Cypressとは?無料のテスト自動化ツールについて、詳しく解説!

ソフトウェア開発の世界では、テスト自動化が品質保証の鍵となっています。特にフロントエンドのテストにおいて、効率的で信頼性の高いツールが求められています。その答えの一つがCypressです。Cypressは、Webアプリケーションのエンドツーエンドテストを自動化するための強力なフリーツールです。開発者にとって使いやすく、設定や記述もシンプルなのが特徴で、リアルタイムでのテスト実行とデバッグを可能にします。CypressはJavaScriptで書かれており、React、Vue、Angularなどのフレームワークとも容易に統合できます。これにより、開発プロセスが加速し、バグの早期発見と修正が可能になります。

本記事では、無料のテスト自動化ツールCypressについて詳しく解説します。

Nao Yanagisawa
監修者 Jitera代表取締役 柳澤 直

2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立

2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当

2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発

2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出

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執筆者 Ando

東京在住、大手IT企業出身、Web業界10年以上のアラサーです。新規事業開発やシステム開発にプロジェクトベースで関与したりこれまでの経験をもとに執筆活動を行っています。

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    Cypressとは何か

    Cypressは、フロントエンドのテストツールです。エンドツーエンド(E2E)テスト、統合テスト、ユニットテストを作成・実行することができます。

    Cypressの特徴

    Cypressには以下のような特徴があります。

    • タイムトラベル:テスト実行時にスナップショットを取得し、詳細を確認することができます。
    • デバッグ可能:開発ツールから直接デバッグすることができます。
    • 自動待機:要素が見つからない場合に自動で再試行する機能があります。

    無料のテスト自動化ツールとしての位置付け

    Cypressは、無料のテスト自動化ツールとして利用することができます。フロントエンドのテストに特化しており、JavaScriptで構築されています。

    Cypressは、SeleniumやPlaywrightなどのツールと比べて環境構築の難易度が低く、npmのインストールコマンドを実行するだけで簡単に導入することができます。

    Cypressはタグ名や属性で要素を取得するなどのコマンドを使用することができ、Webサイトへのアクセスや要素の取得など、様々な操作を行うことができます。

    また、Cypressは単体テストからE2Eテストまで幅広く利用できるため、テストの自動化において効率を高めることができます。さらに、コマンドごとに画面のスナップショットを見返したり、テスト一連の様子をビデオとして保存したりすることも可能です。

    しかし、CypressはSafariやIEでは使用することができない制約があります。また、CypressはJavaScriptのみに依存しており、この点に注意する必要があります。

    Cypressの利用方法

    Cypressのインストール方法

    Cypressを使うためにはまず、ローカルにCypressをインストールする必要があります。Cypressはnpmパッケージとして提供されているため、インストールは簡単です。

    インストールを行うには、ターミナルで以下のコマンドを実行します。

    $ npm install cypress

    このコマンドを実行すると、プロジェクトのディレクトリにCypressのフォルダが作成され、必要なファイルがインストールされます。

    また、オプションとして特定のバージョンのCypressをインストールしたい場合は、以下のようにインストール対象のバージョンを指定することもできます。

    $ npm install cypress@{version}

    以上でインストールは完了です。

    Cypressでのテストコードの書き方

    Cypressでは、JavaScriptを使用してテストコードを記述します。

    テストコードは`.spec.js`という拡張子を持つファイルに記述されます。以下にテストコードの例を示します。

    describe('テストケースのグループ', () => {
      it('テストケース名', () => {
        // テストのコードを記述する
      });
    });

    テストケースは`describe`関数でグループ化され、`it`関数で個別に定義されます。テストケース内では、実際にテストを行うコードを記述します。

    Cypressでは、DOM要素の取得やクリックなどの操作もJavaScriptのコマンドとして記述することができます。例えば、ボタンがクリック可能かどうかを確認するテストを書く場合、以下のようになります。

    it('ボタンがクリック可能かをテストする', () => {
      cy.get('button').should('be.enabled');
    });

    このようにして、Cypressでテストを作成し、実行することができます。

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      Cypressの活用事例

      Cypressは幅広いテスト自動化の用途に活用することができます。以下に、Cypressの主な活用事例を紹介します。

      E2Eテストの自動化

      Cypressはエンドツーエンド(E2E)テストの自動化に特に適しています。E2Eテストは、システム全体をシミュレートし、ユーザーが実際に行う操作を再現することでシステムの正確な動作を確認するテスト手法です。Cypressでは、ブラウザ内でテストを実行するため、ユーザーの操作を正確に再現できます。また、Cypressのタグ名や属性を使用した要素の取得機能や自動待機機能などを活用することで、テストの見通しを良くすることができます。

      単体テスト・結合テストの自動化

      Cypressは単体テストや結合テストの自動化にも利用することができます。単体テストは個々のコンポーネントやモジュールが正しく動作するかを確認するテストであり、CypressはJavaScriptを使用してコンポーネントやモジュールをテストするための柔軟性を提供します。結合テストでは、異なるコンポーネントやモジュールが連携して正しく動作するかを確認します。Cypressのテスト実行中にスナップショットを取得したり、デバッグツールを使用したりすることで、テストコードの品質を向上させることができます。

      以上がCypressの活用事例です。Cypressを使うことで、E2Eテストや単体テスト・結合テストの自動化を容易にすることができます。

      Cypressのメリット・デメリット

      メリット:軽量・直感的な使用感

      Cypressは、フロントエンドのテストを行うためのツールでありながら、軽量かつ直感的な使用感が特徴です。特に初心者にとって使いやすいツールとして知られています。

      その使用感は、タイムトラベル機能やデバッグ機能などによって、テスト中の詳細を確認しながらテストを実行することができる点にあります。テストの実行中にスナップショットを取得し、その詳細を確認することができるため、テストの途中経過やエラーの原因を特定するのが容易です。

      また、Cypressは自動待機機能を備えており、要素が見つからない場合には自動で再試行するため、テストの記述において待機時間の設定が必要ないという利点もあります。

      CypressはJavaScriptで構築されているため、タグ名や属性を利用して要素を取得するなど、JavaScriptの知識を活用することができます。これによって、開発者にとっても馴染みやすく、テストコードの記述がしやすいと言えるでしょう。

      以上のような軽量かつ直感的な使用感があり、Cypressが初心者から上級者まで幅広いユーザーに使われている理由の一つと言えます。

      デメリット:JavaScriptのみに依存

      Cypressのデメリットとして挙げられる点は、JavaScriptのみに依存していることです。CypressはテストコードをJavaScriptで記述するため、JavaScriptに慣れていない開発者にとっては敷居が高いかもしれません。

      また、CypressはSeleniumやPlaywrightなどの他のテストフレームワークと比較すると、対応しているブラウザが限定されているという制約があります。SafariやIEでは使用することができず、さらに異なるオリジンへのアクセスもできないため、これらのブラウザや条件をテストする場合には別のツールを併用する必要があります。

      一方で、Cypressの使用方法に慣れるまでには時間がかかることもデメリットと言えるかもしれません。初めてCypressを使う場合、テストコードの記述方法やテストの実施方法などについて学習する必要があります。ですが、一度慣れてしまえば、その使いやすさが活かされ、効率的にテスト自動化を行うことができるでしょう。

      以上のようなデメリットがあるものの、Cypressを使ったテスト自動化はテストの効率化や品質向上に繋がるとされています。ただし、Cypressはasync-awaitをサポートしていないため、非同期の処理には特に注意が必要です。

      まとめ

      Cypressは無料のテスト自動化ツールであり、フロントエンドのテストに特化しています。エンドツーエンド(E2E)テストや統合テスト、ユニットテストなど様々なテストを作成・実行することができます。Cypressの特徴としては、タイムトラベル機能でスナップショットを確認したり、デバッグ可能な点、自動待機機能などがあります。

      CypressはJavaScriptで構築されており、タグ名や属性で要素を取得するなどのコマンドを使って操作することができます。また、Cypressは環境構築が比較的簡単であり、SeleniumやPlaywrightと比べても初心者でも使いやすいとされています。

      Cypressはテスト自動化において強力なツールであり、初心者でも利用しやすいため、テストにおける生産性向上や品質向上に役立つことでしょう。

      この記事ではCypressの基礎知識をご紹介しました。Cypressについてまずはどのようなものか理解したいと考えている方、Cypressを取り入れるべきか検討されている方にとって、参考になりましたら幸いです。

      Cypress含めた開発環境の検討など開発、技術課題をお持ちの方はぜひ一度Jiteraまでご相談ください。

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