リバースプロキシとフォワードプロキシの違いとは?基礎から分かりやすく解説!

社内から外部のネットワークに接続する際に、トラフィックを中継する仕組みがプロキシサーバです。

役割の違いによって、いくつかの種類が存在します。

それぞれの種類の違いを理解して、適切に活用しましょう。

本記事ではフォワードプロキシとリバースプロキシの違いについて、基礎的な点からわかりやすく解説します。

2つを共存させられるのか、どのような実践例があるのかといったテーマまで取り上げているため、導入の際の参考にしてください。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

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執筆者 rushx1202

WEBライター歴12年です。IT系の記事執筆経験は豊富にあります。

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    プロキシとは?

    プロキシは、内部端末と外部サーバーの中間に位置し、トラフィックの中継をします

    さまざまな目的のために幅広く活用できる利用価値の高い技術です。

    以下ではプロキシの基本概念や役割について詳しく紹介します。

    プロキシの基本概念

    内部端末から外部ネットワークへのトラフィックを中継する存在がプロキシです。

    通常は、端末からブラウザを経由してWebサイトにアクセスします。

    プロキシは、利用者の端末の代わりにWebサーバーからデータを受け取る仕組みです

    トラフィックを中継する存在があれば、直接外部とネットワークで接触するのを避けられます。

    相手側からは、アクセス元を特定できないため、匿名性の確保が可能です。

    利用者からの要求はプロキシが代理で目的のWebサイトに中継します。

    相手のWebサイトから受け取ったデータはプロキシを介してユーザー端末に届くという流れです。

    よく似たものとしてファイアウォールがあるのですが、まったく異なる仕組みと考えましょう。

    ファイアウォールはネットワークの境界でトラフィックの許可や遮断を行うのが特徴です。

    プロキシの場合は、端末からの要求や応答などを代理で行う機能がある点が、ファイアウォールとの大きな違いといえます。

    プロキシの役割

    プロキシの元々の役割はWebページを閲覧する際の通信速度の向上を期待したものでした。

    同じサーバーに何度もアクセスする場合、キャッシュされたデータを活用できるため、2度目以降のアクセスでトラフィックが減少し、応答時間を短縮できます。

    近年は、セキュリティ装置として利用されるのが一般的です。

    目的のWebサーバーのアクセスを代理してもらうことで、IPアドレスを隠せます

    個々の端末からのトラフィックを集約し管理するのも重要な役割です。

    たとえば、セキュリティの脆弱性のある端末を特定できます。

    外部からサイバー攻撃を受けた場合に、遮断することも可能です。

    企業から学校、官公庁などさまざまな場所に導入されています。

    フォワードプロキシとは

    フォワードプロキシとは

    フォワードプロキシはユーザー端末と外部のネットワークを中継します。

    主にセキュリティ装置としての役割を期待されて設置されることが多いです。

    以下では定義から機能、利用シーンまで簡単に紹介します。

    フォワードプロキシの定義

    フォワードプロキシは組織内部の端末が外部のWebサーバーに接続する際の出入り口に設置されます

    組織の内部の機器から外部の機器へのトラフィックを取り次ぎます。

    ただし、実際に利用できるのは内部ネットワーク側に設置された端末のみです。

    一方、接続先としては、インターネット上に存在するどんなWebサーバーも指定できます。

    内部端末の代理として振る舞い、相手側から内部端末の情報を隠せるのが特徴です。

    IPアドレスを知られることがないため、不正対策やマルウェア対策などの効果があります。

    通信ログの解析やフィルタリングなど、利用シーンは幅広いです。

    フォワードプロキシの主な機能と利用シーン

    フォワードプロキシの主な機能は以下の通りです。

    • 内部端末の保護
    • 通信ログの解析
    • フィルタリング
    • レスポンス速度の向上

    会社や学校、官公庁などで利用されるケースが多いです。

    外部との通信の中継点を設置することで、内部端末の保護や通信ログの解析、フィルタリングなどができます

    たとえば、通信ログを解析することで、生徒や社員がどんな外部サイトへアクセスしているかの把握が可能です。

    フィルタリングを細かく設定することもできます。

    たとえば、勤務時間中にSNSの利用をブロックするなどです。

    基本的にはセキュリティのために利用されます。

    また、キャッシュ機能により、レスポンス速度の向上のための利用も可能です。

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      リバースプロキシとは

      リバースプロキシとは

      リバースプロキシは、Webサーバー側に設置し、外部からのトラフィックを集約する役割を果たします

      通常のプロキシとは逆の配置となっており、機能や利用シーンの違いは大きいです。

      以下では定義や主な機能・利用シーンについて詳しく紹介します。

      リバースプロキシの定義

      リバースプロキシとは、特定のサーバーへの要求を中継する目的で設置されたサーバーです

      外部からの要求を中継し、Webサーバーへと転送します。

      また、Webサーバーからの応答を受信し、各ユーザーに転送する役割も果たします。

      外部からの要求への応答を代理することを想定した仕組みです。

      Webサイト・サービスにおける窓口として機能します。

      ただし、利用者からはリバースプロキシの存在が意識されることは基本的にありません。

      多数のトラフィックを集約する仕組みによって、さまざまな機能と効果を持ちます。

      企業から官公庁まで幅広いシーンで使われている技術です。

      リバースプロキシの主な機能と利用シーン

      リバースプロキシには以下のような機能があります。

      • 認証・認可
      • 暗号化
      • 負荷分散
      • 圧縮
      • サーバー統合

      たとえば、複数のWebサーバーへの認証をまとめて管理できます。

      複数のサーバーへのログインが必要な場面で、どれか1つのログインで他のサーバーにも自動でログインできるようにする仕組みが実現可能です。

      セキュアなWebサイトを作るための暗号化をさせることもできます。

      外部からのトラフィックを複数のサーバーに振り分けることで負荷分散の効果をもたらすことも可能です。

      コンテンツの圧縮を最適化しロード時間の短縮を実現こともできます。

      幅広い機能があるため、いくつもの利用シーンを考えられます。

      リバースプロキシのセキュリティメリット

      リバースプロキシを導入することで以下のようなセキュリティメリットがあります。

      • バックエンドサーバーの保護
      • SSL終端と負荷分散

      バックエンドサーバーの保護や負荷分散を課題とする企業は多いです。

      上記のセキュリティメリットについて詳しく解説します。

      バックエンドサーバーの保護

      Webサーバーとユーザーの中継点を設置することで、バックエンドサーバーを保護できます。

      バックエンドサーバーとは、サーバーサイドの処理を担うサーバーのことです。

      バックエンドサーバーは通常は目に触れない部分のことであり、サービスを提供する際に重要な役割を果たします。

      バックエンドサーバーは不正アクセスや脅威の対象になることが多いです。

      中継点があれば、バックエンドサーバーへ直接アクセスされるリスクを回避できます

      バックエンドサーバーの匿名性を高めることで、セキュリティを大幅に向上できるのがメリットです。

      バックエンドサーバーへのトラフィックをすべて受信できるため、マルウェアの除去などが可能になります。

      他にも、ログの監視やフィルタリング、アクセス制御などさまざまな対策が可能です。

      SSL終端と負荷分散

      リバースプロキシによってSSLを終端させて負荷を分散できるのがメリットです。

      ユーザーからのトラフィックをプロキシで経由することで、SSLを終端します。

      バックエンドサーバーにまでSSL暗号化が施されたトラフィックが届くと負荷が大きい点が問題でした。

      近年のSSLによる暗号処理の負荷は増大しているからです。

      セキュリティを向上させるためにSSLの暗号鍵が長くなっています。

      SSLの処理を肩代わりさせるサーバーを設置することで、バックエンドサーバーの負荷が軽減されれば、レスポンス速度が向上します。

      高速で通信できるようになり、ユーザーの満足度を上げることにも繋がるでしょう。

      現在はSSLへの対応が事実上必須となっており、SSL通信が前提の時代になっています。

      SSLの暗号化や復号化を代わりに引き受ける存在があれば、WebサーバーはSSL通信の負荷から解放されるため、大きなメリットが生じるでしょう。

      リバースプロキシとフォワードプロキシの主な違い

      プロキシの種類による違いを以下に表でまとめました。

      リバースプロキシ フォワードプロキシ
      設置場所 ユーザーとWebサーバーの中間 内部端末と外部サーバーの中間
      利用シーン
      • バックエンドサーバーのセキュリティ対策
      • SSL通信の処理などバックエンドサーバーへの負荷分散
      • 表示速度の高速化
      • マルウェア対策
      • 情報漏えい対策
      • Webサイトの閲覧の高速化
      • アクセスログの取得
      セキュリティにおける役割 バックエンドサーバーの保護 ユーザー端末の保護

      それぞれの違いについて詳しくみていきます。

      用途と働きの違い

      リバースプロキシはユーザーとWebサーバーの中間に設置されるのが特徴です。

      不特定多数のユーザーからWebサーバーへのアクセスが集中する状況で中継点として設置します。

      セキュリティ対策や負荷軽減、表示速度の高速化などが主な機能です。

      フォワードプロキシは内部の端末が外部ネットワークに接続するまでの経路を中継します。

      内部端末の情報を公開せずに外部ネットワークへの接続が可能です。

      マルウェア対策や情報漏えい対策、アクセスログの取得などができます。

      設置場所の違いにより、それぞれ用途と働きが異なる点を理解しましょう。

      セキュリティにおける役割

      リバースプロキシはサービス提供側のバックエンドサーバーを保護する目的で設置します

      不特定多数のユーザーからの要求がバックエンドサーバーに届くため、セキュリティ上のリスクが高いです。

      中継点を経由させることで、利用者からバックエンドサーバーの情報を隠すことができます。

      バックエンドサーバーへの不正アクセスを未然に防ぐことが可能です。

      また、SSL通信を終端させ、代わりに処理を行う役割も重要になります。

      一方、フォワードプロキシはユーザー側の保護の役割を果たします。

      たとえば、社内のパソコンから外部のWebサイトへアクセスする際に、匿名性の確保が可能です。

      会社のパソコンのIPアドレスを公開せずに外部ネットワークと接続できます。

      社内の端末やネットワークのマルウェア対策や情報漏えい対策などで重要な役割を果たす仕組みです。

      リバースプロキシとフォワードプロキシの簡単な覚え方

      フォワードとは英語で「前へ」や「先へ」という意味があります。

      社内のパソコンから外部のWebサイトに接続する中継の役割を果たすため、「フォワードのプロキシ」と覚えましょう。

      リバースとは英語で「逆の」や「反転する」といった意味があります。

      リバースプロキシはWebサーバーの代理として利用者の端末とのやり取りを仲介します。

      Webサーバーの代理をするのがリバースプロキシと覚えましょう。

      ユーザー側の前に位置するのがフォワード、その逆にWebサーバー側に位置するのがリバースです。

      英語の意味をもとにして考えると覚えやすくなります。

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      プロキシの共存とそのメリット

      リバースプロキシとフォワードプロキシを共存させる構成は可能です。

      両方を組み合わせて活用することによってメリットがあります。

      以下では2つのプロキシの共存可能性と、共存することでどんなメリットがあるのかを詳しく紹介します。

      リバースプロキシとフォワードプロキシの共存可能性

      内部から外部への通信の中継点となるのがフォワードプロキシです。

      一方、外部から内部のWebサーバーへの通信をリバースプロキシが中継します。

      それぞれ設置する場所や役割、目的、実現方法が異なる技術です。

      設置場所が異なるため、2種類のプロキシを共存させることは可能です

      外部からのサイバー攻撃やマルウェア対策など主にセキュリティ性を高めるために2つのプロキシを導入するケースがあります。

      ただし、それぞれ実現方法が異なるため、別々に計画を立てた上で導入を進めなければいけません。

      それぞれに専用のハードウェアやソフトウェアを用意し、設定を行い、保守運用する必要があります。

      多くのリソースが求められ、コストもかかるため、慎重に計画しましょう。

      共存することのメリット

      2つのプロキシを共存させることで社内ネットワークのセキュリティ性能を高められます。

      社内ネットワークはさまざまな脅威の対象となっており、対策が必要不可欠です。

      外部から社内のパソコンやWebサーバーにサイバー攻撃を受けて、情報が流出するケースは珍しくありません。

      2つのプロキシを導入すれば、社内の端末・ネットワークの匿名性を高めることで、サイバー攻撃やウイルスへの対策にもなります。

      また、フィルタリングや負荷分散、サーバー統合、高速化など多くのメリットがあります。

      会社が抱える多くの課題を解決できる可能性があるため、効果的な施策として検討しましょう。

      リバースプロキシとフォワードプロキシの実践例

      実際にプロキシを導入する際には、どのようにして活用すればいいのでしょうか。

      プロキシを導入して活用する際の実践例を知っておくことは大切です。

      以下では、それぞれのプロキシの実践例を具体的に紹介します。

      リバースプロキシの実践例

      リバースプロキシを活用する際には、複数のバックエンドサーバーに中継するというケースが多いです。

      ユーザー端末からの要求内容に応じてそれぞれのバックエンドサーバーに適切に振り分けるように設定を行います。

      たとえば、Webサーバーが不通の際にソーリーページへ飛ばしたいというケースがあります。

      この場合は、通常の要求はWebサーバーにアクセスさせて、サーバーが不通の際にはSorryサーバーに要求を飛ばすといった構成が考えられるでしょう。

      別の実践例としては、シングルサインオンを実現するケースです。

      リバースプロキシでユーザー認証をしてから、各バックエンドサーバーにアクセスするという構成を実現できます。

      上記のケースでは1回のユーザー認証で済むため、ユーザー側の負担を軽減でき、利便性を高められるのがメリットです。

      フォワードプロキシの実践例

      フォワードプロキシの実践例の1つとして、アクセスログの解析があります。

      社内からインターネットに接続する際にフォワードプロキシを経由させる構成の会社は多いです。

      もし、不正アクセスのトラブルが発生したとしても、ログを調べれば原因を特定できます。

      また、普段から社員がどんなWebサイトへアクセスしているのか、通信量の多い社員は誰かなどを確認することも可能です。

      社員が特定のWebサイトへアクセスできないように制限することもできます。

      社内から外部へのアクセスを細かく制限することも可能です。

      たとえば、特定のIDのみに外部のクラウドサービスの利用を許可するといった設計もできます。

      リバースプロキシとフォワードプロキシのまとめ

      リバースプロキシとは、不特定多数のユーザーとバックエンドサーバーの通信を中継し、応答を代理する仕組みです。

      一方、フォワードプロキシは、内部ネットワークから外部サーバーへの接続を中継する仕組みを指します。

      内部端末・バックエンドサーバーの保護やフィルタリングなど、用途や利用シーンに違いがあるため注意しましょう。

      いずれも企業のセキュリティ対策として大きな効果を発揮する仕組みです。

      ただし、導入するためには準備に手間がかかり、保守運用や監視を継続して行わなければいけません。

      リバースプロキシとフォワードプロキシに関する質問、相談、案件や依頼があれば、実績豊富な株式会社Jiteraに一度ご相談ください。

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