システム開発において知っておかなくてはいけないことはたくさんありますが、この記事ではシステム開発について知りたい方へ向けて詳しく解説していきます。
業種別のシステム開発の違いや特性、開発するために使うプログラム言語やデータベースの知識など、プログラミングのための情報を網羅していますので、ぜひ参考にしてみてください。

食品商社営業からシステムエンジニアへと転職後、バックエンドエンジニア(Java, PHP)として尽力。開発リーダーを含む上流工程〜下流工程に携わる。IT関連記事から芸能・法律など幅広ジャンルにて執筆。
システムエンジニアの業種は何か?
システムエンジニアの業種は「情報通信業」に分類され、このカテゴリには、
- 通信業
- 放送業
- 情報サービス業
- インターネット付随サービス
などが含まれており、システムエンジニアは主に情報サービス業に属します。
システムエンジニアの仕事は、アプリケーションやシステムの設計、開発、テスト、運用を含み、技術的なサポートやビジネスプロセスの効率化を行います。
また、この職種ではプログラミングスキルだけでなく、プロジェクト管理、顧客とのコミュニケーション、技術サポートといった幅広い能力が求められるため、技術的な知識とともにビジネスやコミュニケーションスキルの両方が重要です。
各業界・業種でシステム開発はどう違うの?

各業界や、業種ごとにシステム開発の内容は異なっています。
例えば医療なら患者さんの受け入れから、カルテの保存、製造業なら材料の調達から在庫管理というように、仕事のやり方や方法なども千差万別であり、一概にシステム開発と言っても結構違いがあります。
ここでは、システム開発における各業種別の特性、また、業種ごとの成功事例を紹介します。
医療業界でのシステム開発
医療関係のシステム開発は、大きく分けて次の3つのものが主なものです。
- 治療関係と診察のシステム
- 薬剤のシステム
- 事務関係のシステム
治療関係と診察のシステムは、電子カルテのシステムなどがあります。
電子カルテシステムを使っていない病院はないといっても良いくらい、大病院から個人のクリニックでも利用されているシステムです。
それまでは、紙で管理していたカルテを電子化することにより、保存場所がいらなくなったり、検索が素早くできるなどの利点があります。
また、症例に対する効果のあった治療方法などをデータベースとして蓄積することにより、より効果のある治療の実現も可能にしています。
検査のシステムにおいては、検査する機器も電子化されて使い方が簡単になっていたり、臨床検査の結果をデータで保存したりすることにより、お医者さんがすぐに結果を確認できるなど利点があります。
他にも医療事務のシステムでは、患者さんの情報を管理できたり、治療や薬剤の点数計算(レセプト)の計算が早くできて、会計が早くできることにより患者さんを待たせないなどの効果が得られています。
製造業界でのシステム開発
製造業界と言ってもそれぞれの特性がありますが、一般的には生産管理というくくりでのシステム開発が行われます。
過去のシステム開発では、それらの管理システムを別々にシステム開発して、データがバラバラで統合するにも大変だったということもあり、一括ですべてのシステムの開発を行う方がより使いやすいことやメンテナンスが容易であるという利点があります。
生産管理の中身には、需要予測、原材料調達、生産計画、在庫管理、原価計算、販売管理が含まれるでしょう。
これら以外にも設計図のデータ化、3Ꭰシステムの設計技術もシステム化されることで多方面から生産性の向上が図られています。
金融業界でのシステム開発
金融業界においては、顧客管理システムが最も肝となるシステムと言えるでしょう。
例えば証券会社のシステムでは、顧客や証券取引所とのやり取り、資金の受け渡しには銀行とのやり取りが必要となり、外部との接続の精度や信頼性の高いシステムが求められます。
このように、顧客へより質の高い情報を提供するための情報システムや銀行との決済・清算するシステムなど多岐に渡っています。
物流業界でのシステム開発
物流業界のシステムでは、商品をいかに早く間違えがないように、お客様に届けるかのために倉庫管理や配送が早く行われるようなスケジュール管理などのシステムを中心に開発されます。
例えば、倉庫の中でもどこの棚にその商品があるかなどが一発でわかり、その商品をすぐに出せるというようなピッキングシステムの開発があります。
より良い物流システムの開発は、商品の入荷から管理そして、配送まで、一括管理ができてすぐに確認できるというものを目指しています。
小売業界でのシステム開発
小売業界のシステム開発には顧客管理と販売管理のシステムがあります。
顧客管理では、ポイントシステムやクレジット決済や電子マネーシステム、販売管理では、コンビニなどで利用されるPOSシステム(データ管理システム)などの顧客の商品ニーズに応えるシステムです。
小売業界でも他業界のシステムと同じで、多岐に渡る業務を一括管理できるものが求められています。
教育業界でのシステム開発
教育業界におけるシステム開発では、学生の教育支援、教師の業務支援、事務系作業の支援を行うシステムがあります。
学生の教育支援システムは、生徒ひとりひとりが端末を持つことでそこにコンテンツを表示して学習からテストまで行えます。
さらに端末から教師への質問もできるようになっているため、気軽に質問をしつつその情報をクラス全体に共有できるなどメリットがあります。
また、採点から通信簿をつけたり行事のプログラムを自動で作成したりすることで、教師の仕事の負担を軽減し、より効率的な業務が行えるのも大きなメリットとしてあります。
不動産業界でのシステム開発
不動産のシステム開発では、物件の管理や情報の収集・分析、問い合わせメールへの迅速な対応が要となります。
さらに契約データを誰でも勝手に改竄できるということを防ぐためのセキュリティ面のシステム化も忘れてはいけません。
不動産会社は小規模なものや中規模なものが多いため、アジャイル開発によって段階に応じて少しずつ構築していくやり方が効果的となっています。
エネルギー業界でのシステム開発
エネルギー業界のシステム開発では、自社のエネルギー消費をシステムで管理して使用量を最適化するなどがあります。
発電すべきエネルギー量、供給すべきエネルギー量、蓄えておくべきエネルギー量など適切にエネルギー量を管理しておく必要があります。
さらにエネルギー業界は、原材料の高騰や原子力発電の安全性などの問題で再生可能エネルギーを使う流れが起こっているため、現在ではAIを使っての発電の管理や電力消費を抑えるシステムの開発も行われています。
システム開発関連の基本スキルと学習方法
システム開発においてプログラミングスキルは必須ですが、開発するシステムによって使用する言語も異なります。
ここではシステム開発関連の基本スキルと学習方法についてそれぞれの項目で解説していきます。
プログラミング言語の選定と学習方法
つくるシステムの特性によって、多くのプログラミング言語が使い分けされています。
ここではいくつかのプログラミング言語について紹介していきます。
Python
PythonはAIや機械学習、データサイエンス、Web開発に広く用いられています。豊富なライブラリとフレームワーク(如何にDjangoやFlaskなど)が利用可能で、多様な開発ニーズに対応できます。
このPythonは初心者にも扱いやすく、AIを用いたシステム開発が増加している現在では主流な言語の一つとなっています。
Java
Javaはオブジェクト指向プログラミング言語で、ポータビリティと高いセキュリティを特徴としています。Androidアプリや大規模なWebシステムに広く利用されています。
Javaの学習方法としては、公式ドキュメント、オンラインコース、または書籍を用いることがおすすめで、EclipseやIntelliJ IDEAのような統合開発環境を利用することで、より効率的に学習を進めることができます。
ᖇuby
RubyはRuby on RailsフレームワークによってWeb開発に適しています。文法の簡潔さからスクリプト言語としても人気があり、特にスタートアップ企業に好まれています。
RubyはRails Tutorialのような実践的なチュートリアルを通じてWeb開発のスキルを身に付けることができるでしょう。
C++
C++はパフォーマンスが要求されるシステム開発に適しており、ゲーム開発、リアルタイムシステム、組み込みシステム開発で広く利用されています。直接的なハードウェア制御と高い実行速度が求められる場合に選ばれています。
C++は比較的学習が難しいため、基本から応用までをカバーする書籍やオンラインリソースを用いることが重要です。実際のコードを書きながら、エラーハンドリングやメモリ管理の技術を習得することがおすすめです。
データベース管理の基礎知識
データベースの管理では、データをどこに保存して、そのデータをどのタイミングで素早く取り出して使うのかということが求められます。
基本的にはリレーショナルデータベースという概念のモデルが利用されており、データベース管理システムで有名なものではOracle DBがあります。
リレーショナルデータベースは簡単に言うと表(テーブル)と呼ばれるものを構築して、そこにデータを入れます。この表を、いかにうまく作るかが求められ、それをデータベースの設計と呼びます。
データを扱うためにはSQLという言語を使うため、データベースを管理するための基礎知識としてはSQL学習が必須項目となるでしょう。
システム開発の最新トレンド
日々のコンピュータのハードウェア技術の進歩によってシステム開発も進化を遂げており、現在ではひかり回線を使って、常時接続で、しかも大量のデータを早く送れるようになってきました。
ここではこれらの最新トレンドについて解説していきます。
クラウドコンピューティングの活用
クラウドコンピューティングとは、システムを使うお客様がサーバーやソフトウェアを持たずにインターネットを通してサービスが必要な時だけ必要な分だけ使う仕組みです。
自社でインフラや、データベース管理システム等のソフトウェアを用意しなくてもよいので、その分だけの初期コストや保守費用が削減できます。
クラウドコンピューティングで有名なものは、Amazonが提供してるAWSやMicrosoftが提供するAzure、Googleが提供するGCPがあります。
いずれのサービスも是快適に幅広く利用されているもののため、開発するシステムの要件に合ったものを利用していくことになるでしょう。
AI技術の組み込み
AIは膨大なデータをもっていますが、機械学習という技術を使って自分で学習し、そのデータの分析をしてルールやバターンを見つけ出します。
AIを組み合わせたシステムには、チャットによる問い合わせシステムがあります。
お客様からの問い合わせに対して適格に過去の経験データから正確な回答を出してくれるため、スピーディかつ人的費用の軽減が大きなメリットとなっています。
さらにディープラーニングという技術もあります。これは人間の脳の神経ニューロンの仕組みを模したシステムで、自動車の自動運転などが実現可能となっています。
将来はより優れた判断をおこなうAIが開発され、人間のやる仕事を全部行うことができるようになるかもしれません。
ブロックチェーン技術の応用
ブロックチェーン技術は、データの改ざんに対して圧倒的に強い現代のセキュリティ対策技術といえます。
この技術では取引履歴の情報をブロックという形で保存してそれを鎖(チェーン)のように繋ぐことで、前のブロックとの繋がりを表すハッシュ値というものをブロックと一緒に記録します。
これによって、ブロックのデータを改竄しても次のプロックとのハッシュ値が整合性がとれなくなることでデータの改竄を不可能にできます。
ブロックチェーンでできることは、暗号資産(仮想通貨)の発行や製品がどこで誰に作られた、原材料はなにかなどのトラキッング管理、電子投票による選挙システム、資産や管理などに使われています。
実際に、銀行限定や地域限定で使える仮想通貨の発行、選挙の電子投票システムなどの試験運用、アメリカの物流などの製品のトラッキング管理などがすでに実用化されており、今後多くのシステムに使われると思われます。
まとめ: 業種別のシステム開発の役割

システム開発をおこなうには、基本的な業務知識というものを知っている必要があります。
何故ならどこをシステム化すればよいか、どのようなシステム化すれば業務が効率よくなるかは、業務について知ってないとわからないところがあるからです。
しかし、システム開発においては業務知識だけでなく、実装するための技術的な知識や運用していくための経験、データを扱うためデータの保護という法律知識などあらゆるスキルが求められます。
そのため、自社であらゆる専門領域の人材を集めて開発をするよりも外部へ委託することの方がより高度なシステム開発ができます。
jitera社はそれに応えることのできる会社であります。ぜひ、システム開発をご検討の際はお問い合わせをいただけますとお役にたつことができるとおもいます。