画像診断AIとは?医療業界で注目されているAIの導入事例やAI機器取扱企業を解説!

今注目される画像診断AIとは?医療での活用例や今後の可能性、医療用AI機器を扱う企業まで紹介

画像診断AIとは、人工知能(AI)で医療画像を解析して病気や異常を検出する技術のことを指しており、医療現場のさまざまな場面で活用されています。

最新の研究論文では、画像生成AIを用いたトレーニングにより、医療系学生の診断能力が大幅に向上したことが報告されています。

この記事では、画像診断AIに関する医療での活用事例や今後の可能性、医療用AI機器を使う企業を紹介します。

この記事を読んで、画像診断AIや医療AIへの理解を深めていきましょう。

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監修者 nyann_writer

現役のシステムエンジニアとして10年程度のキャリアがあります。 Webシステム開発を中心に、バックエンドからフロントエンドまで幅広く対応してきました。 最近はAIやノーコードツールも触っています。

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    画像診断AIとは?基本から解説

    画像診断AIとは?基本から解説

    画像診断AIとは、人工知能(AI)を使用して医療画像を解析し、病気や異常を検出する技術のことを指します。

    この技術を活用することで、医療診断や治療のサポートに役立てることが可能です。

    画像診断AIで診断できる画像の種類以下のさまざまな医療画像があり、画像診断AIではこれらの画像を解析します。

    • X線
    • CT(コンピュータ断層撮影)
    • MRI(磁気共鳴画像)
    • 超音波
    • 放射線写真

    ほかにも、学習データと機械学習を活用した画像の診断が可能です。

    機械学習アルゴリズムを用いて大量の学習データからパターンを学習し、新しい画像を解析する際には、そのパターンに当てはめて異常を検知します。

    画像診断AIはリアルタイムでのサポート提供ができ、画像を常に解析し異常を検知した場合は、即座の医療専門家への通知が可能です。

    このように、画像診断AIは、医療現場のさまざまな場面で活躍しています。

    画像診断AIを導入するメリット

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    画像診断AIの導入は、医療現場に多くのメリットをもたらします。

    ここでは、具体的な例を挙げながら、画像診断AI導入のメリットを詳しく解説します。

    診断精度が向上する

    画像診断AIは、医師が見落としてしまう可能性のある小さな病変も検出できるため、診断精度の大幅な向上が期待できます。

    例えば、ある研究では人間の目でも検出が難しい早期胃がんの診断において、陽性の的中率を93.4%、陰性的中率を83.6%まで高めたという報告があります。

    参考サイト:医療の現場でAI活用を進めるメリット・デメリット

    作業効率が2倍以上に向上

    画像診断AIは、医師の画像読影や診断レポート作成などの業務を自動化することで、作業効率を大幅に向上できます。

    例えば、AIの導入により医師の文書作成時間を従来の3分の1に短縮した事例もあります。これにより、医師は患者とのコミュニケーションや、より複雑な症例の診断に時間を使えるようになります。

    参考サイト:医療分野での生成AI活用法や事例を解説!医療品質の向上に生成AIはどう使われる?

    早期発見と早期診断が実現できる

    画像診断AIは、早期がんや微細な病変の発見にも有効です。従来の画像診断では、人間の目では検出が困難な場合でも、AIはわずかな変化を見逃さずに発見できます。

    特に、がんは早期発見が予後に大きく影響するため、画像診断AIによる早期発見は、患者の生存率向上に大きく貢献します。早期に発見し治療を開始することで、患者の予後改善に大きく貢献できるともいえるでしょう。

    長期的なコスト削減につながる

    画像診断AIの導入は、初期費用こそかかりますが、人件費削減や、病気の重症化予防による医療費抑制効果など、長期的に見るとコスト削減につながる可能性を秘めています。

    例えば、画像診断AIを活用することで、医師の読影時間を短縮し、人件費を削減できます。また、早期発見による治療費削減効果も期待できます。

    画像診断AIによって再検査や不要な治療が減少し、医療費の削減効果も期待されています。

    医療の地域格差を改善できる

    画像診断AIの導入は、医療の地域格差解消にも貢献します。専門医が不足する地域でも、AIによる高精度な画像診断支援が受けられるようになります。

    また、遠隔医療と組み合わせることで、地理的な制限を超えてより多くの人が高度な医療を受けられるようになることも期待されています。

    医療現場での画像診断AIの活用事例1. 診断支援

    医療現場での画像診断AIの活用事例
    ここまで、画像診断AIの基本的な事項にふれ、医療現場でどのように画像診断AIが活用されているかが伝わりましたでしょうか。次は、より具体的な画像診断AIの活用事例をみていきましょう。

    画像診断AIは、さまざまな医療分野での診療支援に活用されています。

    例えば、胸部レントゲン写真から肺炎の疑いがある部分を自動的に検出したり、マンモグラフィ画像から乳がんの腫瘤を識別したりするAIが開発されています。

    なお、画像診断AIは臨床診断のプロセスを補完して早期かつ正確な診断を支援するものの、最終的な診断は医師の判断に依存する点には注意が必要です。

    画像診断AIは、医師の意思決定を補完するツールとして利用されると考えるとよいでしょう。

    以下は、その一部の事例です。

    がん検出

    乳がん・肺がん・大腸がんなどのがんの早期発見は重要ですが、画像診断AIは乳房X線画像(マンモグラフィ)や肺CTスキャンで画像を解析し、がんの兆候を検出するのに役立っています

    これにより、治療の早期開始や治療計画の最適化が可能となり、患者の生存率や治療の精度を向上させる効果が期待されています。

    神経画像診断

    脳や神経系の疾患の診断においてはMRIやCT画像が使用されますが、画像診断AIはこれらの画像を解析して、「脳腫瘍」「脳卒中」「神経変性疾患」の診断支援を行うことが可能です。

    深層学習アルゴリズムを用いて、MRIやCTスキャンの神経画像を高精度に解析し、脳の異常や病変を検出します。

    心臓画像解析

    心臓のMRIやCT画像を解析すれば、心臓の構造や機能に関する情報を得られるため、画像診断AIの解析が役立ちます。

    これにより、心臓の構造や機能を評価し、疾患の診断や治療計画の支援が可能となります。AIは大量の画像データを学習し、特徴を抽出して病変や異常を検出するので、精度と効率性の向上が今後期待されますが、正確性と安全性の確保が必要となります。

    骨折診断

    画像診断AIは、X線やCTスキャンなどの画像を解析し、骨折の場所や特徴を検出しますこれは、骨の断面や位置の異常、骨の密度変化などを機械学習アルゴリズムが自動的に識別することで行われます。

    これにより、医師が診断の補助を受け、迅速で正確な診断が可能となります。

    眼底検査

    眼底検査では、糖尿病性網膜症や黄斑変性といった瞼の疾患の診断において、眼底写真やOCT(光干渉断層計)などの画像が使用されます。

    画像診断AIでは、これらの画像を解析して異常を検出し、眼科医に対して早期の治療判断をサポートします。
    これにより、効率的な診断が可能となり、患者の治療に貢献できます。

    医療現場での画像診断AIの活用事例2. 治療計画の立案

    画像診断AIは、診断支援だけでなく、治療計画の立案にも活用されています。

    例えば、がんの放射線治療において、AIを用いて腫瘍の位置や形状を正確に把握することで、より効果的な放射線照射計画を立てることが可能になります。

    画像診断AIは、治療計画の立案においても重要な役割を果たしていますが、最終的な治療計画は医師や外科医の専門的な判断に基づいて行われることが重要です。

    治療計画の立案でも、画像診断AIはそのサポートツールとしての役割を果たすと考えるとよいでしょう。

    以下は、その事例の一部です。

    がん治療計画

    画像診断AIは、放射線線量分布を最適化してがん組織に集中的に照射することで、周辺組織への悪影響を最小限に抑えつつ治療の効果を最大化する手助けをします。

    これにより、個別化された治療計画が素早く作成されて、治療効果が向上することが期待できます。

    手術プランニング

    画像診断AIの分析結果で、手術の計画への活用が可能です。たとえば、3D画像を用いて臓器の形状や位置を詳細に把握して、外科医に手術プランを提案します。

    これにより手術の安全性や精度が向上し、患者の治療効果を最大化することが可能となります。

    血管形成手術

    画像診断AIの診断結果で、手術の精度を向上させて、周辺組織への損傷を最小化することが期待されます。

    また、血管形成手術において画像診断AIは、血管の形状や血管の特性を解析して手術計画の策定をサポートすることも可能です。これら解析結果を活用することで、手術中に予測できない問題や合併症を最小限に抑えることが可能です。

    これにより、手術の安全性や成功率が向上し、患者の回復を早めることができます。

    リハビリステーション計画

    画像診断AIは、患者の画像データを解析して手術や治療後のリハビリテーション計画のサポートを行います。患者の状態に合わせた最適なアプローチを提案し、特に関節や骨折の手術後の運動療法を検討する際に有用となります。

    これにより、効率的でより効果的なリハビリテーションが可能となります。

    医療現場での画像診断AIの活用事例3. 治療効果の判定

    まとめ:ダッシュボードでデータを活用

    画像診断AIは、治療効果の判定についても有用です。

    これまでの事例と同様に、治療効果の判定においても、画像診断AIは臨床医の意思決定をサポートする重要なツールです。

    以下は、その一部の事例です。

    がん治療効果の評価

    がん治療において、画像診断AIは前後の画像データを比較し、腫瘍のサイズ・形状・密度の変化を検出してがん治療の効果を定量的に評価できます。

    これにより、治療戦略の調整や患者のモニタリングが容易になります。これは、より早い治療反応の評価や個別化された治療の提供につながります。

    心臓治療効果のモニタリング

    心臓治療では、心臓MRIやCT画像を用いて治療前後の心臓の状態を比較しますが、画像診断AIは心臓の構造や機能に関する変化を検出して治療効果を評価できます。

    これにより、治療計画の最適化や早期の合併症の発見が可能となり、患者の健康状態の改善に寄与する。

    脳卒中後のリハビリテーション

    脳卒中後のリハビリテーションにおいては、画像診断AIの診断結果を見て脳の構造や機能の変化をモニタリングし、治療の影響を評価します。

    これにより、患者の回復プロセスを最適化し、生活の質を向上させる効果が期待される。

    関節手術後の評価

    画像診断AIを使うと、人工関節置換手術や精髄手術の手術後に、手術の効果や合併症を評価できます。

    異常や変化を高精度で検知し、医師に迅速かつ正確な情報を提供することで、患者の回復状況を評価し、適切な治療評価へとつなげることができます。

    放射線治療後の影響評価

    放射線治療後には、画像診断AIを用いて被曝した組織の変化をモニタリングし、治療の影響を定量的に評価して患者への被曝量を最小限に抑えるための調整ができます。

    これにより、早期に問題を発見し、患者の健康状態を正確に評価できます。

    画像診断AIを実際に導入する病院

    画像診断AIを実際に導入する病院
    画像診断AIでは、医療現場でのさまざまな場面で診療支援はもちろん、治療計画の立案や治療効果の判定のサポートに役立っていることがわかりました。

    では、実際にこの画像診断AIを導入する病院には、どのような病院があるのでしょうか。
    ここでは、その一例である、以下3院を紹介します。

    • 国立がん研究センター中央病院
    • 慶應義塾大学病院
    • 東京大学医学部附属病院

    それぞれみていきましょう。

    国立がん研究センター中央病院

    国立がん研究センター中央病院

    国立がん研究センター中央病院は、国が運営する癌に特化した医療機関で、1962年に設立されました。希少がんや難治がんを含むすべてのがん腫に対応しており、がん患者に対しての相談や診察など新しい治療研究や治験を実施しています。

    各がん種においての国内最大規模の診療経験を持ち、手術療法・化学療法・放射線療法による修学的治療や精神心理的ケアを含めた緩和ケアを実施しています。

    この病院では、およそ25万枚の大腸がんや前がん病変の内視線画像を画像診断AIで学習させ、そのAIの診断結果が経験豊富な内視鏡科医と同等な性能があるという結果を示しました

    このように、画像診断AIを活発に利用して、さまざまながんに対応しようと日々努力しています。

    国立がん研究センター中央病院

    慶應義塾大学病院

    慶應義塾大学病院

    慶應技術大学病院は、AIホスピタルと呼ばれる、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムとして考えられている高度診断・治療システムに採択されている病院の一つです。

    このプログラムは、ここ最近で急速に進歩しているICTやAI技術を活用して、病院内のさまざまな場所や場面に当システムを実装・統合してAIホスピタルと呼べるモデルを構築しています。

    AIホスピタルでは、患者への安心と安全を担保した高度な先進技術を提供しつつ、医療従事者の負担も軽減することを目的としています。

    診断結果などの画像や臨床情報を統合的にまとめたデータ基盤を整備することで、画像診断支援プログラムの開発・導入・検証を行うことを実現しています。

    この画像診断支援プログラムを活用して、医療での診断をサポートすることで、これからも活用できる診断結果の指標の新たな開発を目指しています。

    慶應技術大学病院

    東京大学医学部附属病院

    東京大学医学部附属病院

    東京大学医学部附属病院は1861年の10月に設立された大学病院で、東京都の二次・三次救急病院として、重症な救急患者や入院を要する中・重症の救急患者の診療が担当です。この病院では、AIを用いた画像診断システムの開発に取り組んでいます。

    AIを用いたMRI画像からの子宮肉腫識別システムの開発を実現しており、深層学習を活用した子宮肉腫と子宮筋腫の判別システムで、放射線科専門医の診断に匹敵する正診率を得られたとの報告があります。
    ほかにも、画像と数値など異なる種類のデータを同時に学習可能なAIを活用して、腹部超音波検査画像と診療情報を統合する新しい肝腫瘤の疾患画像判別モデルの開発にも成功しており、画像診断AIの活用に積極的です。

    このように、東京大学医学部附属病院は画像診断AIのさまざまなメリットを活用して、新たなシステム開発に取り組んでいます。

    東京大学医学部附属病院

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    Jiteraは、医療AI分野に特化したソフトウェア開発サービスを提供しています。最先端の人工知能技術を活用し、画像診断の精度向上や治療計画の最適化など、医療の質の向上に貢献するAIソリューションを開発いたします。

    Jiteraの医療AI開発の特徴

    • 医療分野に精通したAIエンジニアによる的確な要件定義とシステム設計
    • Deep Learning等の先進的アルゴリズムを用いた高精度のAIモデル構築
    • 医療機器や病院システムとのスムーズな連携を実現するAPI開発
    • 医療データの取り扱いに関するコンプライアンス対応と厳重なセキュリティ管理

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    医療用画像診断AI機器を扱う主要企業5選

    医療用画像診断AI機器を扱う主要企業
    画像診断AIを扱う各病院では、AIの技術を活かしてさまざまな場面で画像診断AIを活用していることがわかりました。

    それでは画像診断AIを活用した医療用画像診断AI機器を扱う企業にはどのようなものがあるのでしょうか。
    ここでは、医療用画像診断AI機器を扱う主要企業を、5社紹介します。

    • オリンパス株式会社
    • キヤノン株式会社
    • 富士フイルムホールディングス株式会社/li>
    • GEヘルスケア株式会社
    • シーメンスヘルスケア株式会社

    それぞれみていきましょう。

    オリンパス株式会社

    オリンパス株式会社

    オリンパス株式会社は、日本の光学機器・電子機器メーカーです。

    医療事業・科学事業・映像事業で、内視鏡・顕微鏡・デジタルカメラ・小型録音機などの光学機器や電子機器を製造・販売しています。

    1950年に世界で初めて実用的な胃カメラを開発して、消化器内視鏡の世界シェアは70%を誇る医療機器メーカーです。

    オリンパス株式会社は、画像検索AIの技術を用いて、EndoBRAINシリーズを開発しています。

    これは、腫瘍性病変の検出から深達度診断までの一連のフローをシームレスに支援できるもので、大腸内視鏡診断をトータルで支援します。

    潰瘍性大腸炎の炎症活動性評価も加えることで、大腸内視鏡診断を包括的に支援することが可能です。

    項目 詳細
    機器の種類 内視鏡画像診断支援ソフトウェア EndoBRAIN
    開発時期 2019年から順次開発・発売
    できること 大腸内視鏡検査における腫瘍性病変の検出、深達度診断、炎症活動性評価
    導入状況 日本国内の大学病院や大規模総合病院を中心に導入が進んでいる

    オリンパス株式会社

    キヤノン株式会社

    Canon

    キヤノン株式会社は、日本の大手精密機器メーカーで、カメラやビデオなどの映像機器をはじめプリンタや複写機などの事務機器、デジタルマルチメディア機器・半導体・ディスプレイ製造装置などを製造しています。

    事業領域は、カメラやプリンター、映像制作機器や医療機器など幅広い分野におよんでいます。

    キヤノン株式会社の医療機器では、MRIに画像診断AIの技術が活用されています。

    たとえば、Precise IQ Engine(PIQE)は、ディープラーニングを用いた再構成処理により低空間分解能の画像から高い空間分解能の画像を再構成する、超解像技術です。

    ほかにも、画像診断AIの技術を用いて、さまざまな製品を開発しています。

    項目 詳細
    機器の種類 MRI装置Vantage Centurian
    開発時期 2019年
    できること 高性能な傾斜磁場システム、AIを活用した画像再構成技術などにより、高画質・高速・快適な3T MRI検査を実現
    導入状況 日本国内の大学病院や大規模総合病院を中心に導入が進んでいる

    キヤノン株式会社

    富士フイルムホールディングス株式会社

    富士フイルムホールディングス株式会社

    富士フイルムホールディングス株式会社は、富士フイルムと富士フイルムビジネスイノベーションを傘下にもつ持株会社です。

    この会社では、医療機器・バイオCDMO(バイオ医療薬品のプロセス開発・生産受託)・医薬品・再生医療・ライフサイエンス事業などの製品・サービスを提供しています。

    富士フイルムホールディングス株式会社では、富士フイルムグループの知的財産部門・研究開発部門と協働して、特許調査・情報分析・開発戦略提案・特許出願権利化および関連事務のシェアードサービスを提供しています。

    画像診断AIの分野では、医療機器において「医療AI」と名づけさまざまな製品AIの技術を取り込んで生産・販売を行っています。

    項目 詳細
    機器の種類 AI技術搭載X線画像診断支援ソフトウェア CXR-AID
    開発時期 2021年
    できること 胸部X線画像における異常所見の検出と分類
    導入状況 国内の中小規模病院から大学病院まで幅広く導入が進んでいる

    富士フイルムホールディングス株式会社

    GEヘルスケア株式会社

    GEヘルスケア株式会社

    GEヘルスケア株式会社は、アメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)のグループ企業で、医療機器や医薬品の製造を行う多国籍企業です。

    CTやMRIなどの大型医療機器や超音波診断装置の開発・製造・販売・サービス・バイオテクノロジーなどの事業を展開しています。

    GEヘルスケア株式会社は、画像診断用造影剤を中心とした、衣料品の製造販売や衣料品原料の輸入販売などを行っています。

    造影剤の製造販売はGEヘルスケアファーマ株式会社が担当して、核医学診断薬については関連会社の日本メジフィジックスを通して事業を行う企業です。

    GEヘルスケア株式会社は、医療課題の解決に取り組んでおり、「Open AI VNA」はその一例とも呼べるものです。

    これは、VNAプラットフォーム上でAIなどの技術を用いた、マルチベンダーの画像診断支援アプリケーションの導入前評価や運用を効率的に行うためのソリューションです。

    項目 詳細
    機器の種類 AI搭載CT装置 Revolution Apex Core
    開発時期 2023年
    できること 高画質・低被ばく・高速撮影・ワークフロー改善・患者さんの快適性向上という5つの要素を同時に実現するCT装置
    導入状況 日本国内の大学病院や大規模総合病院を中心に導入が進んでいる

    GEヘルスケア株式会社

    シーメンスヘルスケア株式会社

    シーメンスヘルスケア株式会社

    シーメンスヘルスケア株式会社は、医療機器の輸入販売・修理・保守・リースを行っている企業です。

    MRIなどの画像診断装置、血管撮影や放射線治療といった治療装置の分野で、幅広い製品やサービスを提供しています。

    MRIで国内首位、CTで2位のシェアを持ち、バリアンは放射線治療装置で6割近いシェアを持っています。

    シーメンスヘルスケア株式会社は、「AI-Rad Companion」というAIソフトウェアで解析したレポートを作成するサービスを提供しています。

    このソフトウェアは、ディープラーニング技術を用いて開発されたAIソフトウェアで、胸部CT画像の肺結節の検出や測定・大動脈の直径の測定などが可能です。

    ほかにも、頭部MR画像から脳の各部位を自動的にセグメンテーションして、部位ごとにノーマルデーターベースと比較し異常のリスクを解析結果画像と定量レポートとして提供します。

    項目 詳細
    機器の種類 AI画像解析ソフトウェア AI-Rad Companion
    開発時期 2020年
    できること 胸部CT、脳MRI、前立腺MRIなど多様な画像の自動解析
    導入状況 国内外の大学病院や大規模総合病院で導入が進んでいる

    シーメンスヘルスケア株式会社

    画像診断AIの課題

    今後の医療AIの可能性
    医療用画像診断AI機器を扱う主要企業では、さまざまな製品やサービスで画像診断AIを活用していることがわかりました。

    次に、今後の画像診断AIの課題をみていきましょう。
    今後の画像診断AIの課題としては以下が挙げられます。

    • データの品質と量が十分ではない
    • 解釈可能性があり信頼性が得られにくい
    • 規制や法令の整備が進んでいない
    • 運用体制や診断精度の偏りに懸念がある

    それぞれについて詳しく解説します。

    データの品質と量が十分ではない

    AIの精度は、学習データの質と量に大きく依存します。高精度な画像診断AIを開発するためには、大量の医療画像データと、その画像に対応する正確な診断情報が必要です。

    しかし、医療分野では、個人情報保護の観点から、質の高いデータを集めるのが難しいこともあります。

    また、医療機関ごとにデータのフォーマットや品質が異なるため、AIの学習に適した形でデータを統合・標準化することも課題となっています。

    これらの問題により、AIの学習に必要な多様で大規模なデータセットの構築が困難になっています。

    解釈可能性があり信頼性が得られにくい

    画像診断AIは、深層学習などを用いて開発されることが多く、その判断プロセスは複雑でブラックボックス化しています。つまり、AIがなぜその診断結果を導き出したのかを人間が理解することが困難な場合があります。

    これにより医師がAIの診断根拠を理解し説明できない、AIの判断に対する医療従事者や患者の信頼性の低下、法的責任の所在が不明確になるといった問題が発生しています。

    患者や医療従事者にとってAIの意思決定プロセスを理解することが重要であり、透明なアルゴリズムと説明可能な結果の提供が求められています。これにより信頼性を高めることができたり、医療倫理の遵守が可能となります。

    規制や法令の整備が進んでいない

    医療AIに関する規制や法令の整備が進んでいないため、AIの開発や導入が遅れているという課題もあります。

    例えば、AIが誤った診断結果を出した場合の責任の所在や、AIによる医療行為の法的扱いなどが明確になっていません。また、AIの安全性や有効性を評価するための明確な基準も不足しています。

    法的規制と標準化は、安全性や信頼性を確保するためにも重要です。適切な規制フレームワークと国際的な標準化を推進していくことで、医療AIの発展にもつながるでしょう。

    運用体制や診断精度の偏りに懸念がある

    画像診断AIを適切に運用するためには、専門知識を持った人材の育成やシステムの維持管理体制の構築が不可欠です。

    しかし、現状ではAIに関する専門知識を持つ人材が不足しており、医療機関におけるAI導入の大きな障壁となっています。

    また、学習データに偏りがある場合は、特定の患者層に対して不利益が生じる可能性もあります。学習データの偏りをなくし、公平な医療を実現することが重要です。

    まとめ:画像診断AIで医療の技術進歩が可能

    まとめ:画像診断AIで医療の技術進歩が可能
    画像診断AIとは、人工知能(AI)を使用して医療画像を解析し病気や異常を検出する技術のことで、医療現場のさまざまな場面で活用されています。

    画像診断AIをはじめとする医療AIは、治療計画や手術プランニングなど、医師や医療専門家の意思決定の補助としてこれからも重要なものとなっていくでしょう。

    これら医療AIの将来性は期待されるものの、セキュリティー・プライバシーの保護や倫理的な問題など、さまざまな課題も残っておりこれら課題を解決していくことも重要です。

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