GitHubは、ソフトウェア開発において中心的な役割を果たすプラットフォームです。世界中の開発者がコードの共有、プロジェクトの管理、コラボレーションを行うために利用しています。
しかし英語が主な言語であるため、英語に不安を感じる日本の中小企業の代表や情報システム部担当者にとっては、その利用が一つの壁となることも少なくありません。
この記事では、GitHub利用における英語の壁を乗り越え、GitHubを効果的に活用するための方法を、簡単な用語や使い方を交えて解説します。
小中規模プロジェクトを中心にSEやコンサルとして活動。クラウド導入やスタートアップ、新規事業開拓の支援も経験しました。
GitHubとは?初心者にもわかりやすく解説
GitHubは、ソフトウェア開発の中心的なプラットフォームです。
開発者はコードのホスティング、レビュー、プロジェクト管理を行いながら、効率的に開発を進められます。セキュリティ重視の姿勢で、Code ScanningやCodeQLなどのツールも提供しています。
オープンソースソフトウェアの公開場所としても活用され、世界中の技術を共有する場でもあります。「GitHub採用」という形で就職活動にも影響を与えるほど、大きな開発プラットフォームです。
リポジトリ、ブランチ、プルリクエストなどの基本概念を理解することで、より効果的に利用できます。
もし、リソース不足によりプロジェクト管理まで徹底できていないと、バグ報告などの重要事項の情報共有に支障が出てしまいます。そうならないためにも、システム開発〜管理まで一貫して行う開発会社にまとめて依頼するのも一つの手段です。
例えば、生成AIを活用したシステム開発を得意とするJitera株式会社の場合、細かなシステム開発〜最終的なシステム維持、管理を全て行なってくれます。エンジニアとコミュニケーションもすぐに取れるため、多くの会社が依頼をしています。
現状の相談から最終的に行いたい内容相談まで無料でできるので、気になる方はぜひ私たちまでお問い合わせください。

GitHubの日本語化方法

GitHubの日本語化は、英語が不安なユーザーや日本語を母国語とする開発者にとって大きなメリットをもたらします。
しかし、現在GitHubの公式インターフェースは基本的に英語のみです。
ただ、GitHubのヘルプページは日本語に対応しています。そのため、慣れてくれば英語でも問題ありません。ブラウザの翻訳機能を使用すれば、公式な翻訳ではありませんが日本語である程度理解することも可能です。
GitHubのコミュニティやドキュメンテーションでは日本語のサポートも充実しており、日本語で情報を得ることはできます。
GitHubの基本操作と使い方

GitHubは、ソフトウェア開発プロジェクトでのコード管理を行うためのプラットフォームです。
世界中の開発者が利用しており、コードのバージョン管理、コラボレーション、レビューのための強力なツールとなっています。
このプラットフォームでは、個人のプロジェクトから大規模な企業レベルのプロジェクトまで対応可能で、効率的な開発フローをサポートしています。
ここでは、GitHubの基本的な使い方を、アカウント作成からコードのプッシュまで具体的に説明していきます。
アカウントを作成する

GitHubでのプロジェクト作業を開始するためには、まずはアカウントの作成が必要です。
GitHubの公式サイトにアクセスして「Sign up」ボタンをクリックすると、ユーザー名、メールアドレス、パスワードを入力することが求められます。
入力後、メールアドレスに送信される確認リンクをクリックしてアカウントを有効化します。自分のメインのメールアドレス以外にGitHub専用のメールアドレスを設定すると、セキュリティを向上させることができます。
また、後々のプロジェクト管理をスムーズに行うために、初めからプロフィール情報をしっかりと設定しておくことをおすすめします。
リポジトリを作成する

GitHubでプロジェクトを開始するには、リポジトリ(プロジェクトのコンテナ)の作成が必須です。
リポジトリを作成するには、GitHubのダッシュボードから「New repository」ボタンをクリックします。
リポジトリ名、短い説明(オプション)、公開設定(公開または非公開)、そして「Initialize this repository with a README」のチェックボックスを選択します。
READMEファイルはプロジェクトの概要を説明するファイルで、この初期段階で追加しておくと他のユーザーがプロジェクトの目的をすぐに理解できます。
また、以下の ファイルを追加して、不要なファイルや機密情報がGitリポジトリに誤って追加されないようにすると良いでしょう。
コードをプッシュする
ローカルで開発したコードをGitHubにアップロードするには、Gitの基本的なコマンドが必要です。
まず、ローカルリポジトリを初期化するために、プロジェクトディレクトリで以下コマンドを実行します。
次に、GitHubリポジトリをローカルに関連付けるために、次のコマンドを使います。
コードの変更をステージングエリアに追加するコマンドを実行。
変更をコミットするためには次のコマンドを実行します。
最後に、次のコマンドを使用して、ローカルの変更をGitHubのリポジトリにプッシュします。
これで、GitHub上にあなたのコードが反映され、他のユーザーと共有することが可能になります。
プロジェクトの開始方法
チームプロジェクトを開始するには、まず右上のプロフィールアイコンをクリックします。
そこから「Your organizations」をクリック。

すると、自分の所属する組織が表示されるので、該当のところより「Projects」をクリックします。

テンプレートを使用したものなのか、空のプロジェクトなのか選択できるので、該当のものを選んで完了です。
チームでの協力方法
開発チームで同じプロジェクトを進めるには、メンバーをチームに追加しなければなりません。
先ほどと同じように、まず右上のプロフィールアイコンから、「Your organizations」をクリックします。

該当の組織をクリックし、「Teams」をクリック。

チームページの上部の「Members」をクリックし、必要なメンバーをチームに追加します。

ここには、同じ組織のメンバーもそうでないメンバーも追加が可能です。これで、チームでの作業を開始できます。
参考:GitHub Doc
GitHubを使った開発のメリット

GitHubを利用する際のメリットは多岐にわたります。
これらのメリットは開発の透明性を高め、チーム内でのコラボレーションを促進し、品質の高いソフトウェア開発を実現します。詳しく見ていきましょう。
効率的なプロジェクト管理ができる
GitHubは、ソフトウェア開発プロジェクトの管理を効率化する多くの機能を提供しています。
イシュートラッキング、プロジェクトボード、マイルストーンなどの機能を使用することで、タスクの割り当て、進捗管理、優先順位付けが容易になります。
また、プルリクエストを通じたコードレビューのプロセスにより、品質管理も効率的に行うことも可能です。
GitHubを利用することで、チームの協働が促進され、プロジェクトの透明性が高まります。
検索機能が優れている
GitHubの検索機能は非常に強力で、大規模なプロジェクトでも必要な情報を素早く見つけることができます。
コード内の特定の文字列や、コミットメッセージ、イシューの内容など、様々な対象を検索できます。また、高度な検索オプションを使用することで、特定の言語で書かれたコードや、特定の期間内のコミットなど、より細かい条件で検索することも可能です。
優れた検索機能により、開発者は過去のコードの再利用や、バグの原因特定などを効率的に行うことができます。
コードファイルの管理や非公開ファイルの保存ができる
GitHubでは、バージョン管理システムのGitを使用しています。そのため、コードの変更履歴を細かく追跡することが可能です。誰がいつどのような変更を行ったかを簡単に確認でき、必要に応じて過去のバージョンに戻すこともできます。
また、プライベートリポジトリ機能を使用すれば、機密性の高いコードや非公開にしたいファイルを安全に保存することも可能です。
大容量ファイルの管理のためのGit Large File Storage (LFS) では、画像やビデオなどの大きなファイルも効率的に管理できます。
GitHubでは、コードの品質管理や機密情報の保護が簡単なのです。
GitHubを使った開発の注意点

メリットの多いGitHubですが、注意点もあります。ここでは、GitHubを利用する際に気を付けるポイントを解説します。
セキュリティとプライバシーの管理に懸念がある
GitHubでは多くの開発者が協力して作業を行うため、セキュリティとプライバシーの管理が重要な課題となります。
特に、機密情報や個人情報が誤って公開リポジトリにコミットされるリスクがあります。
このリスクを軽減するためには、.gitignoreファイルの適切な設定、機密情報の環境変数化、リポジトリの可視性設定の確認など、慎重な管理が必要です。また、定期的なセキュリティ監査や、GitHubが提供するセキュリティ機能(例:Dependabotアラート)の活用も重要です。
ブランチ管理の最適化が必要である
効果的なGit開発には適切なブランチ戦略が不可欠です。
しかし、ブランチの数が増えすぎたり、長期間にわたって分岐したままのブランチが存在したりすると、マージの複雑さが増し、コンフリクトのリスクが高まります。
これを防ぐためには、GitFlowやGitHub Flowなどの確立されたブランチ戦略を採用し、定期的にブランチをマージまたは削除するなど、適切なブランチ管理を行う必要があります。
外部ライブラリのライセンスに気を付ける
GitHubを通じて多くのオープンソースライブラリを簡単に利用できます。しかし、それぞれのライセンス条項に注意を払う必要があります。
特に、商用プロジェクトでオープンソースライブラリを使用する場合、そのライセンスが商用利用を許可しているかを確認することが重要です。
また、ライセンスの互換性にも注意を払い、プロジェクト全体のライセンシングに問題が生じないようにする必要があります。
定期的なライセンス監査や、依存関係管理ツールの利用が推奨されます。
【日本語で学習】GitHub初心者向けのリソース

GitHubを効果的に活用し、社内での普及を図るためには、初心者から上級者まで段階的に学習リソースを提供することが重要です。
ここでは、初心者に焦点を当てて紹介します。GitHub学習初心者の学習法は、主に以下の4つです。
- 基本的な操作を理解する
- 学習サイトとチュートリアルを利用する
- ローカルとリモートの概念を把握する
- シンプルなプロジェクトで実践する
初心者は、コミット、プッシュ、プルなどの基本操作から学びましょう。
GitHubの使用では、ローカルリポジトリ(自分のパソコン内に存在するファイル保存場所)とリモートリポジトリ(GitHubに存在するファイルの保管場所)の概念、ブランチの概念を理解することが不可欠です。
実際にディレクトリをAdd、Commit、Pushするプロセスを通じてGitHubにファイルをアップロードする練習を行いましょう。このプロセスは、ディレクトリを「椅子に座らせる」、「発射台に移動させる」、「インターネット上に発射させる」といったイメージを描くと、理解しやすくなります。
Web上には、GitおよびGitHubを学ぶための多数のリソースがあるので、参考にできるサイトを紹介します。
Learn Git Branching

Learn Git Branchingは、Gitのブランチ操作とリモートリポジトリの操作を学ぶための対話型のWebベース学習ツールです。実践的なゲームを通じてGitの基礎から一歩進んだ機能までを学べるサイトです。
Git初心者からある程度経験のある開発者まで、幅広いレベルの人々がGitの理解を深めるのに役立ちます。実際の開発環境を模しているため、学んだスキルを実践に直接生かせる点も大きな利点です。
GitHubで共同開発のためのチュートリアル

『GitHubで共同開発のためのチュートリアル』のような初級者向けの解説記事も学習には有効です。
入門レベルのものですが、GitHubを使った共同開発の基本的な流れを示しています。各ステップを順番に実践することで、GitHubの主要な機能を理解し、効果的に共同作業を行うための基礎を身につけることができます。
初心者は、これらの基本を押さえた上で、より高度な機能や効率的なワークフローを学んでいくようにしましょう。GitHubを使った共同開発のスキルを向上させることができます。
組織内でGitHubを導入する方法
社内でGitHubを導入し、チームメンバーのスキルアップを促進するためのワークショップや研修を計画する際には、参加者の多様性とワークショップの目的を明確にすることが重要です。
ここでは、ワークショップや研修を成功に導くためのアイデアと手法を紹介します。
ワークショップ計画を立てる
まずは、ワークショップ計画を立てましょう。参加者の経験、興味、職種を把握し、それに合わせた内容を用意します。
初心者と上級者が混在する場合は、異なるレベルに対応したセッションを用意すると良いでしょう。
ワークショップのゴールを決める
続いてワークショップのゴールを明確にし、それを達成するためのステップを計画します。
例えば、GitHubの基本操作の理解、コラボレーションの流れの体験、実際のプロジェクトへの応用などです。
実際に手を動かしながら学ぶ
そしてアイデアの発散、共有、掛け合わせ、まとめといった活動を通じて、実際に手を動かしながら学べる環境を提供します。
付箋やサインペン、イーゼルパッドなどの物理的なツールを活用すると、参加者の創造性を刺激しやすくなります。
まとめ:GitHubには日本語のリソースが多い

先ほども紹介したように、GitHubの公式インターフェースは英語のみです。しかし、GitHubには日本語のリソースが豊富に用意されており、日本人開発者にとっても利用しやすい環境が整っています。
公式ドキュメントやヘルプページの日本語翻訳、日本語でのコミュニティディスカッション、日本語で書かれたリポジトリ、日本語のチュートリアルやガイド、イベント、ブログ記事など、幅広い日本語コンテンツが見つかります。
これらの充実した日本語リソースにより、英語が苦手な開発者でもGitHubの機能を十分に活用できるでしょう。
もし開発に課題を感じている方は、ぜひ株式会社Jiteraへお問い合わせください。Jiteraでは簡単に開発できるツールをご提供している他、様々な開発のご相談をお受けしています。


