【2024年】脆弱性診断ツールおすすめ10選|選定ポイントや注意点を解説

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大小さまざまなシステム構築案件で、主に品質管理担当のPMOとして従事しています。

近年、サイバー攻撃の手口が巧妙化し、企業のセキュリティ対策の重要性がますます高まっています。

企業が保有する機密情報や顧客データを守るためには、システムやWebサイトの脆弱性を早期に発見し、適切な対策が不可欠です。

そこで注目されているのが、脆弱性診断ツールです。

本ツールを活用すれば、インターネットに関する専門的な知識がなくても、セキュリティの脆弱性を診断できます。

そこで本記事では、脆弱性診断の重要性やおすすめツール10選などについて詳しく解説します。

企業のセキュリティ担当者や経営者の方はもちろん、情報セキュリティに関心のある方にも役立つ情報が満載です。

セキュリティ対策の第一歩として、ぜひ脆弱性診断について理解を深めましょう。

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脆弱性診断ツールとは?

脆弱性診断は、Webサイトやシステムのセキュリティを評価し、潜在的な脆弱性を特定するための重要です。

この診断は、攻撃者の侵入を防ぎ、企業のデータを保護し、顧客の信頼を維持するために不可欠と言えます。

脆弱性診断を実施しないと、データの漏洩やサービスの停止、法的な問題などが考えられます。

しかし、このような問題は専門家でないと基本的に対応できません。

そこで、作業者がPCの脆弱性を手動で確認できるツールが「脆弱性診断ツール」です。

このようなツールを活用することで、専門業者に依頼することなく、社内で脆弱性診断を実施できます。

脆弱性診断は、企業の情報資産を守るために欠かせないのため、企業の信頼性を向上させるために必要です。

なお、サイバーセキュリティーについて下記で詳しく解説しています。

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脆弱性診断の目的

脆弱性診断の目的は、企業のデジタル資産を様々なサイバー攻撃から守ることにあります。

具体的には、Webアプリケーションやサーバーのセキュリティ機能を徹底的に評価し、未知の脆弱性を特定し、修正を促進することです。

これにより、潜在的なセキュリティリスクを早期発見し修正することが可能となり、攻撃者によるデータ流出やサービスの中断を防ぐことができます。

また、このプロセスを通じて、企業は法的義務の遵守や顧客データの保護、信頼の獲得と維持に寄与し、長期的な事業の安定性確保につながります。

診断の対象

脆弱性診断での対象は、主にWebサイト、サーバ、ネットワークインフラストラクチャなど、企業のITシステム全般に及びます。

このプロセスでは、外部からの攻撃に対して脆弱なポイント内部的なセキュリティの弱点箇所を特定します。

例えば、Webサイトではフォーム入力の扱いやセッション管理の安全性がチェックされ、サーバではデータベースのセキュリティやシステムの構成管理が評価されます。

これらの診断を通じて、企業はセキュリティ対策の優先順位を確立し、より効果的なセキュリティ対策を講じることができます。

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ペネトレーションテストとの違い

脆弱性診断とペネトレーションテスト(略称:ペネテスト)は、セキュリティ評価の分野でしばしば言及される二つの重要なアプローチですが、それぞれに特有の目的と手法があります。

脆弱性診断は、システムやアプリケーションに潜む脆弱な点を特定し、それらの脆弱性がどのように悪用され得るかを理解することに重点を置いています。

一方、実際の攻撃シナリオを模倣し、それらの脆弱性を実際に利用してシステムに侵入することを試みるのがペネトレーションテストです。

項目 脆弱性診断 ペネトレーションテスト
目的 セキュリティシステムの全体的な強度の評価と様々な脆弱性の特定。 特定された脆弱性を利用してシステムに侵入できるかどうかを検証。
焦点 ソフトウェアの欠陥、不適切なシステム設定、セキュリティポリシーの不備の特定。 実際の攻撃シナリオを模倣してシステムのセキュリティを試験。
対象 Webアプリケーション、データベース、ネットワーク設備など。 内部と外部の両方からの攻撃シナリオ。
内部脅威の特定 不適切なアクセス権限設定や弱いパスワードポリシーなどを特定。 内部者による攻撃シナリオも含めて実施。
結果の活用 セキュリティリスクの特定と改善提案により、情報資産の保護。 脆弱性の修正、セキュリティ対策の強化、アクションプランの立案。

脆弱性診断ツールおすすめ10選

脆弱性診断の需要の高まりに伴い、多くのサービスが提供されています。ここでは、特におすすめの脆弱性診断サービス10つを紹介します。これらのサービスは、それぞれ独自の特徴を持ち、異なるニーズに応えることができます。

vex(株式会社ユービーセキュア)

https://www.ubsecure.jp/vex

vexは、株式会社ユービーセキュアが提供する脆弱性診断サービスです。

このサービスは、WebアプリケーションやWebサイトに特化しており、簡単な操作で迅速な診断が可能です。

ユーザーフレンドリーなインターフェースと詳細な報告書が特徴で、非専門家でも脆弱性の状況を理解しやすくなっています。価格帯も比較的手頃で、中小企業から大企業まで幅広い顧客層に対応しています。

脆弱性診断(株式会社レイ・イージス・ジャパン)

https://va.rayaegis.co.jp/

株式会社レイ・イージス・ジャパンの脆弱性診断サービスは、企業のセキュリティポリシーに沿ったカスタマイズが可能な点が特長です。

このサービスは、顧客のビジネスモデルやシステム構成に応じて柔軟な診断プランを提供します。

また、経験豊富なセキュリティ専門家による深い分析を通じて、高度なセキュリティリスクの特定が可能です。企業の規模や要件に応じた複数の価格帯が用意されています。

AeyeScan(株式会社エーアイセキュリティラボ)

https://www.aeyescan.jp/

AeyeScanは、株式会社エーアイセキュリティラボが提供する脆弱性診断サービスで、特に人工知能(AI)技術を活用した自動診断が特徴です。このサービスは、最新のAI技術を用いて高速かつ正確な脆弱性スキャンを実施します。使い勝手の良いインターフェースと、詳細な報告書が提供され、効率的な脆弱性管理をサポートします。中規模から大規模の企業向けのサービスで、価格は使用規模に応じて変動します。

Cloudbric 脆弱性診断(ペンタセキュリティ株式会社)

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Cloudbricは、ペンタセキュリティ株式会社が提供する脆弱性診断サービスです。クラウドベースのサービスとして、簡単な設定で世界中どこからでもアクセスが可能です。このサービスは、特にWebアプリケーションのセキュリティに焦点を当て、リアルタイムでの脆弱性検出と迅速な報告が可能です。小規模企業から大規模企業まで幅広く対応し、利用規模に応じた柔軟な価格設定が魅力です。

Webアプリケーション診断

https://www.nri-secure.co.jp/service/assessment/web_application

Webアプリケーション診断は、NRIセキュアテクノロジーズ株式会社が提供するツールです。

同社は、大手オンライントレードやオンラインバンキングの取り扱いにも多くの経験を有しており、金融分野におけるセキュリティ対策に強みを持っています。

診断サービスを担当するエンジニアは、米国の専門的なトレーニングコースを修了し、各種セキュリティ関連資格を保有しているため、高いスキルと豊富な経験を有しています。

そのため、技術力の高さに定評があり、質の高い診断サービスを提供することが可能です。

GMOサイバーセキュリティ脆弱性診断サービス

GMOサイバーセキュリティは、幅広い業種の企業で豊富な導入実績を持ち、ウェブアプリケーションやスマートフォンアプリケーションなど、多くのプラットフォームに対応した脆弱性診断サービスを提供しています。

同社には、国内トップクラスの実力を持つホワイトハッカーが多数在籍。豊富な知識と最先端の技術を活かして、高精度な診断をするため、企業のWebサービスやアプリケーションに潜む脆弱性を的確に発見し、適切な対策ができます。

また、AIツールを活用することで、作業の効率化に努め、安価な価格で提案することが可能です。

ImmuniWeb(イミュニウェブ)

ImmuniWebは、200以上のクラウドマシンを組み合わせた高性能なバーチャルプラットフォームを使用したツールです。

高性能なため、短時間で高速かつ網羅的なセキュリティテストができます。

また、グローバルで4500万件のWebサイトと58万件のスマートフォンアプリの検査実績がある点も安心できるポイントです。

社内ネットワークやWebアプリケーションの普及に伴う情報漏洩などのリスクに対応し、アメリカやイギリスなどの検査標準を満たした迅速かつ効果的なセキュリティ検査を提供します。

Web Doc

Web Doctorは、日本RA社が提供しているSaaS型の自動脆弱性診断サービスです。

インターネット経由で擬似攻撃を実行し、Webアプリケーションの脆弱性を効率的に発見する方法を採用しています。

新たに発見された脆弱性にも即時対応できるため、常に最新の脅威に対応することが可能です。

Web Doctorの大きな利点は、ツールによる自動診断を採用していることです。

結果として、専門のエンジニアによる手動の脆弱性診断と比較して、大幅なコスト削減ができます。

SCT SECURE クラウドスキャン

SCT SECURE クラウドスキャンは、株式会社SCTが提供するクラウド型の脆弱性診断サービスです。

Webアプリケーションやネットワークを対象に、自動化された診断により脆弱性を検出します。

大きな特徴は、完全自己管理型。ユーザーが診断の設定や実行、結果の確認などを自主的に実行できます。

SCT SECURE クラウドスキャンは、ユーザーフレンドリーなインターフェースを提供し、専門的な知識がなくても簡単に操作できます。

EXOセキュリティ

EXOセキュリティは、株式会社バックボーンが提供する脆弱性診断サービスです。

Webアプリケーションを中心に、マルウェアやランサムウェアなどの脅威に対する脆弱性を診断します。

最新の攻撃手法に対応した診断項目により、これらの脅威に対するシステムの耐性を評価できます。

口コミを見ると、管理画面の使いやすさを評価する声が多くありました。

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脆弱性診断の種類

ここでは、主に三つある異なるアプローチの脆弱性診断をご紹介します。ブラックボックス診断、ホワイトボックス診断、そしてグレーボックス診断です。

これらの診断は、それぞれ方法や視点が異なるため、その目的や方法に合わせて、適切な診断方法の選択が重要です。

診断の種類 特徴
ブラックボックス診断 外部からの視点のみを用いたシステムのセキュリティ評価。内部構造やソースコードに関する情報は不使用。主に外部からアクセス可能なシステムの脆弱性を特定するが、内部の複雑な脆弱性や論理的な欠陥の発見は困難。
ホワイトボックス診断 システムやアプリケーションの内部情報を詳細に分析。ソースコード、アーキテクチャ、データベース構成などの包括的な情報を利用。内部からの脅威や設計上の問題を明らかにするが、時間とコストがかかる。
グレーボックス診断 ブラックボックス診断とホワイトボックス診断の中間的な診断手法。一部の内部情報と外部からの視点を組み合わせてセキュリティ評価を実施。現実的なセキュリティ評価が可能で、内部と外部の両方の視点から脆弱性を検出。

ブラックボックス診断

ブラックボックス診断

ブラックボックス診断は、実際の攻撃者と同様の環境下で、外部からの視点のみを用いてシステムのセキュリティを評価するアプローチです。

この診断方法では、サーバーやアプリケーションの内部構造やソースコードに関する情報は一切使われず、攻撃者が利用可能な情報のみを基に診断が行われます。

外部からアクセス可能なシステムの脆弱性を効率的に特定することが可能ですが、内部の複雑な脆弱性や論理的な欠陥は発見しにくいという欠点があります。

したがって、ブラックボックス診断は、広範囲にわたるセキュリティリスクの初期評価に適しており、迅速な診断と結果の提供が求められる場合に特に有用です。

ホワイトボックス診断

ホワイトボックス診断

ホワイトボックス診断は、システムやアプリケーションの内部情報を詳細に分析することに重点を置いたアプローチです。

この方法では、ソースコード、アーキテクチャ、データベース構成、その他内部文書など、システムの内部構造に関する包括的な情報が利用されます。隠れた脆弱性や複雑なセキュリティリスクを深く掘り下げることを可能にします。

このアプローチは、プログラムのロジックエラーや設計上の問題、内部からの脅威など、ブラックボックス診断では見落とされがちな脆弱性を明らかにするのに特に有効です。
しかし、詳細な分析と高度な専門知識が必要であるため、時間とコストがかかるという欠点があります。

そうではありますが、ホワイトボックス診断は、システムの包括的なセキュリティ評価において不可欠な要素であり、
特に重要な情報を扱うシステムにおいて、全面的なセキュリティ評価が必要な場合に適しています。

グレーボックス診断

グレーボックス診断

グレーボックス診断は、ブラックボックス診断とホワイトボックス診断の中間に位置づけられるアプローチです。

この診断方法では、一部の内部情報(例えばログイン認証情報やAPIキーなど)を用いつつも、主に外部からの見た視点でセキュリティの評価を行います。現実的なセキュリティ評価が可能となります。このアプローチにより、システムの外部から容易に発見できない脆弱性や、内部の複雑なセキュリティ問題も効果的に検出することができます。

グレーボックス診断は、時間とコストのバランスを考慮しつつ、比較的網羅的なセキュリティ評価を実施する際に適しており、多くの企業にとって実行可能で効果的な選択肢となります。内部と外部の両方の視点を組み合わせることで、脆弱性診断の精度を高め、より包括的なセキュリティ対策を講じることが可能になります。

脆弱性診断の方法


Webサイトやシステムのセキュリティを評価するための一連のプロセスが脆弱性診断です。このプロセスは、
事前準備から始まり、診断の実施報告書の作成までを含みます。ここでは、脆弱性診断を行う際の一般的な流れと手順について詳しく説明します。

1.事前準備

脆弱性診断の事前準備段階は、診断の全体的な効果と精度を決定づける重要なステップです。

まず最初に、診断の範囲を明確に定めることが必要です。対象となるのは、Webサイト、サーバ、ネットワークシステムなど、企業のITインフラの重要部分です。診断範囲の明確化により、どの領域に焦点を当て、どのようなセキュリティリスクを評価するかが決まります。

診断範囲を明確化した後は、ツール選びです。この選定プロセスでは、対象となるシステムの種類や、診断の目的に応じて、最適なツールを選ぶことが重要です。

例えば、Webアプリに対して脆弱性診断を実施する場合には、特定の種類の脆弱性に特化したツールが効果的です。

また、診断を行うための人的リソースやスケジュールの計画もこの段階で重要となります。診断には専門知識を持ったセキュリティアナリストや技術者が必要であり、彼らのスケジュールを考慮に入れることも重要です。

十分な事前準備を行うことで、診断プロセスのスムーズな進行と、高い精度の結果を得ることが可能になります。

2.診断の実施

診断の実施段階では、選択されたツールを用いてシステム全体の脆弱性を探索します。

このプロセスでは、自動化されたスキャンツールと手動による検証が併用され、様々な種類の脆弱性を網羅的に特定します。自動化ツールは、広範囲のセキュリティチェックを迅速に実施し、一般的な脆弱性や設定ミスを効率的に見つけ出します。

手動での検証は、自動ツールでは検出しにくい複雑なセキュリティ問題や、特定のビジネスロジックに関連する脆弱性の特定に役立ちます。この段階では、セキュリティ専門家がシステムの挙動を詳細に分析し、独自の攻撃シナリオを用いて潜在的なリスクを調査します。

また、脆弱性データベースとの照合を通じて、既知の脆弱性に対するシステムの露出度を評価します。これにより、最新の脆弱性情報に基づいたリスク評価が可能となり、システムに特有の脆弱性も発見できます。

診断の結果は、詳細な報告書にまとめられ、対策の提案と共に組織の関連部門に提供されます。この報告書は、リスク管理と脆弱性対策の策定において重要な資料となります。

3.結果報告

脆弱性診断の最終段階は、結果報告です。

この段階では、診断によって明らかになった脆弱性や潜在的なセキュリティリスクについて、詳細な報告書が作成されます。

報告書には、発見された各脆弱性の詳細な説明、悪用された場合の潜在的な影響、および推奨される対策が含まれます。

脆弱性は、リスクレベルに応じて分類され、優先順位が付けられます。これにより、組織はリソースを最も重要な問題に集中させることが可能です。

また、報告書には、全体的なセキュリティ状況の評価と、システムの強み及び改善点に関する要約が含まれます。

組織のセキュリティ戦略を見直し、長期的な改善計画を策定するための重要な情報源です。

結果報告会では、セキュリティ専門家が報告書の内容を詳しく説明し、質問に答えます。

技術者だけでなく、経営陣もセキュリティの状況を理解し、適切な意思決定を行うための重要な機会です。

脆弱性診断ツールの選定ポイント5つ

脆弱性診断ツールを選定する際は、以下を押さえるようにしましょう。

  • 使用する人物のリテラシーは十分か
  • 診断範囲や項目をどれくらいか
  • コスト面の妥当か
  • 診断結果をもとに対策ができるか
  • 自社と近い導入事例があるか

使用する人物のリテラシーは十分か

脆弱性診断ツールを使用する際には、担当者のセキュリティに関する知識やツールの使用経験が重要です。

ツールの機能を十分に理解し、適切な設定で診断を実行できる人材が必要不可欠です。

担当者のリテラシーが不足している場合、ツールを導入しても期待した効果が得られない場合があります。

誤った設定によって、脆弱性を見落としたり、誤検知を増やしたりするケースも少なくありません。

そのため、脆弱性診断ツールの選定時には、使用する人物のリテラシーを評価し、必要に応じて教育や支援体制の整備を検討すべきです。

セキュリティ研修の実施や、専門家によるサポート体制の構築などが有効な対策と言えます。

診断範囲や項目をどれくらいか

診断ツールによって、診断可能な範囲や項目は異なります。

自社のシステムやアプリケーションに対して、どの程度の網羅性が必要かを見極めることが重要です。

第一に、自社のシステムやアプリケーションの特性を把握し、どのような脆弱性が存在するかを検討します。

例えば、ネットワーク機器であれば、設定ミスや既知の脆弱性の有無が主な診断対象です。

次に、診断項目に対して、ツールがどの程度対応しているかを確認しましょう。

一般的な脆弱性をカバーしているだけでなく、自社の環境に特有の項目にも対応している必要があります。

診断範囲もネットワーク全体、特定のシステム、Webアプリケーションなど、自社の要件に合っているかを見極めることが大切です。

コスト面の妥当か

脆弱性診断ツールの導入には、ライセンス料、保守費用、教育費用といったコストが発生します。

また、ツールを効果的に使用するためには、スタッフのトレーニングが必要です。

教育費用には、外部のトレーニングコースへの参加費用や、社内でのトレーニング時間なども含まれます。

このようなコストが自社の予算に見合っているかを確認しましょう。

長期的な運用を見据えて、コストと効果のバランスが取れていれば問題ないと判断できます。

診断結果をもとに対策ができるか

診断ツールの目的は、脆弱性を特定し、適切な対策を講じることです。

選定する際には、診断結果のレポートの内容や、対策の提案機能の有無を確認しましょう。

また、診断結果を受けて、自社内で対策を実施できる体制が整っているかも重要なポイントです。

自社と近い導入事例があるか

脆弱性診断ツールを選定する際、自社と近い規模や業種の企業における導入事例を参考にすることは非常に有益です。

類似の環境で実際にツールを使用した企業の経験は、ツールの実効性や運用上の課題を理解する上で貴重な情報源と言えます。

同業他社の事例を調査することで、業界特有のセキュリティ要件やコンプライアンス基準への対応状況を把握できます。

例えば、金融業界では個人情報の保護が重要であり、医療業界ではHIPAA(医療保険の携行性と責任に関する法律)などの規制への準拠が求められます。

脆弱性診断ツールを使用する際の注意点

メリットの多い脆弱性診断ツールですが、以下の点には気をつけましょう。

  • 完全にリスクを排除できるわけではない
  • コストがかかる

完全にリスクを排除できるわけではない

脆弱性診断ツールは、既知の脆弱性や一般的な設定ミスを発見するのに役立ちますが、全てのセキュリティリスクを完全に排除できるわけではありません。

前提として、ツールが検出できるのは既知の脆弱性や典型的な設定ミスに限られます。新たに発見された脆弱性や、特定の環境に固有の脆弱性は、ツールでは発見が難しい場合があります。

また、ツールの診断結果を適切に解釈し、対策を実施するためには、セキュリティの専門知識が必要です。

ツールの出力をそのまま信頼するのではなく、結果を詳細に分析し、優先順位を付けて対策しなければなりません。

そのため、脆弱性診断ツールは、セキュリティ対策の一部として使用すべきであり、他の対策(定期的なセキュリティ教育、インシデント対応計画の策定など)と組み合わせることが重要です。

コストがかかる

脆弱性診断ツールの導入には、初期コストと運用コストの両面で費用がかかります。

初期コストには、ツールのライセンス料や、導入作業に関連する費用が含まれ、数万円から数十万円かかるのが一般的です。

ツールの機能や診断対象の規模によって、ライセンス料は大きく異なります。

また、運用コストには、ツールの保守費用やスタッフの教育費用がかかり、月額数万円ほどです。

ツールによって費用感はバラバラなので、詳しくは見積もりを取るようにしましょう。

まとめ:自社に合った脆弱診断ツールを探そう

脆弱性診断は、企業のセキュリティ体制を強化するための重要なステップです。

このプロセスを通じて、組織は自身のシステムやアプリケーションに潜んでいるセキュリティのリスクを明確化し、それらを修正するための具体的な指針を得ることができます。

脆弱性診断の結果は、セキュリティ対策を強化すること、リスクマネジメントの改善、法令遵守の確保に直接貢献します。

脆弱性診断を実施することで得られる主なメリットを改めてまとめると以下の通りです。

主なメリット 特徴
セキュリティリスクの特定と修正 組織のシステムやアプリケーションの脆弱性を特定し、それらを修正することで、セキュリティリスクを低減します。
顧客の信頼の確保 システムの脆弱性を事前に特定し対処することで、顧客のデータを保護し、顧客の信頼を獲得します。
法令遵守と規制対応 脆弱性診断を通じて、法的要件や業界規制に対する遵守状況を確認し、必要な対応を行うことができます。
セキュリティ意識の向上 診断プロセスを通じて、組織内のセキュリティ意識が向上し、セキュリティカルチャーの醸成を促進します。

最終的に、脆弱性診断は、組織が直面するセキュリティ上の課題を把握し、それに対処するための強力なツールです。定期的な診断の実施により、セキュリティの継続的な改善を図り、組織全体のレジリエンスを高めることが可能です。

より具体的な方法や専門的なアドバイスを必要とする場合にはJiteraまでお問い合わせください。

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