Webサイト運営やシステム開発、資料共有など、ファイル転送はビジネスのあらゆる場面で必要不可欠です。
しかし、ファイルを安全かつ効率的に送受信するには、最適な方法を選ぶことが重要です。
そこで今回は、ビジネスに役立つファイル転送プロトコル「FTP」をご紹介していきます。
「FTP」って聞いたことがあるけれど、仕組みや使い方がよくわからない…
そんな方も多いのではないでしょうか。
この記事では、FTPの基本から仕組み、利用のメリット、初心者の方も簡単に使えるFTPソフトについて、わかりやすく解説していきます。
![Nao Yanagisawa](https://xs691486.xsrv.jp/wp-content/themes/JITERA/images/director-nao-1.png)
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
アプリ・システム開発は生成AIを活用することで、従来の開発ではあり得なかった、低コスト・高品質開発・スピード開発が同時に実現できます。
▼従来の開発とAIを使った開発の違い
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システムソリューションを得意とし、新規事業からDX推進まで幅広いジャンルの開発実績があります。
FTPとは
Webサイトの運営やシステム開発、データ共有など、ファイル転送は日常業務で欠かせない存在です。
そんなファイル転送を簡単かつ効率的に行うためのツールが「FTP」です。
FTPは、「File Transfer Protocol」の略で、ファイルをサーバーにアップロードしたりダウンロードしたりするための通信プロトコルです。
専用ソフトを使って簡単に接続でき、大容量ファイルもスムーズに転送できます。
フォルダごとの転送や複数人でのファイル共有にも対応しており、ビジネスシーンで幅広く活用されています。
FTPが生まれた背景
1970年代、インターネットの黎明期において、ファイル転送は大きな課題でした。
当時、コンピュータは個別に接続されており、ファイルの共有は困難を極めておりました。
磁気テープやフロッピーディスクなどの物理的な媒体を使ってファイルを転送する方法もありましたが、手間がかかる上にエラーも頻発しました。
さらに、異なるオペレーティングシステムを使用するコンピュータ間でファイルを共有することは、技術的に非常に困難でした。
こうした課題を解決するために、異なるコンピュータ間でファイルを簡単に転送できる方法として「FTP」が開発されました。
FTPは、シンプルな仕組みと高い汎用性で瞬く間に普及し、ファイル転送の標準的なプロトコルとして確立しました。
FTPの基本的な機能
FTPの主な機能は「ファイル転送」です。
クライアントソフトを使ってサーバーに接続し、ファイルをアップロードしたりダウンロードしたりすることができます。
FTPは「コマンドライン操作」と「GUI操作」の両方に対応しており、初心者でも簡単に使いこなすことができます。
ファイル転送以外にも、ファイルの削除やフォルダの作成、ファイル情報の確認など、さまざまな機能を利用することが可能です。
以下に、FTPの代表的な機能とその仕組みを詳しく説明します。
1. ファイル転送
FTPの最も基本的な機能は、クライアントとサーバー間でファイルをアップロードしたりダウンロードしたりすることです。
ファイル転送には、2つのモードがあります。
- アクティブモード
- パッシブモード
アクティブモードは、クライアント側がポート番号を開放し、サーバー側からの接続を受け付けます。ファイアウォールの設定によっては接続できない場合があります。
パッシブモードは、サーバー側がポート番号を開放し、クライアント側から接続します。ファイアウォールの設定に影響を受けずに接続できます。
2. ファイルの削除
FTPでは、サーバー上のファイルを削除することができます。
削除したいファイルを選択して、コマンドを実行するだけで、簡単に削除できます。
3. フォルダの作成
FTPでは、サーバー上にフォルダを作成することができます。フォルダを作成することで、ファイルを整理しやすくなります。
4. ファイル情報の確認
FTPでは、ファイル情報を確認することができます。ファイル名、ファイルサイズ、作成日時、更新日時などの情報を確認できます。
5. その他の機能
FTPには、上記以外にもさまざまな機能があります。
- ファイルのリスト表示
- ファイルの検索
- ファイル名の変更
- ファイルの転送再開
- ファイルの転送中止
これらの機能は、ファイル転送をより効率的に快適に行うために役立ちます。
FTPの仕組み
FTPは、シンプルな仕組みで使いやすいファイル転送ツールです。
ここからは、FTPの仕組みについて、詳しく解説していきます。
FTPサーバーとクライアントの関係
FTPは、クライアントサーバーモデルで動作します。
- FTPサーバー:ファイルを保存するサーバー
- FTPクライアント:ファイルを操作するソフトウェア
FTPサーバーは、常に稼働しており、複数のクライアントからの接続を受け付けます。
FTPクライアントは、Windows、Mac、Linuxなど、さまざまなOSで利用できます。
FTPクライアントを使ってFTPサーバーに接続し、ファイルをアップロードしたりダウンロードしたりすることができます。無料で使えるFTPクライアントもたくさんあるので、気軽に試してみましょう。
また、「FTPサーバー」と「FTPクライアント」は、それぞれ異なる役割を担っています。
FTPサーバーの主な役割は以下の通りです。
- ファイルの保存
- ユーザー認証
- アクセス権限の管理
- 転送ログの記録
FTPクライアントの主な役割は以下の通りです。
- サーバーへの接続
- ファイルのアップロード
- ファイルのダウンロード
- ファイルの削除
- フォルダの作成
- ファイル情報の確認
FTPサーバーとFTPクライアントは、密接に連携してファイル転送を行います。
FTPの通信プロセス
FTPの通信プロセスは、以下のステップで構成されます。
- クライアントがサーバーに接続する
- ログイン情報(ユーザー名、パスワード)を送信する
- 転送モード(アクティブ、パッシブ)を選択する
- ファイルのアップロードまたはダウンロードを行う
- 接続を切断する
各ステップをさらに詳しく説明します。
1. 接続
クライアントはサーバーのIPアドレスとポート番号を指定して接続します。
FTPでは、2つのポートを使用します。
- コントロールポート:接続やコマンド送信に使用
- データポート:ファイル転送に使用
クライアントは、コントロールポートを使ってサーバーに接続し、ログイン情報や転送モードなどを送信します。
2. ログイン
クライアントは「ユーザー名」と「パスワード」を送信してログインします。FTPでは、ユーザー認証によってアクセス制限をかけることができます。
3. 転送モード選択
「アクティブモード」または「パッシブモード」を選択します。
アクティブモードでは、クライアント側がデータポートを開放します。パッシブモードでは、サーバー側がデータポートを開放します。
4. ファイル転送
「アップロード」または「ダウンロード」したいファイルを選択します。
FTPには、バイナリモードとテキストモードの2つの転送モードがあります。
- バイナリモード:画像や動画など、すべてのデータをそのまま転送
- テキストモード:改行コードなどを変換して転送
5. 切断
ファイル転送が完了したら、コントロールポートとデータポートを閉じて接続を切断します。
FTP利用のメリット
FTPは、ファイル転送を効率的かつ安全に行うための便利なツールです。
ここでは、FTP利用のメリットについてさらに詳しく解説していきます。
効率的なファイル転送
FTPは、大容量ファイルもスムーズに転送できます。
Webサイトの公開やデータ共有など、さまざまな場面で活用できます。
FTPの主なメリットは以下のとおりです。
- 高速転送:複数ファイルを同時に転送
- フォルダごと転送:フォルダ内のすべてのファイルをまとめて転送
- 再開機能:通信エラーが発生しても、中断したところから再開
- 自動化機能:スクリプトを使って、自動的にファイル転送
FTPは、ファイル転送を効率化するさまざまな機能が備わっています。
具体的には、Webサイトの更新時に、すべてのファイルをアップロードする必要はありません。
更新されたファイルのみをアップロードすれば、時間とデータ通信量を節約することができます。
また、フォルダごと転送機能を使えば、複数ファイルを個別に選択することなく、まとめて転送することができ、再開機能によって、通信エラーが発生しても、中断したところから再開することが可能です。
さらに、自動化機能を使えば、定期的にファイル転送するなど、手間をかけずにファイル転送を実行することもできます。
セキュリティの強化
FTPは、暗号化通信やアクセス権限設定などのセキュリティ機能が備わっています。不正アクセスから大切なデータを守ることができます。
FTPの主なセキュリティ機能は以下のとおりです。
- 暗号化通信:FTPSやSFTPなどの暗号化通信を使用
- アクセス権限設定:ユーザーごとにアクセスできるファイルやフォルダを制限
- ファイアウォール:ファイアウォールの設定で不正アクセスを防ぐ
- パスワード管理:強力なパスワードを設定し、定期的に変更
FTPは、セキュリティ対策をしっかり行えば、安全にファイル転送を行うことが可能です。
具体的には、暗号化通信を使用することで、通信中のデータを暗号化し、盗聴を防ぐことができます。
アクセス権限設定によって、ユーザーごとにアクセスできるファイルやフォルダを制限することで、不正アクセスを防ぎます。
また、ファイアウォールの設定によって、外部からの不正アクセスを防ぐこともできます。
さらに、パスワード管理によって、強力なパスワードを設定し、定期的に変更することで、パスワードの推測を防ぐことができます。
これらのセキュリティ対策を組み合わせることで、FTPを安全に利用することができます。
FTPは、ファイル転送を効率化するさまざまな機能と、セキュリティを強化する機能が備わった便利なツールです。
セキュリティ対策をしっかり行えば、安心して利用することができます。
初心者も簡単に使えるFTPソフト
FTPは便利なツールですが、使い慣れない方には少し難しいと感じるかもしれません。
そんな方におすすめなのが、初心者でも簡単に使える「FTPソフト」です。
FTPソフトは、GUI操作で簡単にファイル転送が行えるソフトウェアです。
無料と有料のソフトがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
ここでは、代表的な無料と有料のFTPソフトをご紹介していきます。
無料のFTPソフト
- FFFTP:日本語対応で使いやすい
- FileZilla:多機能で安定性が高い
- WinSCP:セキュリティに強い
無料のFTPソフトは、個人や小規模な企業で利用するのにおすすめです。
ただし、機能が限定されていたり、サポートがなかったりする場合があります。
有料のFTPソフト
- CrossFTP:多機能で使いやすく、サポートも充実
- Cyberduck:Macユーザーにおすすめ
- Transmit:デザインがおしゃれで使いやすい
有料のFTPソフトは、多機能でサポートも充実しているので、企業や多くのファイルを扱う人におすすめです。
無料のソフトと比べて機能が豊富で、使いやすく、サポートも充実しているので、安心して利用できます。
自分に合ったFTPソフトを選んで、ファイル転送を効率化しましょう。
まとめ:FTPで効率よくファイル転送しましょう
FTPは、ファイル転送を効率化し、セキュリティを向上させる便利なツールです。
Webサイトの公開やデータ共有など、さまざまな場面で活用できます。
FTPを利用することで、以下のようなメリットを得られます。
- 効率的なファイル転送:大容量ファイルもスムーズに転送
- セキュリティの強化:暗号化通信やアクセス権限設定で安全に転送
- 操作の簡単さ:初心者でも簡単に使えるソフトが多数
ビジネスにおいても、FTPはファイル管理を最適化するツールとして活用することができます。
例えば、営業資料を顧客に共有したり、社内データを支店に転送したりするなど、さまざまな用途で利用可能です。FTPを活用することで、業務効率を向上させ、生産性を高めることができます。
ビジネスにおけるFTPの利用について、ご不明な点や困ったこと、FTPに関する質問、相談、案件や依頼があれば 株式会社Jiteraにお問い合わせください。
Jiteraでは、要件定義を書くだけでAIが生成するツールで、アプリ・システム開発なども行っています。
制作している途中で要件が変更になっても柔軟に修正しながら開発できるので、アプリ開発・システム開発のご相談があればお気軽に相談ください。
FTPは、ファイル転送を効率化し、ビジネスを成功に導くツールです。
FTPを活用することで、ファイル転送を効率化し、ビジネスをもっとスムーズに、快適に進めることができます。ファイル管理に課題を感じている方は、ぜひFTPの導入を検討してみてください。