Apollo Clientとは?キャッシュの仕組みや状態管理など、基礎を詳しく解説!

近年、GraphQLの採用が急速に広がっており、その中心にあるのがApollo Clientです。Apollo Clientは、GraphQLを使ったデータ管理を効率化する強力なライブラリです。このライブラリは、APIからのデータ取得、キャッシュ管理、UIの更新といった一連のプロセスをシームレスに統合し、React、Vue、Angularなどの主要なフロントエンドフレームワークで使用できます。Apollo Clientの最大の特徴は、GraphQLクエリを通じてサーバーからのデータを取得し、アプリケーションの状態を簡単かつ効率的に管理できる点にあります。

本記事では、そのApollo Clientの基礎や状態管理の仕組みなどについて解説します。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

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執筆者 Ando

東京在住、大手IT企業出身、Web業界10年以上のアラサーです。新規事業開発やシステム開発にプロジェクトベースで関与したりこれまでの経験をもとに執筆活動を行っています。

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    Apollo Clientの概要

    Apollo Clientは、GraphQLを使用してローカルデータとリモートデータの両方を管理するJavaScript用の包括的な状態管理ライブラリです。ローカルおよびリモートのデータを効率的に取得、キャッシュ、更新するための機能を提供します。

    Apollo Clientの定義

    Apollo Clientは、GraphQL APIのクライアントライブラリであり、APIのクエリを実行してデータの取得や操作を行うためのツールセットです。GraphQLエンジンにクエリを送信し、データの取得や変更を簡単に行うことができます。

    Apollo Clientの特徴

    Apollo Clientは、いくつかの特徴を持っています。

    • キャッシュ機構を持つため、同じリクエストに対してはサーバーに通信する必要がなく、キャッシュされたデータを即座に取得することができます。これにより、ネットワークの負荷を軽減し、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。
    • 再利用可能なコンポーネントやフックとして提供されるため、効率的なコードの構造化が可能です。このため、開発者は簡潔なコードで複雑なデータ操作を行うことができます。
    • Reactとの統合が内蔵されており、Reactとの連携が容易に行えます。Reactアプリケーションとの親和性が高く、Reactのコンポーネントやフックとのシームレスな統合が可能です。
    • キャッシュ機能には、データの正規化や相互参照の変換など、高度な機能が含まれています。これにより、データの整合性や一貫性を維持しながらデータの操作を行うことができます。

    キャッシュの仕組み

    キャッシュの仕組み

    Apollo Clientのキャッシュとは、クライアント側で維持されるデータのストレージです。このキャッシュは、GraphQLサーバーから取得されたデータを保存し、アプリケーション内の異なるコンポーネントから再利用できるようにします。

    キャッシュの利点はいくつかあります。まず、キャッシュを使用することで、同じデータを複数回フェッチする必要がなくなります。これにより、ネットワークトラフィック量が減り、アプリケーションのパフォーマンスが向上します。また、キャッシュはオフライン状態の場合にもデータを提供することができます。

    キャッシュの活用方法は様々です。例えば、同じデータを複数のコンポーネントで使用する場合、キャッシュを介してデータを共有することができます。また、クライアント側で行われるデータの変更は、キャッシュにも反映され、他のコンポーネントで即座に更新されます。

    Apollo Clientのキャッシュ機能は、データを正規化することで相互参照の変換を行います。これにより、データの冗長性を排除し、より効率的なデータの保管と操作が可能となります。

    キャッシュを利用するかどうかや、キャッシュを活用する方法は、アプリケーションの要件に応じて適切に選択する必要があります。

    以上がApollo Clientのキャッシュの仕組みについての説明です。

    状態管理とは

    Apollo Clientにおける状態管理とは、アプリケーションの状態を効果的に管理するための仕組みです。状態管理は、アプリケーションの各コンポーネントが共有するデータや状態の一貫性を保つために不可欠な要素です。

    Apollo Clientにおける状態管理

    Apollo Clientでは、状態管理はGraphQLに基づいて行われます。GraphQLのクエリとミューテーションを使用して、リモートデータとローカルデータの両方を更新・操作できます。これにより、クライアント側での状態管理が容易になります。

    Apollo Clientは、キャッシュ機構を備えており、クライアント側にデータをキャッシュすることができます。これにより、同じリクエストに対してサーバーに通信する必要がなくなるため、パフォーマンスが向上します。また、更新が行われた際には自動的にキャッシュが更新されるため、データの一貫性も保たれます。

    状態管理のメリットと具体的な使用例

    Apollo Clientを使用することで、状態管理のメリットを享受することができます。まず、アプリケーション全体で共有されるデータを効率的に管理できるため、データの一貫性を保ちながら複数のコンポーネントで共有することができます。また、GraphQLのクエリとミューテーションを使用することで、データの取得や更新が容易になります。

    具体的な使用例としては、ソーシャルメディアアプリケーションにおいて、フィードの表示や投稿の作成・削除などが挙げられます。各コンポーネントで共有されるフィードのデータをApollo Clientのキャッシュに保存し、フィードの取得や更新にGraphQLを使用することで、リアルタイムでフィードの表示や投稿の更新ができます。

    Apollo Clientの使い方

    Apollo Clientの使い方について説明します。

    Apollo Clientのインストールとセットアップ

    Apollo Clientを使用するためにはまずライブラリをインストールする必要があります。npmやyarnを使用して以下のコマンドを実行してください。

    npm install @apollo/client
    yarn add @apollo/client

    Apollo Clientがインストールされたら、デフォルトで提供されるHooksやコンポーネントを使用する準備が整いました。

    次に、Apollo Clientをセットアップする必要があります。セットアップにはApolloClientクラスを使用します。以下の例を参考に、Apollo Clientをセットアップしてください。

    import { ApolloClient, InMemoryCache } from ‘@apollo/client’;

    const client = new ApolloClient({
    uri: ‘https://api.example.com/graphql’,
    cache: new InMemoryCache(),
    });

    ApolloClientのインスタンスを作成する際に、uriプロパティにはGraphQL APIエンドポイントのURLを指定し、cacheプロパティにはInMemoryCacheオブジェクトを渡します。InMemoryCacheはApollo Clientのキャッシュ機構を提供します。

    Apollo ClientでGraphQLを活用する方法

    Apollo Clientを使用してGraphQLを活用する方法について説明します。 Apollo Clientでは、GraphQL APIへのクエリの送信やデータの取得、データの操作などが行えます。以下のようにクエリやミューテーションを定義し、Apollo Clientのqueryやmutateメソッドを使用することで実行できます。

    // クエリの定義
    import { gql } from ‘@apollo/client’;

    const GET_BOOKS = gql`
    query GetBooks {
    books {
    title
    author
    }
    }
    `;

    // クエリの実行
    client.query({
    query: GET_BOOKS
    }).then(result => console.log(result.data));

    // ミューテーションの定義
    const ADD_BOOK = gql`
    mutation AddBook($input: BookInput!) {
    addBook(input: $input) {
    id
    title
    author
    }
    }
    `;

    // ミューテーションの実行
    client.mutate({
    mutation: ADD_BOOK,
    variables: {
    input: {
    title: ‘New Book’,
    author: ‘John Doe’
    }
    }
    }).then(result => console.log(result.data));

    上記の例では、Apollo Clientのqueryメソッドを使用してGET_BOOKSクエリを実行しています。また、Apollo Clientのmutateメソッドを使用してADD_BOOKミューテーションを実行しています。クエリやミューテーションはgqlタグを使用して定義し、要求するデータや変数を指定することができます。

    これにより、Apollo Clientを使用して簡単にGraphQLを活用することができます。

    まとめ

    Apollo Clientは、JavaScript用の包括的な状態管理ライブラリであり、GraphQLを使用してローカルデータとリモートデータの両方を管理することができます。キャッシュ機構を持っているため、同じリクエストに対してはサーバーに通信せずにキャッシュされたデータを即座に返すことができます。

    この記事ではApollo Clientの基礎知識をご紹介しました。Apollo Clientについてまずはどのようなものか理解したいと考えている方、Apollo Clientを取り入れるべきか検討されている方にとって、参考になりましたら幸いです。

    Apollo Client含めた技術選定など開発課題をお持ちの方はぜひ一度Jiteraまでご相談ください。

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