モバイルアプリテストとは?観点や項目、検証方法などをわかりやすく解説

モバイルアプリテストは開発成功の重要な鍵ですが、失敗することもしばしば。
この記事では、モバイルアプリテストで失敗しないために抑えておきたいポイントを徹底解説します。

テスト計画の作成から実行様々なテスト項目の選定効果的な検証サービスの活用方法まで、あらゆるステップを網羅的に詳しく紹介します。

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監修者 hiro1120_writer

食品商社営業からシステムエンジニアへと転職後、バックエンドエンジニア(Java, PHP)として尽力。開発リーダーを含む上流工程〜下流工程に携わる。IT関連記事から芸能・法律など幅広ジャンルにて執筆。

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    モバイルアプリテストとは


    モバイルアプリテストは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス上で動作するアプリケーションを評価するプロセスです。

    モバイルアプリは日常生活やビジネスにおいてますます重要になっており、ユーザーがスムーズに利用できることが求められます。そのため、モバイルアプリテストは不可欠であり、バグやエラーを発見して修正することでユーザー利便性を向上させることができます。

    一方で、品質の確保、セキュリティの向上、デバイスの互換性の確認など、モバイルアプリテストでは考慮すべき重要なポイントが多々あります。

    それぞれのポイントを順を追って見ていきましょう。

    モバイルアプリテストの観点・項目


    モバイルアプリテストにはさまざまな種類があり、作成するアプリの機能や保持するデータ、利用ユーザー層を考慮してどのテストをどのような計画で進めるのかを決める必要があります。

    まずは代表的なテストの種類をご紹介します。

    機能テスト

    機能テストでは、モバイルアプリが期待される機能や操作を正しく実行できるかを確認します。

    このテストでは、アプリの各機能が正常に動作し、ユーザーがアプリを使って行うべきタスクが問題なく実行できるかどうかを検証します。

    例えば、モバイルアプリがメッセージの送信や受信、写真のアップロード、検索機能の利用など、さまざまな機能を提供している場合、それらの機能が正しく動作するかを確認していきます。

    機能テストによって、バグや不具合を早期に発見し修正することで、ユーザーが当然あるはずだと期待する「当たり前品質」を確保するためのテストとも言えるでしょう。

    UIテスト

    UIテストは、モバイルアプリのユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー体験)を評価するためのテストです。

    このテストでは、アプリの画面デザイン、ボタン配置、色彩、フォント、ユーザーが対話する方法などが対象となります。UIテストは、アプリの使いやすさと魅力を向上させ、ユーザーに快適な体験を提供するために重要です。

    パフォーマンステスト

    パフォーマンステストは、モバイルアプリの応答性、速度、負荷耐性を評価するテストの一つです。

    パフォーマンステストによって、アプリの安定性とスムーズな動作を確保することで、ユーザーがストレスなく安定してアプリを利用できるために重要なテストとなります。

    セキュリティテスト

    セキュリティテストは、モバイルアプリがユーザーのデータやプライバシーを適切に保護しているかどうかを評価するテストです。

    セキュリティテストによって、ユーザーの信頼性を高め、データ漏洩やセキュリティ侵害からアプリを守る役割を果たします。

    アクセシビリティテスト

    アクセシビリティテストは、モバイルアプリがあらゆるユーザーにとって利用しやすいかどうかを評価するテストです。

    アクセシビリティテストによって、すべてのユーザーがアクセス可能なアプリを提供する役割を果たします。

    互換性テスト

    互換性テストは、モバイルアプリが異なるデバイスやOSバージョンで正常に動作するかどうかを確認するテストです。

    互換性テストでは、異なるデバイスやOSバージョンでアプリが適切に表示され、機能するかどうかを確認します。

    回帰テスト

    回帰テストは、モバイルアプリの新しいバージョンやアップデート後に以前の機能が正常に動作しているかを確認するテストです。

    回帰テストによって、アプリがアップデート後も安定して動作し、新機能の追加が既存の機能に影響を与えないことが確保されます。

    探索的テスト

    探索的テストは、予め定義されたテストケースを使用せずに、テスターがアプリを探索して潜在的な問題を発見するテスト方法です。

    探索的テストによって、通常のテストケースでは見過ごされるかもしれない潜在的な問題やユーザーエクスペリエンスに影響を与える要因を特定し、アプリの品質向上に貢献します。

    これらのサイクルをうまく回すことでモバイルアプリテスト自体がブラッシュアップされ、アプリの品質向上と効率化を実現させることができます。

    モバイルアプリテストのやり方

    モバイルアプリテストでは、アプリの品質を確保しつつユーザーが使いやすいサービスとするために重要な工程です。

    テスト工程は多段階に分かれており、各ステップで異なるテスト方法が用いられています。

    ここでは、効果的なモバイルアプリのテスト手法について具体的に解説していきます。

    手順1. テスト計画の策定

    テスト計画の策定はテスト工程全体の青写真として機能しますが、この段階ではプロジェクトの範囲、目標、スケジュールを定義し、リスク評価を行っていきます。

    また、テストリソースの割り当て、責任分担、コミュニケーション計画なども策定していきます。

    計画には、どのデバイスとOSバージョンでテストを行うか、テストの優先順位付けも重要となってきます。

    手順2. テストケースの作成

    テストケースの作成では具体的なテストシナリオを作成していきますが、観点としてテストする機能、実行手順、期待される結果を明確に記述していきます

    これによってテストの再現性と一貫性が保たれ、異なるテスターが同じ方法でテストを実行できるようになります。

    手順3. テスト環境・データの準備

    テストを行う環境の設定やデータの準備もテスト結果の信頼性を確保するために不可欠でしょう。

    テスト環境の設定にはテスト用のモバイルデバイス、サーバー、ネットワーク環境の設定などが含まれます。

    準備するテストデータには、実際のユーザーデータを模倣したデータエッジケースをカバーするデータなどを用意していきます。

    手順4. 手動テストの実施

    手動テストでは、実際に人間がアプリを操作してテストケースに従いながらバグを探していきます。

    エクスプロラトリテスト(探索的テスト)も含まれ、テスターが計画にない動作やシナリオを試すことで未知のエラーを見つけ出すことができます。

    手順5. 自動テストの実施

    自動テストは、繰り返し行われるテストや大量のテストケースを効率良く処理するために使用されます。

    自動テストスクリプトは、アプリのUI、API、パフォーマンステストを自動化してくれるため、素早いフィードバックが得られます。

    また、将来同じテストを通す際にもテスターに関係なく同じクオリティのテストを実施できます

    手順6. 結果のレビューと課題の特定

    テストの実施後は収集されたデータを分析して、バグや改善点を特定していきます。

    このフェーズではバグの重要度と優先順位を評価し、開発チームに結果を共有していきます。

    バグの修正が完了した後はリグレッションテストを行い、修正が他の機能に影響を与えていないことを確認していきます。

    手順7. テスト完了とリリース

    すべてのバグが修正されてアプリがリリース基準を満たしたら、テストプロセスは完了となります。

    最終的にはステークホルダーと共にテスト結果をレビューし、アプリのリリースを承認・デプロイののち、正式にリリースしていきます。

    モバイルアプリテストの成功のコツ

    モバイルアプリテストをスケジュール通りにこなして成功させていくためには、様々なデバイスとオペレーティングシステムを考慮に入れておく必要があります。

    ここではモバイルアプリテストを成功に導くための具体的なコツについて解説していきます。

    各環境でのテストを行う

    モバイルアプリは異なるデバイス、OS、画面サイズで使用されるため、各環境でのテストが不可欠です。

    iOSおよびAndroidの主要なバージョンとデバイスでのテストを行うことで、アプリがさまざまなユーザー環境でも機能するか確認していきます。

    そのためには、実デバイスの使用やエミュレータ、シミュレータを用いたテストが必要です。また、異なるネットワーク状態(Wi-Fi、LTEなど)での動作もチェックすることが重要です。

    コンテキストの違いやリソース制約を考慮する

    モバイルデバイスの使用状況は非常に多様で、バックグラウンドでのデータ同期、電池寿命、ストレージの限界など、多くのリソース制約が存在しています。

    これらの環境を考慮して、アプリがリソースに負担をかけ過ぎずに効率的に動作するよう最適化するテストを実施していきます。例えば、バッテリー消費量を測定するテストや低ストレージ状態でのアプリ動作を確認するテストなどがあります。

    継続的なテストを行う

    アプリ開発では、新たな機能追加やバグ修正が行われるたびにテストを繰り返す必要があります。

    CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)を利用して、コード変更ごとに自動でテストが行われるように設定することで開発初期から品質を保持し、リリース前に問題を特定して対処することができます。

    観点に適した自動化ツールを活用する

    テストプロセスの効率化と精度向上のためには、適切な自動化ツールの選定が重要です。

    UIテストにはSeleniumAppiumが適しており、パフォーマンステストにはLoadRunnerJMeterがよく用いられます。

    自動化されたテストは、繰り返し実行されるテストシナリオにおいて人的ミスを削減し、誰が行っても過不足のないテスト工程をこなすことができるようになります。

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    まとめ:効果的なモバイルアプリテストで高品質な開発をしましょう


    この記事では、効果的なモバイルアプリテストを実践するために抑えておくべき基本的なポイントや代表的なツールをご紹介しました。

    本記事での考えを抑えたうえでテスト工程を計画することで効果的なモバイルアプリテストを行い、高品質なアプリ開発につながるかと思います。

    モバイルテストには多くの種類のテストがあり、機能テスト、UIテスト、パフォーマンステスト、セキュリティテストなど、さまざまなテスト種類を組み合わせて網羅的なテストを実施していきましょう。

    もし、効果的なモバイルアプリテスト実践にお困りの際は、実績豊富な弊社株式会社Jiteraに一度ご相談ください。

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