テンプレートエンジンは、動的なコンテンツ生成に使用される、ソフトウェアツールやフレームワークのことをさします。
この記事では、メリット・デメリットや活用事例などを解説しています。
この記事を読んで、自社のプロジェクトでどのように活用できるかの参考にしてください。
テンプレートエンジンとは
テンプレートエンジンは、動的なコンテンツ生成に使用されるソフトウェアツールやフレームワークのことをさします。
Web開発において特によく使用されてますが、ほかのコンテンツ生成の用途でも利用されることもあります。
テンプレートとは、ある種の文書やデータの骨組みやパターンを定義したものです。たとえば、Webページのテンプレートでは、「ヘッダー」「フッター」「ナビゲーションメニュー」を共通の要素として定義し、そのほかの部分をコンテンツとして挿入します。
テンプレートエンジンは、静的なテンプレートとデータを組み合わせて、最終的なコンテンツを生成する役割を担います。一般的には、このテンプレートエンジンを動的なWebページの生成や電子メールのテンプレートなどへの活用が可能です。
テンプレートエンジンには、各プログラミング言語やフレームワークに統合されているものもあり、開発者が効率的に動的なコンテンツを生成できるように設計されています。
テンプレートエンジンの動作原理
テンプレートエンジンは、開発者が、効率的に動的なコンテンツ生成ができるものであることがわかりました。
次に、このテンプレートエンジンの動作原理をみていきましょう。
ここでは、以下の二つの項目に分けて、テンプレートエンジンの動作原理をみていきます。
- テンプレート
- データモデル
それぞれみていきましょう。
テンプレート
テンプレートとは、ある種の文書やデータの組み合わせのパターンを定義したもので、テンプレートエンジンはこのテンプレートを使用して動的なコンテンツを作成します。
テンプレートエンジンにおける、テンプレートのおもな役割は、以下のとおりです。
- 構造の定義
- 可変部分の指定
- 再利用性の向上
- デザインとロジックの分離
テンプレートは、生成されるコンテンツの基本的な構造を定義します。HTML文書の場合にはページのレイアウトや構造であったり、電子メールの場合にはメッセージのフォーマットなどが該当します。
これらの構造をテンプレートとして定義することで、コンテンツの一貫性や一般的なデザインパターンの定義が可能です。
テンプレートは、可変部分や動的な要素を定義するための場所を指定できます。テンプレート内において、データが挿入される場所・条件分岐・ループなどの制御構造を記述することが可能です。
可変部分を明確に指定することで、同じテンプレートを使用して、異なるデータに基づいた複数のコンテンツ生成が可能となります。テンプレートは、同じ構造を持つ複数のコンテンツを効率的に生成するための再利用可能なパターンの作成が可能です。
共通のテンプレートを使用すれば、同じデザインやレイアウトを持つコンテンツを容易に生成できるでしょう。
デザインとロジックを分離すれば、テンプレート内ではおもにコンテンツとの構造と見た目が定義され、データの処理や制御ロジックは別の場所で管理することが可能です。デザインとロジックを分離することで、デザイナーと開発者がそれぞれの役割に集中して作業を行うことができます。
データモデル
テンプレートエンジンの動作原理におけるデータモデルとは、テンプレートエンジンが操作するデータの構造や形式をさします。テンプレートエンジンは、テンプレート内で定義された変数や制御構造を評価する際に、これらのデータモデルを使用します。
データモデルは通常、プログラムやアプリケーション内で使用されるデータの抽象的な表現で、単純な値や複雑なオブジェクト・データ構造・データベースからのデータなどのさまざまな形式を取ることが可能です。
データモデルの具体的な内容は、使用されるプログラミング言語やフレームワークに依存しますが、一般的な例としては以下の表のようなものがあります。
要素 | 説明 |
辞書(Dictionary)/マップ(Map) | キーと値のペアを持つデータ構造で、各キーにはテンプレート内で使用される変数が対応している |
オブジェクト(Object) | プロパティやメソッドを持つデータ構造で、プログラム内のクラスやインスタンス、またはJSON形式のオブジェクトなどが使用される |
配列(Array)/リスト(List) | 複数の要素を持つ順序付きのデータ構造で、繰り返し処理や複数の値の表示に使用されることが多い |
その他のデータ型 | 数値・文字列・真偽値など |
テンプレートエンジンは、これら与えられたデータモデルを解釈して、それをテンプレート内で使用される変数や制御構造にマッピングして最終的なコンテンツを生成します。
テンプレートエンジンのメリット
テンプレートエンジンの動作原理は、テンプレートでの静的部分の共通化および動的部分の要素の定義と、データモデルによる変数や制御構造のマッピングであることがわかりました。
では、テンプレートエンジンを活用することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
ここでは、以下4つのメリットを解説しながら、テンプレートエンジンを活用することで得られるメリットをみていきます。
- HTMLコードとプログラムコードを分離できる
- コード量の削減
- 動的なページ生成が可能
- 国際化・多言語化への対応
それぞれ解説します。
HTMLコードとプログラムコードを分離できる
HTMLコードとプログラムコードを分離できるのは、テンプレートエンジンを活用することで得られるメリットの一つです。
テンプレートエンジンを利用すれば、HTMLコードを含むビューレイヤーと、プログラムコードを含むロジックレイヤーへの分離ができます。この二つに分離することで、デザイナーとフロントエンド開発者の作業を分離することができ、それぞれの作業に影響することなく作業することが可能となります。
たとえば、デザイナーがどれだけHTMLやCSSを変更したとしても、フロントエンド開発者のロジック部分には影響を与えることはないでしょう。ただし、お互いの要素に影響を与えるような修正や追加を行う場合は、連携が必要となるため注意しなければなりません。
コード量の削減
テンプレートエンジンを活用すれば、コード量の削減が可能です。
同じようなHTML構造を持つ複数のページがある場合、テンプレートを使用すれば、共通の部分を再利用することができるためコード量の削減になります。ほかにも、ビューレイヤーのコード(HTMLや表示ロジック)とビジネスロジック(プログラムコード)を分離することで、ビューレイヤーのコードがシンプルとなるため、コード量の削減につなげられるでしょう。
テンプレートエンジンを使用することで、動的なコンテンツの生成が簡略化されます。変数や制御構造をテンプレート内に挿入することで、同じテンプレートを使用して異なるデータに基づいてコンテンツを生成することができ、コード量の削減が可能です。
テンプレートエンジンを使用すれば、コードの修正も容易になります。テンプレート内で修正を行えば、その修正が即座に全ての関連するページやコンテンツへ反映されるため、修正作業が簡略化されるでしょう。
テンプレートエンジンを使用することで、コード量を削減でき、開発プロセスを効率化することが可能です。
動的なページ生成が可能
動的なページ生成が可能なのは、テンプレートエンジンを活用するメリットの一つです。
テンプレートエンジンを使用すれば、動的なデータをページに埋め込むことができ、動的なコンテンツの生成や表示が可能となります。たとえば、Webアプリケーションでユーザーのデータや操作に応じてページの内容を変更する場合、テンプレートエンジンを使用すれば効率的な動的ページの生成が可能です。
さらに、ユーザーに対して、パーソナライズされたコンテンツを提供することができます。たとえば、ユーザーがログインしている場合や特定の条件を満たしている場合に、個々のユーザーに合わせたコンテンツの表示が可能です。
テンプレートエンジンを使用することで、動的なデータの処理が容易になります。たとえば、データベースから取得した情報をページに表示する場合、テンプレートエンジンを使用してデータをテンプレートに埋め込むことが可能です。
このような、動的なページ生成が容易になることは、柔軟性や拡張性の向上につながります。
国際化・多言語化への対応
テンプレートエンジンを活用すれば、国際化や多言語化への対応も可能です。
テンプレートエンジンを使用すれば、テキストをテンプレート内に直接埋め込むのではなく、外部のリソースやファイルに分離することができます。分離することができれば、異なる言語のテキストを簡単に切り替えることができ、国際化への対応が可能です。
ほかにも、テンプレート内のテキストが外部化されていれば、異なる言語のテキストを提供するリソースやファイルを用意することで、簡単に多言語化対応を実現することができるでしょう。
テンプレートエンジンを使用することで、日付や数値などの書式をローカライズに対応することが可能です。たとえば、日付の表示形式や通貨の表記を、各言語や地域にあわせて自動的に変換することができます。
テンプレートエンジンを利用して、国際化や多言語化への効果的な対応ができれば、コード量の削減にもつながるでしょう。
代表的なテンプレートエンジン
テンプレートエンジンを活用すれば、さまざまなメリットが得られることがわかりました。
では、実際にどのようなテンプレートエンジンがあるのでしょうか。
ここでは、以下5つの代表的なテンプレートエンジンを解説します。
- Smarty
- Twig
- Blade
- Jinja2
- Mustache
それぞれみていきましょう。
Smarty
出典:https://www.smarty.net/docsv2/ja/
Smartyは、PHP向けのテンプレートエンジンです。PHPをベースにしており、PHPのコードとテンプレートを分離することで、HTMLとロジックをより効果的に管理できるように設計されています。
ビジネスロジックとビューレイヤーを明確に区別することができるため、デザイナーやフロントエンド開発者がHTMLを変更する際に、バックエンドのロジックに影響を与えないような変更が可能です。
Smartyは、PHPプログラム内で使用され、テンプレート内にはSmartyのタグと構文が使用されます。このタグや構文を使用することで、変数を挿入したり、条件分岐やループ構造などの制御構造を挿入できたりすることが可能です。
Smartyを利用すれば、共通の部分を別のテンプレートファイルとして分離し、必要に応じてほかのテンプレートファイルから読み込むことができます。
Smartyは、幅広く利用されており、PHPベースのプロジェクトでのテンプレートエンジンとして多く採用されています。柔軟性が高く豊富な機能を持つSmartyを活用すれば、PHPアプリケーション開発での開発効率の向上が期待できるでしょう。
Twig
Twigは、PHP向けのモダンで柔軟なテンプレートエンジンです。Symfonyフレームワークの一部として開発され、PHPコードとテンプレートを分離して、HTMLコード内にビジネスロジックを含めることが可能となります。
Twigは、シンプルな構文で記述することができるため、HTMLに容易に埋め込むことが可能です。テンプレート内での変数の表示や制御構造の使用が非常に直感的で、学習コストが低いのが特徴的です。
Twigの特徴の一つに、エスケープ機能があります。これは、自動でHTMLエスケープ処理を行うものであり、セキュリティ上のリスクを最小限に抑えることが可能です。
ほかにも、ブロックやレイアウトなどの継承機能をサポートしており、共通のレイアウトを持つページを効果的に作成することができます。
キャッシュ機能も提供されているため、同じテンプレートを使用する際にはパフォーマンスを向上させることができるでしょう。
Twigは幅広く使用されており、PHPベースのWebアプリケーションの開発における、非常に人気のあるテンプレートエンジンの一つです。
Blade
出典:https://readouble.com/laravel/8.x/ja/blade.html
Bladeは、Laravelフレームワークのテンプレートエンジンです。変数・ループ・条件文・そのほかのPHPの機能をHTMLコードで直接使用することができます。
Bladeは、ほかの人気のあるものとは異なり、ビューの中にPHPを直接記述することが可能です。
Bladeは自動でHTMLエスケープ処理を行うことができ、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃などのセキュリティリスクを最小限に抑えることができます。
Bladeは、Laravelの開発コミュニティによって広く使用されており、Laravelプロジェクトで採用されています。シンプルで強力な機能が多いため、Laravelアプリケーションの開発を効率化し、保守性を高めることが可能です。
Jinja2
出典:https://pypi.org/project/Jinja2/
Jinja2は、Python向けの人気のあるテンプレートエンジンです。おもに、WebフレームワークであるFlaskやDjangoなどのPythonアプリケーションで使用されることが多いですが、単体でも使用ができます。
Jinja2は、直感的でシンプルな構文を持っています。Pythonのコードや制御構造をテンプレート内に埋め込むことができますが、その記述方法はHTMLやテキストとの相性がよく、容易に埋め込むことが可能です。
Jinja2には、ビルドインのフィルターやマクロのような機能があり、ほかにも、カスタムフィルターやマクロを定義してテンプレートの機能拡張を行うことができます。
HTMLの自動エスケープ処理も搭載しているため、XSS攻撃などのセキュリティリスクを最小限に抑えることが可能です。
Jinja2は、Pythonの開発者にとって便利なツールであり、Pythonアプリケーションの開発において幅広く使用されています。
Mustache
出典:https://mustache.github.io/
Mustacheは、さまざまなプログラミング言語向けに設計された、シンプルで直感的なテンプレートエンジンです。おもな目的は、テンプレートとデータの分離を促進し、異なるプラットフォームや言語でコードの共有を容易にすることです。
Mustacheは、非常にシンプルな構文を持っており、学習コストが低いのが特徴の一つです。中括弧と二重中括弧を使用して、変数や生業構造をテンプレート内に挿入するという、シンプルなものとなっています。
プラットフォームの移植性があるのも特徴の一つで、JavaScript・Ruby・Python・Java・PHPなど、さまざまなプログラミング言語で使用が可能です。このため、異なるプラットフォーム間でコードを共有することが容易となっています。
ただし、条件分岐やループなどの複雑な制御構造はサポートされていないため、注意が必要です。
Mustacheでは、自動でHTMLエスケープ処理が行われるため、XSS攻撃などのセキュリティリスクを最小限におさえることができます。
シンプルで柔軟なテンプレートエンジンとして幅広く利用が可能なMustacheは、その直感的な構文とプラットフォームの移植性で、さまざまなプログラミング言語やフレームワークで利用されています。
どのテンプレートエンジンを選ぶべきか – 選択のポイント
テンプレートエンジンにはさまざまなものがあり、それぞれ特徴的であることがわかりました。
プログラミング言語や開発規模などによってテンプレートを選ぶ必要がありますが、そのおもなポイントは以下のとおりです。
- プロジェクトの要件
- プログラミング言語やフレームワーク
- 学習コスト
- セキュリティ
- 拡張性
プロジェクトの要件によって、適したテンプレートエンジンは異なります。
たとえば、Webアプリケーションの場合はHTMLやCSSとの統合が容易で、動的なコンテンツを効率的に扱えるものが良いでしょう。
テンプレートエンジンは、使用しているプログラミング言語やフレームワークとの統合性が重要で、特定の言語やフレームワークに組み込まれてるものを選択することで、開発効率が向上します。
学習コストは、テンプレートエンジンを選ぶ際の重要なポイントです。チームのスキルセットや経験レベルに応じて、適切なものを選ぶようにしましょう。
シンプルな構文を持つテンプレートエンジンは、新しいメンバーが迅速に理解しやすい場合が多く、おすすめです。
テンプレートエンジンのセキュリティ機能やエスケープ処理の品質は非常に重要で、特に、XSS攻撃などのセキュリティリスクを最小限におさえられるものを選ぶとよいでしょう。
プロジェクトの成長や変更に対応するために、テンプレートエンジンが柔軟で拡張可能な設計になっていることが重要です。カスタムフィルターやマクロ、拡張機能の追加が容易なものを選択することで、プロジェクトのニーズに柔軟に対応が可能となります。
このようなポイントをおさえながら、プロジェクトに最適なものを選択することが重要です。
テンプレートエンジンを使用する際の注意点
テンプレートエンジンは、プロジェクトの要件や使用するプログラミング言語、フレームワークで選ぶとよいことがわかりました。
次に、テンプレートエンジンを使用する際の注意点をみていきましょう。
以下は、テンプレートエンジンを使用する際におもに注意すべき5点です。
- 学習コストがかかる
- パフォーマンスへの影響
- 柔軟性の低下
- デバッグの難しさ
- テンプレートファイルの管理
それぞれみていきましょう。
学習コストがかかる
学習コストがかかることは、テンプレートエンジンを使用する際に注意すべき点の一つです。
テンプレートエンジンは、プログラムと異なる独自の構文や機能を持っているため、新しいテンプレートエンジンを学ぶ際には、これらの構文や機能を理解する必要があります。ほかにも、特定のフレームワークやライブラリと統合されているテンプレートエンジンが多いため、それらのツールやライブラリとの連携方法を学ぶ必要もあります。
すぐにテンプレートエンジンを活用したい場合は、シンプルな構文で覚えやすい、学習コストが低いテンプレートエンジンを選ぶとよいでしょう。
そのほかの対策として、実際に手を動かして練習することは良い方法です。小さなプロジェクトやサンプルコードを通じて、テンプレートエンジンの機能や使い方を身につけられれば、学習コストを多くかけずにテンプレートエンジンを利用できるでしょう。
パフォーマンスへの影響
テンプレートエンジンを利用すると、パフォーマンスへの影響が出る可能性があります。
テンプレートエンジンは、テンプレートを処理してHTMLなどの出力を生成する際に、その処理時間やリソース使用量が多くなり、プロジェクト全体のパフォーマンスに影響を与える場合があります。
このような場合、テンプレートを最適化することで、処理時間やリソース使用量を削減することができます。不要な処理や冗長なコードを削除して、効率的なテンプレートを作成することで、パフォーマンスを向上させることができるでしょう。
柔軟性の低下
テンプレートエンジンを使用する際の注意点の一つとして、柔軟性の低下が挙げられます。
テンプレートエンジンを使用することで、一部の柔軟性が制限される可能性があるため、注意が必要です。たとえば、テンプレートエンジンは特定の構文や機能を持っているため、プロジェクトで使用される機能や制限を理解して、それに適合するものを作成する必要があります。
ほかにも、可能な限りビジネスロジックをバックエンドのコードに移動して、テンプレートは表示ロジックのみを担当するようにすることが推奨されます。
テンプレートエンジンを使用する際には、プロジェクトの要件や制約を考慮して、適切なものを選択することが重要です。
デバッグの難しさ
デバッグの難しさは、テンプレートエンジンを使用する際の注意点の一つです。テンプレートエンジンによっては、テンプレート内で発生したエラーやバグを特定して修正するのが難しい場合があります。
このような状況に対処するために、まずは、エラーメッセージの理解から始めるようにしましょう。テンプレートエンジンが提供するエラーメッセージを理解し、問題の原因を特定することが重要です。
ほかにも、デバッグツールを使用して、テンプレートエンジンが生成するHTMLや出力を分析するのもよいでしょう。
これらの対策をふまえながら、テンプレートエンジンを使用する際のデバッグの難しさを最小限におさえて、安定したコードの開発と保守を実現することが重要です。
テンプレートファイルの管理
テンプレートエンジンを使用する際の注意点として、テンプレートファイルの管理があげられます。
テンプレートファイルの管理は、プロジェクトの可読性や保守性に直接影響を与える重要な要素です。テンプレートファイルを適切に管理するためには、適切なディレクトリ構造を設計することが重要となります。
ほかにも、テンプレートファイルはモジュール化されて再利用可能であることが望ましいです。共通の部分を別のファイルに切り出し、インクルードや拡張機能を使用して、他のテンプレートファイルから再利用できるようにするとよいでしょう。
このように、テンプレートファイルの管理を行うことで、プロジェクトの可用性や保守性を向上させることができます。
テンプレートエンジン導入の成功事例
テンプレートエンジンは、テンプレートとロジック部分を分離して実装できるため便利ではありますが、いくつかの注意点があることがわかりました。
次に、このテンプレートエンジンを導入しているサービスをみていきましょう。
以下の3つのサービスは、テンプレートエンジンを導入してサービスを展開している一例です。
- WordPress
- Tumblr
- クックパッド
それぞれみていきましょう。
WordPress
WordPress(ワードプレス)は、ブログやサイトを作成できるコンテンツ管理システム(CMS)の一種です。オープンソースのソフトウェアで、誰でも無料で使用ができます。
WordPressは、Web関連の技術がなくてもサイト管理や記事投稿ができることから、世界中で多くの人が利用しています。
WordPressには、独自のテンプレートエンジンが組み込まれており、このテンプレートエンジンはPHPベースです。テーマと呼ばれるファイル群を使用して、サイトのデザインや構造を定義するのが特徴的です。
WordPrssは、PHPで開発されており、データベース管理システムはMySQLを利用しています。
Tumblr
Tumblr(タンブラー)は、ブログとSNSが融合したブログサービスです。テキスト・写真・音楽・動画など多彩なコンテンツを投稿し、他のユーザーと交流できます。
自分の気になっているジャンルをまとめて情報を集めたり、自分のブログを好きにデザインしたり、作品のポートフォリオサイトを簡単に作ることができる便利なツールです。
Tumblrには独自のテンプレートエンジンがあり、このテンプレートエンジンはTumblrのテーマとして知られています。HTMLとCSS、およびTumblr独自のタグや変数を使用してウェブサイトの外観と機能を定義するのが特徴的です。
クックパッド
クックパッドは、クックパッド株式会社が運営する、料理レシピのコミュニティウェブサイトです。
クックパッドは、料理の力によって、毎日の料理を楽しむプラットフォームを創ることを目的としており、レシピ検索や料理の投稿を無料で行えるアプリも提供しています。
料理名・食材・タグで検索できるため、豊富なレシピの中から簡単にレシピを見つけることができます。
クックパッドは、広告事業部でLiquidというテンプレートエンジンを使用しており、最近ではJekyllでも使用されています。
まとめ:テンプレートエンジンでビジネスを加速
テンプレートエンジンは、動的なコンテンツ生成に使用される、ソフトウェアツールやフレームワークのことを指します。
テンプレートエンジンを利用すれば、HTMLコードとプログラムコードを分離でき、コード量の削減にもつなげられます。
代表的なテンプレートエンジンには、Smary・Twigなどがあり、それぞれ特徴が異なるものです。
メリットが多いテンプレートエンジンですが、学習コストがかかるなどのデメリットもあるため、注意が必要です。
テンプレートエンジンは、WordPressなどのサービスで広く使われており、さまざまなプロジェクトで活用されています。
テンプレートエンジンを活用できれば、自社のプロジェクトの開発効率を向上させることができます。しかしながら、自社のプロジェクトでどのようにテンプレートエンジンを活用すればよいかわからないこともあるでしょう。
テンプレートエンジンをどのように活用すればよいかわからない場合は、株式会社Jiteraへご相談ください。
どのようなプロジェクトでテンプレートエンジンを活用したいかをヒアリングさせていただき、最適な提案をさせていただきます。