Azure AIは、人工知能関連のサービスやツールの総称で、開発者や企業が機械学習モデルやAIアプリケーションを構築・展開・管理するためのさまざまな機能があります。
この記事では、Azure AIの仕組みやメリット・デメリットなどを解説しています。
この記事を読んで、自社でどのようにAzure AIを活用するか検討するための参考にしてください。
Microsoft提供のAzure AIサービスとは
AzureのAI(人工知能)は、Microsoft Azureクラウドプラットフォーム上で提供される人工知能関連のサービスやツールの総称です。開発者や企業が機械学習モデルやAIアプリケーションを構築・展開・管理するためのさまざまな機能が含まれています。
AzureのAIサービスは、スケーラビリティが高く信頼性があり、セキュリティが強化されているため、さまざまな業界や用途に適用されています。
開発者やサイエンティストは、これらのサービスを利用して自分のプロジェクトや製品にAI機能を統合し、ビジネス価値を向上させることができます。
近年のIT業界においてAzure AIは多くの注目を集めています。今後さらに幅広い領域で活躍することでしょう。
Azure AIについてより詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
Azure AIの主なサービス
Azure AIは、人工知能関連のサービスやツールの総称で、さまざまなサービスが用意されています。ここでは、そのおもなサービスである、以下3つのサービスを解説します。
- Azure Cognitive Services
- Azure Machine Learning
- Azure Bot Service
各サービスの特徴を理解して、自社にどのように適用できるか検討するための参考にしてください。
Azure Cognitive Services
Azure Cognitive Servicesは、開発者がアプリケーションにAI機能を統合するためのプリビルドのAIツールおよびツールのセットです。以下は、そのおもな機能です。
- Vision
- Speech
- Language
- Decision
Visionでは、画像分析・画像認識・顔検出・テキスト読み取りなどの機能を提供します。開発者は、画像から情報を抽出して分析し、アプリケーションへの統合が可能です。
Speechは、音声認識や音声合成、リアルタイム音声翻訳などの音声関連の機能を提供しており、アプリケーションが音声を処理して、ユーザーとの対話を可能にします。
Languageは、自然言語処理(NLP)や自然言語理解(NLU)、ほかにも言語翻訳やテキスト解析などの機能を提供します。開発者は、テキストを解析し意図を理解して、適切なアクションを実施するアプリケーションの構築が可能です。
Decisionでは、個々のユーザーに最適な体験を提供するためのパーソナライゼーション機能を提供しており、アプリケーションがユーザーの行動を分析し、最適なコンテンツや機能の提供できます。
これらのサービスは、開発者がAI機能をアプリケーションに組み込む際に役立つものです。プリビルドのモデルやAPIを使用することで、機能学習やデータサイエンスの専門知識がなくても、高度なAI機能を利用できます。
このように、Azure Cognitive Servicesは、柔軟性がありスケーラブルで信頼性が多いため、多くの企業や開発者にとって魅力的なものとなっています。
Azure Machine Learning
Azure Machine Learningは、開発者やデータサイエンティストが機械学習モデルを構築・トレーニング・デプロイするための包括的なプラットフォームを提供しています。以下は、そのおもな機能です。
- モデルの開発とトレーニング
- データの管理と前処理
- モデルのデプロイと管理
- モデルの監視と評価
PythonやRなどの一般的なプログラミング言語を使用して、機械学習モデルを開発し、Azureクラウド上でのトレーニングが可能です。Azure Machine Learningは、分散トレーニング・ハイパーパラメーターのチューニング・自動機械学習などの行動な機能を提供しています。
ほかにも、データの準備・クリーニング・変換を容易に行うことができるのも機能の1つです。データの取り込み・バージョン管理・プレビュー・視覚などの機能を提供しています。
トレーニングされたモデルを本番環境にデプロイし、モデルのバージョン管理・監視・更新が可能です。Azure Machine Learningは、Dockerコンテナー・Azure Kubernetes Service(AKS)・Azure Functionsなどのさまざまな環境へのデプロイとオプションをサポートします。
ほかにも、デプロイされたモデルのパフォーマンスを監視し、モデルの予測の品質を評価するためのツールやダッシュボードを提供します。モデルの適応性を維持し、ビジネス目標を達成するための必要なアクションをとることができます。
Azure Machine Learningは、企業や開発者が機械学習を効果的に活用し、データ駆動型の意思決定を行うための重要なツールです。また、Azureのほかのサービスやツールとの統合が容易であり、スケーラブルで信頼性が高いため、多くの企業や組織に機械学習ソリューションとして活用されています。
Azure Bot Service
Azure Bot Serviceは、チャットボットを構築・デプロイ・管理するためのサービスです。開発者は、Azure Bot Serviceを使用して、さまざまなチャットボットアプリケーションを作成し、インスタントメッセージプラットフォームやWebサイト、モバイルアプリなどの多種多様なチャネルを介してこれらのボットを利用可能です。
以下は、そのおもな機能です。
- ボットの開発
- ボットのデプロイメント
- チャネルへの接続
- 対話エンジンの統合
- ボットの管理
開発者は、C#・JavaScript・Pythonなどのプログラミング言語を使用して、ボットの開発が可能です。また、Azure Bot Serviceは、Microsoft Bot Frameworkと統合されており、豊富なボット開発用のライブラリやツールを提供しています。
開発したボットはAzureへのデプロイが可能です。Azure Bot Serviceは、スケーラブルなクラウドインフラストラクチャーを利用して、ボットのデプロイメントと管理を容易にします。
ボットを各種のチャネルに接続することが可能です。たとえば、Microsoft Teams・Slack・Facebook Messenger・LINEなど、さまざまなメッセージングプラットフォームやWebサイトにボットを統合できます。
Azure Bot Serviceは、Micrisoftの自然言語理解(NLU)エンジンであるLUIS(Language Understanding Intelligent Service)と統合されており、ボットが自然な対話を理解し、適切な応答を生成するのに役立ちます。
Azureポータルを通じて、ボットのデプロイメント・監視・テスト・更新などの管理作業が可能です。また、Azureのモニタリングツールや分析ツールを使用して、ボットのパフォーマンスを追跡することもできます。
Azure Bot Serviceは、企画や開発者が効率的にチャットボットを構築し、顧客とのインタラクションを向上させるための重要なツールとなっています。
Azure Databricks
Azure Databricksとは、Microsoft Azureクラウドサービス上で動作する、大量のデータを高速に分析できるサービスです。
Databricks社が提供するDatabricksという名のレイクハウスプラットフォームを、Microsoft Azure環境向けに最適化したものになります。
Azure Databricksには、以下のような機能があります。
- データ処理
- データ分析
- データ管理
- 機械学習
Azure Databricksでは、構造化データ・非構造化データ含め、様々なデータを使いやすい形で補損するデータ処理機能や、SQLクエリの実行や対話型のワークスペースによるローコードでのデータ分析、大量のデータを扱う機械学習やさまざまな管理機能などを活用できます。
従来のDWHと比べても処理速度が速く、高い性能を誇りながら、コストを抑えて使用できる点がメリットの一つです。
BIツールでの可視化やAIによる分析など、幅広く活用することができるため、さまざまなニーズに対応することも可能です。
Azure IoT
Azure IoTは、Microsoft Azureが提供するIoTを実現するためのサービスです。
「さまざまなモノがインターネットにつながること」を意味するIoTは、家電製品や医療機器、自動車などのモノにインターネットを活用して、より有用性を高めることを目指した考えです。
Azure IoTを導入することで、IoTを管理するシステムを簡単に構築することができるようになります。Azure IoTが提供する主なサービスは、以下の通りです。
- Azure IoT Hub
- Azure Digital Twins
- Azure IoT Central
- Azure IoT Edge
- Azure Percept
- Azure Sphere
Azure IoTの導入によって、システムの統合や、セキュリティの強化、グローバルレベルの高い可用性を実現といったメリットが得られます。
IoTに関心がある場合は、ぜひAzure IoTの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
Azure AIサービス導入のメリット
Azure AIを利用することで得られるメリットは、おもに以下の3つです。
- 簡単な導入と統合性
- 柔軟性とスケーラビリティ
- 安全性と信頼性
それぞれのメリットを理解して、Azure AIについてより深く理解していきましょう。
簡単な導入と統合性
Azure AIのメリットの1つに、簡単な導入と統合性があります。Azure AIは、クラウドベースのサービスとして提供されており、煩雑なインフラストラクチャーのセットアップや構成を心配する必要がありません。
必要なサービスやリソースをAzureポータルから選択して幾つかの設定を行うだけで、AI機能を簡単に利用できます。このため、開発者や企業は、素早くプロジェクトを立ち上げることが可能です。
Azure AIは、Azureのほかのサービスやツールとのシームレスな統合を提供しています。たとえば、Azure Cognitive ServiceやAzure Machine Learningは、Azureのほかのサービスと直接統合し、データストレージ・コンピューティングリソース・監視・セキュリティなどの共有が可能です。
これらの機能を活用できれば、データパイプラインやアプリケーション全体の開発と管理が容易になり、効率が向上します。Azure AIの簡単な導入と統合性は、開発者や企業がAI機能を迅速に採用して、既存のシステムやプロセスに統合するのに役立ちます。
柔軟性とスケーラビリティ
柔軟性とスケーラビリティは、Azure AIのメリットの1つです。
Azure AIは、さまざまなニーズや用途に対応する柔軟性があります。
Azure Cognitive ServiceやAzure Machine Learningなどのサービスは、プリビルドのAIモデルやAPIを提供するだけでなく、カスタムモデルを構築するための豊富なツールとリソースも提供しています。開発者やデータサイエンティストは、自身の要件に応じて、これらのサービスを組み合わせての利用が可能です。
Azure AIは、スケーラビリティが高いため、大規模なデータセットやトラフィックに対応できます。Azureのクラウドインフラストラクチャーは、需要の変動に応じて自動的にスケーリングされ、高いパフォーマンスと可用性を確保します。
また、Azureの支払いモデルは必要なリソースのみを使用するため、コスト効率の向上が期待できます。柔軟性とスケーラビリティにより、Azure AIはさまざまな業界や用途に適用されます。
企業は自社のニーズに合わせてAIソリューションをカスタマイズし、成長や変化に柔軟に対応することが可能です。
安全性と信頼性
Azure AIのメリットには、安全性と信頼性があります。Azureは、セキュリティプラクティスと技術を採用しており、データとアプリケーションを保護します。
Azure AIサービスは、データの暗号化・アクセスコントロール・ネットワークセキュリティ・コンプライアンス標準への適合など、包括的なセキュリティ機能を提供しています。また、ユーザーがデータを自社内に保護し、Azure Key Vaultなどのサービスを使用してキーを管理することも可能です。
Azureは、99.9%以上のサービスレベルアグリーメント(SLA)を提供し、高い可用性を補償しています。
Azure AIサービスは、グローバルなデータセンターネットワークで展開されており、障害が発生した場合でもサービスの中断を最小限に抑えられます。また、Azure MonitorやAzure Security Centerなどのツールを使用して、サービスの監視と管理が可能です。
これらの安全性と信頼性の特性により、企業はAzure AIを使用して機密情報や重要なビジネスプロセスを安全に処理し、信頼性の高いサービスを提供することができます。また、セキュリティと信頼性が確保されているため、規制要件や業界標準に準拠することができ、法的なリスクを最小限に抑えられます。
Azure AIの料金プラン
Azure AIの導入にかかる費用について紹介します。Azure AIの導入を検討している場合は、こちらの内容を参考にしてみてください。
料金プランの種類
Azure AIの料金プランは、モデルごとに異なります。
まずは、Azure AIが提供するモデルの種類を紹介します。
- 言語モデル
- レガシ言語モデル
- アシスタント API
- 微調整モデル
- 画像モデル
- モデルの埋め込み
- 音声モデル
それぞれの詳しい価格については、次に見出しで紹介します。
料金項目
Azure AIが提供する各モデルの価格は以下の通りです。
言語モデル
モデル | コンテキスト | 入力 (1,000 トークンあたり) | 出力 (1,000 トークンあたり) |
GPT-3.5-Turbo-0125 | 16K | $0.0005 | $0.0015 |
GPT-3.5-Turbo-Instruct | 4K | $0.0015 | $0.002 |
GPT-4-Turbo | 128K | $0.01 | $0.03 |
GPT-4-Turbo-Vision | 128K | $0.01 | $0.03 |
GPT-4 | 8K | $0.03 | $0.06 |
GPT-4 | 32K | $0.06 | $0.12 |
レガシ言語モデル
モデル | コンテキスト | 入力 (1,000 トークンあたり) | 出力 (1,000 トークンあたり) |
GPT-3.5-Turbo-0301 | 4K | $0.002 | $0.002 |
GPT-3.5-Turbo-0613 | 4K | $0.0015 | $0.002 |
GPT-3.5-Turbo-0613 | 16K | $0.003 | $0.004 |
GPT-3.5-Turbo-1106 | 16K | $0.001 | $0.002 |
アシスタント API
ツール | 入力 |
コード インタープリター | セッションあたり$0.03 |
微調整モデル
モデル | コンピューティング時間あたりの トレーニング |
1 時間あたりのホスティング | 1,000 トークンあたりの入力使用量 | 1,000 トークンあたりの出力使用量 |
バベッジ-002 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
ダヴィンチ-002 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
GPT-3.5-Turbo (4K) | $45 | $3 | $0.0005 | $0.0015 |
GPT-3.5-Turbo (16K) | $68 | $3 | $0.0005 | $0.0015 |
画像モデル
モデル | 画質 | 解像度 | 価格 (画像 100 件あたり) |
Dall-E-3 | 標準 | 1024 * 1024 | $4 |
標準 | 1024 * 1792, 1792 * 1024 |
$8 | |
Dall-E-3 | HD | 1024 * 1024 | $8 |
HD | 1024 * 1792, 1792 * 1024 |
$12 | |
Dall-E-2 | 標準 | 1024 * 1024 | 該当なし |
モデルの埋め込み
モデル | 1,000 トークンあたり |
Ada | $0.0001 |
text-embedding-3-large | $0.00013 |
text-embedding-3-small | $0.00002 |
音声モデル
モデル | 価格 |
Whisper | 該当なし/時間 |
TTS (テキスト読み上げ) | 1,000,000 文字あたり $15 |
TTS HD | 1,000,000 文字あたり $30 |
Azure AIの注意点
Azure AIの注意点は、主に以下の3つです。
- 高いコスト
- 専門知識が必要
- セキュリティ上の懸念
Azure AIは便利なものですが、これらのデメリットも理解した上で利用することが重要です。
高いコスト
Azure AIのデメリットの1つに、高いコストがあります。
Azure AIサービスの料金モデルは、複雑であり、利用料や使用されるリソースに応じて料金が異なります。特に大規模なデータセットや高度なAI機能を利用する場合、高いコストがかかる可能性が高いです。
また、デプロイされたモバイルやサービスの監視やメンテナンスにも追加コストがかかる場合もあるでしょう。Azure AIを使用する場合、サービスの利用に関連する追加のリソースが必要になる場合があります。
これらのリソースを追加することで、コストが増加する可能性があり、また、予想しないトラフィックの増加やリソースの不足に対処するために、追加のリソースをプロビジョニングする必要もあるでしょう。
Azure AIの利用には、事前のコスト見積もりや予算管理が必要です。特に、大規模なプロジェクトや長時間の利用では、予算管理が難しくなる場合があります。
また、利用量の予測が難しい場合や、トラフィックの予測が不確定な場合、予算のオーバーランが発生する点に注意が必要でしょう。
これらのデメリットを考慮すると、Azure AIを使用する際は、コストの管理と最適化が重要です。利用料の見積や予測、リソースの最適な活用、サービスの適切なスケーリングなどを行うことで、コストを最小限に抑えることができるでしょう。
専門知識が必要
Azure AIを活用するには、専門知識が必要となります。
機械学習・データサイエンス・プログラミングなどの高度な技術スキルが必要です。特に、カスタムモデルの開発やトレーニング・データの前処理・モデルの評価などのタスクには、専門的な知識と経験が必要となるでしょう。
Azure AIサービスを適切に構成するためには、サービスの機能やオプションに関する深い理解が必要です。また、データの取り込み・モデルのトレーニング・デプロイメントなどのプロセスは、複雑であり、適切な設定や構成が必要となります。
Azure AIを使用する際には、十分な技術スキルを持った専門家やチームが必要となるでしょう。
セキュリティ上の懸念
Azure AIのデメリットの1つに、セキュリティ上の懸念が存在する点があります。
Azure AIを使用する際には、データのセキュリティリスクが懸念されます。特に、機密性の高いデータをAzureに移動または保存する場合、データの保護が重要です。
データの暗号化・アクセス制御・監査ログの記録など、セキュリティ対策が不十分である場合、機密性の高いデータが不正アクセスされるリスクがあるでしょう。
Azure AIサービス自体にも、セキュリティ上の脆弱性が存在する可能性もあるため、注意が必要です。サービスの脆弱性が悪用されると、悪意のある攻撃者がシステムに侵入して個人情報を盗み出したり、サービスを停止させたりする可能性があります。
また、サービスへのDDoS攻撃やその他の悪意のある行為にも注意が必要です。
特定の業界や地域には、データ保護やプライバシーに関する厳格規則やコンプライアンス要件があります。
Azure AIを使用する際には、これらの規則や要件を遵守する必要があります。たとえば、GDPRやHIPAAなどの規則に準拠するためのセキュリティ対策などが必要となるでしょう。
これらのセキュリティ上の懸念は、企業や組織がAzure AIを採用する際の重要な考慮事項です。セキュリティ対策の実施・コンプライアンス要件の遵守・サービスの監視や管理などの措置が重要となります。
Azure AIの活用例
ここまで、Azure AIのメリットとデメリットをみてきました。次に、 Azure AIの活用事例をみていきましょう。
以下は、Azure AIのおもな活用事例です。
- 顧客サポートの自動化
- 製品品質管理の向上
- 予測分析と需要予測
それぞれの活用事例をみながら、自社ではどのように活用できるかを検討してみましょう。
顧客サポートの自動化
Azure AI を活用して、顧客サポートの自動化を行うことができます。以下は、そのおもな方法の一例です。
- チャットボットによる自動応答
- 顧客データの分析と洞察
- 自動チケットルーティング
- フィードバックの自動収集と分析
Azure Bot Serviceを利用して、チャットボットを構築し、顧客の質問や問題に対する自動応答を実現します。このチャットボットは、自然言語理解(NLU)サービスのAzure Bot Serviceの一部である、Language Understanding(LUIS)を使用して、顧客の質問や意図を理解して適切な回答を生成するものです。
チャットボットを活用すれば、顧客の問題を迅速かつ効率的に解決し、24時間365日対応可能な顧客サポート体制を実現できるでしょう。
Azure Machine Learningを使用して、顧客からのフィードバックや問い合わせデータを分析し、優先度の高い問題や顧客のニーズを特定します。顧客サポートのプロセスやサービスの改善点を把握し、効果的な対策を講じることができるでしょう。
ほかにも、顧客からの問い合わせを適切なサポートエージェントやチームに自動でルーティングすることもできます。過去のデータや顧客のプロファイルをもとに、最適な担当者へ割り当てることが可能です。
Azure Cognitive Serviceを使用して、顧客からのフィードバックや評価を自動的に収集し、分析します。自然言語処理(NLP)技術を活用すれば、顧客の感情や意見を把握し、サービスや製品の改善点を特定できるでしょう。
製品品質管理の向上
Azure AIを活用して、製品品質管理の向上をさせることが可能です。以下は、その一例です。
- 品質予測と異常検知
- 生産プロセスの最適化
- 製品デザインの改善
- サプライチェーンの可能性とトレーサビリティ
Azure Machine Learningを使用して、製品の生産データや品質検査データを分析して製品の品質を予測し、異常を検知することが可能です。機械学習モデルをトレーニングして、製品の異常や欠如のパターンを特定し、製品の品質を改善するためのアクションを提案します。
Azure IoTとAzure Machine Learningを組み合わせて、製造プロセスのデータをリアルタイムで収集して分析することができます。これにより、生産ラインのセンサーデータや機械の稼働状況をモニタリングし、効率的な生産プロセスの確保が可能です。
また、異常やトラブルが検出された場合には、自動的に警告を発進し、生産停止や修正措置を実行します。Azure AIを使用して、製品の設計や仕様の改善が可能です。
顧客のフィードバックや製品の使用データを分析し、製品の機能や品質に関する洞察を得て、これらの情報をもとに製品のデザインや使用を調整して顧客満足度を向上させられます。Azure AIを使用して、サプライチェーン全体のデータをリアルタイムで監視し、製品の原材料や部品の供給状況を把握します。
リアルタイムで監視しているため、サプライチェーンの透明性とトレーサビリティを向上させ、問題が発生した場合に迅速に対処できるでしょう。
予測分析と需要予測
Azure AIを活用して、予測分析と需要予測を行う方法はさまざまです。以下は、その一例です。
- 販売予測と在庫最適化
- サービスの需要予測とリソース配分
- 製造業における生産計画と資材調達
- エネルギー管理と需要予測
Azure Machine Learningを使用して、過去の販売データや顧客の購買履歴を分析し、将来の販売量を予測します。この予測をもとに、製品の在庫レベルを最適化し、需要と供給の調整が可能です。
また、季節性や特別なイベントなどの要因を考慮した販売予測モデルの調整も可能となっています。
Azure Machine Learmingを使用して、サービスの需要を予測し、リソース配分の最適化が可能です。たとえば、交通機関やホテル、レストランなどのサービス業では、需要の変動に応じてサービス提供者のスケジュールやリソースを調整し、効率的なサービス提供を実現しています。
Azure Machine Learningを使用して製造業の生産規格や資材調達を最適化します。需要と生産能力を考慮して、生産スケジュールを調整し、資材の調達の計画が可能です。
ほかにも、エネルギー需要を予測して、エネルギー供給の調整を行うことができます。エネルギー供給業者は、需要予測をもとに発電所や送電網の運用計画を最適化し、エネルギーの無駄を削減することができます。
企業や組織は需要の変動に対応し、リソースの効率的な活用が可能です。リソースを効率的に活用できれば、費用対効果の最大化や顧客満足度の向上が実現され、競争力の強化につながるでしょう。
まとめ:Azure AIをビジネスシーンで活用
今回は、Azure AIについて、以下の内容を解説しました。
- Azure AIは人工知能関連のサービスやツールの総称である
- Azure AIには、おもな3つのサービスがある
- 簡単に導入できほかサービスとの統合性があるのがAzure AIのメリットの1つ
- 利用料や使用されるリソースに対して料金が異なりコストが高いのが注意点
- Azure AIは、チャットボットによる自動応答などの活用事例がある
このように、さまざまなビジネスシーンで活用できるAzure AIですが、自社でどのように活用したらよいかわからないこともあるでしょう。
Azure AIに関して、疑問点やわからないことがあれば、多くの知見を持つ、株式会社Jiteraへご相談ください。
自社にてどのようにAzure AIを活用したいかなどをヒアリングさせていただき、最適な活用方法などをアドバイスいたします。