SSL証明書とは?仕組みや種類、取得・更新方法をわかりやすく解説!

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tetsuya
ライター

『IT活用で業務を効率化させる!』がテーマ。 とある企業でITエンジニアとして10年以上お仕事をしています。 ITを活用して業務を効率化させたい、生産性を向上させるため日々勉強中。

近年、インターネットの普及に伴い、Webサイトのセキュリティ対策がますます重要になっています。
ネットショップや個人情報の取り扱いなど、インターネット上での情報漏えいが大きな問題となっています。

そんな不安を解消してくれるのが、「SSL証明書」です。

「聞いたことはあるけど、よく分からない…」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、SSL証明書の基本から、仕組み、種類、取得・更新方法や利用事例まで、分かりやすく解説します。
まだ導入していない方や導入を検討している方は、この記事を参考にしてみてください。

SSL証明書とは


情報漏えい事件が頻繁に発生しており、サイト運営者にとってセキュリティ対策は必須の課題となっています。
「安全なサイト」であることを証明し、顧客の信頼を得るために、SSL証明書の導入が推奨されています。

ここでは、SSL証明書の定義と役割、仕組みについて、解説していきます。

SSL証明書の定義と役割

SSL証明書は、正式名称を「Secure Sockets Layer 証明書」といい、ウェブサイトの運営者情報や公開鍵などを暗号化して保存したデジタル証明書です。
ウェブサイトのアドレスバーに「https://」と表示され、鍵マークが付いているサイトは、SSL証明書が導入されています。

SSL証明書は、以下の2つの重要な役割を果たします。

通信の暗号化

ユーザーとウェブサイト間の通信内容を暗号化することで、第三者による盗聴や改ざんを防ぎます。
具体的には、クレジットカード番号やパスワードなどの個人情報、ログイン情報、購入履歴などを安全に送信することができます。

サイト運営者の実在性確認

認証局と呼ばれる第三者機関が、ウェブサイト運営者情報の審査を行い、証明書に記載します。
これにより、偽サイトを防ぎ、ユーザーに安心して利用いただけるサイトであることを証明することが可能です。

近年、フィッシング詐欺や情報漏えい事件が頻発しており、ユーザーは安全なサイトかどうかを判断する必要があります。
SSL証明書は、ユーザーに安心感を与え、サイトの信頼性を高める重要な役割を果たします。

SSL証明書の仕組み

SSL証明書は、以下の3つの要素で構成されています。

  • 証明書ファイル:サーバに保存されているファイルで、ウェブサイト運営者情報や公開鍵などが記載されています。
  • 公開鍵:通信の暗号化に使用される鍵で、誰でも閲覧可能です。
  • 秘密鍵:公開鍵と対になる鍵で、サーバのみが所有しており、通信の復号化に使用されます。

ユーザーがウェブサイトにアクセスすると、以下の手順で通信が行われます。

  1. ブラウザがサーバに証明書ファイルを要求
  2. サーバが証明書ファイルをブラウザに送信
  3. ブラウザが証明書ファイルの内容を検証
  4. 検証に合格すれば、公開鍵で通信を暗号化
  5. サーバが秘密鍵で復号化し、通信を行う

このように、SSL証明書によって、安全な通信が実現されます。
さらに、近年では、より高度なセキュリティを実現するために、TLS (Transport Layer Security) という技術も利用されています。

TLSは、SSLの後継規格であり、より強固な暗号化アルゴリズムなど、様々なセキュリティ機能が強化されています。
多くの場合、SSL証明書とTLS証明書はまとめて提供されており、混同して使用されることも多いです。

SSL証明書の重要性


ここからは、SSL証明書の重要性について、解説していきます。
SSL証明書は、ウェブサイトの安全性を保証するデジタル証明書であり、導入することで、以下の2つの重要なメリットを得られます。

ウェブサイトセキュリティの向上

近年、情報漏えい事件が頻発しており、ユーザーは安全なサイトかどうかを判断する必要があります。
SSL証明書は、以下の具体的な方法でウェブサイトセキュリティを向上させ、ユーザーに安心感を与えます。

  • 通信内容の暗号化: クレジットカード番号やパスワードなどの個人情報、ログイン情報、購入履歴などを安全に送信します。
  • 偽サイト防止: ユーザーを偽サイトから守り、フィッシング詐欺などの被害を防ぎます。
  • サイト運営者情報の確認: 第三者機関による審査により、サイト運営者の実在性を証明します。
  • データ改ざん防止: 通信内容が改ざんされていないことを確認し、情報の信頼性を保ちます。

これらの対策により、ユーザーは安心して個人情報を入力することができ、サイトの信頼性が高まります。

ユーザーの信頼度向上

ユーザーの信頼度を高めることは、顧客満足度向上やコンバージョン率の向上につながります。

具体的には、以下の効果が期待できます。

  • 顧客満足度向上: ユーザーは安全なサイトであることを認識し、安心して利用することができます。
  • コンバージョン率向上: ユーザーは安心して個人情報を入力し、購入や申し込みなどの行動を起こしやすくなります。
  • 企業イメージの向上: セキュリティ対策に力を入れている企業として、信頼を得ることができます。
  • 顧客ロイヤルティの向上: 安心のサイトであることから、リピーターやファンを獲得しやすくなります。

さらに、近年では、Googleなどの検索エンジンも、SSL証明書を導入しているサイトを評価する傾向があります。
つまり、SSL証明書を導入することで、検索結果の上位に表示されやすくなります。これは、より多くのユーザーにサイトを訪問してもらうための効果的な手段となります。

このように、SSL証明書は、ウェブサイトの安全性、信頼性、そしてSEO対策にも効果的なツールです。

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SSL証明書の種類

SSL証明書には、大きく分けて3つの種類があります。
それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解した上で、用途に合ったものを選ぶことが重要です。

ドメイン検証SSL証明書

ドメイン所有権のみを証明する最も基本的なSSL証明書です。費用は安価ですが、企業情報などは証明されません。
個人ブログや小規模なウェブサイトなど、個人情報を取り扱わないサイトに適しています。

メリットは以下のとおりです。

  • 費用が安い(年間 数千円程度)
  • 導入が簡単(数分で完了)

デメリットは以下のとおりです。

  • 企業情報などが証明されない
  • セキュリティレベルが低い
  • フィッシング詐欺などの悪用リスク

費用を抑えたい場合や、導入が簡単な証明書を求めている場合は、ドメイン検証SSL証明書が選択肢となります。

エンタープライズSSL証明書

ドメイン所有権に加え、企業情報も証明するSSL証明書です。
ドメイン検証SSL証明書よりもセキュリティレベルが高く、企業サイトやECサイトなどに適しています。

メリットは以下のとおりです。

  • 企業情報などが証明される
  • セキュリティレベルが高い
  • フィッシング詐欺などの悪用リスクを軽減

デメリットは以下のとおりです。

  • 費用が高い(年間 数万円程度)
  • 導入に時間がかかる(数日〜数週間)

企業情報を取り扱うサイトや、高いセキュリティレベルを求めるサイトには、エンタープライズSSL証明書がおすすめです。

EV SSL証明書

最も厳格な審査基準を満たしたSSL証明書です。アドレスバーに緑色の表示が出現するため、ユーザーに高い安心感を与えられます。
金融機関や大手企業など、特にセキュリティレベルの高いサイトに適しています。

メリットは以下のとおりです。

  • 最も高いセキュリティレベル
  • ユーザーに安心感を与えられる
  • フィッシング詐欺などの悪用リスクを最小限に抑制

デメリットは以下のとおりです。

  • 費用が非常に高い(年間数万円〜数十万円)
  • 導入に時間がかかる(数週間〜数ヶ月)

最高レベルのセキュリティ対策を求めるサイトには、EV SSL証明書が最適です。

このように、SSL証明書にはそれぞれ特徴があります。
サイトの規模や用途、予算やセキュリティレベルなどを考慮して、最適な種類を選びましょう。

SSL証明書の取得方法

SSL証明書の取得方法

SSL証明書を導入したいと思ったら、まず取得する必要があります。
ここでは、SSL証明書の取得方法と、取得前に知っておきたいポイントについて解説します。

SSL証明書の取得手順

SSL証明書の取得は、以下の3つの手順で行います。

  1. 証明書の種類と発行元を選ぶ:必要なセキュリティレベルや予算に合わせて、最適な証明書の種類と発行元を選びます。
  2. 申し込み手続きを行う:発行元のウェブサイトから申し込み手続きを行い、必要書類を提出します。
  3. サーバ設定を行う:発行元から発行された証明書をサーバに設定します。

手順自体は複雑ではありませんが、いくつか注意点があります。

  • 必要な書類: 発行元によって必要な書類が異なる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
  • サーバ設定: サーバの設定方法は、レンタルサーバ会社や利用しているサーバ環境によって異なります。

わからない場合は、発行元やレンタルサーバ会社などにサポートを依頼することもできます。

SSL証明書の発行元の選び方

SSL証明書は、様々な発行元から提供されています。

選ぶ際には、以下のポイントを参考にしましょう。

  • 必要なセキュリティレベル: 必要なセキュリティレベルに合った証明書を選ぶ必要があります。
  • 費用: 証明書の種類や発行元によって費用が異なります。
  • サポート: 万が一問題が発生した場合に、サポートが充実しているかどうかを確認しましょう。
  • 実績: 発行元の信頼性や実績を確認しましょう。

有名な発行元としては、以下のようなものがあります。

  • グローバルサイン(GlobalSign)
  • ジオトラスト(GeoTrust)
  • セコム(SECOM)

それぞれの発行元のウェブサイトで、提供している証明書の種類や費用、サポート内容などを確認して比較検討しましょう。

無料でSSL証明書を取得する方法

費用を抑えたい場合は、無料でSSL証明書を取得する方法もあります。
無料でSSL証明書を取得する方法はいくつかありますが、ここでは代表的な2つの方法、「Let’s Encrypt」と「AWS Certificate Manager」について解説していきます。

Let’s Encryptを利用したSSL証明書の取得手順

Let’s Encryptは、オープンソースの自動化ツールを用いて無料でSSL証明書を取得できるサービスです。

費用はかかりませんが、以下の点に注意が必要です。

  • 証明書の種類: ドメイン検証SSL証明書のみ無料で提供されます。
  • 有効期限: 証明書の有効期限は90日と短いため、定期的に更新する必要があります。
  • 自動更新: 自動更新ツールを利用することで、証明書の有効期限切れを防ぐことができます。
  • 一部のサーバ環境では利用できない: 証明書発行ツールは、一部のサーバ環境では利用できない場合があります。

Let’s Encryptを利用した無料SSL証明書の取得手順は以下のとおりです。

  1. Let’s Encryptのアカウント作成::Let’s Encrypt公式サイトにアクセスし、アカウントを作成します。
  2. 証明書発行ツールのインストール:サーバ環境に合った証明書発行ツールをインストールします。
  3. 証明書の発行::証明書発行ツールを実行し、証明書を発行します。
  4. サーバ設定::発行された証明書をサーバに設定します。

手順自体は複雑ではありませんが、いくつか注意点があります。

  • DNS設定の変更が必要:Let’s Encryptを利用するには、ドメインのDNS設定を変更する必要があります。
  • コマンド操作が必要::証明書発行ツールは、コマンド操作で実行する必要があります。

コマンド操作に慣れていない場合は、自動化ツールを利用するのもおすすめです。

Let’s Encrypt公式サイトには、詳細な手順やトラブルシューティング情報などが掲載されていますので、参考にしてください。

項目 内容
サービスURL Let’s Encrypt

AWS Certificate Managerを利用したSSL証明書の取得方法

AWS Certificate Managerは、AWSが提供する無料のSSL証明書サービスです。

Let’s Encryptと比べて、以下の点がメリットです。

  • DNS設定の変更が不要:AWS Certificate Managerを利用するには、DNS設定を変更する必要はありません。
  • 自動更新:証明書の自動更新機能が提供されています。
  • 使いやすい:AWSのコンソールから簡単に操作できます。

ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 利用できる環境:AWS環境でのみ利用できます。
  • 証明書の種類:ドメイン検証SSL証明書とワイルドカード証明書のみ無料で提供されます。

AWS Certificate Managerを利用した無料SSL証明書の取得手順は以下のとおりです。

  1. AWS Management Consoleへのログイン:AWS Management Consoleにログインします。
  2. AWS Certificate Managerの選択:サービスメニューから「AWS Certificate Manager」を選択します。
  3. 証明書のリクエスト:証明書のリクエスト画面で、証明書の種類とドメイン名などを指定してリクエストします。
  4. 証明書の発行:リクエストが承認されると、証明書が発行されます。
  5. サーバ設定:発行された証明書をサーバに設定します。

手順自体は簡単ですが、AWSの知識が必要となります。
詳しくは、AWS公式サイトのドキュメントを参照してください。

項目 内容
サービスURL AWS Certificate Manager

SSL証明書の更新方法


SSL証明書には、有効期限があります。
期限切れになると、サイトの安全性と信頼性が低下し、ユーザーに警告が表示されるなど、様々な問題が発生します。そのため、定期的な更新が必要不可欠です。
ここからは、SSL証明書の有効期限切れ対策や自動更新機能の活用について、解説していきます。

SSL証明書の有効期限切れ対策

SSL証明書の有効期限切れを防ぐためには、以下の対策が有効です。

  • カレンダーへの登録:証明書の有効期限をカレンダーに登録しておけば、期限切れ前に更新するのを忘れません。
  • 期限切れ通知の受信:多くの証明書発行元は、有効期限切れ前に通知を送信してくれます。通知を受け取ったら、速やかに更新手続きを行いましょう。
  • 社内体制の整備: 複数人で管理する体制を整備することで、更新忘れを防ぐことができます。

有効期限切れを防ぐことは、サイトの安全性と信頼性を保つために重要です。
上記のような対策を講じて、有効期限切れを防ぎましょう。

SSL証明書の自動更新機能の活用

多くの証明書発行元は、自動更新機能を提供しています。
自動更新機能を利用すれば、有効期限切れ前に自動的に更新されますので、手動で更新する必要がありません。

自動更新機能を利用するには、以下の設定が必要です。

  • 証明書発行元の設定画面で、自動更新機能を有効にする。
  • クレジットカードなどの支払い情報を登録する。

設定方法は、証明書発行元によって異なりますので、詳細は発行元のウェブサイトを確認してください。
自動更新機能は、有効期限切れを防ぐための有効な手段です。ぜひ利用して、サイトの安全性と信頼性を保ちましょう。

SSL証明書の利用事例


SSL証明書は、様々なウェブサイトで利用されています。
ここでは、代表的な利用事例と、導入効果についてご紹介します。

オンラインショップやECサイト


楽天市場のような大規模なECサイトでは、顧客情報の取り扱い件数が膨大です。
SSL証明書を導入することで、顧客情報漏洩のリスクを大幅に低減し、安心して買い物を楽しめる環境を提供できます。

さらに、近年はスマホからの購入も増えています。
スマホはパソコンよりもセキュリティ対策が脆弱なため、SSL証明書によるセキュリティ対策はより重要になります。

項目 内容
サービスURL 楽天市場

オンラインサービスや会員制サイト


三井住友銀行SMBCダイレクトのような金融機関のオンラインサービスでは、ユーザーのログイン情報や口座情報など、非常に重要な情報を取り扱います。
SSL証明書を導入することで、これらの情報を暗号化し、情報漏洩を防ぐことができます。

また、近年はフィッシング詐欺も増加傾向です。
SSL証明書は、フィッシング詐欺サイトと正規のサイトを区別するのに役立ち、ユーザーを保護します。

その他、SSL証明書は、以下のようなサイトでも利用されています。

  • ブログ:コメント欄などで個人情報を取り扱う場合
  • 企業サイト:お問い合わせフォームなどで個人情報を取り扱う場合
  • SNS:アカウント情報の保護

このように、SSL証明書は、様々なサイトで利用されており、導入によって得られるメリットは多岐にわたります。

項目 内容
サービスURL 三井住友銀行SMBCダイレクト

SSL証明書のまとめ


SSL証明書は、ウェブサイトの安全性と信頼性を高める必須ツールです。
情報漏えい対策、フィッシング詐欺対策、顧客満足度向上、コンバージョン率向上、企業イメージ向上、SEO対策など、様々なメリットがあります。

費用は、種類や認証局によって異なりますが、年間数千円から数万円程度です。種類は、大きく分けて3種類あり、それぞれ認証レベルによって異なります。
取得方法は、認証局のウェブサイトから申し込み、必要書類を提出することで取得でき、更新方法は、証明書の有効期限が切れる前に更新する必要があります。

利用事例としては、ECサイト、金融機関のオンラインサービスなど、様々なウェブサイトで利用されています。

SSL証明書に関する不明点や困ったこと、質問、相談、案件や依頼があれば、株式会社Jiteraにお問い合わせください。

株式会社Jiteraは、お客様のウェブサイトの安全性を守り、信頼性を向上させるお手伝いをさせていただきます。
お客様のウェブサイトを安全で信頼できるサイトにするために、ぜひお気軽にご相談ください。

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tetsuya
ライター

『IT活用で業務を効率化させる!』がテーマ。 とある企業でITエンジニアとして10年以上お仕事をしています。 ITを活用して業務を効率化させたい、生産性を向上させるため日々勉強中。

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