デジタイゼーションとは?目的や進め方、デジタライゼーショ・ DXとの違いも解説

現代においてビジネスや業務を進めていくのにデジタル技術は欠かせません。

その中で、従来アナログで行っていた業務をデジタル化する仕組みをデジタイゼーション(Digitization)といいます。

デジタイゼーションは、全体の中で特定の業務や作業をデジタル化し、業務の効率化やコスト削減を図るのが目的です。

この記事ではデジタイゼーションの目的や進め方、近年よく聞かれるデジタル・トランスフォーメーションとの違いを詳しく解説します。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

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執筆者 shu-ichi

とある企業のシステム管理者として10年以上勤めています。 自身の経験や知識を活かし、誰にでも分かりやすい記事をお届けしたいです。

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    デジタイゼーションとは?

    デジタイゼーションとは、アナログで行っていた特定の業務をデジタル化することを表します。

    注文書や請求書を手書きで作る、商品リストをFAXで送る、勤怠管理をタイムカードで行うなど、アナログで対応していた作業をデジタル化して効率化を図るのが目的です。

    また、デジタイゼーションは業務の効率化やコスト削減が目的のほか、従来のアナログ作業ではできなかった”データの蓄積”も可能となります。

    蓄積したデータは別のシステムへ取り込んで活用する、統計データとして今後のビジネス方針の参考にするなど、デジタイゼーションを実現できれば様々なメリットを得られるでしょう。

    デジタイゼーションの目的

    デジタイゼーションは、アナログで行っている従来の業務をデジタル化するのが主な目的です。

    しかし、デジタル化ができて終わりではなく、デジタル化のメリットを得られるまでを最終目標とすれば、デジタイゼーションの効果を最大限に感じられるでしょう。

    ここではデジタイゼーションの目的について詳しく見ていきます。

    作業の効率化

    手書きで記録したり紙をバインダーへ綴じたりなど、アナログで行っていた従来の業務をデジタル化(デジタイゼーション)することで、それらの手作業が無くなり業務の効率化が見込めます。

    デジタイゼーションを進めれば進めるほど、業務効率の改善効果を期待できるでしょう。

    アナログ媒体の削減

    デジタイゼーションを進めると、アナログ媒体の削減も促進できます。

    アナログ媒体が減ると、資料自体の印刷コスト削減、資料を保管する手作業が無くなる、保管スペースの削減など、多方面に様々なメリットが期待できるでしょう。

    リスク管理

    アナログ媒体で保管していた資料のデジタイゼーションを進めると、リスク管理にもなり得ます。

    アナログ媒体である紙資料などは、一般的に鍵付きキャビネットなどへ保管しますが、鍵を紛失すると資料自体を取り出せなくなる可能性が考えられるでしょう。

    デジタイゼーションに成功していれば、何世代にも分けてバックアップを取れるので、予期せぬリスク発生時への備えとしても役立ちます。

    デジタライゼーションとの違い

    デジタイゼーション デジタライゼーション
    意味 特定の業務・タスクをデジタル化 プロセス全体をデジタル化
    対象範囲 特定部署が行う一部の業務 業務フローすべてやビジネスの戦略方針
    発注作業や請求書の作成など 受注~出荷までの流れをデジタル化する

    デジタイゼーションによく似た言葉として「デジタライゼーション」があります。

    デジタライゼーションとは『業務フローや製造プロセス全体をデジタル化する』こと。

    発注作業や事務処理といった特定の業務・タスクをデジタル化するデジタイゼーションに対し、デジタライゼーションでは、一連のワークフローすべてやビジネスにおける戦略方針など、対象とする範囲が異なるのが特徴です。

    デジタライゼーションの例をいくつかご紹介します。

    • ICTを活用して受注~出荷までの一連の流れをデジタル化する
    • RPAを導入して手作業だった業務を全自動にする
    • 営業支援(SFA)システムを導入し営業活動に関する事務作業をデジタル化する

    デジタル・トランスフォーメーション(DX)との違い

    デジタイゼーション デジタル・トランスフォーメーション
    意味 特定の業務・タスクをデジタル化 従来のビジネスモデルからの変革
    対象範囲 特定部署が行う一部の業務 企業全体(すべての部署)
    発注作業や請求書の作成など モバイルオーダーやサブスクサービス

    もう一つデジタイゼーションと混同しがちなのが、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」です。

    「DX」と略されることが多いデジタル・トランスフォーメーションですが、こちらは『デジタル技術を最大限に活用して従来のビジネスモデルから変革する』といった意味を持ちます。

    デジタイゼーションやデジタライゼーションと比較してもより一歩先へ進んだデジタル化であり、デジタル化を始めた企業にとって目指すべき目標ともいえます。

    必ずしもデジタイゼーション→デジタライゼーション→DXといったステップを踏まずともDXは実現できますが、企業の風土としてデジタル化がまだまだ浸透していないのであれば、まずはデジタイゼーションから進めていくほうがいいでしょう。

    デジタイゼーションの進め方

    デジタイゼーションは、新しいICTツールを導入するだけですぐに実現できるものではありません。

    デジタイゼーションの対象とした業務の内容や問題点、業務フローを適切に理解しなければ、デジタル化は成功しないと言っても過言ではないからです。

    ここでは、デジタイゼーションを推進する際に重要である進め方についてご紹介します。

    現状分析

    まず、デジタイゼーションを行う業務の現状分析から行います。

    特に注目すべきは「業務フロー」と「問題点」です。その業務がどんな流れで行われているのか、どの社員と部署が関係するのか、そして現状抱えている問題点を洗い出します。

    業務フローと問題点は密接に関連している場合が多く、デジタイゼーションによって業務フローを改善できれば問題点も解決するケースも多いので、まずは細かく現状分析から行うといいでしょう。

    目標設定

    次に、デジタイゼーションによって達成したい目標の設定を行います。

    デジタイゼーションを行ってどれぐらい改善効果があったか明確にするには、あらかじめ目標を設定しておくべきです。

    この場合立てるべき目標は「良くなった」といった感覚的なものではなく、「◯%改善した」などの客観的に評価できる定量的な目標値を定めるようにしましょう。

    デジタイゼーション実行後に目標の達成度を確認し、さらなる改善の余地があるのか、もしくは目標の下方修正が必要になるのか見極めを行います。

    ソリューション選定

    現状分析と目標設定ができたら、デジタイゼーションを実現するためのソリューション選定を行います。

    現状分析を行った際に見えてきた課題点を解決できるソリューションを自ら探すのもいいですが、課題解決に繋がるソリューションは多数存在しており、いくつもの製品を比較するだけでも大変です。

    第三者の視点から課題点を客観視でき、適切なソリューションを紹介してくれる信頼の置けるベンダーへ相談してみるのもいいでしょう。

    導入・運用

    導入するソリューションが決定したら、実際に導入・運用のフェーズへと移ります。

    導入の際は特に「今までのアナログ業務をどう落とし込むか」に着目するのが肝心です。使い勝手を確認し、担当者や部署に対しては操作説明をしっかりと実施しましょう。

    運用を開始したら日頃の稼働状況を確認し、不具合や改善が必要な点を発見したら記録しておくのがおすすめです。

    評価・改善

    運用を開始してある程度の期間が経過したら、デジタイゼーション後の評価を行います。

    計画段階で立てた目標を達成しているか、新たな問題点は発生していないかを評価し、必要であれば改善を実施してください。

    デジタイゼーションは一つの業務だけで実施するものではありません。この評価結果をいつでも確認できるように記録しておき、別の業務のデジタイゼーション、もしくはデジタライゼーション・DXへと繋げていくのが重要といえるでしょう。

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    デジタイゼーションを進める際の注意点

    デジタイゼーションは、経営層だったり担当部署・社員の理解と協力を得られなければ、スムーズに進められません。

    ここでは、デジタイゼーションを推進していくにあたって注意すべき点について確認していきます。

    経営層のコミットメント

    デジタイゼーションを推進するためには、導入プロジェクトに経営層の参加は欠かせません。

    デジタイゼーションの可否を最終決定するのはもちろんですが、他にも経営層に「現在行っている業務のどの部分が課題となっているのか」を認識してもらうのも重要だからです。

    経営層には企業を運営する立場だけに見える視点があり、現場の改善案だけでは足りない部分を指摘してもらえば、より効果のあるデジタイゼーションを実行できます。

    社員の理解と協力

    デジタイゼーションを推進する際は旗振り役となる担当者を据えるべきですが、その担当者だけに任してプロジェクトを進めるべきではありません。

    デジタイゼーションできる社内の業務において、自部署だけで完結する業務というのはなかなかありません。

    大なり小なり必ず他の部署や担当者との連携が必要になり、デジタイゼーションをするにあたっての理解と協力を得られなければ、プロジェクトをスムーズには進められないでしょう。

    プロジェクトを始める際には、関係する社員へ計画内容や目的を説明し、十分に理解を得られてから進めていくべきです。

    適切なツールやシステムの選定

    デジタイゼーション(アナログだった業務のデジタル化)だけが目的になってしまい、導入するツールやシステムの選定を大雑把に行ってはいけません。

    ツールやシステムの使い勝手や性能は、デジタイゼーションの成功を左右するカギといっても過言ではなく、ツール選びに失敗する=企業にとっても余計なコストがかかってしまうからです。

    大切なツールやシステム選びを間違えないためにも、実績のあるものを選ぶ、もしくは信頼できるパートナー会社から紹介してもらうなどをして、デジタイゼーションを進めていきましょう。

    デジタイゼーションのまとめ

    今回はデジタイゼーションとは何なのか、目的や進め方、そしてデジタイゼーションと混同しがちなデジタライゼーション・DXとの違いについて解説しました。

    デジタル化が浸透していない企業にとっては、「今の時点でも業務は問題なく回っているのに、なぜデジタイゼーションが必要なのか」が理解できていないケースが多く見られます。

    現状で問題ないと思われている業務こそ改めて中身を吟味してみると、潜在的なリスクが見つかったり、現場の社員が不満を抱えていたりなど、いくつも課題点が見つかるものです。

    デジタイゼーションを進めていけば、想像していなかった改善方法が見えてきたり、予想以上のコストダウンを達成できたりなど、企業にとっていくつものメリットを享受できるでしょう。

    弊社には豊富な生成AI活用の実績があり、大企業のDX施策や新規事業の実績を重ねてきました。

    業務のデジタイゼーション方法についてはもちろん、AI(人工知能)に関する質問や、AIを活用したシステム開発に関するお悩みなど、どのような御相談からでも構いませんのでまずはお気軽にお問い合わせください。

    弊社の経験豊富なエンジニアやプロジェクトマネージャーが、皆様からのお問い合わせをお待ちしております。

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