関数型プログラミングのメリットやデメリット、代表的な言語や特徴をわかりやすく解説!

関数型プログラミングが何なのか、簡潔に知りたい。関数型プログラミングの導入を検討しているけど、検索しても専門用語まみれでよく分からない。

この記事では関数型プログラミングの特徴と、メリット・デメリットを分かりやすく解説していきます。そして関数型プログラミングの代表的な言語を10種類取り上げ、それぞれの特徴を説明しています。

関数型プログラミングの知識が全くない方でも理解しやすいよう、できるだけ専門用語を省き、説明に必要な専門用語には解説を加えています。

この記事を通して、関数型プログラミングの概要と、主要な開発言語を理解できるようになります。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

執筆者 fulleach_writer

大学卒業後システム開発に関わり、銀行システムの開発やアンドロイド開発などを経験。ライター歴は3年ほど

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    関数型プログラミングは宣言型プログラミングの一種

    関数型プログラミングとは、関数の組み合わせによってプログラムを構成する手法を指します。

    関数型プログラミングの関数は、数学における関数と同じように、宣言的な性質を持っているのが特徴です。つまりグローバル変数などに影響を受けず、同じ引数を与えれば必ず同じ答えが返ってきます。

    そのため関数型プログラミングは、「宣言型プログラミング」の一種に分類されます。

    広く利用されるJavaやJavaScript、RubyやPHP、c#などは、問題を解く手順をプログラムとして記載する「命令型プログラミング」です。一方で宣言型プログラミングの関数型プログラミングでは、欲しい答えを1つ1つの関数に直接的に記載していきます。

    問題の性質を数学的な表現で記述できるため、研究目的の利用にも適しています。

    関数型プログラミングのメリット・デメリットは?

    宣言的な関数型プログラミングの使用は、コードの可読性が上がり生産性の向上に繋がるという大きなメリットをもたらします。一方で関数型プログラミングのには、状況に応じた処理を記載することが難しいなどの明確なデメリットも存在します。

    本セクションでは、関数型プログラミングを使用するメリットとデメリットを分かりやすく解説していきます。導入を検討する際の参考にしてください。

    関数型プログラミングのメリット

    関数型プログラミングを使用するメリットは、大きく分けて3つあります。

  • 可読性の高い関数で構成されているため、コード全体の可読性にも優れている
  • 関数型プログラミングにおける関数は引数以外の影響を受けないため、テストが非常に簡単
  • それぞれの関数が独立しているため、外部の影響を受けにくい
  • 3つのメリットを詳しく紹介していきます。

    コード全体がシンプルで保守性や再利用性に優れている

    関数型プログラミングではコード全体がシンプルにまとまりやすく、保守性や再利用性に優れているのが特徴です。

    関数型プログラミングで主軸となるのは関数であり、コードのほとんどは関数で構成されています。さらに全ての関数は宣言的に記述されているため、どのような処理が行われているのか誰の目にも明らかです。

    可読性が高く、独立した関数によって構成されるため、コード全体がシンプルになりやすい。関数型プログラミングを使用する大きなメリットは、可読性が非常に高い点です。

    可読性の高さは保守性の高さに繋がり、開発に関わっていない人でも改修や調整を容易に行えます。問題が発生した場合も、他のプログラミング手法と比べて原因の究明が容易です。

    また1つ1つの関数が独立しているため、特定の処理を行う機能をコードから簡単に抽出できます。そのため他のプログラミング手法では問題の原因となりやすいコードの再利用も、関数型プログラミングでは安全に行えます。

    入力と出力の関係がシンプルなのでテストしやすい

    テストが非常に容易なのも関数型プログラミングの特徴です。

    関数型プログラミングの関数は、数学における関数と同じで、いわゆる参照透過性を持っています。つまり同じ引数を与えれば、どのような状況でも必ず同じ答えが返ってきます。そのため、関数それぞれのテストケースを非常に少なく設定できます。さらに様々な状況を想定した、複数の環境やテストケースを用意する必要がありません。

    そして関数のテストが容易であることは、コード全体のテストのしやすさに繋がります。関数型プログラミングを使用したプロジェクトでは、テストケースの数を少なく抑えることができ、想定外の問題が起きた場合でも簡単に修正可能です。

    また関数1つ1つが独立しているため、コードの追加や修正を行った場合の影響調査も容易。コード全体のテストをし直すという最悪の事態は、関数型プログラミングではほとんど発生しません。

    関数が独立しているので他の処理の影響(副作用)を受けにくい

    関数型プログラミングの関数は完全に独立しており、関数の外部からの影響をほとんど受けません。これはJavaやJavaScript、RubyやPHP、c#などの命令型プログラミングとの大きな差別化点です。

    命令型プログラミングにおける関数は、グローバル変数やデータベースの値に大きく影響を受けます。つまり同じ引数を与えても、グローバル変数やデータベースの状況次第で違った答えを返します。そのため些細なコードの修正が、想定外の問題を生んでしまうことがあります。また可読性に問題を抱え、修正の影響調査に膨大な時間を要する場合も多いです。

    しかし関数型プログラミングの関数は独立しており、同じコード内であっても関数外部からの影響をほとんど受けません。同じ引数を与えれば、必ず同じ答えを返します。そのためコードの修正・追加を行った場合も、コード全体へ影響を与える可能性が極めて低いです。

    関数型プログラミングのデメリット

    可読性が高く、保守性や再利用性に優れた関数型プログラミング。プロジェクトの管理・運用の観点から見ると、非常に魅力的なプログラミング手法に聞こえます。しかし反面、使用のデメリットも存在します。

    • パフォーマンスチューニングが難しい
    • 状況に応じた柔軟な処理が難しい
    • コンパイルが重くなりがち
    • IOなど、本質的に副作用のある処理の記述が難しい

    以下では用語の解説も併せ、関数型プログラミングのデメリットを詳しく見ていきます。

    パフォーマンスチューニングが難しい

    パフォーマンスチューニングとは一般的に、システムの処理性能を高めるため、システム全体の最適化を行うことです。動作環境における最大限のパフォーマンスを発揮させ、システムが安定して稼働するために調整を行います。

    プログラミングでもパフォーマンスチューニングを意識する場合があり、記述方法の工夫によって、処理の高速化や負荷の軽減に繋がります。

    しかし関数型プログラミングでは、パフォーマンスチューニングを行うことが極めて困難です。どのプログラミング言語を使用するかにもよりますが、パフォーマンス低下の要因を探ることが難しいという特徴があります。

    ただし関数型プログラミングの主要言語、HaskellやCleanなどのパフォーマンスが悪いというわけではありません。JavaやJavaScript、c#などの主要な命令型プログラミング言語と同程度のパフォーマンスを発揮します。

    状況に応じて別のことをさせる、という処理は難しい

    関数型プログラミングを扱う注意点として、状況に応じた処理を柔軟に実行させるのが難しいことが挙げられます。

    JavaやJavaScript、c#などの命令型プログラミングや「オブジェクト指向型」と呼ばれるプログラミング言語は、状況に応じた異なる処理を実行するコードが書きやすい言語です。グローバル変数やデータベースの状況に応じ、同じコード・同じ変数でも違った結果を出力できます。

    しかし関数型プログラミングは、グローバル変数やデータベースの影響を受けない関数で構成されたプログラミング手法です。そのため1つのコードが持てる役割は1つに限定されやすく、様々な状況を想定したプログラムは書きにくい傾向にあります。

    コードの可読性に優れ、処理が分かりやすいというメリットの裏返しです。関数型プログラミングを使用する際は、実行させたい処理が関数型プログラミングに向いているかどうか検討してみてください。

    コンパイルが重くなりがち

    関数型プログラミングは、コンパイルの実行に時間がかかりやすいのも特徴です。

    コンパイルとは、人間が記述したプログラミング言語を、コンピューターが理解できる言語に変換する作業を指します。プログラミング言語で書かれたコードは「ソースコード」と呼ばれ、コンパイルによって変換されたコードを「バイナリコード(オブジェクトコード)」と呼びます。

    コンパイルを実行するソフトウェアは「コンパイラ」と呼ばれ、プログラミング言語に応じたコンパイラが選ばれます。関数型プログラミング言語に対応したコンパイラも、数多く存在しています。

    関数型プログラミングのコンパイルにかかる時間は、オブジェクト指向型と呼ばれるJavaやJavaScript、Rubyやc#などの言語と比べ、遅い傾向にあります。

    IOなど、本質的に副作用のある処理の記述が難しい

    IOとはインプット/アウトプットの略で、入出力に対する処理を指します。入力情報を読み取り、計算結果を出力する機能を総じてIO(I/O)と呼びます。有名な”hello world”の出力もIOに含まれています。

    このIOの処理は、プログラミングにおける「副作用」の要素を本質的に持っています。副作用とは、特定の変更が加えられ、プログラムの結果に変化が生じることです。関数型プログラミングは、副作用のあるコードを実行することを苦手としています。

    他のプログラミング言語を学んだ人が、関数型プログラミング言語で”hello world”の出力を行おうとしても、簡単には成功しません。

    ただしこれは、関数型プログラミング言語ではIOの処理ができない、という意味ではありません。IOに関する部分だけ命令型プログラミングのように記載するなど、書き方を変えれば関数型プログラミング言語でもIOの処理は可能です。

    関数型プログラミングの開発言語の分類

    ここまでは関数型プログラミングに共通する特徴を説明してきましたが、一口に関数型プログラミングと言っても開発言語は多種多様です。本セクションでは、関数型プログラミング言語を大枠で4つのカテゴリに分け、それぞれの性質を説明していきます。

    分類方法は以下の2つです。

    • 型付け方式で分類
    • 純粋性で分類

    それぞれの分類方法について詳しく見ていきましょう。

    型付け方式で分類(データ型をどう扱うか?)

    型付け方式で分類(データ型をどう扱うか?)

    型付け方式での分類は、他のプログラミング言語の分類と同様に、データ型をどう扱うかの違いです。データ型とは、そのデータが文字列なのか数値なのか、あるいは配列なのかを、コンピューターに分かるように定義するための設定を指します。

    データの型付けを、誰がどのタイミングで行うのかによって、静的型付けと動的型付けに分類されます。

    静的:コンパイル時にチェックを行う

    静的型付けが必要な言語では、コードを書く時点でデータ型を宣言します。つまりデータが格納される変数に対して、文字列や数値など、その変数のデータ型をコードとして記述する必要があります。

    データ型の正誤はコンパイルを行った段階でチェックされ、間違いがあった場合はコンパイルの時点でエラーが発生します。そのため、プログラムを実行する前からコードの問題点を発見できるというメリットがあります。また変数に対するメモリの割り当ても最適化できるため、動的言語と比べてパフォーマンスの向上が見込める利点もあります。

    静的言語のデメリットとしては、全ての変数にデータ型を記述しなくてはならないため、開発に時間がかかる点が挙げられます。またコードの記載が複雑になりやすいのも静的言語の特徴です。

    動的:プログラムの実行時にチェックを行う

    一方で動的型付けを行う言語では、データ型をコード上に記述する必要がありません。プログラムの実行段階で自動でデータ型が定義され、初めてデータ型の判別が行われます。

    静的言語と比べ、コードに記述しなくてはならない内容が少ないのが特徴です。そのためプログラミング初学者にとっても触りやすい言語であると言えます。

    一方で動的言語には明確なデメリットも存在しています。それはデータ型の正誤によるバグが、プログラムを実行するまで分からない点です。また静的言語と比べ、動的言語では必要なメモリ数の計算がしにくく、パフォーマンスが低下しやすい点も挙げられます。

    純粋性で分類

    純粋性で分類

    関数型プログラミングの開発言語は、型付け方式の他に、純粋性でも分類可能です。純粋性とは、プログラミングにおける副作用を許容するかどうか、言語としての特性を表します。

    副作用を禁止し、純粋な関数型プログラミングを行う言語を「純粋関数型言語」と呼びます。逆に副作用を許容し、変数への代入やIO処理も柔軟に行える言語は「非純粋関数型言語」と呼ばれています。

    純粋関数型言語:副作用(値を返すこと以外)を禁止

    関数型プログラミングにおける関数の特徴として、同じ引数を渡せば、必ず同じ答えが返ってくる性質があることを説明しました。この関数のことを「純粋関数」と呼びます。純粋関数型言語では、全ての処理がこの純粋関数によって行われます。

    同一の入力に対し、必ず同じ出力が返ってくる特徴から、副作用によって問題が生じるリスクを極限まで減らすことが可能です。関数型プログラミングの特徴を最大限に生かした開発言語であると言えます。

    一方で、関数型プログラミングにおけるデメリットの影響をもろに受けるのも、純粋関数型言語の特徴です。必然的に副作用が生じる処理や、柔軟な処理を行うコードを書くのが難しいという欠点が存在します。

    非純粋関数型言語:副作用(変数への代入、入出力など)もOK

    非純粋関数言語は、関数型プログラミングと命令型プログラミング、両方の性質を併せ持った言語です。関数型プログラミングにおける主要な開発言語は、ほとんどがこの非純粋関数言語に分類されます。

    命令型プログラミングの性質を持っているため、純粋関数言語と比べて、副作用によって問題が生じるリスクは高まります。しかし純粋関数言語が苦手とする処理も、命令型で記述すれば実行可能という大きなメリットも存在します。

    関数型プログラミングのメリットを活かしつつ、柔軟性に欠ける、副作用によって問題が生じる、というデメリットを最小限に抑えた言語設計になっています。

    関数型プログラミングの言語

    本セクションでは、10種類の関数型プログラミング言語を紹介していきます。
    紹介する言語は以下の通りです(アルファベット順)。

    それぞれの言語の特徴を詳しく見ていきましょう。

    Agda

    Agdaは静的な純粋関数型言語です。「依存型」の使える「定理証明支援系言語」として、定理証明の検証に広く使用されています。

    依存型とは、非常に強力で表現力の高いデータ型を指します。Agdaでは依存型を使用することで論理式をデータ型として扱い、演算を行うことが可能です。また関数型プログラミングと依存型の特徴を活かし、副作用による問題を生じさせずに定理の証明を行うことができます。

    Emacsというエディタ上にインターフェースが用意されており、対話的に証明を進めることが可能です。スウェーデンのチャルマース工科大学で開発が進められています。

    Clean

    静的な純粋関数型言語であるCleanは、同じく静的な純粋関数型言語であるHaskellと非常によく似た性質を持つ言語です。Haskellとの違いは、副作用に対する扱い方です。Haskellがモナドを使って副作用を扱うのに対し、Cleanは一意型の変数を使って対処します。

    一意型とは、1度しか使用されない変数の型を表します。変数が1度しか使用されないため、ファイルの更新を行っても副作用による問題が生じることはありません。

    オランダのラドバウド大学の研究グループによって開発が行われています。

    Clojure

    Clojureは動的な非純粋関数型言語です。同じ関数型プログラミング言語であるLispの方言と呼ばれています。アメリカのプログラマであるリッチ・ヒッキーによって開発されました。

    Lispとの違いは、Javaプラットフォーム上で動作すること、そして並行処理が可能であることが挙げられます。並行処理とは、1つのプログラムから複数のスレッドを同時に実行できることを指します。

    関数型プログラミング言語の中では比較的若い言語ですが、ライブラリが充実しているのも特徴的です。またClojureは汎用性に優れた言語であり、ビッグデータを扱うデータサイエンスやソフトウェアの開発、ウェブサービスの開発など、幅広い分野で使用されています。

    Coq

    静的な純粋関数型言語であるCoqは、Agdaと同じく定理証明支援系言語と呼ばれるプログラミング言語です。型付きラムダ計算という形式手法が用いられ、様々な定理の証明に使用されています。

    主張の操作や、主張の証明を検査する機能。また依存型を用いたプログラムを記載する機能も備わっていて、証明の自動化を行う機能の開発も進んでいます。

    また定理の証明だけでなく、書かれたプログラムが正常に動作するか、といった証明も可能です。フランス国立情報学自動制御研究所の研究チームが中心となり、開発を行っています。

    Erlang

    動的な非純粋関数型言語であるErlangは、並行処理指向のオープンソースソフトウェアです。元々はIT企業・エリクソンによって開発されていましたが、1998年にオープンソースとなりました。

    並行処理指向の言語であるErlangは、並列処理へのサポートが充実しているのが特徴的です。重くなりがちなマルチプロセスを軽量に行うことができ、プロセス間の通信を素早く安全に行えます。

    プロセス間の通信を必要とする場面でErlangは非常に有用な言語であり、Nintendo Switchの開発に使用されたことでも有名です。

    F#

    静的な非純粋関数型言語であるF#は、マイクロソフトが開発したマルチパラダイムプログラミング言語です。マルチパラダイムプログラミング言語とは、関数型プログラミングやオブジェクト指向プログラミングなど、様々な言語の形式を含んだプログラミング言語を指します。

    関数型プログラミング言語にも分類されますが、他の形式のプログラミング言語にも当てはまります。簡潔で自己完結型の関数型プログラミングの特徴を持たせながら、柔軟性があり実用的なコードを記述可能です。

    非常に汎用性が高いプログラミング言語であるため、データサイエンスや機械学習・AIの分野で幅広く使用されています。

    Haskell

    Haskellは静的な純粋関数型言語です。既存の関数型言語の統合を意識して製作され、1990年に1.0版がリリースされました。

    副作用を許容しない純粋関数型の言語であり、副作用に対してはモナドという概念を利用して対処します。モナドのDo構文を用いることで、関数型プログラミング言語でありながら、手続き型プログラミングのようなコードを記述できるのも特徴です。

    Haskellは純粋関数型言語の中でも人気の高いプログラミング言語で、科学や数学だけでなく、金融や医療などの保守性を必要とする分野で広く使用されています。また情報科学における、人気の研究対象でもあります。

    Idris

    静的な純粋関数型言語であるIdrisは、2007年に登場した若い関数型プログラミング言語です。プログラミング言語を研究するエドウィン・ブレイディによって開発されました。システム面はAgdaに、文法面ではHaskellに、証明面ではCoqに似ているのが特徴です。

    型を軸としてプログラムを記述する「型駆動開発」のために作られた言語で、まずはプログラムの型を記述し、その後型に合うプログラムを書き進めていきます。またAgdaのように依存型も使用できます。

    定理証明支援系言語としても使用されていますが、Haskellと同じく汎用性の高いプログラミング言語として設計されています。

    OCaml

    OCamlは静的な非純粋関数型言語です。関数型言語MLの方言として、フランス国立情報学自動制御研究所によって開発されました。MLからの大きな変更点としては、オブジェクト指向的な要素の追加が挙げられます。

    オブジェクト指向や型推論、代数的データ型や多相バリアントなど様々な機能を有しており、最新の言語理論の成果が吸収された言語です。ただしオブジェクト指向的な要素が追加されているため、副作用が生じる可能性も上がっています。

    またOCamlは関数型プログラミング言語の中では処理が早いことで有名で、処理が非常に高速なC言語とほぼ互角の処理速度を誇ります。主にソフトウェア開発やウェブアプリケーションの開発分野で使用されています。

    Scala

    静的な非純粋関数型言語であるScalaは、オブジェクト指向言語と関数型言語の性質を併せ持った、マルチパラダイムプログラミング言語です。2003年に登場した言語で、F#に影響を与えました。

    Javaプラットフォーム上で動作し、Javaのプログラムと連動させられます。JavaやJavaScriptの豊富なライブラリが利用できるのが、Scalaの大きな特徴です。また純粋関数型のようなコードの記述もできますが、手続き型言語のようなプログラミングも可能です。

    Scalaは、Javaの後継言語として世界中から注目を集めています。非常に汎用性が高いプログラミング言語であり、データサイエンスやシステム開発、ウェブアプリケーション開発やゲーム開発など、幅広い分野で使用されています。

    関数型プログラミングのまとめ

    純粋関数によって構成される関数型プログラミングは、可読性に優れ、保守性や再利用性が高いというメリットが存在します。関数型プログラミングを導入したことで、生産性の向上に繋がった例も数多くあります。また近年、関数型とオブジェクト指向型の特性を併せ持った言語も登場し、開発現場に関数型プログラミングが導入されるケースも増えていくことでしょう。

    しかし関数型プログラミングにはデメリットも存在しており、全ての開発現場に即座に導入できるものではありません。また一口に関数型プログラミングと言っても、開発言語の種類は多種多様であり、プロジェクトの要件に合った言語を導入する必要があります。

    関数型プログラミングに関する質問や案件のご相談などがある場合は、株式会社Jiteraにお気軽にお問い合わせください。ご相談内容に寄り添った的確なアドバイスとサポートを提供いたします。

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