラフィックの作成には、主に3つの手順が存在します。順を追って紹介します。

      モデリング

      モデリングは、コンピューターで3Dグラフィックの形を決める工程です。図形を用いて立体物を組み立てていくパターンと、立体物を自由な形に増減するパターンがあります。例えるなら、三角形や円柱どうしをくっつけてモデルを組み立てる方法と、粘土を自由に削る、こねる方法です。

      キャラクターや映像、アニメーション制作には3DCGソフト、建築設計には3DCADと呼ばれる3Dモデリングソフトを使用します。マウスでモデリング可能なソフトもあれば、ペンタブレットを使って直観的にモデリングできるソフトもあります。

      モデリングはあくまで形を決める段階なので、この状態では色や模様はついていません。

      テクスチャリング

      モデリングした立体物にテクスチャを貼り、鮮やかに仕上げます。組み立てたモデルに色を塗ったり、紙を貼りつけるイメージです。単に色をつける以外に、「艶やか」「ざらざら」など材質の違いを視覚化する効果があり、テクスチャリングを行うだけで3Dモデルの立体感は大きく向上します。

      大半の3Dモデリングソフトにはマテリアルと呼ばれる質感を表現する画像素材が内装されているので、マテリアルを貼り付けてテクスチャリングしていきます。高度なソフトではスプレーをかけるように自由にペインティングでき、幅広い視覚表現が可能です。

      レンダリング

      モデリング、テクスチャリングが終わった3Dモデルのデータを処理し、3Dグラフィックを完成させます。一般的なレンダリングは3Dモデルを画像データに描画します。

      映像やアニメーション、ゲームで動くキャラクターのモデルには、常に立体物に描画をし続けるリアルタイムレンダリング技術が主流です。

      昨今の高機能なモデリングソフトではリアルタイムレンダリングが定着しており、モデルの動きに合わせてテクスチャを動かし、すぐにレンダリングが行えます。3Dモデルがリアルタイムに描画されるため、デザイナーやアーティストは、モデルを作成すると同時にその結果を確認可能です。

      3Dグラフィックソフトの種類 

      3Dグラフィックは、主に2種類のソフトで制作されます。下記にソフトごとの解説を行います。

      3DCG

      3DCGはキャラクターや生き物と、動きのある3Dグラフィック制作を得意としているソフトです。3Dモデリングソフトといえば、多くの方は3DCGを思い浮かべるでしょう。

      ゲームやアニメーションで動いているキャラクターの3Dモデルは3DCGを活用して作られています。制作に用いられる大半のソフトは、造形を自由にできるスカルプトモデリングを採用しており、人間の滑らかな曲線や顔の複雑な造形の表現が可能です。

      他にも3Dの背景や、3Dプリンターの印刷物も制作でき、多種多様な分野で活躍しています。

      3DCAD

      3DCADは、建築物や構造物の3Dグラフィックを作れるソフトです。立体的な設計図を制作可能なので、建築や生産業に多大な貢献をもたらしています。

      基本的には四角や丸の平面データから立体物を生成し、立体物の中を空洞にする、ねじる、一定の方法に伸ばすなどのツールを使いながらモデリングしていきます。建物の外観や製品の試作でも使用されるため、3Dモデルのシュミレーションが可能です。例えば建物であれば耐久度、機械製品であれば部品組み立てのシュミレーションができます。

      3DCADの大半は専門性が高いですが、業務に役立つツールが搭載された利便性の高いソフトです。

      初心者におすすめの3DCGソフト3選

      3Dグラフィックを自分で制作し、動かしてみたい方もいるのではないでしょうか。この項目では、多彩なキャラクターや背景をモデリングできるおすすめの3DCGソフトを紹介していきます。

      MAYA

      MAYAは豊富なツールが搭載された、高性能3Dグラフィックソフトです。細かいデザインのモデリングでも、ツールを用いて簡単に行える利点があります。モデリング、テクスチャリング、レンダリングを全てこのソフトで完結できる点も魅力です。データの互換性が高く、一部3DCADのデータも読み込めます。

      キャラクターと背景の3Dモデリングに加え、アニメーション制作ができます。特に実写に近いモデリングに秀でており、仮想空間を制作するにはぴったりです。スクリプト拡張に対応しているので、プログラミング知識があれば自分の使いやすいインターフェイスに仕上げられます。ひとつのソフトで幅広い制作をしたい方におすすめです。

      MAYAの詳細はこちら

      ZBrush

      ZBrushはアニメ調、実写体など多彩なモデリングが行える3Dグラフィックソフトです。独自のレンダリング機能が搭載されており、リアルタイムレンダリングでのモデリングとテクスチャリングを実現します。スカルプトモデリング、ポリゴンモデリングに対応し、ペンタブレットを用いて自由自在にモデルの形を作成可能です。

      3Dプリントで使用するファイル形式を利用できるので、立体物の具現化に役立ちます。3Dグラフィックソフトの中では比較的価格が低く、最安で月/6,050円~とリーズナブルです。コストを抑えつつ、本格的に3Dグラフィックを制作してみたい方におすすめです。

      ZBrushの詳細はこちら

      Sculptris

      SculptrisはZBrushと互換性のある、スカルプトモデリングに長けた3Dグラフィックソフトです。画面上の球体を粘土のように変形させながら形作っていきます。インターフェイスがすっきりしており、扱いやすい点が特徴です。

      簡単な3Dペイントが可能なうえ無料で使用できるため、まずは3Dモデリングをはじめてみたい初心者の方におすすめです。レンダリング機能は搭載されていないので、制作したモデルを活用したい場合は別途レンダリングソフトをインストールするか、ZBrushにデータを送る必要があります。

      Sculptrisの詳細はこちら

      初心者におすすめの3DCADソフト3選

      建築、自動車、インフラ整備と3DCADは数々の業界で利用されています。下記に3種類、紹介してきます。

      IRONCAD

      IRONCADは、素早い機械の設計が行える3Dグラフィックソフトです。3DCADで設計図を作る際に必要なスケッチは不要で、用意されたカタログからパーツをドラッグ&ドロップで簡単にモデリングできます。基本的な3DCADの設計機能も持ち合わせているので、細かいモデリングも可能です。

      UIはシンプルで見やすく、使いたいツールをすぐに使える利点があります。制作した機械モデルはアニメーションで動作確認を可能です。

      機械設計をスピーディに習得、実施したい方におすすめのソフトといえます。

      IRONCADの詳細はこちら

      Autodesk Fusion360

      Autodesk Fusion360は、設計ツールが豊富な多機能3Dグラフィックソフトです。3DCADでありながらスカルプトモデリングが可能なため、多彩な製品を設計できます。大企業の導入実績もあり、学習リソースも豊富です。

      組み立てたい部分をパートごとに分けて設計ができるので、自動車などの大きな製品もモデリングを行えます。チーム全体で設計図を共有して制作にあたれるので、大規模なプロジェクトで活躍を見込めます。個人制作はもちろん、チームでの制作におすすめです。

      条件を満たしたスタートアップ企業であれば、3年間23,100円で利用できるので、まずはコストを抑えつつ3DCADを導入したい企業にも向いています。

      Autodesk Fusion360
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      SOLIDWORKS 3D CAD

      SOLIDWORKS 3D CADは、電気、機械部品、配管と専門性が高い設計を可能とした3Dグラフィックソフトです。溶接やルーティングなど、現実で行う作業をパソコン内で処理できるツールが数多く搭載されており、効率的な設計をシュミレーションできます。

      設計中のデータはクラウド上に保存されるので、データ紛失のリスクが低く、多人数で設計データを確認できます。専門的な製品を3Dでモデリングしたい方におすすめです。

      Autodesk Fusion360と同様にスタートアップ企業向けのプランが存在するので、公式サイトで詳細を確認するとよいでしょう。

      SOLIDWORKS 3D CAD
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      3Dグラフィックソフトの選び方

      3Dグラフィックソフトの種類は膨大なため、どのソフトが自分に適切か悩む方もいるでしょう。自分に合ったソフトを選定するために、以下の4点を参考にしてみてください。

      用途に合っているか

      3Dグラフィックソフトを活用する際は、自分の使いたい用途に合致している必要があります。

      例えば、キャラクターや背景の3Dグラフィックの制作には3DCADは向いていません。3DCADは建築物や製品の設計で用いられるため、人間や背景のように滑らかな曲線が多く、細かなデザインは行えない傾向にあります。逆に3DCGは設計が苦手なため、作りたい製品が決まっているのであれば3DCADの利用が適切です。

      用途に適していないソフトの選定は、制作の妨げになる以外に無駄なコスト発生に繋がります。

      必要な機能があるか

      機能面も3Dグラフィックソフト選びに重要です。自分の作りたい3Dモデルを明確にし、必要な機能を把握しておきましょう。自分が求める機能が搭載されていなければ、適切な3Dモデルを作成できません。

      3Dプリンターでの印刷が目的であれば、3Dプリンターに対応したデータを作成できるソフトが必須です。レンダリングして制作したモデルを活用したいのであれば、レンダリング機能が搭載されているソフトがおすすめです。

      合わせて不要な機能がないかも確認するとよいでしょう。必要な機能を絞ってソフトを選べば、コストの削減に繋がります。

      操作しやすいか

      3Dグラフィックソフトは多機能なソフトが豊富な反面、操作が難しい可能性もあります。

      具体的には、インターフェイスや使用デバイスが操作性が候補に挙がります。見やすい操作画面は、直観的で手軽な操作の第一歩です。

      マウスで操作するか、外付けのペンタブレットで操作するかも操作性に関わります。マウスで操作する場合はさまざまなツールが搭載されたソフトが好ましいです。ペンタブレットの利用であれば、スカルプトモデリングができるソフトが向いています。

      公式サイトで操作画面を確認し、自分が操作しやすと思うソフトを選びましょう。

      互換性はあるか

      現在3Dグラフィックソフトで制作を行っている際は、互換性も視野に入れるとよいでしょう。

      無料のソフトでデータを作成して有料ソフトで利用する場合、ソフトによってはデータが対応していないケースがあります。特に3DCADと3DCG間でのファイル形式は注意が必要です。お互いに使用している形式が違うため、中間ファイルの読み込みに問題が発生すると、データが破損する可能性があります。

      読み込めるファイルの形式が幅広いほど、互換性は高まります。高機能な3Dグラフィックソフトを選ぶか、同じ会社が販売しているソフトの使用がおすすめです。

      まとめ

      3Dグラフィックは現代社会において、当たり前の技術となりつつあります。ゲームやエンターテインメントはもちろん、医療や建築と多岐にわたる分野で活用されており、今後も活躍の幅を広げるでしょう。

      3Dグラフィックソフトには3GCDと3DCADが存在し、それぞれ用途が違います。制作したい3Dモデルを明確にし、適切なソフトを選択しましょう。

      3Dグラフィックを活用した開発、技術選定でお悩みの方はぜひ一度株式会社Jiteraまでご相談ください。経験が豊富なエンジニア達が、開発のサポートを行います。

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