サーバー構築費用の相場を3つの構築方法でわかりやすく解説!

企業において業務システムは不可欠ですが、その業務システムを動かすためには「サーバー」が必要となります。

Webシステム・メール・データベースなど、業務で取り扱うシステムの種類は様々あり、サーバーも同様です。

企業内で物理的にサーバー機器を置く「オンプレミス型」、そしてインターネットに接続した環境から利用する「クラウド型」など、企業の規模や運用方法によって適切なサーバー種類は異なります。

必要なソフトウェアが既に入っていて、購入後すぐに使えるパソコンとは違い、サーバーを使えるようにするためには構築作業が必要です。

この記事では、構築方法ごとに異なるサーバー構築費用の相場を解説します。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

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執筆者 shu-ichi

とある企業のシステム管理者として10年以上勤めています。 自身の経験や知識を活かし、誰にでも分かりやすい記事をお届けしたいです。

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    サーバー構築とは?

    サーバーとは「提供する人や道具」という意味があり、IT分野においては、他のコンピューターへ情報やサービスを提供するためのコンピューターを指します。

    この場合の情報やサービスとは、企業が使う業務システムはもちろん、日常生活で利用するネットショッピングサイトや、GmailなどのWebメール等です。これらはすべてサーバー上で動いています。

    サーバーを使うためには構築作業が必要であり、構築作業には費用が必要です。

    サーバー構築費用の相場は方法によって大きく違いが出るため、ここでは3つの構築方法を解説します。

    サーバー構築とは

    サーバー構築とは、サーバーを用途に適した形で使える状態へ設定すること。先述のとおり、サーバーはコンピューター側へ情報やサービスを提供するものであり、提供するものによって設定方法が異なります。

    例えばWebメール用のサーバーであれば、Webサービスやメール用のサーバーソフトウェアをインストールしておかなければなりません。

    また、サーバー構築の方法は「サーバーの種類」によっても異なる点に注意が必要です。

    サーバー構築の方法は3種類

    サーバーの形態は主に以下の3種類が存在します。

    • 物理サーバー
    • 仮想サーバー
    • クラウドサーバー

    サーバー機器を実際に触って構築するものから、サーバーの実体が無いので専用の管理ソフトウェアを経由して構築するものなど様々です。

    本項では、サーバー種類別にそれぞれの構築方法について解説します。

    物理サーバー

    物理サーバーは、名称のとおり物理的に存在するサーバーです。

    一般的に物理サーバーは通常のパソコンよりも大型の機器がほとんどで、電源ユニットが冗長化されていたり、ハードディスクを複数本搭載できたりなど、通常のパソコンには無い仕組みが搭載されています。

    物理サーバーを構築する際は、サーバー機器にモニターやキーボードを直接接続して、画面上で操作を行うのが一般的です。場合によってメモリやハードディスクなどサーバー内部の部品を増設したり、CDを挿入してソフトウェアのインストールを行う必要があります。

    物理サーバーのメリットは、高いパフォーマンスを期待できる点です。初期導入コストが少し高めではありますが、サーバー機器に搭載されたCPUやメモリの性能を十二分に発揮してくれます。

    また、物理サーバーの構築段階では必ずしもネットワークへ接続しなくていいという点もメリットです。ネットワーク環境が無い場所でも、サーバー構築が可能となります。

    仮想サーバー

    仮想サーバーとは、物理サーバーとは違ってサーバーの実体が無く、1台の物理サーバーの中で複数台のサーバーが仮想的に稼働する仕組みを表しています。

    先述した物理サーバーにはCPU・メモリ・ハードディスクなど、サーバーを構成する部品が搭載されていますが、仮想サーバーには個別に割り当てられる部品が無く、物理サーバー内にあるCPUやメモリを複数台の仮想サーバーで共有しているのが特徴です。

    リソースを共有するため、最小限の物理サーバーで何台もの仮想サーバーを運用できます。

    仮想サーバーを構築する際は、物理サーバーへ導入された専用のソフトウェアが必要です。

    サーバーの実体が無いので、仮想サーバーに必要となるサービスやソフトウェアは、専用ソフトウェアを操作して構築を行っていきます。

    名称こそ「仮想サーバー」ですが、構築のために最低1台は物理サーバーが必要になる点に注意が必要です。

    クラウドサーバー

    クラウドサーバーとは、クラウド(インターネット)上に存在するサーバーです。通常は、サービス事業者が提供しているクラウドサーバーをレンタルするイメージとなります。

    クラウドサーバーは、インターネット上で構築済みのサーバーにアクセスして利用するため、基本的に新しくハードウェアやソフトウェアを調達する必要がありません。導入コストを最も抑えられるサーバー構築方法だといえます。

    一方、クラウドサーバーはインターネット接続が必須となる点に注意が必要です。

    インターネットへ繋がっていないとサーバーに接続すらできないため、インターネット環境がない場所ではクラウドサーバーを利用できません。

    また、物理サーバーや仮想サーバーと違い、クラウドサーバーはサービス事業者から提供される仕組みなので、サーバーのスペック調整が難しい点にも留意しておきましょう。

    クラウドサーバーから提供されるサービスについては、以下の記事も参考にしてみてください。

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    サーバー構築費用の相場や内訳は?

    引用元:Freepik

    ハードウェアが必要となる物理サーバーと仮想サーバー、事業者からレンタルする形式のクラウドサーバー、それぞれでメリット・デメリットが存在すると解説しました。

    3種類のサーバーはそれぞれ構築方法が異なりますが、方法によって構築にかかる費用も開きがある点に注意が必要です。

    もちろんサーバースペックや台数などで構築費用は大きく変動しますが、ここでは基本となるサーバー構築費用の相場や内訳を確認しておきましょう。

    物理サーバーのケース

    まずは物理サーバーのケースです。物理サーバーは、構築の大前提としてハードウェアが必要となります。

    ハードウェアへ付随する部品や、構築に必要なソフトウェア、さらに物理サーバーを運用する上で欠かせない周辺機器もありますので、どういった機器が必要になり、どの程度の費用がかかるのか確認してみましょう。

    サーバー機器本体価格

    物理サーバーの本体となるのがサーバー機器です。大手メーカーが多種多様なサーバー機器を製造・販売しています。

    要求スペックによって価格は大きく変動しますが、一般的なオフィスでファイル共有や社内システムを利用する程度のサーバーであれば、数10万円程度で購入できます。

    サーバー機器内部に搭載されるもの、例えばCPUやメモリなどは、購入後に変更するのが難しい部品となるため、購入前に必ずスペックを確認しておきましょう。

    ハードディスクなどは、サーバー機器に空きスロットがあれば導入後でも増設が可能です。トラブルを避けるため、増設の際はなるべく既存のハードディスクと同じ製品を選定するようにしてください。

    周辺機器価格

    物理サーバーは、サーバー機器本体以外に周辺機器が必要になる場合もあります。

    周辺機器の一例は下記のとおりです。

    • 複数のネットワーク同士を中継する通信機器である「ルーター」
    • 停電時や災害時などにサーバー機器を守る「UPS(無停電電源装置)」
    • サーバー内のデータをバックアップするための「外付けハードディスク」
    • サーバー設定用の「PC」や「モバイル端末」

    これら周辺機器も各社が製造・販売しており、下記が一般的な価格となっています。

    • ルーター:1万円~5万円前後
    • UPS:3万円~8万円前後
    • 外付けハードディスク:1万円~3万円程度
    • PCやモバイル端末:5万円~15万円前後

    性能によって価格が異なる点に注意しましょう。

    OS・ソフトウェア設定費用

    物理サーバーは、購入後に電源を入れるだけで使えるようになる機器ではありません。サーバーの利用目的に応じたOSやソフトウェアの設定が必要となります。

    特にWindowsが導入されているサーバーであれば、初めてサーバー機器の電源を入れた後、必ず初回セットアップを行わなければなりません。後々変更できない項目もあるため、事前に準備しておきましょう。

    そして、サーバーの用途によって構築費用が変動する点にも注意が必要です。以下は一般的なサーバーの用途と、構築費用の概算をまとめました。

    • ファイルサーバーやプリンタサーバーの構築:3万円~6万円前後
    • Webサーバーやメールサーバー:5万円~10万円前後
    • 社内のセキュリティ対策用サーバー:25万円~30万円前後

    上記以外の用途であれば、さらに高額な構築費用がかかる場合もあります。

    ネットワーク設定費用

    ネットワーク設定にかかる費用は、厳密にはサーバー構築費用に含まれませんが、構築したサーバーはネットワーク接続が必須でもあるため、併せて予算計画に含めておくべきです。

    ”ネットワーク設定”と一口に言っても、ネットワーク機器への設定作業や、サーバー機器やパソコンに接続するLANの配線工事、ネットワークハブの設置など、その作業内容は多岐にわたります。

    ネットワーク構成の規模で大きく費用が変わる部分ですが、相場としては下記を参考にしてください。

    • ネットワーク工事費用:パソコン25台程度(1フロア想定)で10~20万円前後
    • ネットワーク機器の設定・設置費用:機器1台あたり15万~20万前後

    仮想サーバーのケース

    仮想サーバーは、1台の物理サーバー上で複数台のサーバーを仮想的に動作させる仕組みです。

    本来はサーバーごとに必要なハードウェアやネットワーク機器が不要になるので、その機器分のコストダウンが期待できます。

    一方、仮想サーバーだけで必要になるものもあり、それが仮想サーバーを管理する専用のソフトウェアです。このソフトウェアが無いと、仮想サーバーは構築できません。

    その他、仮想サーバー構築に必要な「要件定義費用」や「設計費」なども考慮しておかなければなりません。

    要件定義費用

    仮想サーバーの要件定義とは、1台の物理サーバー上で何台程度の仮想サーバーを稼働させるかを定義します。

    仮想サーバーは物理サーバーのリソース(CPUやメモリ)を共有するため、一度に稼働させられる仮想サーバーの台数には限界があります。仮想サーバー1台あたりのスペックを定義しておき、物理サーバーのリソースを手配しておきましょう。

    人件費扱いとなる「要件定義費用」の相場は、10万円~20万円程度となっています。

    設計費

    仮想サーバーを稼働させる前に、サーバーOS・ホスト名・IPアドレス、そしてサーバーの用途に応じたOSサービスなど、仮想サーバー全体の設計を行わなければなりません。

    仮想サーバーはネットワーク負荷がかかるため、場合によってはネットワーク環境と併せて設計を考慮する必要があります。

    こちらも人件費扱いとなる「設計費用」の相場は、10万円~20万円程度となっています。

    構築費

    要件定義・設計が完了したら、最後は仮想サーバーの構築作業です。

    サーバーOSのセットアップ、必要なソフトウェアのインストールなど、物理サーバー上へインストールした専用ソフトウェアから仮想サーバーを操作して構築作業を進めていきます。複数台の仮想サーバーを稼働させる場合は、同じ構築作業を繰り返し行いましょう。

    仮想サーバーの構築費は、仮想サーバーの規模や台数にもよりますが、30万円程度が相場となっています。

    クラウドサーバーのケース

    クラウドサーバーは、物理サーバー・仮想サーバーのように社内へサーバー機器を置く必要がありません。インターネットに接続できる環境さえあれば利用できます。

    そのため、費用体系も物理・仮想とは異なり、利用した分だけ費用が発生する従量課金制なのが一般的です。

    使えば使うほどコストがかかってしまいますが、その分、大規模な初期投資やハードウェアの購入が不要なので、費用対効果を考えて検討する必要があります。

    SmartConnect Cloud Platform(HaaS)

    SmartConnect Cloud Platform(HaaS)とは、オンプレミス(物理)サーバーからクラウドへ移行する際に最適なクラウドプラットフォームサービスであり、NTTスマートコネクト社が提供しています。

    これまで稼働していた物理サーバーをデータセンターへ移設し、そのサーバーへのアクセスをクラウドサービスとして提供しています。物理サーバーでありながらクラウドサーバーを使えるサービスです。

    社内で稼働していた物理サーバーを移設するため、システムやデータベース構成を変える必要がなく、ハードウェアが無くなった分、サーバー機器の維持管理に必要だったコストを削減する効果があります。

    リンク ベアメタルクラウド

    リンク ベアメタルクラウドは、「物理サーバをクラウドのように使うことができる」がキャッチコピーのサーバーサービスです。

    従来のクラウドサーバーだと、提供している事業者側が構築した仮想サーバーへアクセスする方法が一般的であり、契約者数が多ければ多いほどオーバーヘッド(通信に際し間接的に生じる負荷)が発生してしまい、思った処理速度が出ないといった課題がありました。

    リンク社が提供するベアメタルクラウドは、契約者ごとに専有の物理サーバーを構築してクラウドサービスとして提供するため、リソースを共有するが故の影響を受けないのがメリットです。

    Clara Cloud

    Clara Cloudは、最先端のハイパーコンバージドインフラである「Nutanix」を、社内にサーバーハードを持たずに利用できるサービスです。

    このサービスは”サブスクリプションサービス”として提供されており、ハードウェアはもちろん、データセンター利用料・電気代・ネットワーク費用・各種ライセンス費用をすべて含んで毎月定額料金で使えるサービスとなっています。

    物理サーバーの柔軟さと仮想サーバーの拡張性、両方の良い点を兼ね備えたサービスでありながら、手間がかかるハードウェアの面倒は見なくてすむという便利なサービスです。

    SHARERN(シェアルン)

    SHARERN(シェアルン)とは、物理サーバーで運用していたファイルサーバーからクラウド環境へ移行するのに最適な法人向けクラウドストレージサービスです。

    通常のクラウド型サーバーと異なり、ファイル共有に特化した作りとなっているため、大容量のファイルを取り扱えるのに低価格で利用できるのが最大のメリットとなっています。専用のデータ移行ツールも提供しているため、既存の物理サーバーからのデータ移行は誰でも簡単に実行可能です。

    使用したいストレージ容量によって利用料金が変動します。社内のファイルサーバーが老朽化したタイミングなど、新しいファイルサーバーを検討しているのであれば、乗り換え候補の1つとしておすすめです。

    GPUSOROBAN

    GPUSOROBANとは、株式会社ハイレゾが運営しているGPUクラウドサービスです。

    GPUとはGraphics Processing Unitの略であり、画像を生成(描写)するために必要な計算処理を行う装置であり、性能が高くなるにつれよりキレイに・より速く画像を描写できるようになっています。

    GPUSOROBANはこのGPU処理をクラウドサービスとして提供しており、流行りの画像生成AIや、CAD・BIMといった業務でグラフィック処理が必要な企業へおすすめのサービスです。

    時間単位で利用料金が計算される仕組みであり、1時間50円で利用できるのは業界最安クラスとなっています。

    サービス名 運営会社 特徴 料金
    SmartConnect Cloud Platform NTTスマートコネクト 物理サーバーをデータセンターへ移設し、クラウドサービスとして提供する 月額15.7万円~
    リンク ベアメタルクラウド リンク 専有の物理サーバーをクラウドサービスとして提供する 月額34,800円~
    Clara Cloud クララオンライン HCIである「Nutanix」をハードウェアを持たずに利用できるサービス 要問合せ
    SHARERN(シェアルン) 日本ワムネット 容量によって料金が変わる法人向けクラウドストレージサービス 月額85,000円~(3TB)
    GPUSOROBAN ハイレゾ GPUクラウドサービス 1時間50円~

    サーバー構築費用のまとめ

    引用元:Freepik

    今回は、サーバー構築に必要となる費用の相場をご紹介しました。

    サーバー構築方法にはいくつか種類があり、選択した方法によって費用はもちろん、必要となる機器も異なってきます。いずれもサーバーの台数やサーバーのスペックにって大きく価格が変動する点に注意してください。

    また、サーバーの種類である物理・仮想・クラウドのいずれにもメリット・デメリットが存在しており、一概にどの構築方法を選べば間違いがないと断定できるものでもありません。

    サーバーの用途やコストとのバランスをや保守の手間を考え、貴社にとって最適な構築方法を検討しなければなりません。

    もし、サーバー構築方法や費用についてお悩みであれば、ぜひ弊社株式会社Jiteraへご相談ください。

    貴社が抱えるサーバー構築についての課題点をヒアリングさせて頂き、適切な解決方法を導き出すお手伝いをさせて頂ければと存じます。

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