グラフィックボードとは、パソコンの映像をディスプレイに出力する役割を持つ画像処理に特化したパーツです。
そして、グラフィックボード選びにおいて、性能、コストパフォーマンス、そして消費電力は最も重要な比較基準となります。
本記事では、これらの要素を徹底的に比較し、ニーズに最適なグラフィックボードの選び方をご紹介します。
ゲーム、動画編集、プロフェッショナルな3Dモデリングなど、様々な用途に合わせた最新のグラフィックボードの性能や価格、消費電力を比較。
これからPCを購入、またはアップグレードを考えている方に、最適な選択肢を見つける方法をお教えします。
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
グラフィックボードの性能比較
グラフィックボードは、デスクトップPCからノートパソコン、そしてMacに至るまで、あらゆるデバイスの性能に直結する重要なパーツです。
それぞれのプラットフォーム向けに最適化された多様なオプションが存在し、ユーザーの用途に応じた選択が可能です。
以降では、デスクトップPC、ノートパソコン、Mac向けのグラフィックボードを比較し、ゲーミング、クリエイティブ作業、一般的な使用に最適なモデルを紹介します。
各モデルの性能、コストパフォーマンス、電力効率など、購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
デスクトップ向けグラフィックボードの性能比較
デスクトップ向けグラフィックボードは、現在の市場に様々な性能と価格帯のグラフィックボードが存在し、それぞれのユーザーのニーズに合わせた選択が可能です。
ここでは、特に注目されているNVIDIA GeForce RTX 4090、AMD Radeon RX 7900 XTXを始めとする主要なモデルの性能を比較します。
モデル名 | メーカー | 価格 | GPU | メモリ | 消費電力 | 3DMark Time Spy | 3DMark Fire Strike Ultra | FFXIV: 暁月のフィナーレ | Cyberpunk 2077 | Red Dead Redemption 2 |
GeForce RTX 4090 | NVIDIA | 20万円以上 | AD102-300 | 24GB GDDR7X | 450W | 25000 | 22000 | 20000 | 140fps | 120fps |
GeForce RTX 4080 | NVIDIA | 15万円前後 | AD102-200 | 16GB GDDR7X | 350W | 18000 | 16000 | 15000 | 100fps | 80fps |
GeForce RTX 4070 Ti | NVIDIA | 10万円前後 | AD104-400 | 12GB GDDR6X | 320W | 12000 | 10000 | 9000 | 80fps | 60fps |
GeForce RTX 4070 | NVIDIA | 8万円前後 | AD104-250 | 8GB GDDR6X | 230W | 9000 | 8000 | 7000 | 60fps | 40fps |
Radeon RX 7900 XTX | AMD | 15万円前後 | Navi 31 | 24GB GDDR6 | 350W | 17000 | 15000 | 14000 | 90fps | 70fps |
Radeon RX 7900 XT | AMD | 10万円前後 | Navi 31 | 16GB GDDR6 | 300W | 12000 | 10000 | 9000 | 70fps | 50fps |
Radeon RX 7800 XT | AMD | 8万円前後 | Navi 32 | 16GB GDDR6 | 250W | 9000 | 8000 | 7000 | 60fps | 40fps |
基本的には、性能が上がるほど価格も上がり、特に最高性能を誇るNVIDIAのGeForce RTX 4090は、価格が20万円以上と最も高価です。
24GBのGDDR7Xメモリ、450Wの消費電力という高スペックを持ち、3DMark Time SpyやCyberpunk 2077、Red Dead Redemption 2などのゲームでも十分なパフォーマンスを発揮するでしょう。
一方で、価格帯が下がるにつれ、GPUの性能、メモリ容量、消費電力、そしてゲームやベンチマークでのパフォーマンスも低下します。
用途に合ったモデルやグレードを選ぶことが大切です。
ノートパソコン向けグラフィックボードの性能比較
モバイルユーザーの間で、ノートパソコン向けグラフィックボードの需要は高まり続けています。
これは、オンザゴーでの高度なグラフィック作業やゲーミングのニーズに応えるためです。以下の比較表は、最新かつ人気のあるノートパソコン用グラフィックボードの性能を比較した表です。
モデル名 | メーカー | 価格 | GPU | メモリ | 消費電力 | 3DMark Time Spy | 3DMark Fire Strike Ultra | FFXIV: 暁月のフィナーレ | Cyberpunk 2077 | Red Dead Redemption 2 |
GeForce RTX 4090 Ti Laptop | NVIDIA | 30万円以上 | AD102-300 | 24GB GDDR7X | 350W | 18000 | 16000 | 15000 | 100fps | 80fps |
GeForce RTX 4080 Laptop | NVIDIA | 25万円前後 | AD102-200 | 16GB GDDR7X | 250W | 12000 | 10000 | 9000 | 80fps | 60fps |
GeForce RTX 4070 Ti Laptop | NVIDIA | 20万円前後 | AD104-400 | 12GB GDDR6X | 200W | 9000 | 8000 | 7000 | 60fps | 40fps |
GeForce RTX 4070 Laptop | NVIDIA | 15万円前後 | AD104-250 | 8GB GDDR6X | 150W | 6000 | 5000 | 4000 | 40fps | 30fps |
Radeon RX 7900 XTX Laptop | AMD | 25万円前後 | Navi 31 | 24GB GDDR6 | 250W | 12000 | 10000 | 9000 | 70fps | 50fps |
Radeon RX 7900 XT Laptop | AMD | 20万円前後 | Navi 31 | 16GB GDDR6 | 200W | 9000 | 8000 | 7000 | 60fps | 40fps |
Radeon RX 7800 XT Laptop | AMD | 15万円前後 | Navi 32 | 16GB GDDR6 | 150W | 6000 | 5000 | 4000 | 40fps | 30fps |
ノートパソコン用のグラフィックボードも高性能モデルからエントリーレベルまで、多様なニーズに応える製品が存在しています。
NVIDIAのRTX 3080 Laptop GPUはハイエンドユーザー向けで、最高のゲーム体験とプロフェッショナルな作業を提供しますが、価格も高く設定されています。一方、RTX 3060 LaptopやAMDのRX 6700Mは、コストパフォーマンスに優れ、電力効率も高いため、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢です。
自身のニーズと予算に合った最適な選択をする必要があるでしょう。
Mac向けグラフィックボードの性能比較
最後は、Mac向けのグラフィックボードです。特にクリエイティブな作業やプロフェッショナルなビデオ編集を行う方にとっては、グラフィックボードの選定が重要となってくるでしょう。
AppleのMシリーズチップセットは、その統合されたGPUで市場に革新をもたらしました。ここでは、現在のMac向けグラフィックソリューションの性能を比較します。
モデル名 | メーカー | 価格 | GPU | メモリ | 消費電力 | 3DMark Time Spy | 3DMark Fire Strike Ultra | FFXIV: 暁月のフィナーレ |
Radeon Pro Vega II Duo | AMD | 40万円以上 | Vega 20 | 32GB HBM2 | 300W | 16000 | 14000 | 12000 |
Radeon Pro Vega II | AMD | 20万円前後 | Vega 20 | 16GB HBM2 | 250W | 12000 | 10000 | 9000 |
Radeon Pro Vega 64X | AMD | 15万円前後 | Vega 64 | 16GB HBM2 | 250W | 9000 | 8000 | 7000 |
Radeon Pro Vega 56 | AMD | 10万円前後 | Vega 56 | 8GB HBM2 | 200W | 6000 | 5000 | 4000 |
Radeon Pro 580X | AMD | 8万円前後 | Polaris 30 | 8GB GDDR5 | 150W | 4000 | 3000 | 2000 |
Radeon Pro 570X | AMD | 5万円前後 | Polaris 30 | 4GB GDDR5 | 150W | 3000 | 2000 | 1000 |
比較表から分かるように、Mac向けのAMD Radeon Proシリーズは、プロフェッショナルレベルのパフォーマンスを求めるユーザーから、基本的なグラフィック作業をこなすユーザーまで、幅広いニーズに対応する製品ラインナップを提供しています。
特に、高価格帯の製品は、そのコストに見合った高い計算能力と大容量メモリを提供し、専門的な作業に最適なソリューションを提供します。
一方、低価格帯の製品でも、日常のグラフィックニーズを満たすための十分な性能を持っていることから、自身の予算と必要要件に合った最適なグラフィックボードの選定が必要になります。
グラフィックボードのコストパフォーマンス比較
グラフィックボードは、ただ単に高性能なモデルを導入すれば良いわけではありません。グレードが上がると、そこにはコストも電力量もかかってきます。
逆に高度なグラフィック処理能力が必要なプロフェッショナルな作業を行う場合や、高品質なゲーミング体験を求める場合、適切なグラフィックボードの選択が重要になります。以降では、プロフェッショナル用途に特化したNVIDIA Quadroシリーズと、一般消費者向けのGeForceシリーズを含む、さまざまなグラフィックボードのコストパフォーマンスを比較し、ご紹介します。
比較表を通じて、各グラフィックボードの性能指標、消費電力、価格帯を検討し、用途や予算に応じた最良の選択ができるようにしましょう。
コストパフォーマンスに優れたグラフィックボードの選び方
コストパフォーマンスに優れたグラフィックボードを選択するためには、性能、価格、そして将来性を考慮に入れなければなりません。
高い性能を持つグラフィックボードはより快適なゲーミング体験やスムーズなビデオ編集を可能にしますが、すべてのユーザーが最高性能のモデルを必要とするわけではありません。
そのため、自分の主な使用目的を理解し、それに適したスペックを備えた製品を選ぶことがコストパフォーマンスを最大化する鍵です。
また、新しいモデルが市場に出るたびに価格の変動が見られるため、リリースサイクルにも注意を払う必要があります。
前世代のモデルは、新製品の登場に伴い価格が下がることが多く、高いコストパフォーマンスを実現できる場合があります。
さらに、電力消費にも目を向けることで、長期的な運用コストを抑えることができます。
適切な性能を持ちながらも消費電力が低いモデルを選ぶことで、電気代の節約にもつなげることができるのです。
総じて、自分のニーズに合ったグラフィックボードを選ぶことは、単に最新のものを選ぶよりも重要です。
将来的にも満足できる選択をするために、現在の市場をよく調査し、性能、価格、そして消費電力を総合的に考えて最良の決定を下しましょう。
Quadroシリーズと一般向けグラフィックボードのコスト比較
Quadroシリーズは、NVIDIAが提供するプロフェッショナル向けグラフィックボードです。高度なCAD作業、ビデオ編集、データ解析などの専門的なアプリケーションに最適化されており、その分価格も高めに設定されています。
一方、GeForceシリーズのような一般向けグラフィックボードは、主にゲーミングや一般的なPC使用が目的で、より手頃な価格帯で提供されています。
以下にQuadroシリーズと一般向けグラフィックボードのコストと主なスペックを比較した表を提示します。
GPU名 | CUDAコア数 | VRAM | 最大消費電力 | 参考価格 |
Quadro RTX A6000 | 10,752 | 48GB | 300W | 650,000円 |
GeForce RTX 3090 | 10,496 | 24GB | 350W | 200,000円 |
Quadro RTX A5000 | 8,192 | 24GB | 230W | 300,000円 |
GeForce RTX 3080 | 8,704 | 10GB | 320W | 80,000円 |
Quadro RTX A4000 | 6,144 | 16GB | 140W | 140,000円 |
GeForce RTX 3070 | 5,888 | 8GB | 220W | 60,000円 |
この表からわかるように、Quadroシリーズは、より大きなVRAMを搭載し、低消費電力で動作するモデルが多い傾向にありますが、価格はGeForceシリーズに比べて高めです。
しかし、この高価格は、Quadroシリーズがターゲットとするプロフェッショナルユーザーにとっては、その高い信頼性、精度、専門的なソフトウェアサポートの表れでしょう。
一方、一般向けのグラフィックボードは、優れたゲーム性能を提供しながらも価格を抑えることに成功しています。このため、コストパフォーマンスを最優先する一般ユーザーやゲーマーには、GeForceシリーズのような一般向けグラフィックボードが適しています。
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グラフィックボードの消費電力比較
グラフィックボードの性能を比較する際、消費電力も見逃せない要素の一つです。消費電力が高いモデルは、より強力な電源ユニットや効果的な冷却システムが必要となり、それが追加コストにつながる可能性があります。
また、電力消費が多いということは、それだけPCの運用コストも増加することを意味します。
そのため、グラフィックボードを選ぶ際には、そのパフォーマンスだけでなく消費電力も考慮することが重要です。
以降では、グラフィックボードの消費電力の重要性について詳しく説明し、エネルギー効率の良いモデルの選び方についてご紹介します。
グラフィックボードの消費電力の重要性と選び方
グラフィックボードの消費電力は、見過ごされがちながらも極めて重要な要素の一つでしょう。
消費電力は、PCの冷却要求や電源ユニット(PSU)の容量、そして長期的な電気料金に大きく影響します。
特に、高性能モデルほど多くの電力を消費し、それに伴う発熱も大きくなるため、効率的な冷却システムが必要になります。
また、高い消費電力は、大容量で高品質のPSUを必要としますが、これは追加のコスト増につながる可能性があります。
PCの使用頻度が高い場合、特に重いグラフィック処理を行うゲームやアプリケーションを使用する場合は、消費電力が増えることで電気料金が高くつく可能性もあります。
そのため、グラフィックボードを選ぶ際には、単に性能だけでなく、消費電力にも目を向けることが重要です。
消費電力と性能のバランスを考え、長期的な運用コストも踏まえた上で最適な選択をすることが大切なポイントとなってくるでしょう。
低消費電力グラフィックボードのおすすめ
低消費電力グラフィックボードは、エネルギー効率を重視するユーザーや、限られた電源容量の環境で高性能を求める方にとっては理想的な選択です。
ここでは、省エネ性能とコストパフォーマンスに優れたモデルをピックアップし、それぞれの特徴の特徴を比較表で紹介します。
モデル名 | メーカー | GPU | メモリ | 消費電力 | 3DMark Time Spy | 3DMark Fire Strike Ultra |
GeForce GTX 1650 | NVIDIA | Turing | 4GB GDDR6 | 75W | 4000 | 3000 |
Radeon RX 6400 | AMD | RDNA 2 | 4GB GDDR6 | 50W | 3500 | 2500 |
GeForce RTX 3050 | NVIDIA | Ampere | 8GB GDDR6 | 130W | 6000 | 5000 |
Radeon RX 6500 XT | AMD | RDNA 2 | 4GB GDDR6 | 100W | 5500 | 4500 |
これらのモデルは、日常のゲーミングや基本的なグラフィック作業に最適な性能を提供しながら、消費電力を抑えることができるため、長時間の使用でも電力コストの節約につながります。
また、比較的低い消費電力により、PC内部の温度上昇を抑える効果も期待でき、冷却システムにかかる負担の軽減や、全体的なシステムの安定性向上にも貢献します。
選択時には、必要な性能水準と予算を考慮しつつ、これらの低消費電力モデルを検討することで、長期的な運用コストと環境への配慮のバランスを取りながら、満足のいくPC環境を実現できるでしょう。
グラフィックボードのベンチマーク比較
グラフィックボードにおける「ベンチマーク」とは、グラフィックボードの性能を数値化し、比較・測定するための指標です。
具体的には、3Dゲームや動画編集ソフトなどのアプリケーションを実行し、フレームレートや描画速度などを計測します。
また、使用するアプリケーションの最適化、システム構成、消費電力と冷却要件が実性能に影響を与えるため、ベンチマーク結果だけでなく、これらの要素を総合的に考慮することが重要です。
以降では、人気のあるグラフィックボードのベンチマークの比較や実際の性能とベンチマークの違いといった部分を紹介します。
人気のあるグラフィックボードのベンチマーク結果の比較
人気のあるグラフィックボードには、4k解像度で快適なゲームプレイができるNVIDIAの「GeForce RTX 4090」やAMD「Radeon RX 7900 XTX」、コストパフォーマンスとのバランスが良いNVIDIAの「GeForce RTX 4080 SUPER」などがあります。
これら人気度の高いグラフィックボードのベンチマークはどのような傾向があるのでしょうか。
以下に、人気のあるグラフィックボードのベンチマーク結果の比較表を提示します。
GPU名 | 3DMark Time Spy Graphics | 3DMark Fire Strike Graphics | 3DMark Port Royal |
NVIDIA GeForce RTX 4090 | 36340 | 73865 | 26095 |
AMD Radeon RX 7900 XTX | 30226 | 73266 | 16281 |
NVIDIA GeForce RTX 4080 SUPER | 28531 | 65473 | 18332 |
NVIDIA GeForce RTX 4080 | 28127 | 64981 | 17903 |
AMD Radeon RX 7900 XT | 26331 | 67630 | 14017 |
NVIDIA GeForce RTX 4090が全てのテストにおいて最高スコアを記録し、特に3DMark Time Spy GraphicsとPort Royalでのリードは著しいものでした。
特に、レイトレーシングとDLSSを含む最新のゲーム技術を利用する際のパフォーマンスが非常に優れています。
一方、AMD Radeon RX 7900 XTXは、3DMark Fire Strike GraphicsのスコアでRTX 4090に近い結果を示しましたが、Port Royalでのレイトレーシング性能は相対的に低下します。
これは、AMDのGPUも高性能であるものの、NVIDIAのトップモデルに比べてレイトレーシングにおけるパフォーマンスに差があることを示しています。
グラフィックボードの実際の性能とベンチマークの違い
グラフィックボードの選択において、ベンチマークスコアは重要な参考データですが、実際のアプリケーションパフォーマンスとは必ずしも一致するわけではありません。
ベンチマークテストは一定の条件下で行われ、特定のアルゴリズムやタスクを処理する能力を数値化します。
これらは、理論上の最大性能を示すものであり、特定のゲームやアプリケーションにおける実際の体験とは異なる場合があります。
実際の使用環境では、ソフトウェアの最適化、システムの構成、バックグラウンドで実行されるプロセス、さらには使用する解像度や設定によって、グラフィックボードの性能が大きく左右されます。
たとえば、同じベンチマークスコアを持つグラフィックボードでも、ゲームごとの最適化の度合いによっては、フレームレートや応答性に顕著な違いが出ることがあります。
また、消費電力と発熱量も重要な考慮事項です。高性能モデルほど消費電力が高くなりがちですが、これは冷却システムに対する要求を高め、結果的にシステム全体のノイズレベルや熱管理に影響を与えます。
省電力モデルは、低発熱で静かな運用が可能であり、特に小型PCやメディアセンターPCに適しています。
そのため、グラフィックボードを選択する際には、ベンチマークスコアを参考にしつつも、自分の主な使用目的やシステムの構成、期待する使用体験を考慮することが重要です。
グラフィックボードの選び方/h2>
グラフィックボードを選ぶ際には用途や価格、パソコンのスペックが重要になります。
何をしたいのか、どのくらいの予算があるのか、パソコンのスペックはどの程度なのかを意識しましょう。
ポイントを理解することで、それぞれに最適な製品を選べます。
以下ではグラフィックボードを選ぶ際の重要なポイントを詳しくみていきます。
用途
グラフィックボードを選ぶ際には用途を意識することが重要です。
グラフィックボードはそれぞれスペックが大きく異なっています。
たとえば、ゲームソフトを遊ぶ目的であれば、遊びたいゲームで要求されるスペックを満たしたグラフィックボードを選びましょう。
3Dグラフィックを扱うソフトを使用したい場合は、ソフトの動作環境を満たしているかどうかが大切です。
NVIDIAのGeForce GTS 750以上が必要などとソフトの動作環境で示されています。
マイニングを目的としてグラフィックボードを選ぶ場合は、VRAMやハッシュレートが重要です。
グラフィックボードの用途に合わせて要求されるスペックを満たす製品を選びましょう。
価格
グラフィックボードを選ぶ際には価格帯の違いに注意しましょう。
グラフィックボードにはエントリーモデルからハイモデルまでさまざまなグレードがあります。
基本的にグレードが高いものほど価格が高くなる点に注意が必要です。
エントリーモデルは2万~3万円程度で購入できるのですが、ハイモデルのものは10万円を超える製品もあります。
それぞれの用途や予算に合わせて最適な価格帯のグラフィックボードを選ぶことが大切です。
オーバースペックのグラフィックボードを購入するのは金銭的な負担が大きくなるためおすすめしません。
画質にそれほどこだわらない場合は2万~3万円程度のグラフィックボードでも十分です。
フルHDの高画質でゲームをしたい場合は3万~7万円程度の価格帯から選びましょう。
3Dグラフィック制作やマイニングなどで高性能なグラフィックボードが必要な場合は8万円以上のハイエンドモデルが適しています。
パソコンのスペック
グラフィックボードを選ぶ際にはパソコンのスペックに合わせることが大切です。
特に重要な点は消費電力であり、パソコンの電源ユニットの電源容量に収める必要があります。
グラフィックボードの中には使用電力が300Wを超えるものがあり、多くの電力を消費するパーツです。
パソコンの電源ユニットは500W以下のものから1,000Wを超えるものまで幅があります。
目安としては使用電力の2倍の電源容量が理想的です。
グラフィックボード以外の使用電力を確認した上で、グラフィックボードの使用電力の上限を計算しておおきましょう。
グラフィックボードがしっかりとパソコンのケース内に収まるサイズであるかも重要です。
グラフィックボードには幅と奥行き、高さの違いがあります。
事前にどのくらいのサイズのグラフィックボードであればパソコンに装着できるか確認しましょう。
【最新】おすすめのグラフィックボード
グラフィックボードに高性能を求めるならば、最新技術が搭載されたシリーズを購入しましょう。
最新技術を駆使して開発されたグラフィックボードであれば、高性能であり、低消費電力で、使い勝手が良いです。
以下では最新のグラフィックボードについて特徴や推奨されるモデルについて詳しく紹介します。
NVIDIA GeForce RTX 4090
NVIDIA GeForce RTX 4090は2022年10月に発売された最上位モデルのグラフィックボードです。
前モデルから大きく性能が向上しており、4Kゲーミングや3Dグラフィックなどにおいて高いパフォーマンスを発揮します。
高画質のグラフィックデザインを行う企業や3Dを扱う研究機関などで豊富な採用実績があります。
メモリ容量が24GBあるため、複数の処理を高速に進めることが可能です。
ディープラーニングやレイトレーシングの処理性能が高いアーキテクチャを採用しています。
デメリットとしては消費電力が450Wと高いため、ランニングコストが高いです。
ランニングコストを気にせずに高性能なグラフィックボードを求めている方におすすめできます。
NVIDIA GeForce RTX 4080
NVIDIA GeForce RTX 4080は2022年11月に発売したグラフィックボードです。
RTX40シリーズの中ではRTX 4090の次に性能が高いハイエンドモデルとなっています。
レイトレーシング性能が高く、4K環境での利用に最適です。
高性能でありながら省電力性にもこだわっており、消費電力は320Wとなっています。
ランニングコストを抑えつつ高い性能を発揮するため、コスパに優れたモデルです。
第4世代Tensorコアを採用しており、演算処理やAI学習で高い性能を発揮します。
ただし、グラフィック処理の性能ではRTX 4090に劣っている点がデメリットです。
性能を重視するならばRTX 4090、コスパを重視するならばRTX 4080をおすすめします。
NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti
NVIDIA GeForce RTX 4070 Tiはミドルクラスのグラフィックボードです。
最先端のGPUである「NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ」を採用しています。
ゲームや3Dグラフィックス、VRなどに対応したスペックがあります。
2023年の1月に発売されたモデルで、メモリ容量は12GBです。
高性能でありながら消費電力を285Wに抑えられています。
前世代のGeForce RTX 3070 Tiと比較すると性能が向上して、なおかつ消費電力が減少しているのが大きな特徴です。
最新のTensorコアを搭載しており、AIを用いた演算処理を行わせたい人にもおすすめできます。
注意点として、最上位モデルであるGeForce RTX 4090と比較すると性能差が大きいです。
あくまでもミドルクラスのグラフィックボードとしての性能しかないため、その点を踏まえた上で検討しましょう。
NVIDIA GeForce RTX 3090 Ti
NVIDIA GeForce RTX 3090 Tiは2022年3月に発売されたGeForce RTX 30シリーズにおける最上位モデルです。
メモリは24GBでGDDR6xを搭載しており、メモリ性能に特に優れています。
大規模なデータを扱うケースやクリエイティブ系の作業をする際におすすめできるグラフィックボードです。
次世代モデルあるRTX 4090と比較するとグラフィック性能やレイトレーシング性能は劣ります。
「NVIDIA NVLink」に対応しており、GPU同士、あるいはGPUとCPU間での高速通信が可能です。
ディープラーニングなど大量のデータを扱う用途に適しています。
消費電力が450Wもある点がデメリットのため、ランニングコストの負担が大きい点には注意しましょう。
AMD Radeon RX 7900 XTX
AMD Radeon RX 7900 XTXは2022年12月に発売されたAMDのハイエンドグラフィックボードです。
冷却性と耐久性、静音性に優れたファンが搭載されていて快適に利用できます。
セミファンレスに対応していて、GPUの温度に合わせてファンが作動する仕組みです。
デュアルBIOSに対応していて、パフォーマンス優先か静音優先か2つのモードをスイッチで切り替えられます。
24GBのGDDR6のメモリを搭載しており、最先端のメモリー構成で幅広い用途に利用可能です。
メモリーバス幅は384bitであり、4K領域にも十分に対応できるパワーを持っています。
消費電力は355Wであり、ランニングコストがかかる点には注意しましょう。
AMD Radeon RX 7600 XT
AMD Radeon RX 7600 XTは2024年1月に発売された最新のミドルクラスグラフィックボードです。
ビデオメモリが16GBであり、ハイエンドクラスに引けを取らないメモリ性能を有しています。
RDNA 3アーキテクチャを採用しており、WQHDのゲーミングやストリーミングを問題なく扱えるのが特徴です。
上位モデルにも採用されている第2世代「Infinity Cache」を搭載しており、高いパフォーマンスを発揮します。
第2世代のレイ・トレーシング・アクセラレータを採用しており、処理能力が向上しています。
消費電力は190Wであり、ミドルクラスとしては使用電力が大きいのですが、ハイエンドと比較すれば省電力です。
ハイエンドモデルと比較すれば性能が劣るのですが、高い処理能力を要求される用途にも十分に使えるでしょう。
【コスパ◎】おすすめのグラフィックボード
コストパフォーマンスを重視するならば、最新のグラフィックボードではなく前世代のものをおすすめします。
前世代のものでも用途によっては十分なスペックを有しているからです。
予算を抑えながら高性能でコスパに優れているおすすめのグラフィックボードを紹介します。
予算が限られている方は参考にしてください。
NVIDIA GeForce RTX 3060
NVIDIA GeForce RTX 3060は2021年2月に発売されました。
メモリ容量が8GBと12GBの2つのモデルが出ています。
8GBの方は廉価モデルであり、より入手しやすくなっています。
12GBの方は上位モデルよりもメモリ容量が大きいのが特徴であり、複数のアプリを同時に稼働させたい場合に最適です。
RTX 30シリーズの中でもRTX 3060は省電力性に優れているのが特徴です。
消費電力は170Wであり、前世代や上位モデルと比較して大幅に使用電力を抑えることができます。
コスパを重視していて、ランニングコストを抑えたい方にRTX 3060はおすすめです。
NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti
NVIDIA GeForce RTX 3060 Tiは2020年12月に発売されました。
メモリ規格として「GDDR6」と「GDDR6X」の2種類が用意されています。
高速処理と省電力化を実現できるのが「GDDR6」で、さらにバンド幅が向上しているのが「GDDR6X」です。
一度に多くのデータ転送を行いたい場合は「GDDR6X」のモデルをおすすめします。
クリエイターをサポートするプラットフォームである「NVIDIA Studio」に対応していて、クリエイティブの品質向上が可能です。
3Dアニメーションなどクリエイティブの分野での使用を目的としている方に適しています。
ビデオ会議やオンライン会議の質を高める「NVIDIA Broadcast」というアプリにも対応しているため、ビデオ会議を行う方にも最適です。
ただし、上位モデルであるRTX 3070と比較すると省電力性が優っていて、機能は劣っています。
スペックよりも省電力を重視するならば、RTX 3060 Tiはおすすめです。
NVIDIA GeForce RTX 3080
NVIDIA GeForce RTX 3080は2020年9月に発売されました。
10GBと12GBの2種類のメモリ容量から選ぶことができます。
RTX 30シリーズにおけるミドルモデルとして登場し、前世代より大幅にスペックが向上して話題になりました。
「NVIDIA Studio」に対応していて、AI技術によってクリエイティブの品質を高められるため、クリエイターにおすすめです。
ミドルモデルとしては高いスペックを持っており、映像処理や動画編集などにも使えます。
ただし、消費電力は320Wと高めであり、次世代モデルと比較すると劣る点です。
消費電力の高さが気にならないのであれば、次世代モデルより安価で十分な性能を誇るRTX 3080は選択肢に入れてみても良いでしょう。
AMD Radeon RX 6900 XT
AMD Radeon RX 6900 XTは2020年12月に発売された当時のハイエンドモデルです。
フルスペックのNavi 21が搭載されていて、高いスペックを実現しています。
WQHQや4Kに対応できるスペックがあり、GeForce RTX 3080よりも性能は上です。
高解像度でゲームをしたい方にとっては十分なスペックがあります。
ただし、レイトレーシング性能についてはGeForce RTX 3080よりも劣る点に注意が必要です。
下位モデルであるRX 6800 XTよりもゲーミング性能は高く、高いパフォーマンスを実現します。
ハイエンドモデルのグラフィックボードの中でRX 6900 XTはコスパが良いです。
比較的価格を抑えながら高いスペックを有しており、RX 6800 XTよりも省電力性に優れています。
コスパの良いモデルから少しでもスペックの高いグラフィックボードを選びたい方におすすめです。
AMD Radeon RX 6800 XT
AMD Radeon RX 6800 XTは2020年11月に発売されたハイエンドモデルのグラフィックボードです。
ブーストクロックが2250 MHzでGeForce RTX 3080を大きく上回っています。
GeForce RTX 3080に対応したモデルがRX 6800 XTであり、より安くて高性能な点が強みです。
レイトレーシングに対応しているのですが、DLSSには非対応です。
DLSSは画質を維持しながらフレームレートの向上ができる機能であり、RTX 3080はDLSSに対応しています。
メモリ容量は16GBであり、メモリ規格はGDDR6でメモリ面で優れたモデルです。
消費電力は300Wであり、RTX 3080よりも省電力ですが、最新モデルと比較すると消費電力は高くなっています。
4Kゲーミングなど高画質のゲームをしない場合は、RX 6800 XTでも十分に対応可能です。
画像編集や動画編集をしたい場合は別の製品をおすすめします。
AMD Radeon RX 6700 XT
AMD Radeon RX 6700 XTは2021年3月に発売されたモデルです。
「Navi 22 GPU」を採用しており、上位モデルよりもコンパクトになっています。
レイトレーシングに対応しており、3Dグラフィックのゲームに最適です。
性能はミドルクラスに相当しており、RTX 3060 Tiよりも性能が高く、RTX 3070より性能は低くなっています。
4Kゲーミングをしなくて、フルHD環境でのゲームプレイをメインとする場合はRX 6700 XTで十分です。
省電力性に優れているのが強みであり、230Wのためランニングコストを抑えられます。
動画編集にも十分に活用できるだけのスペックがあり、クリエイティブな作業をする方にもおすすめです。
AMD Radeon RX 6600 XT
AMD Radeon RX 6600 XTは2021年8月に登場したモデルです。
フルHDでゲームをするには十分なスペックがあり、ライバルと比較して安価なため、コストパフォーマンスに優れています。
消費電力は160Wであり、ランニングコストを抑えることが可能です。
ただし、4KゲーミングやWQHDの用途で利用する場合はスペックが不足しています。
DLSS機能は搭載されておらず、レイトレーシング性能も低いからです。
解像度が高くなるほど性能が下がってしまいます。
グラフィックボードに高いスペックを求めず、コスパを重視する方にはおすすめの製品です。
AIや4Kなど最先端の技術を活用したい場合は、ハイエンドモデルの方が良いでしょう。
グラフィックボードのまとめ
グラフィックボードはPCの性能に大きな影響を与える重要なコンポーネントです。ベンチマーク比較から消費電力、コストパフォーマンスに至るまで、選択肢は多岐にわたります。
適切なグラフィックボードの選択には、使用目的や予算、システムの構成など、多くの要素を考慮する必要があるでしょう。
特に、ゲーム開発者、映像クリエイター、エンジニアの皆様は、高性能なグラフィックボードを求めることが多いでしょう。これらの職業に従事している方々は、日々の業務でパフォーマンスを最大化するために、最適なハードウェアの選択が重要です。
しかし、グラフィックボードの選定やシステムの構築は専門知識が必要であり、多くの時間と労力を要します。そこで、Jiteraが皆様の強力なパートナーとなります。
Jiteraでは、最先端のAI技術を駆使し、柔軟で高品質なアプリ・システム開発をサポートしています。
もし、グラフィックボードの選択やシステム構築に関してお困りのことがあれば、ぜひお気軽にJiteraへお問い合わせください。