WEB開発は、インターネット上で動作するウェブサイトやアプリケーションを作成するために必要な業務です。
この分野は技術の進化と共に急速に変化しており、流行のデザインやアプリケーションもそれに従って常に移り変わっています。
本記事では、WEB開発の基本から必要なスキルや知識、さらにはエンジニアのレベル別に求められる能力について、初心者から上級者までを幅広く解説していきます。
また、効率的なチーム構築やプロジェクト管理のポイントも紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
2014年 大学在学中にソフトウェア開発企業を設立
2016年 新卒でリクルートに入社 SUUMOの開発担当
2017年 開発会社Jiteraを設立
開発AIエージェント「JITERA」を開発
2024年 「Forbes 30 Under 30 Asia 2024」に選出
Web開発とは?基本的な理解から始めよう
Web開発は、インターネット上で動作するウェブサイトやウェブアプリケーションを作成、構築、維持する業務です。
このプロセスには、ウェブデザイン、ウェブコンテンツ開発、クライアントサイド/サーバーサイドスクリプティング、ネットワークセキュリティ設定などが含まれていますが、現代のWEB環境では企業などがネット上での存在感を出しつつ顧客との接点を持つためには不可欠な工程といえます。
Web開発の基本とは?その役割とプロセス
Web開発は、要件定義から始まり外部設計、内部設計、開発、各種テストの実施、リリース、そして運用・保守に至るまでが一連のステップとなっています。
このプロセスはプロジェクトの目的、ターゲットユーザー、機能要件、予算、期間などに基づいて計画され、Web開発はユーザーにとって使いやすく、情報を効果的に伝えることができるウェブサイトやアプリケーションを構築することを目指しています。
なぜWeb開発がビジネスに重要なのか
Web開発はビジネスにとって極めて重要な扱いとなっています。
オンラインプレゼンスを通じて企業は広範囲な顧客にリーチし、ブランド認知度を高めることができるでしょう。
また、ウェブサイトやウェブアプリケーションは、商品やサービスのオンライン販売、顧客サポートの提供、マーケティング活動の実施など、ビジネスのあらゆる側面をサポートするツールとしても機能します。
そのため、Web開発はブランディング・マーケティングの両面を高める効率的な手段となっているため、現代ビジネスにおいては必要不可欠となっています。
Web開発での必要知識:言語とツール
Web開発はデジタル時代の基盤を作っているほど私たちの日常生活に不可欠なサービスを提供しています。
この分野についてひもと解いていくと、多様なプログラミング言語やツールの習得に依存していることがわかります。
ここではWeb開発における主要な言語とツールについて、その特徴と活用例について深掘りして解説していきます。
フロントエンド開発
フロントエンド開発は、ユーザーが直接触れるウェブサイトのインターフェース部分を構成する開発領域で、この領域ではHTML、CSS、JavaScriptが主に使用されています。
HTML
ウェブページの骨組みを作るためのマークアップ言語で、HTMLはテキストコンテンツや画像、リンクなどのウェブページの基本的な構造を定義しています。
CSS
ウェブページのスタイルを定義するスタイルシート言語で、CSSを使用してフォントの種類、色、レイアウトなど、ページの視覚的な要素を制御しています。
デザインの一貫性を保ちながら、ブランドイメージに合わせたスタイリングが可能となります。
JavaScript
ウェブページに動的な機能を追加するプログラミング言語で、フォームの検証、スライドショー、インタラクティブなマップなど、ユーザーのアクションに応じてページの内容を動的に変更することができます。
多機能で動的なWEBサイトなどの作成に向いているJavaScriptはWEB開発業界でも人気のプログラミング言語となっています。
バックエンド開発
バックエンド開発は、サーバー、アプリケーション、データベースの管理を含むプロセスで、PHP、Java、Ruby、Pythonなどの言語が使用されています。
PHP
サーバーサイドで動作するスクリプト言語で、動的なウェブページの生成に適しています。
WordPressなどのCMSやカスタムウェブアプリケーションの開発に広く使用されています。
Java
オブジェクト指向のプログラミング言語で、プラットフォームに依存しない特性があります。
エンタープライズレベルのアプリケーション開発やAndroidアプリ開発に利用されます。
Ruby (Ruby on Rails)
開発サイクルを迅速化することができるフレームワークを持つ言語でスタートアップ企業に人気があり、迅速なプロトタイピングやMVP開発に適しています。
Python
読みやすく、書きやすい構文を持つプログラミング言語です。
DjangoやFlaskなどのフレームワークとともに、ウェブ開発のみならずデータ分析や機械学習プロジェクトにも使用されています。
データベース
データベースは、ウェブアプリケーションで扱うデータを効率的に保存、管理するシステムです。
MySQL、PostgreSQL、MongoDBなどが主に使用されています。
MySQL
リレーショナルデータベース管理システムで、SQL言語を使用してデータを操作します。
ウェブアプリケーションのバックエンドで広く使用されています。
PostgreSQL
高度な機能を持つオブジェクトリレーショナルデータベースシステムです。
地理空間データの扱いや大規模なトランザクション処理に適しています。
MongoDB
スキーマレスであるドキュメント指向のNoSQLデータベースです。
柔軟なデータ構造を持つアプリケーション開発に適しています。
サーバー環境
サーバー環境はWebアプリケーションやウェブサイトをホストし、インターネットを通じてユーザーにサービスを提供するための基盤となる環境技術・ツールです。
この環境は、アプリケーションの実行、データの格納、ユーザーのリクエストへの応答など、Web開発のバックエンド側で重要な役割を果たしています。
主要なサーバー環境にはApache、Nginx、Node.jsがあり、それぞれ独自の特徴をもっています。
Apache
Apache HTTP Serverは、世界で最も広く使用されているWebサーバーソフトウェアの一つで、その信頼性、拡張性、モジュール式アーキテクチャにより、小規模なウェブサイトから大規模なウェブアプリケーションまで幅広く対応できます。
Apacheは、.htaccessファイルを通じてサーバー設定を柔軟に制御できるため、ホスティング環境でのカスタマイズが容易となっています。
例えば、WordPressなどのCMSを動かす際によく利用されています。
Nginx
Nginx(エンジンエックスと発音)は非同期イベント駆動アーキテクチャを採用しており、高いパフォーマンス、高い並行処理能力、低メモリ消費で知られています。
静的コンテンツの配信、ロードバランシング、リバースプロキシとしての機能に優れており、特に高トラフィックのウェブサイトやアプリケーションに適しています。
大規模なオンラインサービスや、マイクロサービスアーキテクチャを採用したシステムでよく使用されています。
Node.js
Node.jsはサーバーサイドでJavaScriptを実行するためのプラットフォームで、非ブロッキングI/Oとイベント駆動モデルを採用しており、リアルタイムWebアプリケーションの開発に適しています。
Node.jsはWebサーバーそのものを構築することもできるため、従来のサーバーソフトウェアとは異なるアプローチを提供しています。
例えば、チャットアプリやライブアップデートが頻繁に行われるウェブアプリケーションの開発に利用されています。
選択の考慮事項
サーバー環境を選択する際にはアプリケーションの要件、トラフィックの量、開発チームの技術スタック、保守のしやすさなど、多くの要因を考慮する必要があるでしょう。
ApacheやNginxは静的コンテンツの配信やリバースプロキシとして優れていますが、リアルタイムのインタラクションが必要なアプリケーションではNode.jsが適している場合があります。
また、クラウドサービス(AWS、Google Cloud Platform、Microsoft Azureなど)を利用することで、サーバー環境のセットアップ、スケーリング、管理がしやすくなります。
フレームワーク
フレームワークはWeb開発の効率を大幅に向上させるための重要なツールで、これは開発者が一から全てをコーディングする代わりに、既に構築されたコードのセットを利用してアプリケーションを構築できるようにするものです。
フレームワークは特定の言語で書かれており、その言語の機能を拡張してより迅速かつ簡単に開発を進めることができます。
React
Facebookによって開発されたJavaScriptフレームワークで、ユーザーインターフェースの構築に特化しています。
Reactはコンポーネントベースのアーキテクチャを採用していて再利用可能なUI部品を作成することができ、例えば社交メディアプラットフォームやダッシュボードアプリケーションの開発に適しています。
Vue.js
シンプルでありながら強力なJavaScriptフレームワークです。
Vue.jsは簡単な構文と柔軟性を兼ね備えており、小規模から大規模アプリケーションまで幅広く対応できます。
相互に作用するようなウェブサイトやシングルページアプリケーション(SPA)の開発に最適です。
Django
Python言語で書かれた高レベルなフレームワークで、迅速な開発とクリーンな設計を行えるようになります。
Djangoは、セキュリティ機能が豊富で、データベース操作、ユーザー認証、管理インターフェースなどを簡単に実装でき、Eコマースサイトやソーシャルネットワークサービスなど、データ駆動型のウェブアプリケーションに適しているといえます。
Express.js
Node.jsのための最も人気のあるバックエンドフレームワークの一つで、Express.jsはシンプルで柔軟なルーティングシステムを提供しており、APIの構築とサーバーサイドアプリケーションの開発をしやすくしています。
リアルタイムアプリケーションやREST APIの開発に最適といえます。
セキュリティ
Web開発におけるセキュリティは、アプリケーションとそのユーザーを保護するために不可欠です。
開発プロセス全体にセキュリティ対策を組み込むことで、データ漏洩、サイバー攻撃、その他のセキュリティ脅威から保護することができます。
SQLインジェクション防止
データベースへの不正なクエリを防ぐために、入力値のサニタイズとパラメータ化されたクエリの使用が重要となります。
XSS(クロスサイトスクリプティング)対策
ユーザーからの入力を適切にエスケープすることで、悪意のあるスクリプトがウェブページに挿入されるのを防ぐことができます。
データ暗号化
ユーザーデータや通信を暗号化することで、データの盗聴や改ざんを防ぎます。
HTTPSの使用やデータベース内の機密情報の暗号化が含まれています。
認証と認可
強力なパスワードポリシー、二要素認証、適切なユーザー権限の管理を通じて不正アクセスを防ぎます。
これらのようにセキュリティは開発の初期段階から考慮されるべきであり、定期的なセキュリティテストとアップデートによってアプリケーションを最新の脅威から保護する必要があるでしょう。
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Webエンジニアのレベル別スキル
Webエンジニアリングの世界では、技術の習得と経験の積み重ねがエンジニアのレベルを決定するといっても過言ではありません。
ここでは、初級から上級までのエンジニアが持つべきスキルとそれに伴う具体的な活用例について紹介していきます。
初級エンジニアの必要スキル
初級エンジニアは、Web開発の基礎を理解している状態です。
HTML、CSS、JavaScriptの基本的な知識が必要で、簡単なウェブページの作成ができるレベルを指します。
また、バージョン管理システム(例:Git)の基本操作ができることも求められます。
初級エンジニアは、チームの指導のもとウェブサイトのフロントエンド開発に関わることが多く、例えばデザインチームから提供されたワイヤーフレームをもとに、HTMLとCSSを使用して静的なページを構築します。
また、JavaScriptを用いてフォームのバリデーションチェックなど、基本的な相互機能の実装を行うこともあります。
中級エンジニアの必要スキル
中級エンジニアは、複数のプログラミング言語やフレームワークに対応でき、独立してタスクを遂行できる能力を持っています。フロントエンドだけでなくバックエンドの開発スキル(例:Node.js、Ruby on Rails、Django)も求められることもあるでしょう。
データベース管理やAPIの開発、基本的なセキュリティ対策の知識も必要となります。
中級エンジニアは小規模ながらフルスタックのプロジェクトを担当することがあり、顧客管理システムの開発ではフロントエンドのユーザーインターフェース設計から、バックエンドのデータベース設計、RESTful APIの実装まで一貫して行います。
また、チーム内の初級エンジニアのコードレビューやメンタリングも担当することも期待される場合があります。
上級エンジニアの必要スキル
上級エンジニアは高度な技術力と豊富な経験を持ち、複雑な問題解決や新技術の導入、プロジェクト管理能力を有しています。
アーキテクチャの設計、パフォーマンス最適化、セキュリティの高度な対策、チームリーダーシップなどが求められ、ビジネス要件と技術要件を繋ぐ役割を果たすことも重要となります。
上級エンジニアは大規模なウェブアプリケーションの開発プロジェクトをリードし、eコマースプラットフォームの開発ではシステムの全体設計からセキュリティ対策、データベースのスケーリング、クラウドサービスの活用まで、プロジェクトの全段階にわたって技術的な指導を行います。
また、技術選定や新技術の研究、チームメンバーのスキルアップサポートも行う場合があります。
Web開発におけるチーム構築と管理スキル
Web開発プロジェクトでは、技術力の高さだけでなくチーム構築と管理スキルが非常に大切です。
効率的なチームワークとプロジェクト管理によって、複雑な開発タスクを円滑に進め、期限内に品質の高い製品を提供することができるでしょう。
ここでは、Web開発におけるチーム構築と管理の重要性に焦点を当て、そのスキルを向上させるための具体的な方法について解説していきます。
効果的なチーム構築のための要素
チーム構築において最も重要なのは、プロジェクトの目標とビジョンを共有することです。
チームメンバー全員が同じ方向を向いて努力するためには、プロジェクトの目的を明確に理解して、それに対する方針・意識を共有する必要があります。
また、各メンバーのスキルセットと経験を考慮して適切な役割と責任を割り当てることも重要でしょう。
これらが適切に管理できれば、メンバーは自分の能力を最大限に活用してチーム全体の生産性を高めることにつながるかもしれません。
新しいWebアプリケーション開発プロジェクトでは、プロジェクトマネージャーが最初にチームミーティングを開催してプロジェクトの目標、期待される成果、タイムラインを共有していきます。
その後、各メンバーのスキルと経験を考慮して、フロントエンド、バックエンド、デザイン、テストなどの具体的なタスクを割り当てます。
プロジェクト管理とコミュニケーションの重要性
プロジェクト管理はリソースの割り当て、スケジュールの管理、リスクの評価と対応計画の策定など、プロジェクトを成功に導くための重要な要素です。
効果的なコミュニケーションによってチームメンバー間の誤解を防ぎ、問題が発生した際に迅速に対処するためには絶対に不可欠な要素です。
定期的なステータスミーティング、進捗報告、オープンなフィードバックを行うことで、チームは一丸となってプロジェクトの目標に向かって進むことができるでしょう。
Web開発チームは週に一度のスプリントプランニングミーティングを実施し、次のスプリントで達成すべきタスクと目標を設定します。
また、デイリースタンドアップミーティングを通じて各メンバーの進捗状況を共有し、サポートが必要なタスクを特定していくことで、必要に応じた対策と調整を行うことができるようになります。
Web開発スキルの向上と実践
Web開発の世界は常に進化しており、新しい技術、フレームワーク、ツールが継続的に登場しています。
このためWeb開発者にとってスキルの向上と最新の技術への適応は、キャリアを通じて継続的に行わなければならない重要な活動となることは間違いありません。
スキルの向上と実践には、自己学習、公式ドキュメントの読解、オンラインコースやワークショップへの参加、そして何よりも実際のプロジェクトでの経験が含まれるでしょう。
プロジェクトベースの学習
実際のプロジェクトを通じて学ぶことは、新しいスキルを習得して既存の知識を強化する最も効果的な方法の一つとなります。
例えばReactやVue.jsなどの新しいJavaScriptフレームワークを学ぶためにプロジェクト参画することで、実際の課題や問題を確認でき、それに対応する解決策を学ぶことができます。
コードレビュー
チーム内でコードレビューを行うこともスキル向上のための一つの重要な手段です。
チームメンバーのコードをレビューすることで異なる論理やより良い実装方法を学ぶことができますし、自分のコードを他人にレビューしてもらうことで、新たな視点を得ることができてコーディングスキルの向上につながります。
オンラインリソースとコミュニティ
Udemy、Coursera、freeCodeCampなどのオンライン学習プラットフォームは、Web開発スキルを向上させるための便利なコンテンツです。
また、GitHub、Stack Overflow、Redditのような開発者コミュニティに参加することで、最新のトレンド、ベストプラクティス、一般的な問題の解決策について学ぶことができるでしょう。
継続的な学習と技術の更新
Web開発技術は常に発展しているため、定期的に業界のトレンドをチェックして新しい技術やツールについて学ぶことが重要です。
これには、新しいプログラミング言語の学習、最新のフレームワークやライブラリの採用、コーディングスタイルやアーキテクチャに関する知識の見直しなどが挙げられるでしょう。
例えば、WebAssemblyやProgressive Web Apps (PWA) などの新技術はWeb開発の可能性を大きく広げているといえます。
まとめ:Web開発のスキルと知識をビジネスに活かしましょう
Web開発は、インターネット上で機能するウェブサイトやアプリケーションを作成するプロセスであり、現代社会においてビジネスや日常生活に欠かせない要素です。
この記事ではWeb開発の基礎から始まり、必要な開発スキル、エンジニアのレベル別能力、効率的なチーム構築とプロジェクト管理の重要性、そして技術の継続的な学習と更新の必要性について幅広く解説してきました。
初級から上級レベルのエンジニアまで、自身の求められるスキルセットを理解しつつ、実践的なプロジェクトを通じてこれらのスキルを磨くことがWeb開発者として成功するための鍵といえます。
そのためには変化し続ける技術の流れに適応し、最新のトレンドやツールを学び続けることが重要です。
今回のテーマであるWEB開発をはじめ、システム開発はJitera社の最も得意とする領域です。
お悩みや相談、案件の依頼がある方はJitera社に一度ご相談してみてはいかがでしょうか。