ロボット工学の三原則や機械工学との違い、独学のポイントや基礎まで徹底解説!

ロボット工学は、私たちの日常生活を大きく変えようとしている分野です。自動車製造から医療、家庭用ロボットまで、私たちの生活はすでにロボット工学の影響を受けています。

しかし、ロボット工学によって生活が便利になっているにもかかわらず情報はあまり公開されていません。「どんな分野なのかわからない」「ロボット工学を勉強したいけど、右も左もわからない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ロボット工学の基本原理から、その応用方法まで、ロボット工学を勉強するうえで知っておきたい内容を網羅的に紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

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執筆者 武宮 太雅

東京都在住のライターです。わかりづらい内容を簡略化し、読みやすい記事を提供できればと思っています。

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    ロボット工学とは

    そもそも、ロボット工学とはどのような意味を持つ単語なのでしょうか?まずは前提の理解を深めましょう。

    ロボット工学は、英語で「Robotics」とも呼ばれますが「人の役に立つロボットを生み出すこと」が主となる学問です。具体的には、以下のような幅広い分野で活用されており、これからの進歩によってますます各分野を盛り上げていくと、期待されています。

    • 建築
    • 医療
    • 介護
    • 工業
    • 農業
    • エンタメ
    • 軍事
    • 宇宙開発
    • 科学
    • AIとの連携

    このように、私たちの生活における多くの分野で、ロボット工学を活用していることがわかります。昨今は事物の自動化が進んでいますが、その発展の一端を担っているのが「ロボット工学」なのです。

    ロボット工学の三原則と機械工学との違い

    ロボット工学の三原則と機械工学との違い

    ロボット工学を学習する際に必ず出てくる単語として、以下のようなものがあります。

    • ロボット工学の三原則
    • 機械工学

    ロボット工学について深く知るためにはまず、三原則について理解を深めることが重要です。そして、ロボット工学と機械学習の違いについても理解しなければなりません。ここでは、上記2項目について詳しく解説します。

    ロボット工学の三原則とは

    ロボット工学の3原則とは、アイザック・アシモフが1950年12月2日に発表した「I, Robot(私はロボット)」に記載されている原則です。日本向けに発売された際、小尾芙佐が訳した翻訳をそのまま引用します。

    第一条
    ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
    第二条
    ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
    第三条
    ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

    「われはロボット」は小説であり、その物語を進めるために必要だった要素が「ロボットの3原則」でした。しかし、ロボットの開発が進むにつれ、この3原則の重要度はどんどん高まってきました。

    2024年現在からすれば、70年以上前に作られたものですが、今でもロボット工学の分野では重要視されている原則です。

    ロボット工学と機械工学の比較

    ロボット工学と機械工学は、機器や装置の設計に関連している点では共通していますが、両者には大きな違いがあります。

    まず、ロボット工学は機械の仕組みやそのシステムの学習を行う分野です。一方、機械工学は切削加工やエネルギー、素材の特性などについて学習する分野です。
    つまり、ロボットのバックエンド部分を設計するのがロボット工学であり、フロントエンドもしくはインターフェースの設計を行うのが機械工学の範囲なのです。

    ロボット工学 機械工学
    学習分野 機会の仕組みやシステム学習する 加工方法やエネルギー、素材などを学習する
    電気自動車の自動運転システムを開発する 電気自動車の外装設計を流体力学から考える
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      ロボット工学の学習方法

      ロボット工学を学習したい場合には、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか?ここでは、主な2つの学習方法について紹介します。

      大学で学ぶ

      大学でのロボット工学の学習は、専門的な知識を深く学べる方法です。また、必要な機材がそろっているため、実践的な経験を積む方法でもあります。

      例えば、一般的な大学のロボット工学のコースでは、以下のような内容を学習できます。

      • センサー技術
      • 制御理論
      • 人工知能原理
      • ロボットの設計方法
      • 制作実習

      また、他企業のプロジェクトにチームで参加し、実際の問題を解決するためのロボットを設計、製造し、その結果を発表する機会も得られる場合があります。4年間通うことになるため、費用は掛かりますが、理論と実践の両面からロボット工学を学ぶことができます。

      オンラインコースや教材を活用して独学で学ぶ

      オンラインプラットフォームを活用することで、自分のペースでロボット工学を独学することが可能です。

      例えば「Udemy」といったサービスでは初心者~上級者まで幅広いロボット工学のコースを提供しています。また、より高度な内容を学びたいなら、MITが提供している「MIT OpenCourseware」やハーバード大学、スタンフォード大学などの世界的に有名な大学からの講義を無料聴講できる「EdX」などもあります。

      学習者は動画、テキスト、実習などの教材を使用して、自分の都合の良い時間に学習できるため、忙しい人でも安心です。

      ロボット工学の基礎

      ロボット工学に興味がある方向けに、最低限知っておきたい基礎的な内容を5つ紹介します。

      • ロボットの種類
      • センサーとアクチュエータ
      • 制御システム
      • ロボットの動作計画
      • ロボットの知能化

      ぜひ参考にしてみてください。

      ロボットの種類

      ロボットは、その設計や機能によってさまざまな種類に分類されます。これらの分類は、ロボットが果たす役割や作業内容によって異なります。

      例えば、次のようなロボットが存在しています。

      • 産業用ロボット
      • 医療用ロボット
      • サービスロボット

      まず、産業ロボットは主に製造業で使用され、精密なタスクを効率的に遂行するために設計されています。自動車の製造や食品加工など幅広い産業で使用されます。

      次に、医療ロボットは、手術の支援や患者のケアなど、医療分野での作業を支援するために開発されています。

      サービスロボットは、Softbankのペッパーや飲食店での配膳ロボ、介護ロボなど、人々の生活を楽にするために開発されるロボットです。

      どのロボットに興味があるかによって、学習すべき分野が変わってくるので、まずは自分のやりたいことを把握するところから始めましょう。

      センサーとアクチュエータ

      構造部分の基礎的な内容ですが、ロボットには周囲の状態を感知するための「センサー」と動力のもととなる「アクチュエータ」があります。

      センサーは、ロボットが周囲の環境を感知するための装置で、温度、圧力、距離、光、音など、多様な物理的な要素を検出して電気信号に変換します。その信号を受けてロボットは指示を促します。

      その指示を受け取るのがアクチュエータです。センサーからの電気信号を受け取り、ロボットの物理的な動きを制御します。

      例えば、モータを回転させてロボットの腕を動かしたり、ホイールを回転させてロボットを移動させたりするのがアクチュエータの役割です。センサーは、ロボットが動作するために必要な情報を提供し、アクチュエータは、その動作を実行するための行動を制御すると覚えておきましょう。

      制御システム

      ロボットの動作を管理する重要な要素として制御システムがあります。例えば、フィードバック制御システムは、ロボットの現在の状態を測定し、目標の状態と比較します。

      差がある場合、システムは調整を行い、ロボットを目標の状態に戻します。制御システムは、ロボットを正確かつ効率的に制御するために使用されるということを、基礎段階では覚えておきましょう。

      ロボットの動作計画

      ロボットの動作計画とは、ロボットが特定の目標を達成するための最適な動きを計算し、指示するプロセスを意味します。

      現在の位置から特定の位置へと移動するロボットを考えてみましょう。途中に障害物がある場合、ロボットは障害物を避けつつ、目的地に最短かつ最も安全に到達するための経路を計算することになります。これがロボットの動作計画です。

      この動作計画は、複数のセンサー(距離センサーやカメラなど)からの入力を解析し、ロボットの速度や方向を調整する指令を出力することで実現します。そして、これらの処理はリアルタイムで行われるため、高度な技術が求められます。

      ロボットの知能化

      人工知能(AI)や機械学習の技術を活用して、ロボットが自律的に動作し、変化する環境に適応する能力を向上させる研究領域です。昨今はAI×ロボットの技術が注目されており、研究の進歩によってさまざまな成果を発揮すると考えられます。

      具体的には、画像認識や自然言語処理などのAI技術を利用して、ロボットが人間と同様の認識能力を持つと、人間と同じような動きを行えるロボットが作れるかもしれません。これが実現できれば、現状人間が対応している単純な作業を、自動化できる仕組みが作れます。

      現在、多くの研究機関や企業がロボットの知能化に取り組んでおり、今後もますますロボットの知能化が進んでいくと考えられています。

      自動運転車の開発や、人間と自然にコミュニケーションを取れる家庭用ロボットの製造など、この分野の進歩は、私たちの生活を大きく変える可能性があるでしょう。

      ロボット工学の応用

      【入門者必見】人流分析とは?おすすめツールや重要性、活用方法など、基礎をわかりやすく解説!

      ロボット工学は、現代社会でさまざまな形で日々の生活に影響を与えています。その応用範囲は、製造、医療、防衛まで幅広い分野に及びます。

      ここでは、実際にロボット工学が使用されている事例を詳しく見ていきましょう。

      自動車産業での利用

      自動車産業は、ロボット工学の最も一般的な使用例の1つです。ロボット工学を取り入れることにより、製造ラインでの作業効率化や品質管理の向上を実現できます。

      例えば、トヨタ自動車は、製造ラインでロボットを活用し作業効率化や品質管理の向上に寄与しています。具体的には、溶接や塗装の作業を自社製のロボットで自動化しているようです。

      これらの作業は高精度の作業が求められるとともに、スピード感も重要な加工内容となります。トヨタはロボットの導入により、品質を保ちつつ生産性を向上させることに成功しています。

      医療分野での活用

      医療分野でも、ロボット工学の応用例が多々見られます。例えば、手術ロボット「ダ・ヴィンチ」は医師の操作を高精度に再現し、微細な手術を実現しました。患者様の負担が少ない腹腔鏡手術と同様のアプローチで小さな切開部を作り、そこから、外科医の指示に従ってメスや内視鏡などを自動で動かしていきます。

      また、リハビリテーション用のロボットスーツである「HAL」は、患者の意志に連動して動き、歩行訓練や立ち座りの作業を支援します。ロボット工学は患者の治療と回復をおおいに助けているのです。

      ロボット工学のまとめ

      CAD(キャド)とは何か?

      今回は、ロボット工学について詳しく解説してきました。ロボット工学は、私たちの生活のさまざまな部分で活用されています。その範囲は、自動車産業から医療、家庭用ロボットなど多岐にわたります。

      ロボット工学に興味がある方は、ぜひ今回ご紹介したような学習方法を試してみてください。大学教育を今すぐに受けることは難しいかもしれませんが、無料で利用できるオンラインコースもあるため、熱量があれば、今すぐにでも始められます。ロボット工学に興味があるなら、学習を進めてみると新たなことを発見できて面白いかもしれません。

      また、ロボット工学に関して不明点、困ったこと、質問、相談、案件、依頼などがございましたら、経験豊富な株式会社Jiteraにお問い合わせください。

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