監視ツールとは、サーバーやネットワーク、アプリケーション、PCなどをシステムによって監視し、状況を明らかにする機能を持つツールです。例えば、サーバーがダウンしてしまい、停止時間が伸びると業務に支障をきたしたり、顧客へサービスを提供できなかったりします。監視ツールを活用することで、そういった問題が発生することを防ぐとともに、原因の根本を導き出すことができます。
今回は、監視ツールの役割を紹介し、要件別で監視ツールの選び方やメリット・デメリット、おすすめの監視ツール6選を紹介します。ぜひ参考にしてください。
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
監視ツールとは?
監視ツールとは、PC上で動作しているITシステムを自動で監視し、その稼働状況を把握できるツールのことです。従業員のPCへ導入すれば、テレワークをしていてもリアルタイムの労働状況がわかります。そして、効率的に作業に取り組めているかも一目でわかります。
ここでは、そもそも「監視」とは何をすることなのかや、監視ツールを導入する重要性についても詳しく解説します。
監視とは
「監視」とは、定期的に稼働状況をチェックすることを意味します。システムの動作状況やパフォーマンスを定期的にチェックし、問題が発生した際に迅速に対応することが目的です。ビジネスを目的としとする場合には、主に、以下4つの観点から監視を行います。
- サーバー監視
- ネットワーク監視
- アプリケーション監視
- PC監視
監視ツール導入の重要性
上記で示したいずれかの項目で問題が発生すると、業務の生産性を大きく低下させてしまいます。普段から監視しておくことで、問題の早期発見と迅速な対応が可能となり、システムダウンなどの重大なトラブルを未然に防げます。
監視ツールの重要性は、自動車をイメージするとわかりやすいです。スムーズに走行するためには、エンジン、タイヤ、ブレーキなど、各部分が正常に機能する必要性があります。いずれかが故障すると、車は効率的に動かなくなり、最悪の場合、全く動かない状態になるでしょう。
これと同様に、ビジネスでもネットワーク、サーバー、アプリケーションが正常に機能して初めて、全体の生産性が保たれます。状況を常に監視し、速やかに対応できる状況を作らなければならないということです。
また、システムだけではなく、人的な部分についても同様です。普段から監視しておくことで、従業員がパフォーマンスを発揮できているかが見えてきます。
監視ツールはシステム面と人的な部分の両方で、適切なパフォーマンスが発揮されているかを確認するために必要なツールなのです。
サーバー監視ツールとは?導入するメリット・デメリット
サーバー監視ツールとは、監視ツールの中でも「システム」に特化してパフォーマンスを監視し、問題が発生した場合に警告を発するツールのことです。この項目では、サーバー監視とは何をするのかや、ツールを導入するメリット・デメリットについて詳しく解説します。
サーバー監視
サーバー監視は、サーバーのパフォーマンスやリソース使用状況、セキュリティ状況などを定期的にチェックする作業です。具体的には、以下のような項目をチェックして異常がないかを判断します。
- CPUやメモリの使用率
- ディスクの容量
- ネットワークトラフィック
これらを監視し、定められた閾値を超えた場合にはアラートを出します。また、ログ監視によって不正アクセスを判別したり、ウイルス感染の兆候を検出する機能を持つものもあります。導入することで、サーバーのトラブルを未然に防ぎ、システムを安全に稼働させられます。
サーバー監視ツールのメリット
サーバー監視ツールは、ITインフラストラクチャの健全性を維持し、最適なパフォーマンスを保つために必要な機能を提供しています。導入によって、次のようなメリットを得られます。
- 担当エンジニアの負担を軽減
- トラブルをすぐに察知し迅速に対処
- 外部からのサイバー攻撃やウイルスも監視できる
ここでは、各項目について詳しく解説します。
担当エンジニアの負担を軽減
エンジニアが直面する複雑な問題を効率的に改善できるメリットがあります。例えばサーバーにダウンやパフォーマンス低下などの問題が起こる場合があり、エンジニアは突然のサーバートラブルに対応しなければならないことがあるでしょう。
そういった問題が発生すれば、新たな機能の開発やシステムの改善など、他の重要なタスクを後回しにして作業を行う必要があり、生産性が低下してしまいます。
しかし、ツールを活用すれば、システムのパフォーマンスを24時間365日監視し、CPUの使用率が一定の閾値を超えたり、メモリが不足したりした場合にすぐにエンジニアに通知が送られます。常にサーバーを見張る必要はなく、トラブルが発生したときのみサーバーをチェックすればよいため、結果的に、エンジニアの作業効率が上がり、負担が大幅に軽減されます。
トラブルをすぐに察知し迅速に対処
システムの問題を早期に察知し、迅速に対処できることもツールを導入するメリットです。サーバー管理ツールは、重大なトラブルに発展する問題の初期段階で知らせてくれるため、エンジニアは問題が深刻化する前に修正に取り組むことができます。
また、メンテナンスが必要であるかも定期的に知らせてくれます。つまり、システムダウンが発生してから復旧までのリスクを最小限に抑えられるのです。
外部からのサイバー攻撃やウイルスも監視できる
現代のビジネス環境ではITツールを多用することが多いため、ウイルスやマルウェアの感染、サイバー攻撃など、常にセキュリティリスクと背中合わせです。顧客情報が流出したり、社外秘の情報が漏れたりと被害が拡大する恐れもあるため、脅威から身を守ることを意識しなければなりません。
サーバー監視ツールは、異常な通信や疑わしいアクセスなど、サイバー攻撃やウイルスの可能性がある事象を素早く検知します。障害の原因をいち早く察知し、担当者が解決方法を素早く発見することに役立ちます。
サーバー監視ツールのデメリット
上記で紹介したように、システムのパフォーマンスを監視し、問題が発生した際に迅速に対処することができるなどのメリットがあります。しかし、その一方で、いくつかのデメリットも存在します。
- サーバーに負荷がかかる
- コストの負担
ここでは、上記2つのデメリットをみていきましょう。
サーバーに負荷がかかる
サーバー監視ツールは、サーバーの状態をリアルタイムで把握します。しかし、定期的にアクセスすることで、サーバーに対して余計な負荷をかける可能性があることは理解しておくべきです。
たとえば、大規模なデータベースを持つシステムの場合、サーバー監視ツールが頻繁にデータを取得することで、システム全体のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。監視ツールからの負荷がサーバーのパフォーマンスを低下させ、結果としてシステム全体の効率が低下することも考えられるでしょう。
さらに、高頻度でのデータ取得がサーバーのリソースを消費し、他の重要なタスクの実行を妨げることもあります。特にリアルタイムのデータ処理が必要なシステムにおいては、深刻な問題を引き起こす可能性があり、監視頻度を適切に調整することが求められます。
コストの負担
サーバー監視ツールの導入や運用は、セキュリティリスクから身を守る点や、事業を継続させる点で重要な投資となります。しかし、いざ運用に踏み切ると、かなりのコストを必要とすることがわかります。
特に、高機能な監視ツールを導入する場合、高額なライセンス費用やカスタマイズ費用が発生します。さらに、これらのツールを適切に運用するためには、専門的な知識が必要となり、専門スキルを持つ人材を雇う必要も出てきます。もしくは、社内のスタッフを教育する研修費もかかるでしょう。
これらの投資を考慮に入れた上で、どのサーバーを監視する必要があるのか、見極めることが大切です。
ネットワーク監視ツールとは?導入するメリット・デメリット
ネットワーク監視ツールとは、監視ツールの中でも「ネットワーク」に特化してパフォーマンスを監視し、問題が発生した場合に通知する機能を持つツールです。この項目では、ネットワーク監視とは何をするのかや、導入のメリット・デメリットを詳しく解説します。
ネットワーク監視
ネットワーク監視とは、ネットワークの性能低下による反応の悪化や、ダウンなどの状況を継続的に追跡し、潜在的な問題を特定、予防、解決することを指します。
ネットワーク監視の目的は、ネットワークが適切に機能し、高いパフォーマンスを発揮しているかを確認することです。基本的には24時間365日体制で以下のような情報を監視します。
- ネットワークトラフィック監視
- サーバーの停止時間監視
- API監視
- ログ監視
- 状態監視
- 遅延監視
これらの情報を監視するのがネットワーク監視です。ITでものごとを管理している現代において、ネットワークに障害が発生すれば、業務は停止せざるをえないでしょう。監視しておくことで、問題が深刻化する前に適切な対策を施せます。
ネットワーク監視ツール導入のメリット
煩雑なネットワーク管理の業務を簡潔にまとめられる場合があります。
- ネットワークを安定して稼働できる
- 障害発生時にネットワークの復旧時間を短縮できる
ここでは、ネットワーク監視ツールを導入するメリットについて詳しく解説します。
ネットワークを安定して稼働できる
ネットワークを安定的に稼働させられることもネットワーク監視ツールのメリットです。ツールには、ネットワークの状態をリアルタイムで監視し、潜在的な問題を早期に検出する機能があります。
そのため、予期しない停止時間の発生やパフォーマンスの低下といった問題を未然に防ぐことが可能です。例えば、ネットワークに接続する危機が多く、サーバーがダウンするリスクがある場合に、アクセスを分散させることで問題を改善できます。
障害発生時にネットワークの復旧時間を短縮できる
ネットワークに障害が発生した際にもネットワーク監視ツールがあれば、復旧時間を大幅に短縮できます。障害の原因を正確に特定し、修復作業を迅速に進められるからです。
ネットワーク監視ツールは、普段からデータを蓄積させており、障害が発生した時にはどの部分に問題があるのかを、普段との差分で判断します。結果として、ネットワークの停止時間が長いことによって起こる、生産性の低下や顧客満足度の低下を軽減できます。
ネットワーク監視ツール導入のデメリット
ネットワーク監視ツールの導入には、デメリットも存在します。これらの弱点は、適切に理解し準備することで克服できます。
- ネットワーク管理者の知識が問われる
- 監視するための工数・コストが増加
それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。
ネットワーク管理者の知識が問われる
ネットワーク監視ツールを最大限に活用し、その機能を効果的に使用するためには、専門的な知識を持ったネットワーク管理者が不可欠です。
この知識は、専門的なトレーニングや経験から得られるものであり、一般の方には少し難易度が高いです。しかし、導入後のツールの適切な運用によってこそ、ツール機能を網羅的に活用できます。そして、監視設定を変更するなど、状況に応じた監視設定も求められる能力です。
監視ツールを使用する場合には多くの知識が必要となるため、専門の管理者を別で雇うか、場合によっては教育の機会を従業員に与えることが必要になるケースもあるでしょう。
監視するための工数・コストが増加
ネットワーク監視ツールの導入と運用には工数とコストがかかります。具体的には、以下のような工数・コストがかかります。
- ツールの初期費用
- 運用コスト(専門人材の人件費も含め)
- 定期的なシステムメンテナンスコスト
- ツールのアップグレードコスト
また、そのほかにも問題が発生した場合には、解決するために迅速に対応することが求められます。監視業務には多くの工数とコストがかかることを理解し、本当に必要なのか、ツールの規模感は合っているのかを判断してから導入しましょう。
アプリケーション監視ツールとは?導入するメリット・デメリット
アプリケーション監視ツールとは、監視ツールの中でも「アプリケーション」に特化してパフォーマンスを監視し、問題が発生した場合に通知する機能を持つツールです。この項目では、アプリケーション監視とは何をするのかや、導入のメリット・デメリットを詳しく解説します。
アプリケーション監視
アプリケーション監視とは、アプリケーションの動作を観察し、機能しているかを判断するツールです。例えば、Webサイトの応答時間を定期的に監視し、遅延が発生した場合にすばやく察知するのがアアプリケーション監視の代表的な機能です。具体的には、次のような部分を監視し、アプリケーションが動作することを補助します。
- 障害状況の監視
- パフォーマンスの監視
- イベントの監視
- 稼働状況の監視
これらを監視することにより、Webサイトのパフォーマンス問題を未然に防ぎ、利便性を向上させます。アプリケーション監視ツールの中には、トラフィックデータやエラーログをリアルタイムで視覚化し、わかりやすく表示する機能を持つものもあります。
アプリケーション監視ツール導入のメリット
アプリケーション監視ツールは、システム全体のパフォーマンスを最適化し、潜在的な問題を迅速に特定します。例えば、Webサイトのレスポンス時間の最適化や、システム内に潜む問題(メモリーリークなど)を素早く見つけ出し指摘します。
また、その原因はCPU使用率か、メモリ使用量なのかなど、具体的で細かい情報を提供します。アプリケーションがうまく動作していない理由を追求し、改善することに役立つでしょう。
アプリケーション監視ツール導入のデメリット
アプリケーション監視ツールの導入もまた、ほかの監視ツールと同様のデメリットがあります。
- 適切な運用にはコストがかかる
- 専門的な知識が必要
- 監視ツールが影響してパフォーマンスを低下させることがある
そのため、アプリケーション監視ツールを導入する場合においても、どのツールを導入するべきなのか、予算も含めて考えることが大切です。
PC監視ツールとは?導入するメリット・デメリット
テレワークでは従業員が適切な勤務態度で働いているかや、実際の勤務時間を把握することはできません。しかし。PC監視ツールがあれば、従業員のPCを監視し、稼働状況を記録・確認できます。また、セキュリティリスクに発展する可能性のある状況を事前に把握し、食い止めることも可能です。
この項目では、PC監視とは何をするのかや、導入のメリット・デメリットを詳しく解説します。
PC監視
PC監視とは、コンピューターの利用状況を監視し記録することを指します。一般的には、従業員のパフォーマンスを管理するために使われます。具体的には、以下のような部分を監視します。
- PCの操作記録の監視
- コンプライアンス違反の監視
- セキュリティの監視
- 位置情報の監視
これらを監視し、PCが適切に扱われているかを判断します。たとえば、従業員が仕事中にインターネットでYouTubeを見ていたら、監視ツールにはその情報が共有され、上司に通知が送られます。
PC監視ツール導入のメリット
PC管理ツールを導入することで以下のようなメリットが得られます。
- 稼働状況の確認ができる
- 業務スピードや業務量から従業員のモチベーションの把握ができる
- 監視されている意識や緊張感が生まれる
- 客観性のあるデータで稼働状況が把握(隠れ残業の防止)
- 人事評価において成果だけでなくプロセスを評価
各項目について詳しく解説します。
稼働状況の確認ができる
従業員のPCの稼働状況をリアルタイムで確認することが可能です。リアルタイムでの状況確認が可能になり、従業員の作業状況やPCの性能状況など、様々な情報を得ることができます。
管理者は、これらの情報を元にして正確な作業状況を把握できるでしょう。また、問題が発生した場合には、その問題が何であるかを具体的に究明できるため、問題解決の糸口を見つけやすくなります。
業務スピードや業務量から従業員のモチベーションの把握ができる
個々の従業員がどの程度のスピードで業務を遂行しているのか、またその業務量がどれだけなのか、といった具体的な情報を詳細に把握することが可能となります。個別の業務プロセスの進行具合や、従業員1人1人のモチベーションを理解することにもつながります。
監視されている意識や緊張感が生まれる
PC監視ツールの存在があると、「監視されている」という緊張感が生まれます。これにより、従来よりも真剣に業務に取り組んでくれる場合があります。また、従業員のパフォーマンスが向上し、会社全体の効率が上がるかもしれません。
客観性のあるデータで稼働状況が把握(隠れ残業の防止)
リアルタイムでのPCの稼働状況を客観的なデータに基づいて把握できることもPC監視ツールのメリットです。組織全体の生産性を見える化でき、どのように改善していくべきかを判断するきっかけにもなります。また、隠れ残業を早期に発見し、問題を防止するための具体的な措置を講じることが可能となります。
人事評価において成果だけでなくプロセスを評価
PC監視ツールを利用することで、従業員の成果だけでなく、作業プロセスも評価することが可能です。個々の従業員がどのようにタスクを遂行し、時間を管理し、問題を解決しているかを把握できるため、成果主義で判断せざるを得ない状況が改善されていきます。
より公正で適正な人事評価を行うことが可能となり、適切な評価を受けられるという点で、離職率低下にも寄与すると考えられます。
PC監視ツール導入のデメリット
上記で示したように、多くのメリットがあるPC監視ツールですが、一方でデメリットがあることも理解しなければなりません。
- 社員のストレスになる可能性がある
- 過度の監視は生産性の低下
- プライバシーの侵害
各項目を詳しく解説します。
社員のストレスになる可能性がある
社員がツールに監視されているという感覚を引き起こし、結果としてストレスを感じてしまう場合があります。自身の行動が常に監視されていると感じると、大きなプレッシャーを与えてしまいかねません。
結果として、仕事の効率に悪影響を与える可能性があります。最悪の場合、社員の職場への満足度を低下させ、長期的には離職率の増加につながる危険性もあります。PC監視ツールの導入は慎重に行わなければなりません。
過度の監視は生産性の低下
過度な監視が行われると、社員の生産性が低下するケースがあります。特に、新しいアイデアが求められる仕事においては社員の能力を制限し、パフォーマンスを阻害してしまいます。どの程度まで監視すべきかを適切に管理し、社員が自由に発想できる環境を維持することが大切です。
プライバシーの侵害
また、社員のプライバシー侵害についても考える必要があります。結論から言えば、ツールによるプライバシーの監視は業務範囲内であれば問題ありません。
しかし、業務時間外の場合や、PCが会社支給のものではない場合に監視ツールを使うと、法的な問題につながる場合があります。PC監視ツールを導入する際は、法的な問題や社員のプライバシー権の保護に十分注意しましょう。
主な監視ツールを紹介
監視ツールは様々なメーカーから販売されており、どのツールを選べばよいか悩む方もいるかもしれません。ここでは、主な監視ツールを6つ紹介します。
Zabbix
項目 | 内容 |
特徴 | ・インストール不要、Webブラウザから使える ・状況がわかりやすいグラフィカルなレポート |
金額 | ・無料 |
Zabbixは、オープンソースで利用できる総合型の監視ツールです。さまざまなデータ障害に対して監視でき、すべての機能をWebブラウザ上で利用できます。そのため、ツールをインストールする必要はありません。
また、わかりやすいグラフィックでマップ、レポート、グラフを表示するため、システム全体の可視化を実現できます。
Cacti
項目 | 内容 |
特徴 | ・情報をグラフで表示 ・日本語のインターフェースに対応している ・SNMP監視がしやすい |
金額 | ・無料 |
Cactiは、オープンソースで利用できる監視ツールです。サーバーやネットワークからの情報をグラフに反映して表示します。ログの収集を行うので、リソースの状況を分析するのに役立ちます。シンプルな操作性で日本語にも対応しています。
Nagios
項目 | 内容 |
特徴 | ・プラグインとして提供されている ・ほぼすべての環境に実装できる ・オープンソースのコミュニティがある |
金額 | ・無料 |
Nagiosは、オープンソースで利用できる総合型の監視ツールです。基本機能は「死活チェック」と「アクティブ・チェック」のみですが、いくつかのプラグインを利用することで、ほかのサーバー機能もチェックできます。プラグインは無料のコミュニティサイトで導入可能です。
munin
項目 | 内容 |
特徴 | ・インストールが簡単(10分以内に取り付けできる) ・プラグインの拡張機能が充実 ・日本語で多くの情報がある |
金額 | ・無料 |
muninは、サーバー監視・インフラ監視・ネットワーク監視の機能を持つオープンソースの監視ツールです。大量のサーバーを監視するのには向きませんが、特定の台数に絞った場合、高い利便性を誇ります。例えば、サーバーの稼働状況をグラフに表示する機能があり、素早くトラブルに気づきやすいでしょう。
Hinemos
項目 | 内容 |
特徴 | ・システム監視から運用までをワンストップで対応 ・シンプルなインターフェースで使いやすい ・複数のシステムを一元管理できる |
金額 | ・要見積もり |
Hinemosは、システム監視やジョブ管理、運用の自動化まで手が届く総合運用管理ソフトです。サーバー、システム、アプリケーションなどの情報の収集・蓄積、監視、運用ができます。そして、シンプルなインターフェースでエンジニアが使いやすいことも特徴です。
Pandora FMS
項目 | 内容 |
特徴 | ・インシデント管理機能を標準搭載 ・モバイルデバイスに対応するコンソールも使える ・UIがわかりやすく完全日本語対応 |
金額 | 初期費用
・800,000円 / 年(100エージェントまで) 月額費用 いずれも40,000円/月 |
Pandora FMSは、監視、通知、インシデント管理までをオールインワンで対応できるツールです。すべての機能をWebコンソールから活用でき、障害発生時にアラートのコマンドを柔軟に設定できる機能があります。
また、リアルタイムのレポート化、グラフィック化にも対応しており、わかりやすい画面で監視状況を表示します。
監視ツール選定のポイント
適切なツールを選ぶことで、監視の精度と作業効率が大幅に向上します。最後に、監視ツールを選定する際のポイントを4つ紹介します。
- 監視状況が見やすく工夫されているか
- 導入時、導入後も継続的な安心できるサポートがあるか
- プラットフォームを問わず柔軟に監視可能か
- 分散監視の容易さやマルチテナント対応か
監視状況が見やすく工夫されているか
監視状況が一目でわかるような視覚的なデザインは極めて重要です。使用者が素早く情報を把握し、適切なアクションを取れるインターフェースのものを選ぶと、使い回しが良くなります。
また、具体的な数値をグラフを用いて、直感的に理解できるツールを選択すると作業の生産性を向上させられます。
導入時、導入後も継続的な安心できるサポートがあるか
導入時にはもちろん、それ以降のサポート体制も重要なポイントです。疑問を持ったり、何らかの問題が発生してしまった際に素早く的確に対応してくれるサポート体制を持つツールを選択することで、安心してシステムを使用できます。
事前にサポート体制についてもしっかりと確認し、長期的に信頼できるパートナーかどうかを見極めましょう。費用を支払えば追加料金なしでサポートしてくれるツールを選択すると安心です。
プラットフォームを問わず柔軟に監視可能か
監視ツールの中には、一部のシステムを受け付けていないものもあります。今使えるからといって、限定的なツールを選択してしまうと、サーバーを交換したタイミングや使用するアプリケーションを切り替えたタイミングでツールも他のものに変えなければなりません。
ツールによっても使い勝手は異なりますので、長い目で使うことを考え、柔軟に監視できるものを選びましょう。
分散監視の容易さやマルチテナント対応か
分散環境での監視やマルチテナントに対応したツールであれば、大規模なシステムの監視も可能です。
また、マルチテナント機能があれば、複数のユーザーが同じリソースを共有しながら、システムを監視できます。大規模な監視ともなれば、1人の人材で対応することは厳しいため、規模に合わせて選択することが重要です。
そして、分散管理によって中央集権によるトラフィック負荷のリスクを低減することにもつながります。
監視ツールのまとめ
今回は、監視ツールの役割と、要件別で監視ツールの選び方やメリット・デメリット、おすすめの監視ツール6選を紹介しました。監視ツールはさまざまなメーカーから提供されていますが、ツールごとに特徴は異なります。
わかりやすいUIが魅力で未経験の方でも扱えるものもあれば、機能が豊富で大規模な監視に対応しているものもあります。会社の規模感や予算と相談しつつ、要件を定義し、適切な管理ツールを選択しましょう。
また、監視ツールに関する質問や案件のご相談などがある場合は、経験豊富な株式会社Jiteraへお問い合わせください。抱えておられる悩みを解消に導き、適切なアドバイスを提供させていただきます。