世界的な感染症流行の影響を受け、宿泊業界は大きな変化を余儀なくされました。
宿泊業界指折りの大手企業である、東急リゾーツ&ステイ株式会社も海外からの売上が大幅に減少し、大きな影響を受けたといいます。
既存顧客へさらなる価値提供を行うため、既存の予約システムの再構築及び予約アプリの新規リリースを行うプロジェクトを発足することになりました。
「また訪れたいという想いを積み重ねていくこと それが、TOKYU RESORTS & STAYSのありたい姿です」
今回Jiteraは、東急リゾーツ&ステイ株式会社のコーポレートサイトにあるこの言葉を体現するプロジェクトの開発を支援させていただきました。
東急リゾーツ&ステイ株式会社 公式ホームページ:(https://www.tokyu-rs.co.jp/)
感染症の流行を受け、宿泊業界の企業業績には大きな差が生まれようとしていました。 顧客獲得が難しくなる中で、自社で顧客を囲い込めているホテルと、そうでないホテルの差が大きく広がっていたのです。
東急リゾーツ&ステイ株式会社では、自社のWebアプリケーションをパッケージで設計しており、詳細な顧客データを思うように獲得できないことや、時代に見合った顧客の囲いこみ施策を適切に行えないという課題が顕在化していました。
また、顧客のリテンションレート、ロイヤリティを高める上で重要なモバイルアプリの開発もまた、課題でした。パッケージを使って予約サイトを構築していたことによる技術的な制約がハードルとなり、実現できていなかったのです。
今回のプロジェクトにおいては、フルスクラッチ開発による自社Webアプリケーションの強化、自社iOS/Androidアプリケーションの開発、またフルスクラッチならではの会員機能の開発と強化を実施し、既存顧客の再来を促す施策を行うための基盤を構築することになりました。
プロジェクトの開発パートナーを決めるコンペでは、スタートアップのJiteraと比べると、実績や会社規模で大きくリードする大手企業も参加していました。しかし、最終的にはJiteraが開発パートナー、および開発をリードするツールとして、選定されました。
「他社のローコードツールと比べて、開発後の不安がなかったことが一番の決め手。」 選定理由として、今回のプロジェクトを担当した東急リゾーツ&ステイ株式会社営業部販売促進グループの高橋慶太郎氏は語ります。
「他社の提案内容にあったローコードツールを扱えるエンジニアは国内に数十人しかおらず、開発後の対応に不安がありました。一方、Jiteraのツールの場合はエンジニアが書いているコードがそのまま出力でき、フルスクラッチ開発と同じアウトプットが出てくる。そのため、ツールによるエンジニアの制約が発生しづらく、リリース後の追加開発も制限なくアジャイルで可能ということで、開発後の不安がほとんどなく発注できました。」
実際にリリース後にはアジャイル開発体制に移行し、スピード感を持ってどんどんと改善を積み重ねています。Jiteraの柔軟性があったからこそのアジャイル開発体制であると、高橋氏と共に振り返りました。
私たちは、開発自動化プラットフォーム「Jitera」を用いたシステム開発を行なっています。「Jitera」とは、簡単に伝えると、エンジニアが書いているコードを人間の代わりにコンピューターが書いてくれるシステムです。
他のローコードツールと比べても柔軟性が高い状態で、プラットフォーム制限やベンダーロックインがないソフトウェアを高速で開発することができます。今回のプロジェクトでも、「Jitera」は存分に活用されました。
8ヶ月のプロジェクト期間のうち、純粋に開発にかけた時間は4ヶ月のみ。Jiteraの高速な開発体制がなければ実現できなかったスピード感で、要求整理や要件定義にも十分な時間をかけることができました。
「他社のホテル予約システムでは開発期間は1年~1年半はかかると聞いていました。ここまで早く開発できるとは思ってもいませんでした」
高橋氏は今回の開発速度について、「他社の話と比較するとあり得ないスピード」とその満足感を表現しました。
大手企業のフルスクラッチの開発となると、予想外のトラブルはつきものです。要件も複雑化し、関わるステークホルダーの人数が多くなるためです。
高橋氏をはじめとした今回のプロジェクトメンバーも、過去の経験から、大きな問題やスケジュールの遅延が発生することは想定していました。
しかし、今回は特に大きな問題もなく、予定通りリリースすることができています。さらに、新しいWebアプリケーションとiOS/Androidアプリケーションをリリース後は、予約数をはじめとした諸事業数値が好調に推移し、社内でも高い評判を得ることができています。
スピードのみではなく、事業のミッションを達成することもまたJiteraが大切にしていることです。
レガシーなASPを使って他社との差別化に苦しんでいる状態から、予約システムをWeb・アプリ共に刷新することに成功。リリース後にはアジャイル開発体制に移行して、事業数値を振り返りながら日々改善を行うところまで予約システムは生まれ変わりました。
リリース後のKPIに置いていた各数値も軒並み向上し、目標成果に実際にヒットしています。
「開発後に数値を見て、改善提案を行なってくれることは、個人的にはとても衝撃でした。多くのシステム会社は、開発して、その後は保守で終わりというところが多いですから。」と高橋氏は語ります。
すでに、開発後の数値なども踏まえた改善プロジェクトもスタートしています。
他社との競合優位性をDXに見出そうとしている東急リゾーツ&ステイ株式会社及び東急グループ。今回のプロジェクトのみならず、スピードと柔軟性を軸にその挑戦は今後も続いていくことでしょう。Jiteraも尽力して参ります。