言語処理学会(NL)とは?2024年の研究会・年次大会や発表論文、セミナーについて紹介

自然言語処理(NLP)は現代の科学技術がもたらす最も革新的な研究の1つであり、その進歩と応用は情報検索、理解、利用の方法を大きく変える可能性があります。

特にその発展を推進しているのが「言語処理学会」です。言語処理学会では会員が様々な研究を行い、年に1度発表できる機会を設けている団体です。

この記事では、言語処理学会の概要、目的、2024年の年次大会の内容、発表論文の重要性、提供するセミナーとそのメリットについて詳しく解説します。

また、言語処理学会が企業にもたらす具体的な価値についても考察していますので、ぜひ参考にしてみてください。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

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執筆者 武宮 太雅

東京都在住のライターです。わかりづらい内容を簡略化し、読みやすい記事を提供できればと思っています。

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    言語処理学会(NL)の概要と目的

    言語処理学会(The Association for Natural Language Processing)は、自然言語処理(NLP)に関する研究と、その普及を目指す学術団体です。主に以下のような目的を掲げ、活動しています。

    • この分野の学問の発展
    • 応用技術の発展と普及
    • 国際的なレベルでの研究者・技術者・ユーザ相互間のコミュニケーションと人材の育成

    会員は、自然言語処理に関連する研究を行い、その成果を共有し、言語処理にまつわる知識を深めていきます。

    人々が情報を検索、理解、利用する方法に大きな影響を及ぼす可能性があruため、学術界、ビジネス界から幅広く注目を集めています。

    ちなみに、1994年4月1日に設立されたこの団体は、2015年4月1日に一般社団法人となりました。また、日本学術会議から「協力学術研究団体」としての指定を受けている団体です。

    ちなみに、以下の記事で「自然言語処理」について詳しく紹介しているので、自然言語処理についてあまり理解していない方は、ぜひ参考にしてください。

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    2024年の言語処理学会の年次大会

    言語処理学会では、年に1度、新たな研究成果の発表や議論を通じて、自然言語処理の最新動向を探求する年次大会が開催されます。

    ここでは、2024年に予定されている言語処理学会の年次大会の概要、年次大会のハイライトを紹介していきます。

    年次大会の目的と内容

    年次大会のスケジュール 2024年3月11~15日
    大会のスローガン 30年のプロンプトから未来を創造する
    発表方式 Zoomでの画面共有による発表
    発表時間 18分

    年次大会では、NLPの最新の研究成果を発表し、参加者間での深い議論を促します。これにより、NLPの各分野における問題点の理解が深まり、新たな研究テーマや解決策の発見につながります。

    2024年の年次大会は、2024年3月11~15日の期間(5日間)で実施されます。チュートリアルは、3月11日午後1時に開始。本会議は3月11日午後4時半から14日午後7時までの4日間で実施される予定です。

    2024年のスローガンは「30年のプロンプトから未来を創造する」です。ChatGPTなどをはじめとする大規模言語モデルによって、自然言語処理のレベルが高まりつつあります。

    2024年度は、言語処理学会が設立されてから丁度30年の節目の年であります。この30年の蓄積を「プロンプト」として考え、未来の言語処理がどのように変化していくのかを考える機会になればと、公式サイトで紹介されています。

    参加方法は、リモートと現地での参加に対応していますが、オンラインのみの参加者については、現地のポスター発表と交流イベントには参加できな炒め注意してください。

    発表はオンライン・現地問わず、自身のPCからZoomに参加し、画面を共有しながら行います。発表の持ち時間は1人18分です。

    研究者や実務者が自分の研究や取り組みを幅広い視点から、評価・フィードバックするため、興味深い内容が聞けるかもしれません。

    事実、2024年3月8日現時点で、言語処理学会の投稿数は599件と非常に件数が多く、注目を集めている会だといえます。

    年次大会のハイライト

    年次大会のハイライトとして、第29回年次大会に参加した方のレビューを引用させていただき、紹介できればと思います。

    引用:言語処理学会第29回年次大会(NLP2023)の論文紹介と感想

    2023年3月13〜17日に沖縄で開催された、言語処理学会第29回年次大会では、いくつかのブースが設けられていて、各ブースで1人18分の発表が5セットほど行われていたようです。

    引用させていただいた記事では、いくつかの事例が取り上げられていますが、その中から1つ紹介します。

    「入力文章の内容に沿った新たな歌詞を生成する作詞支援システムと剽窃リスクを下げる歌詞生成手法」という研究では、ユーザが歌詞に書きたい内容を文章として入力した時、その入力文章の内容に沿いつつ字面が似ていない歌詞を生成することを目指し、ユーザーに新たな作詞の発想を与えられる作詞支援システムを開発するために研究が行われました。

    研究成果として、2023年年次大会では、ユーザーが入力した文章に対してAIが画像を生成し、そこから歌詞を生成するという仕組みが提示されたようです。

    入力文章に対して生成された歌詞は次のようなものです。

    詳しく知りたい方は、実際に年次大会で用いられた、以下の資料をご確認ください。

    参照:入力文章の内容に沿った新たな歌詞を生成する作詞支援システムと剽窃リスクを下げる歌詞生成手法

    言語処理学会の発表論文の重要性

    自然言語処理分野における最新の研究成果を提供する発表論文は、企業のシステム開発において重要な役割を果たします。

    これらの論文を適切に利用することで、最新の技術動向を把握し、自社の製品やサービスの開発に反映させることが可能です。

    ここでは、発表論文の役割や注目される最新の研究トピックについて紹介します。

    論文誌の役割と利用方法

    論文誌は、最新の研究成果をまとめて発表する場であり、自然言語処理の専門家や研究者たちが自身の研究を共有するための重要なプラットフォームです。これらの論文を読むことで、最新の研究動向を把握し、自社の製品開発や研究開発に活かすことができます。

    たとえば、最新の自然言語処理の研究論文を通して、企業はチャットボットの応答精度を向上させたり、文書の自動要約技術を開発するためのアイデアを得られるかもしれません。

    また、感情分析の研究を確認することで、顧客のレビューやフィードバックの分析を自動化し、製品やサービスの改善に役立てられる可能性があります。

    注目される最新の研究トピック

    自然言語処理分野では、機械学習の応用やディープラーニング、感情分析など、さまざまなトピックが研究されています。これらのトピックを理解し、自社の製品開発やサービス改善に活かすことで、より効率的で高性能なシステムを構築することが可能となります。

    具体的な研究トピックとしては、以下のようなものがあります。

    • 大規模言語モデルの開発
    • 作詞支援システムの設計
    • 感情分析の自動化
    • 色情報に基づく商品名の作詞支援システム
    • 文章を抽出し新たな文章を作成するもの

    過去の年次大会の発表内容集は以下のリンクにありますので、詳細が知りたい方はこちらをご覧ください。

    参照:過去の年次大会

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    言語処理学会が提供するセミナーとそのメリット

    最後に、言語処理学会が提供するセミナーと、そのメリットについて紹介します。

    セミナーの種類と内容

    言語処理学会が実施するセミナーは、XもしくはGoogle Siteで作成されたページによって紹介されています。Xを活用する場合は、以下のアカウントをフォローしておくと、必要な情報を収集しやすいと思います。

    参照:Xアカウント

    一例として、2023年の10月30日に行われた言語処理学会セミナー「生成AIによる新時代〜専門家による本気の生成AIセミナー〜」では、以下のような言語処理について権威のある方が登壇され、生成AIについて語られました。

    • 株式会社サイバーエージェント 石上亮介
    • 東北大学 阪口慶祐
    • 株式会社ブレインパッド 押川幹樹

    専門家から、最新の情報を直接聞くことができますので、興味がある方はぜひ参加していただければと思います。

    料金は会によって異なりますが、通常料金は次のとおりです。

    料金
    一般 15,000円
    言語処理学会会員 無料
    学生 無料
    取材 無料

    セミナー参加のビジネス上の利点

    セミナーに参加することは、ビジネスにとって多くのメリットをもたらします。まず、最新のNLPの技術やトレンドを追跡することで、競争力を維持し、市場の変化に対応する能力を向上させることができます。

    さらに、セミナーは業界の専門家や同じ興味を持つ人々と交流する場となるため、ビジネスネットワークを広げるチャンスでもあります。具体的には、セミナーで他の参加者とのディスカッションを通じて、新たなビジネスアイデアを得たり、可能なビジネスパートナーを見つけることができます。また、最新の研究結果を共有することで、共同研究や新たなプロジェクトの機会を見つけることも可能です。

    まとめ:言語処理学会が企業にもたらす価値

    この記事では、言語処理学会の概要、目的、2024年の年次大会、発表論文の重要性、提供するセミナーとそのメリットについて詳しく解説しました。

    言語処理学会は、最新の自然言語処理技術の普及と発展を目指す学術団体であり、その活動は中小企業やベンチャー企業におけるシステム開発やイノベーションに多大な貢献をしています。

    最新の研究成果の発表や年次大会、セミナーなどを通じて、学会は研究者だけでなく、実務者にも最先端の知識と情報を提供し、自然言語処理の可能性を探求します。これらの情報は、ビジネスの現場での問題解決や新たな価値創造の手がかりとなるでしょう。

    今回ご紹介した内容も参考に、ぜひ、この業界に興味がある方は言語処理学会のことをウォッチしてみてください。

    また、言語処理学会についての疑問や質問、また、自然言語処理のご依頼などございましたら、実績豊富な株式会社Jiteraにご相談ください。あなたのビジネス内容をヒアリングし、最適なソリューションを提供させていただきます。

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