AI技術の進化により、その応用範囲は日々拡大しています。中でも特に注目されているのが、AIの生成技術です。
生成AI技術とは、AIが自己学習を行い独自の創造物を生み出すというもので、ビジネスを中心に幅広い業界で活用が進められています。
この記事では、この生成AI技術を理解し実際の業務に応用できる能力を証明する「生成AIパスポート試験」について詳しく解説します。
資格の詳細から取得方法、活用法まで、詳しく見ていくので、資格を取得してみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
生成AIパスポートとは?
生成AIパスポートは、AIの生成技術を理解し、それを実際の業務に応用できる能力を証明する資格です。合格すると、一般社団法人生成AI活用普及協会から認定を受けられます。
生成AIパスポートは、以下のような方におすすめの資格です。
- AI開発者
- AIをビジネスに活用する方(IT企業担当者)
- AIに興味関心がある
- ChatGPTを使って業務効率化を図りたい
生成AIパスポートを取得することにより、AIの生成技術への深い理解とその応用能力が身につきます。つまり、AIを活用する分野において、自身がAIの技術を持っていることを証明できます。
また、AIに関する信頼性と専門性の向上も図れるため、知識が必要な業界、もしくは活用する業界の方が保有すると、重宝される人材になるでしょう。
ちなみに、こちらの記事では画像生成AIについて詳しく解説しています。自信がどのようなAI技術に興味があるのかを知るためにも、一度この記事に目を通していただくことをおすすめします。
生成AIパスポート試験の概要
ここでは、生成AIパスポート試験の概要について詳しく解説します。
- 生成AIパスポート試験の形式と内容
- 生成AIパスポート試験の難易度
上記2項目について詳しく解説していくので、試験を受けようと考えている方や、これから生成AIパスポート試験の勉強を始めたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
試験の形式と内容
生成AIパスポート試験は、学歴、年齢、実務経験などの制限は一切なく、誰でも受験できる資格です。まずは、試験形式と内容を表にまとめますが、内容を要約すると、次のとおりです。
- 60分、60問のオンライン試験
- 一般は11,000円(税込)で受講できる
- 年3回開催されている(2024年)
名称 | 生成AIパスポート試験 |
---|---|
開催形式 | オンラインでの実施 ( IBT方式※1) |
試験時間 | 60分間 |
問題数 | 60問(4択式) |
受験費用 | 一般11,000円(税込)、学生5,500円(税込)※2 |
※1 IBT(Internet Based Testing)試験とは、インターネット上で実施する試験やeラーニングのことです。
※2 学生の場合は、そのことを証明する書類が必要です。例:学生証など
試験期間
申込期間 | 受験期間 | |
---|---|---|
第1回 | 10月1日0:00〜1月31日23:59 | 2月1日0:00〜2月29日23:59 |
第2回 | 2月1日0:00〜5月31日23:59 | 6月1日0:00〜6月30日23:59 |
第3回 | 6月1日0:00〜9月30日23:59 | 10月1日0:00〜10月31日23:59 |
また、出題範囲(第1章)は以下の通りです。
大項目 | 中項目 | 学習目標 | 学習項目 |
第1章AI(人工知能) | AI(人工知能)の定義 | 人工知能の定義をはじめとした、AIの基礎的な概念を理解する | AIとは AIとロボットの区別 AIの研究 |
AIに知能をもたらす仕組み | AIが機能するための要素とその仕組みを理解し、AIと呼ばれる由来やその性質を学習する | 知能をもたらす2つの仕組み ルールベースとは 機械学習とは機械学習の手法 機械学習の考え方 人間の脳とニューラルネットワーク AIが画像を認識する仕組み AIが自ら学習して改善される仕組み 過学習(オーバーフィッティング) 過学習を避ける手法 転移学習 |
|
AIの種類 | 実際に生活で利用されているAIと、その種類を理解する | AIの4つのレベル弱い AI(ANI)と強いAI(AGI) |
|
AIの種類 | AIの誕生から現在までの変遷を学習する | 第一次AIブーム 第二次AIブーム 第三次AIブーム |
|
シンギュラリティ(技術的特異点) | シンギュラリティの基本的な概念を学習する | シンギュラリティ(技術的特異点) | |
ちなみに、上記では1章のみを記載していますが、本番のテストでは5章から問題が出題されます。詳細については、以下からアクセスできます。詳しく知りたい方は、以下のPDFをご確認ください。
試験の難易度と対策
公式サイトの情報によると、「2023年 第1回 生成AIパスポート試験」の受験者数は1,031名、そのうち合格者数は760名であり、合格率は73.71%という結果が出ています。
そのため、そこまで難易度の高い資格ではないと考えられます。参考までに、有名資格の難易度を紹介するので、参考にしてください。
- 簿記3級:40〜50%
- 漢検準2級:30〜40%
- 宅建資格:15〜20%
これらの資格と比較しても、そこまで難易度の高い資格ではないことがわかるでしょう。
ただし、全く勉強をせずに資格に合格できるような試験ではありません。AIの生成技術に関する基本的な理解とそれらの技術の実際の応用に関する知識が求められるため、日常レベルの知識では合格は難しいと考えられます。
生成AIパスポートの学習方法
前述したように、生成AIパスポート試験はそこまで難易度の高くない資格ですが、全く勉強せずに合格できる簡単なものでもありません。
そのため、合格したいなら、生成AIについての学習は必要不可欠です。ここでは、生成AIパスポート試験に合格するためにおすすめの学習方法を2つ紹介します。
- GUGA公認 生成AIパスポート テキスト問題集
- 生成AIパスポート公式テキスト 第2版
『GUGA公認 生成AIパスポート テキスト問題集』
『GUGA公認 生成AIパスポート テキスト問題集』は、公式が監修する形で提供されているテキストです。
このテキストでは以下のような内容を学習できます。
- AIの生成技術の基礎知識
- 実際の試験(非公開)にならった模擬問題
生成AIパスポートで取り上げられる出題範囲をカバーできるだけでなく、模擬問題を解きながらAIについての知識を深められます。より実践的に学習を進めたい方にはおすすめの教材となっています。
2024年現在の価格は、電子書籍版1,604円(税込)、製本版1,980円(税込)です。
『生成AIパスポート公式テキスト 第2版』
『生成AIパスポート公式テキスト 第2版』は、公式が出版しているテキストです。出題範囲を網羅しているので、基本的にはこの範囲からmん題が出題されます。
2024年現在、公式テキストは電子書籍版は1,782円(税込)、製本版1,980円(税込)で販売されています。
あまり大きな出費ではないため、必ず1度で合格したいという方は、公式テキストを購入しても良いでしょう。
また、公式サイトには生成AIパスポート試験の例題1P分が、無料公開されているので、一度挑戦してから購入するべきかを検討してみても良いかもしれません。
AI導入に関することはJiteraにご相談ください!
資格取得にかかる費用
それでは次に、資格取得にかかる費用を紹介します。主に、以下の費用がかかります。
- 試験費用
- 教材やその他の費用
ここでは、どのくらいの費用がかかるのかや、その支払い方法などについて詳しく解説します。
試験費用と支払い方法
生成AIパスポートの試験費用は、一般11,000円、学生5,500円です。
受験したい場合は、まず、こちらの「生成AI活用普及協会マイページ」に登録・ログインします。
ログイン後、試験ページへログインできるので、そこから「試験ページへ」をクリックし、実際の試験ページへ進みましょう。
上記で紹介したように、2024年は以下の期間に申し込むことで、受験資格が得られます。
申込期間 | 受験期間 | |
---|---|---|
第1回 | 10月1日0:00〜1月31日23:59 | 2月1日0:00〜2月29日23:59 |
第2回 | 2月1日0:00〜5月31日23:59 | 6月1日0:00〜6月30日23:59 |
第3回 | 6月1日0:00〜9月30日23:59 | 10月1日0:00〜10月31日23:59 |
ちなみに、申し込みが完了したタイミングで金額を支払います。その際、書籍版の「生成AIパスポート公式テキスト 第2版」を購入することも可能です。
教材とその他の費用
生成AIパスポート試験で出題される範囲を詳しく知りたい場合には、公式教材を購入するのがおすすめです。また、問題に慣れるという意味で「GUGA公認 生成AIパスポート テキスト問題集」の購入を検討しても良いでしょう。
ちなみに、上記2種の教材を購入した場合、合計3,960円(税込)費用がかかります。とはいえ、AIの専門的な技術が身につき、ビジネスに活用できるようになれば、これからの時代で重宝される人材になれるはずです。
先行投資と考えれば、資格取得費用と合わせて15,000円は高くない金額だと思いますので、購入してみるとよいでしょう。
また、もし学習を進める中でAIに興味が出てきたら、以下のようなサービスに課金してみるのも良いかもしれません。
- ChatGPT:月額20ドル
- Midjourney:月額10ドル
生成AIパスポート資格の活用法
最後に、生成AIパスポート資格を取得した後の活用方法についてみていきます。
資格を活用したキャリアアップ
生成AIパスポートの資格を取得することで、キャリアアップを図れる可能性があります。AIの専門知識はこれからの時代必要不可欠な能力であり、多くの企業から求められる能力です。
この資格を取得しておくことで、生成AIに関する能力を身につけていることが証明できます。
資格を活用したキャリアアップの方法として、次のようなキャリアパスが考えられます。
- AI開発者
- データサイエンティスト
- AIを駆使したプロジェクトマネージャー
これらの職種では、AIの生成技術の知識が直接的にスキルとして活かせるため、業界に在籍していると、注目を集められるかもしれません。
また、マーケティングや製品開発など、一見AIを活用していないと思われる分野で、生成AIを活用することが流行っており、そういった分野でも重宝されるかもしれません。
事業への応用
生成AIパスポートは、事業でも活用できます。
AIの生成技術を身につければ、新しい製品の開発や既存の業務プロセスを改善することなどに役立てられるかもしれません。
たとえば、AI生成技術は、消費者の好みや行動を学習し、そのデータに基づいてカスタマイズされた製品を提供することが可能です。消費者に合わせたマーケティングにAIを活用することで、顧客満足度を向上させ、売上を増加させられる可能性があります。
そして、製造プロセスを最適化し、生産効率を向上させることも可能です。生産ラインにおける問題を早期に検出し、それらを解決するための最適なソリューションを提案するといったスキームで業務改善を進めている企業もあります。
机上の空論だと感じられるかもしれません。しかし、生成AIパスポートによって身についた知識を、他の誰かが考えつかないような用途で活用し、ビジネスに役立てた事例は多々あります。まずはその可能性を高めるべく、生成AIパスポートの取得に踏み切ってみてはいかがでしょうか。
まとめ:生成AIパスポートを取得してキャリアにつなげましょう
この記事では、この生成AI技術を理解し、実際の業務に応用できる能力を証明する「生成AIパスポート試験」について詳しく解説しました。
AI開発者、ビジネス、AIに興味がある一般の方など、様々な方におすすめの資格です。試験は年3回開催され、60分、60問のオンライン試験形式で、誰でも受験することができます。
合格率73.71%と、そこまで難しい試験ではないため、公式テキストや問題集を使って効率的に学習すれば、合格できるはずですので、ぜひ挑戦してみてください。
また、生成AIにまつわる疑問や質問、案件、ご依頼などがございましたら、実績豊富な株式会社Jiteraに一度ご相談ください。貴社の要件に対する的確なアドバイスを提供させていただきます。