株式会社ホロン

株式会社ホロン

解析工数50%減・コード最適化で演算速度20倍。装置制御ソフトウェアのレガシー脱却

会社名

株式会社ホロン (A&Dホロンホールディングスグループ)

業界

半導体・精密機器

業種

製造業
フォトマスク上の半導体設計回路寸法測定および欠陥レビュー・分析装置の開発、製造、販売、保守サービス

従業員規模

59名

システムの種類

半導体設計回路寸法測定および欠陥レビュー・分析装置制御ソフトウェア、画像処理システム、自動化ツール等

インタビュー担当者

株式会社ホロン

(写真左から)
第2設計部 主任 小野澤 正紘 様 
(※左から2番目は弊社インタビュアー 坂本)
第2設計部 部長 山藤 泉 様
第2設計部 次長 穴澤 未来 様
第2設計部 係長 山下 翔司 様

Jitera

カスタマーサクセスチーム 坂本 瑠理

課題

  • 長年運用している装置制御ソフトウェアの担当者が不在となり、レガシーコードの仕様把握や保守が困難になっていた。

  • 汎用的な生成AIでは、機密情報である「ソースコード」を学習・解析させることへのセキュリティリスクが懸念された。

導入効果

  • 画像処理のボトルネック解析により、処理速度がオリジナルの約20倍に向上。

  • 既存コードの仕様理解・設計書作成にかかる工数を最大50%削減。

  • 顧客用ツールの作成(GUI実装〜マニュアル作成)が、丸1日の作業からわずか1時間に短縮。

  • ブラックボックス化していた外部ドライバの挙動を解析し、長年の課題を解決。

今後の展望

  • プロジェクトを横断したナレッジ共有基盤の構築。

  • オンプレミス環境(GitLab等)との連携による、よりセキュアでシームレスな開発フローの確立。

事業内容と『Jitera』導入の経緯

― Jitera導入前に抱えていた課題や背景をお聞かせください。

山藤様:私たちは、電子ビーム技術を用いた半導体設計回路寸法測定および欠陥レビュー・分析装置の開発・製造を行っているメーカーです。主にフォトマスク(半導体回路の原版)の計測・欠陥レビューに使われる装置で、ナノレベルの微細な欠陥も見逃さない高い精度が求められます。

―ハードウェアメーカーである貴社が、なぜAI開発ツールの「Jitera」を導入されたのでしょうか。

山藤様:装置自体はハードウェアですが、それを制御し、画像データを処理するのはソフトウェアです。我々第2設計部ではこれらの開発・保守を担っていますが、「レガシーコードの属人化」が大きな課題でした。長期間稼働している装置のため、開発当時の担当者が既に不在で、仕様が複雑化したコードが存在します。保守や機能追加を行う際、「まずは既存のコードを読み解く」ことに多大な時間を費やしていました。

また、会社全体として「新しい技術は積極的に取り入れよう」というトップダウンの方針もあり、開発効率化のためにAI活用を検討し始めました。

しかし、「ソースコード」という機密情報を、セキュリティの保証がない無料の汎用AIツールに入力するわけにはいきません。「開発効率は上げたい、しかしセキュリティは譲れない」というジレンマに直面していました。

『Jitera』を選んだ理由

―数ある生成AIツールの中で、なぜJiteraを選定されたのでしょうか?

山藤様: 最大の理由は「セキュリティ」と「文脈理解」です。 無料の汎用AIツールも試しましたが、企業の資産であるソースコードを学習させるにはセキュリティ面で不安がありました。Jiteraはセキュアな環境が担保されており、我々のリポジトリにあるソースコードを安全に読み込ませることができます。企業としてAIを活用する上で、ここが不可欠な条件でした。

また、単にコードを生成するだけでなく、ホロン独自のコードの書き方や、パラメータの使い回しといった「文脈」を理解した上で回答してくれる点も評価しました。汎用的なAIでは対応しきれない、我々の既存資産(レガシーコード)に即した解析・生成ができる点を高く評価しました。

導入プロセスとプロジェクト体制について

ー どのように導入を進め、具体的にどのフェーズで活用していますか?

山藤様: 第2設計部の中で、各機能(画像処理、オートメーション機能、ドライバ制御など)を担当する主要メンバー数名と共に利用を開始しました。 「まずはAIを使ってみよう」というフェーズから一歩踏み込み、実際の業務課題(レガシーコードの解析や新機能の実装)にJiteraを適用しながら検証を進めました。

― Jiteraのサポート体制についてはいかがでしたか。

小野澤様: 単なる操作説明ではなく、我々の実務に即した使い方をじっくり相談できたことで、活用のイメージが明確になりました。 また、Jiteraは機能アップデートのスピードが非常に速いため、月1回の定例ミーティングで最新機能をキャッチアップできる点も助かっています。

山藤様: 全体ミーティングだけでなく、エンジニア個別の悩みを聞いてくれる「個別サポート」の時間があったのも良かったですね。メンバーによって抱えている技術課題は異なるため、個別に深い相談ができたことで、現場への定着がスムーズに進んだと感じています。

導入後の効果

ー 『Jitera』を導入して具体的にどのような場面で効果を感じていますか。

山下様: 私は既存コードへの機能追加を担当していますが、仕様理解やドキュメント作成の工数が劇的に減りました。 Jiteraに既存の関数を解析させ、フローチャート化や仕様の説明を求めると、即座に可視化してくれます。これにより、コード解析にかかる工数は最大で50%程度削減できています。「コードを読む」時間を「設計する」時間に充てられるようになりました。

また、画像処理機能の最適化でも成果が出ています。ベクトル演算などを行う複雑な処理において、「インプット・アウトプットは変えずに、中身だけを高速化して」と依頼したところ、マルチスレッド化などを駆使したコードが生成され、処理速度がオリジナルの約20倍になりました。人間が手書きでチューニングするには限界がある領域で、圧倒的なパフォーマンスを発揮しています。

小野澤様: 顧客用ツールの作成において、以前は丸1日かかっていた作業が、試行錯誤を含めてもわずか1時間で完了しました。コードだけでなくマニュアルまで一括で作成できるため、そのままお客様対応に回せるようになり、対応スピードが劇的に向上しました。

穴澤様: 「解決不可能」と思われていた課題も解決できました。中身がブラックボックス化していた外部ベンダー製のドライバソフトに対し、Jiteraを使って「管理者権限を要求している箇所」を特定することに成功しました。これによりベンダーへ的確な修正依頼を出せるようになり、長年抱えていた運用課題を解決できました。

山藤様: サポートミーティングを通じて、最新のAIトレンドや他社の活用事例をキャッチアップできる点も大きなメリットです。自分たちだけで情報を追うのは困難ですが、Jiteraが「伴走」してくれることで、常に新しい技術に触れながら開発ができています。

今後の『Jitera』活用について

― 今後、『Jitera』を活用して実現したいことを教えてください。

山藤様: 今は個々の担当者がそれぞれの業務で活用していますが、今後はプロジェクトを横断してナレッジを共有できる仕組みを作りたいと考えています。 また、現在はソースコードのアップロードが必要ですが、今後はオンプレミス環境やGitLab等との直接連携が進むことを期待しています。

小野澤様: エンジニアとしては、ベータ版として提供が始まった「MCP(Model Context Protocol)サーバー」との連携機能に注目しています。ExcelやWordといったOffice製品とJiteraを直接つなぐことで、ドキュメント作成業務がさらに効率化できると期待しており、ぜひ活用していきたいですね。

山藤様: 世の中が急速にAIシフトしていく中で、我々も新しい技術を積極的に取り入れていかなければならないと感じています。Jiteraという強力な武器を得て、我々の開発スピードは確実に向上しています。今後も変化を恐れず、より良い製品づくりに活かしていきたいと考えています。

本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。


関連プレスリリース

  • AIコンテキストプラットフォーム「Jitera」、新たにMCP・API機能を提供開始。既存の生成AIツールとの連携によりワークフローを効率化 

    https://jitera.com/ja/news/20251030

関連ページ

導入事例一覧に戻る