ユーザビリティテストとは?目的や具体的なやり方や、基本の評価項目を紹介

ユーザビリティテストとは、商品、システムやWebアプリをユーザーにテストで使用してもらい、使用感を検証する手段を指します。テストの実施と内容の改善は、ユーザーに使いやすいサービスの開発をするために大切な工程です。

そこでこの記事では、ユーザビリティテストの内容や具体的なやり方、重要性を解説していきます。自社でユーザビリティテストを取り入れたい方は、是非最後までご一読ください。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

執筆者 めだか

IT関連の会社でWebコーダー、某携帯キャリアでネット回線や携帯販売を行っていました。現在はライターを中心に、仕事で得た知識を活かして幅広く活動中。音声や動画の制作など、もの造りが好きです。

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    システムソリューションを得意とし、新規事業からDX推進まで幅広いジャンルの開発⁨⁩実績があります。
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    ユーザビリティテストとは

    試作段階の商品やサービスをユーザーに使用してもらい、使いやすいか客観的する方法がユーザビリティテストです。機能性やデザインを中心に、テストを通して客観的に検証します。

    似た内容にユーザーテストがありますが、ユーザーテストは商品やサービスが「使えるか否か」を判断してもらうテストです。使いやすさは考慮していません。

    対して、ユーザビリティテスト商品やサービスを「使いやすいか」テストします。ユーザーから見た使いやすさに焦点をあて、具体的に定められたテストを実施。テストに参加したユーザーからの評価を分析し、改善をします。

    そのため、ユーザーのニーズを重視した、使いやすいサービスの提供が可能です。ユーザーがサービスを利用したときの効率性や、満足度の上昇も見込めます。使いやすいサービスならば、再利用の可能性も上がります。

    ユーザビリティテストの目的

    ユーザーに商品やサービスの定着を促すために、ユーザビリティテストは不可欠といえるでしょう。以下にテストの一般的な目的を挙げていきます。

    商品やサービスの質を確認するため

    ユーザビリティテストは、現在の商品やサービスの質を確認するために有効です。開発者が使いやすいと考えていても、ユーザーにとっては異なる可能性があります。

    ECサイトのテストならば「操作性」「デザイン」「コンテンツ内容」が主な評価対象です。用意したタスクをユーザーに実施してもらい、サイトの感想をもらいます。

    扱い慣れた開発者は操作しやすいデザインであっても、初めて使用するユーザーにとっては不便かも知れません。

    ユーザビリティテストを通して商品やサービスの性質を理解できれば、利点を伸ばし、悪い部分は改善が可能です。良質なサービスの提供は顧客の満足度に繋がります。

    ユーザーのニーズを理解するため

    ユーザーのニーズを理解するには、ユーザビリティテストは必須です。ユーザーが商品やサービスを利用して評価するので、開発者だけでは発見できないユーザーの中の隠れたニーズを把握しやすくなります。

    ECサイトのテストであれば、サイトを閲覧、操作したユーザーから「購入ボタンを大きくしてほしい」「価格を見やすくしてほしい」というニーズを発見できる可能性があります。

    使用するユーザーが違えば、ニーズも変化します。ユーザーに合わせたニーズの理解は、ユーザーが求める商品やサービスの提供に欠かせません。

    問題や課題を抽出するため

    問題や課題を見いだすために、ユーザビリティテストは有効な手段です。開発者だけでは見えない、ユーザーから見た問題点を可視化できます。

    ECサイトを例にすると、商品まで何度もクリックが必要だと非常に不便です。欲しい商品がすぐに見つからないサイトは利便性に欠けます。解決すべき課題は、提供を行う前にテストで把握しなくてはなりません。

    特に「使いにくい」という課題は、ユーザー目線でなければ見落としがちです。ユーザビリティテストで「具体的にどう使いにくいか」を分析すれば、対策が可能です。

    課題や問題の解決は、不具合がなく使いやすいサービスの提供に繋がります。

    競合他社との比較のため

    競合他社の商品、サービスとの比較でユーザビリティテストを活用する際、他社と比べて自社の商品、サービスが「どのように使いやすいか」「一定の評価基準は満たしているか」に観点をおきます。デザイン性や機能性も比較対象です。

    ECサイトを作る場合は、比較対象にAmazonを挙げられます。自社が開発したサイトをユーザーに使用してもらい、アカウントの登録や購入までのわかりやすさを比較しながら検証します。

    客観的な評価は、他社の商品やサービスとの提供基準と違いを可視化する指標です。合わせて、他社より優れた商品やサービスを開発するヒントにもなります。

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    ユーザビリティテストのやり方3パターン

    ひと言にユーザビリティテストといっても、どのやり方が適切かは状況に応じます。テストで活用される方法3パターンを以下に紹介していきます。

    オンラインで実施する

    オンラインを活用したユーザビリティテストは、ユーザーに自宅で手軽に参加してもらえるテスト方法のひとつです。パソコンやスマートフォンを活用して、インターネット上でテストを実施します。

    サービスの状況に応じてマイクやカメラを使用する場合は、外付けデバイスが必要になる可能性もあるので、ユーザー募集時に案内が必要です。

    オンラインでの使用が想定されるツールやWebアプリ、システムなどのサービスのテストに向いています。実際の利用環境と似た状態でテストできるため、効率よく情報収集が可能です。

    インターネット環境が整っていれば、幅広い層のユーザーから情報が素早く集められるメリットがあります。

    オフラインで実施する

    オフラインでのユーザビリティテストは、ユーザーに特定の場所に集まってもらい、対面でテストを実施する方法です。あらかじめ実施する場所と、テストに必要な商品や機材を用意する必要があるので、手配しておきましょう。

    主に社外に持ち出せない商品や、公開前のWebサイトのテストに向いています。対面で行う特性上、ユーザーとのリアルタイムの会話や状況把握が可能です。

    テスト内容をその場ですぐに指示し、ユーザーの作業状況を観察できるため、柔軟性に長けたテストが行えます。テストの結果を掘り下げて、密度のある情報を入手できる利点があります。

    撮影許可をとっていれば作業中の様子を録画し、ユーザーと共に確認する方法も有効な手段です。

    身近な人に依頼する

    自社の社員や身近な人に依頼をしてユーザビリティテストをする方法です。ユーザーの用意に時間がかからない反面、他のテストよりも簡略的になります。

    大規模なテストをすぐには行えない、中小企業や個人の方におすすめの手段です。

    自分の実現可能な範囲で実施するため、ほとんどの商品とサービスのテストが行えます。しかし、テストを行うユーザーが身内である以上、サービスの利用層に当てはまらない可能性もあります。

    外部の第三者にテストしてもらう前の、段階的な調査としての利用が有効です。身近で行えるのでコストパフォーマンスに長けており、オンライン、オフラインの2パターンと比較すると手軽に行える利点があります。

    ユーザビリティテストの具体的なやり方・流れ

    ユーザビリティテストは、事前準備やテスト終了後の対策で効果を発揮します。テストの具体的なやり方を順に説明していきます。

    テストの目的を決める

    ユーザビリティテストでは、テストの目的を設定しなくてはなりません。目的には、ターゲットとするユーザー層も含まれます。

    目的が設定されていないとテスト内容が曖昧になり、適切な検証が行えない可能性があります。また、ユーザーからニーズを汲み取れない可能性も否定できません。

    通話アプリのテストであれば「ユーザーが目的の人物とすぐに通話を行う」「通話開始から通話終了まで簡単に操作ができる」という目的が設定できます。

    テストの流れをユーザーに伝わりやすくするためにも、目的の有無は重要です。目的が明確な程、ユーザーも内容に合わせた感想を述べやすくなり、ニーズの理解が進みます。

    目的に応じた仮説を立てる

    仮説を立てておけば、ユーザビリティテストで発生した課題や問題へ対応しやすくなります。ユーザーから得られる評価への仮説があれば、開発者とユーザー間のサービスに対する質の違いも理解可能です。

    通話アプリなら「通話ボタンがわからない」ユーザーが出てくるかも知れません。また「通話を切れない」可能性もあるでしょう。このように、通話ボタンの視認性について仮説を立てておけば、評価項目が作りやすくなるのです。

    仮説を立てずにテストを実施すると、想像していない場所でユーザーがつまずき、どこで問題が発生しているのか把握しづらくなります。

    目的に合わせて検証したい部分にいくつか仮説を立てることで、テストの内容改善をスムーズに進められます。

    シナリオとタスクを作る

    ユーザビリティテストでは、実際の利用環境に近い適切なデータを入手するために、シナリオとタスクが不可欠です。

    シナリオとタスクが存在しないと、ユーザーがテストで行動する内容が定まらず、必要な検証が行えない可能性が出てきます。

    通話アプリの例では「特定の人物に通話をかけ、終了するまで」がシナリオです。ユーザーに達成してほしいタスクには、「通話相手をすぐに見つけられる」「通話を開始する」「通話を終了する」が挙げられます。

    検証したい部分を明確にするために、目的に合わせた作成がマストです。シナリオは開始と終了のタイミングを決めておき、タスクは目的に合わせて複数用意しておくとよいでしょう。

    テストを実行する

    設定したシナリオとタスクをユーザーに説明し、テストをします。

    ユーザビリティテストの評価は、分析材料の一種です。操作性や見やすさなど、項目を分けて評価してもらいます。評価方法は「簡単だった」「難しかった」とタスクごとに分けておくと、分析しやすくなります。

    また、テスト中のユーザーの動作も分析すべきデータです。テスト中のユーザーは、自分では意識していない行動をすることもあるので、隠れたニーズの理解に繋がります。

    テスト中はユーザーがすぐにタスクを達成できているかや、商品やサービスをどのように使用しているかを注意して観察しましょう。

    テスト中の記録は、ユーザーの作業が見えるようにビデオでの録画がおすすめです。録画内容はユーザーと確認できるため、状況を思い出しながら感想を求められます。

    テスト結果を分析する

    ユーザビリティテストの結果を分析します。設定した目的に沿って実施できたかを綿密な分析することで、改善部分を明確に判断できます。

    評価方法は、評価シートに記入してもらう方法が一般的です。テスト中の録画を用いて、ユーザーが簡単に回答できる質問を行うと、より具体的な情報を得られます。

    通話アプリを例にすると、テスト中の「通話を開始する」タスクに対し、「通話をかける前につまずいている」ユーザーの場合、通話ボタンに気づいていない可能性が考えられます。

    通話を開始する前にどこでつまずいたか質問を問うことで、「通話開始ボタンを大きくしてほしい」というニーズを引き出せます。

    「ユーザーが目的の人物とすぐに通話を行う」などの設定目的を達成できていなければ、改善が必要です。

    目的に沿ったテスト結果の分析は、ユーザーに使いやすいサービスを提供するために重要な要素です。

    改善策や再テストを実行する

    分析内容をもとに、改善や再テストを行います最もユーザーが達成できなかったタスクや評価の低い項目、出てきたニーズに焦点を当てると、効率よく改善可能です。

    改善後は、課題が解決できているか再テストを行いましょう。合わせて、目的通りユーザーが使用できているか検証します。ユーザビリティテストのコストを考慮し、再テストは回数を決めて行いましょう。

    通話アプリのテストにて「通話の終了」が最も達成できなかったタスクとします。達成できなかった要因に、通話終了ボタンの見にくさ、デザイン性の悪さが考えられます。通話終了ボタンの視認性を上げてから再テストが必要です。

    使いやすい商品やサービスは、目的に沿った分析と改善、再テストの繰り返しで作られています。1度のテストで完了とせず、ユーザーの声に耳を傾けて改善していきましょう。

    【Webサイト】ユーザビリティテストの評価項目

    ユーザーからの評価は、項目を分けた方が課題を発見しやすくなります。以下はWebサイトのユーザビリティテストを例とした評価項目です。テストの際に参考にしてみてください。

    見やすくわかりやすいデザインか

    サイトのデザインと見やすさによって、ユーザビリティは大きく異なります。デザインに関する評価項目は、主に下記が挙げられます。

    • 背景色
    • 文字の表記方法
    • 画像の数とサイズ

    サイトの背景が白色に対し、リンクの色が薄い灰色だとどうでしょう。リンクを発見しづらくなります。日本人向けサイトの場合、英語で表記されたメニューもわかりにくいデザインの可能性があります。

    また、サイズが大きすぎる画像やイラストが貼ってある、装飾の数が多いなどもユーザーには視認性がよくありません。目的のコンテンツを探しづらくなってしまいます。

    見やすいと思ったデザインでも、ユーザーへの視認性が悪ければ、使いやすさは下がります。見やすくわかりやすいデザインの評価は、ユーザーが目的のコンテンツに辿り着くために不可欠です。

    操作性に優れているか

    操作性の評価は、サイトの閲覧しやすさに繋がります。操作性の評価項目には、下記を入れるとよいでしょう。

    • リンクの位置
    • マウスホバー
    • 折りたたみメニュー

    主に挙げられるのは、サイト内のリンクの位置が近すぎて、別のページにアクセスしてしまう現象です。表示された広告を消すボタンが小さすぎるケースもあります。

    マウスホバーで表示内容が切り替わる、折りたたみメニューの表示が多いなども操作性を下げる要因の一例です。

    デザインに優れていても、操作性が悪いとユーザーはストレスを感じるでしょう。直観的にわかりやすく操作できると、ストレスフリーな閲覧が可能なため、ユーザーの満足度の上昇を見込めます。

    情報にすぐアクセスできるか

    Webサイトを閲覧しにきているユーザーの大半は、必要な情報を探すためにきています。欲しい情報にすぐにアクセスできないと、離脱率が上がる原因になるのです。特に次の点に注意してください。

    • サイト内検索
    • クリック数
    • 表示速度

    情報にすぐにアクセスできるよう、サイト内検索があると便利です。サイト内を正確に検索し、表示できる機能を設置するとよいでしょう。

    必要な情報に辿り着くまでのクリック数も重要です。何度もクリックする必要があると、ユーザーは情報を探すのに疲れてしまいます。情報の表示に時間がかかるほど離脱しやすくなるため、速度にもこだわりましょう。

    ユーザビリティテストで情報へのアクセス性を評価することは、ユーザーの離脱を防ぎ、利用率を向上する方法のひとつです。

    コンテンツの品質は十分か

    コンテンツの品質は必要な評価項目です。低品質な内容では信憑性が低いと判断され、ユーザーの信頼度が下がります。ユーザーの信頼度を上げるためにも、以下をテストしてください。

    • 情報の信憑性
    • 著作権の確認
    • 可読性

    行きたいお店の住所をサイト内の調べて向かったところ、別のお店だったら、ユーザーは情報元のサイトを信用できなくなる可能性があります。無断で転載も同様です。

    文章の読みやすさを指す可読性もコンテンツの品質に影響します。誤字脱字が多い、同じワードが連続して記載されているなど、低品質に該当するコンテンツだとサイトへの信頼が減少してしまいます。

    ユーザーニーズを満たしているか

    ユーザーのニーズは他の評価項目よりも汲み取りにくく、中には開発者側からは見えない内容も存在します。しかし、ユーザーニーズは使いやすさを上げるうえで重要な項目です。

    • サイトの第一印象
    • 情報量の多さ
    • リンク先の表示方法

    まず、サイトを評価する際に確認すべき点は第一印象です。サイトを開いた時の第一印象で全体像がわかると、直観的に操作ができます。

    次に情報量の多さはどうでしょう。ヘッダーのカテゴリが多すぎると、情報の判断に迷います。サイトの外部へのリンクも注意点です。同じウィンドウで開くと、離脱率が上昇します。

    ユーザーニーズが評価されている程、使いやすいサイトの証明になります。他と比較して使いやすいと認識してもらうためには、多岐にわたる仮説や検証が必要です。

    まとめ:ユーザビリティテストを実践して顧客満足度の向上に役立てよう

    ユーザビリティテストでは、さまざまな評価項目に分けて、商品やサービスの使いやすさを検証します。ユーザーのニーズに沿った使いやすいサービスの提供は、使用率や満足度に繋がります。

    テストには3つのやり方がありますが、目的を定め、仮説やシナリオを立てて実行する部分に変わりはありません。テストと分析、改善を繰り返し行い、使いやすさを高めていきましょう。

    ユーザビリティテストで不明点がある方は、株式会社Jiteraにご相談ください。システム開発の経験が豊富なエンジニアが、ユーザーに使いやすいサービスの開発をお手伝いします。

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