Webアプリケーション開発で注目を集めている「Django(ジャンゴ)」をご存知でしょうか。
Djangoは、Pythonで実装されたオープンソースのフレームワークです。近年、Web開発はビジネスの成功に欠かせない要素となっています。
しかし、社内に開発リソースがないベンチャー中小企業にとって、システム開発は大きな課題です。
そんな課題を解決するのが、「Django(ジャンゴ)」です。
Djangoは、開発効率の向上、コスト削減、セキュリティ強化など、多くのメリットをもたらすため、ベンチャー中小企業にとって最適なソリューションです。
この記事では、Djangoの基本からDjangoを使用してできること、Djangoの機能一覧やメリット、使用する際の注意点について、わかりやすく解説していきます。
Django(ジャンゴ)とは?
Django は、アプリケーション開発時に主に利用される機能がパックになったソフトウェアのことです。開発者「Adrian Holovaty」によって作成され、そのフレームワークは15年以上前に世に送り出されました。
Pythonで書かれており、オープンソースなので無料で利用することができます。
フレームワークとは、新しいアプリケーションの開発をより効率的にする再利用可能なソフトウェアコンポーネントを集めたものです。
Djangoを使うと、イチからコードを書く必要がなくなり、短期間で高品質なアプリケーションを開発できます。
ほかのフレームワークとの違い
PythonのWeb開発用フレームワークとしては「Flask」「Bottle」「Tornado」などが有名です。Djangoは、これらのフレームワークと比べて以下の点が優れています。
1. 開発効率
Djangoは、豊富なライブラリやツールが揃っているので、他のフレームワークと比べて開発効率が圧倒的に高いです。
例えば、ユーザー認証機能や管理画面機能など、多くの機能が標準で提供されています。そのため、プログラミングの知識がなくても、簡単に高機能なアプリケーションを作成できます。
2. セキュリティ
Djangoは、標準で多くのセキュリティ対策が施されているので、安心してアプリケーションを開発することができます。
例えば、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどのWebサイト・アプリケーションに対するサイバー攻撃に対応するためのセキュリティ対策が標準で備わっています。
そのため、開発者はセキュリティ対策を意識することなく、アプリケーション開発に集中できます。
3. 拡張性
Djangoは、拡張性抜群です。アクセス数の増加にも柔軟に対応できる設計なので、将来的に事業規模が拡大しても安心です。
例えば、データベースの接続方法やキャッシュの仕組みなどを、簡単に変更できます。そのため、アプリケーションの規模に合わせて、柔軟に拡張することができます。
4. 汎用性
Djangoは、汎用性が高いです。ブログ、ECサイト、社内システムなど、様々な種類のWebアプリケーション開発に最適です。
アイデアを形にするための強力なツールキットとして、個人開発者から大企業まで幅広く活用されています。
5. コミュニティ
Djangoは、世界中の開発者が支える活発なコミュニティがあります。
そのため、情報収集や問題解決が容易です。例えば、公式ドキュメントやチュートリアルが充実しているだけでなく、フォーラムやチャットなど、開発者同士が情報交換できる場も用意されています。
Djangoは、開発効率が圧倒的に高く、セキュリティ対策が万全で、拡張性抜群、汎用性が高い、世界中の開発者が支える、という多くの魅力を持つフレームワークです。
Django(ジャンゴ)で何ができる?
Djangoは、Webアプリケーション開発を効率化するフレームワークです。Pythonで書かれており、無料のオープンソースとして公開されています。
Djangoでできることは大きく分けて2つです。
- Webアプリケーションの作成
- WebAPIの作成
Webアプリケーションの作成
Djangoは、ブログやECサイト、社内システムなど、様々な種類のWebアプリケーションの作成に利用できます。
データベースと簡単にやり取りができるORM(Object-Relational Mapping)や、テンプレートエンジン、ユーザー認証機能など、Webアプリケーション開発に必要な機能が標準で用意されています。
これらの機能を活用すると、開発者は品質や独自性が求められる部分に集中できるため、開発が効率的です。
例えば、社内システムにおいて、業務フローに沿った独自の申請・承認プロセスを実装することで、業務効率の改善につなげることが可能です。
人間でないと対応しにくい業務にメインに対応できるのは大きなメリットと言えます。
WebAPIの作成
Django REST Frameworkという拡張ライブラリを使えば、Djangoで簡単にWebAPIを作成できます。
WebAPIは、異なるシステム間でデータのやり取りを行うための仕組みです。
WebAPIが実装できると、異なる部署で使用しているシステムが異なっても、それぞれのデータを連携できるようになります。
DjangoとDjango REST Frameworkを使えば、社内システムやモバイルアプリなど、様々なサービスと連携できるWebアプリケーションを開発できます。
Djangoは、Webアプリケーション開発を効率化し、ビジネスの可能性を広げる強力なツールです。
Django(ジャンゴ)の機能一覧
Django は、Pythonで開発されたオープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。
豊富な機能を備え、開発効率の向上、セキュリティ強化、スケーラビリティ向上など、多くのメリットがあります。
ここからは、Djangoの機能について解説していきます。
- 管理画面作成
- ユーザー認証
- 案内ページ作成
- RSSフィード作成
- 静的ファイル公開
管理画面作成
Djangoは、標準で管理画面作成機能が搭載されています。ユーザー管理やコンテンツ管理、設定変更などを簡単に実行することが可能です。
開発者は、コードを書く必要がなく、すぐに管理画面を構築することができます。
ユーザー認証
Djangoは、ユーザー認証機能も標準で搭載されています。
ログインやログアウト、パスワード変更など、ユーザー認証に必要な機能を簡単に実装することが可能です。オンラインストアやWebメールシステムなど、認証を必要とするWebアプリケーションの構築に使用できます。
標準認証やLDAP認証、OAuth認証やOpenID認証など、様々な認証方式 に対応しているので、ビジネスニーズに合わせて柔軟に設定できます。
案内ページ作成
Djangoは、簡単なホームページを作れます。テンプレートエンジン を使用すれば、デザイナーと開発者が分担して作業することも可能です。
SEO対策にも対応しているので、検索エンジンからのアクセスも期待できます。また、多言語の対応をすることもできます。
RSSフィード作成
Djangoは、RSSフィード作成機能も搭載されています。ブログ記事やニュース記事などを、RSSフィードとして配信できます。
ユーザーは、RSSリーダーを使って、最新の情報を簡単に受け取ることができます。
静的ファイル公開
Djangoは、画像やJavaScriptなどの静的ファイルを簡単に公開できます。設定も簡単 で、すぐに公開できます。
コンテンツ配信ネットワーク(CDN)と組み合わせることで、パフォーマンスを向上させることもできます。
その他の機能
Djangoには、上記以外にも様々な機能が搭載されています。
- データベースアクセス
- キャッシュ
- テスト
- ログ
これらの機能を組み合わせることで、より高度なWebアプリケーションを開発できます。
Django(ジャンゴ)を使用する7つのメリット
Djangoは、Pythonで開発されたオープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。
豊富な機能、高い開発効率、堅牢なセキュリティなど、多くのメリットを備えています。
なぜ「Django」は、多くの開発者に選ばれているのでしょうか。
ここでは、Djangoを使用する7つのメリットについて、詳しく解説していきます。
- Webアプリ開発に必要な機能が含まれている
- Pythonの使用経験があれば習得しやすい
- ネット上にDjangoの情報が多くある
- プロトタイプを開発しやすい
- 拡張性が高い
- メンテナンスが容易にできる
- セキュリティ機能が多く搭載されている
Webアプリ開発に必要な機能が含まれている
Djangoには、ユーザー認証、管理画面、データベースアクセスなど、Webアプリケーション開発で必要となる機能が標準で搭載されています。
開発者はこれらの機能を個別に構築する必要がなく、すぐにアプリケーションの核心部分に取り組むことが可能です。
Pythonの使用経験があれば習得しやすい
DjangoはPythonで書かれているため、構文を理解していれば、すぐに習得できます。
Pythonは、初心者にもわかりやすいプログラミング言語です。
そのため、DjangoのコードはPythonの標準ライブラリと似た構文で書かれているため、経験者であればキャッチアップがしやすくなっています。
また、Djangoの公式ドキュメントやチュートリアルも充実しており、学習しやすい環境が整っています。
ネット上にDjangoの情報が多くある
Djangoは、世界中で多くの開発者が利用しており、チュートリアルやサンプルコードなど、情報が豊富に存在します。
困ったときも、すぐに情報収集できる環境が整っています。
具体的には、以下のような情報です。
- 公式ドキュメント
- チュートリアル
- サンプルコード
- ブログ記事
- 書籍
これらの情報を利用することで、開発者は問題を解決したり、新しい知識を学んだりすることができます。
プロトタイプを開発しやすい
Djangoは、豊富なライブラリとツールを備えているため、短期間でプロトタイプを開発できます。
事業アイデアを検証したいときなどに、非常に有効です。
Djangoの豊富なライブラリとツールを活用することで、開発者は、コードを書く量を大幅に削減できます。
また、Djangoは、テンプレートエンジンが使いやすいので、デザイナーと開発者が分担して作業することも可能です。
拡張性が高い
Djangoは、拡張性が高いフレームワークです。
将来的に機能を追加したり、規模を拡大したりするにも柔軟に対応できます。
Djangoは、以下のような方法で拡張することができます。
- アプリケーションの追加
- ミドルウェアの追加
- カスタムテンプレートタグの作成
- カスタム管理画面の作成
これらの方法を活用することで、開発者は、Djangoを自分のニーズに合わせて拡張することができます。
メンテナンスが容易にできる
Djangoは、コードの構造がシンプルで、わかりやすい設計になっています。
そのため、メンテナンスが簡単で、長期的な運用にも適しています。
Djangoのコードは、以下のような特徴があります。
- モジュール化されている
- テストコードが充実している
- ドキュメントが充実している
これらの特徴により、開発者は、コードを理解しやすく、変更しやすくなっています。
セキュリティ機能が多く搭載されている
Djangoは、CSRF対策やSQLインジェクション対策など、多くのセキュリティ機能が標準で搭載されています。
そのため、安心して開発・運用できる環境を提供しています。
Djangoのセキュリティ機能は、以下のようなものがあります。
- CSRF対策
- SQLインジェクション対策
- XSS対策
- クリックジャッキング対策
これらの機能により、開発者は、安全なWebアプリケーションを開発することができます。
Djangoは、開発効率や機能性、セキュリティなど、あらゆる面で優れたフレームワークです。
また、Djangoは、汎用性の高いフレームワークであり、ブログやECサイト、社内システムなど、様々な用途に活用することができます。
Django(ジャンゴ)を使用する際の注意点
Djangoは、Webアプリケーション開発に役立つ、Python製のオープンソースフレームワークです。
多くのメリットがある一方で、いくつか注意点も存在します。
ここでは、Djangoを使用する際の注意点について、解説していきます。
- Pythonが未経験だと勉強に時間がかかる
- 日本語の情報がネット上に少ない
- 処理職度が少し遅い
Pythonが未経験だと勉強に時間がかかる
Djangoは、Pythonで書かれているため、開発するにはPythonの知識が必要不可欠です。
Python未経験者は、まずPythonを学習する必要があります。
各機能の使い方や概念を学習するには、Python未経験者だと時間がかかる点に注意しなくてはなりません。
Python学習のポイントとして、独学で学習する場合は、書籍やオンライン教材を活用した学習がおすすめです。
独学での学習で理解が難しい場合は、プログラミングスクールに通うことでより理解を深めることができます。
実際に手を動かしてコードを書いて練習しましょう。
日本語の情報がネット上に少ない
Djangoは世界中で利用されていますが、まだまだ日本語の情報が少ないです。
しかし、英語の情報を読めるようにしておくと、問題解決やスキルアップに役立ちます。
英語の情報を読む際は、DeepL翻訳やGoogle 翻訳などのツールの活用がおすすめです。
そのような翻訳ツールを使用すると、英語の公式ドキュメントやチュートリアルやブログ記事なども無理なく理解できるでしょう。
Djangoは、多くの機能を標準搭載しているため、Webフレームワークの中で処理が若干遅くなります。
高速な処理速度が求められる場合は、適切な対策が必要です。
具体的な対策としては、以下のような方法があります。
- キャッシュを使用する
- データベースを最適化する
- 軽量なフレームワークを使用する
キャッシュは、頻繁にアクセスするデータをメモリに保存することで、処理速度を向上させられます。
また、データベースは適切なインデックスを作成することで、検索速度を向上させ、処理速度が速くなる場合があります。
その他の注意点として、セキュリティ対策を怠ると、脆弱性が悪用される恐れやバージョン管理を徹底しないと、トラブル時に原因の特定が難しくなるケースがあります。
Djangoを使用する際は、これらの注意点を理解した上で、Djangoを安全かつ効率的に利用しましょう。
まとめ:Django(ジャンゴ)とは有用なWebフレームワーク
近年、Webアプリは顧客との接点強化、業務効率化、売上拡大など、あらゆるビジネスシーンで活用されています。
しかし、社内に開発リソースがないベンチャー中小企業にとって、システム開発は大きな課題です。
Djangoは、Pythonで実装されたオープンソースフレームワークです。
豊富な機能と使いやすさを兼ね備えており、中小企業にとって最適なソリューションと言えます。
Djangoを使用することで、ブログ、ECサイト、社内システムなど、様々な種類のWebアプリケーション開発に利用でき、短期間で高品質なアプリケーションを開発可能です。
Djangoについて、ご不明な点や困ったこと、Djangoに関する質問、相談、案件や依頼があれば 株式会社Jiteraにお問い合わせください。
Jiteraでは、要件定義を書くだけでAIがアプリ・システムを開発するプラットフォーム、Jiteraを軸としてアプリ・システム開発を行っています。
DjangoとJiteraを組み合わせることで、開発効率をさらに高め、より迅速かつ低コストで高品質なアプリケーション開発を実現できます。
また、従来の開発方法と比べて、開発にかかる時間を大幅に短縮することが可能です。
開発時間を大幅に短縮すると、迅速な市場への投入や開発コストの削減、多様なビジネスニーズにも対応できます。
これらのメリットにより、DjangoとJiteraは、ベンチャー中小企業の成長を加速させる最適なソリューションと言えるでしょう。
DjangoとJiteraの導入をぜひ検討してみてください。