昨今ではAIを利用した様々な生成ツールが存在します。その生成ツールを使用する事で、効率的に自身が考えたアウトプットが可能なのです。
今回はそんなAIによる生成ツールの一つである、Civitaiについて徹底解説していきます。Civitaiの概要から導入方法、使ってみた感想まで解説します。
さらに、Civitaiは商用利用可能か、料金等についても詳しく触れていきますので、Civitaiを使って業務効率化を図りたい方も、是非参考にしてみて下さい。
Civitaiとは

Civitaiとは、簡単に書くとStableDiffusionを使用し、作成したモデルをアップロードするプラットフォームです。アップロードされているモデルをダウンロードし、画像生成ツールに対してインストールします。それ故に画像生成を可能とします。
Civitaiを使う際には基本的にCivitaiにアクセスして、気に入った、あるいは導入したいといったモデルをダウンロードし、自分好みにカスタマイズしてくといった手法を行うのです。
ここでは、Civitaiを利用するにあたって
- Civitaiは商用利用可能?
- Civitaiは日本語対応している?
これら二つの観点から解説しています。
Civitaiの商用利用できるかはモデルによって異なる
まずCivitaiは商用利用可能かについてですが、利用するモデルによって、商用利用の可否が変わってきます。Civitaiには全世界から数多くのモデルが登録されています。さらにモデルの作者も、趣味でCivitaiに提供していたり、プロとしてCivitaiに提供している方がいるのです。
これらの要因で、Civitaiがモデルによって商用利用の可否が違うと考えられます。
Civitaiは日本語対応していない
Civitaiは日本語対応しているか、についてですが、日本語には対応していません。Civitaiは海外で制作されたプラットフォームですので、日本向けではなく、海外向けプラットフォームです。それ故に、日本の市場はあまり意識せず制作されたかと思われます。
しかし、GoogleChromeの日本語翻訳機能を利用すれば、一時的な対処となりますが、日本語での使用も十分可能です。
Civitaiの危険性

Civitaiは「Stable Diffusion」などのAIモデルを使った画像生成プラットフォームとして、多くのユーザーに利用されていますが、その利便性には一部リスクも伴います。
特に、Civitaiを無料で使い方を学ぶユーザーや、商用利用を検討する場合には注意が必要です。
ここからは、著作権侵害やプライバシー保護など、Civitaiの危険性について詳しく解説します。日本語での利用やおすすめモデルも魅力的ですが、商用利用やサインイン時のリスクを理解した上で使うことが大切です。
著作権侵害のリスク
Civitai上で提供されるStable Diffusionモデルには、他者が著作権を持つ画像やキャラクターのデータを含む場合があり、これを商用利用することで著作権侵害に巻き込まれるリスクがあります。
特に商用目的で使用する場合には、Civitaiの各モデルに設定されたライセンスを確認し、日本語の説明がない場合は英語で内容を確認するなど、使用上の条件を十分に理解することが重要です。
また、リスクを避けるため、オリジナル作品やパブリックドメイン素材の活用もおすすめします。
プライバシー保護がされない
Civitaiの利用にあたっては、プライバシー保護の観点から注意が必要です。
特に、無料でのサインイン時に個人情報を登録する必要がある場合、セキュリティ対策が十分でないプラットフォームでは情報が漏洩するリスクが考えられます。
日本語でのサポートがなく、入れない状態になるケースもあり、個人情報を保護するためには、信頼できるセキュリティ対策が施されているか確認した上で利用することが望ましいでしょう。
また、Civitaiの使い方を学ぶ際は、プライバシー設定を確認し、安全性を優先することが大切です。
Civitaiがダウンロード可能なデータ

ここではCivitaiを利用するにあたって、どのようなダウンロード可能なデータがあるのかについて、解説していきます。
まず、ダウンロード可能なデータは
- モデル
- LoRA
- LyCORIS
- VAE
- ポーズ集(Controlnet)
これら5つが挙げられます。Civitaiは冒頭で紹介した通りモデルをダウンロードしてそれをカスタイマイズして生成しますが、Civitaiは、モデル以外にも様々なAI学習に対応したデータのダウンロードを可能としています。
それ故に、Civitaiを上手く活用することで、利用したいAIに合わせた画像生成が可能になるのです。
これら5つのデータの特徴を、一つずつ解説しいきます。
モデル(Checkpoint)
まずCivitaiで一番利用されているデータが、この「モデル(Checkpoint)」です。しかしモデルといっても、対応する様々な学習AIが存在します。
このCivitaiが指している「モデル」は、Checkpointと呼ばれる生成AIの事を指しています。
ややこしい話になりますが、今後画像生成ツールを使用する際、覚えておく必要がありますので、この点は理解しておくべきでしょう。
このモデル(Checkpoint)は事前に学習したAIを導入しているので、カスタマイズできる幅が広いのが特徴です。
LoRA
LoRAは、Low Rank Adaptationの略称であり、画像生成するためのツールの一つです。
主にモデルに対して軽微なカスタマイズを行う際使用されるデータです。
そのため、モデルを使用して少し装飾を変更したい場合は、LoRAのデータをダウンロードするとよいでしょう。
LoRAは事前学習済みのAIなどに、少ないデータ容量を効率よく処理することが特徴です。
それ故に大規模な学習データを効率的に行いたい場合にLoRAを使用するのが一般的です。
LoRAについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
LyCORIS
次に、LyCORISについてですが、これはCivitaiが主に利用しているStable Diffusionの新しいバージョンのモデルを指しています。
それ故に、CivitaiからLyCORISのモデルをダウンロードしてカスタマイズする場合、カスタマイズできる幅が、Checkpointより広いです。
LoRAの上位版でもあるので、よりモデルのカスタマイズを幅広くしたい場合は、LyCORISのモデルを使用すると良いでしょう。
VAE
VAEは、Vriational Auto Encoderの略称であり、エンコーダーとデコーダーの二つのシステムで動作するモデルです。
VAEはこの二つのシステムを活用することで、精度の向上が見込まれます。
これにより、画像生成する際に、ユーザーが求めている生成データのクオリティが向上します。そして、ユーザーが意図した通りの生成が可能な点も特徴と言えるでしょう。
ポーズ集(Controlnet)
最後にポーズ集(Controlnet)ですが、これはStable Diffusionの拡張機能の事を指しています。
それ故に、Civitaiが提供しているポーズ集をダウンロードし、モデルにポーズ集(Controlnet)を適用すると、そのモデルの詳細な設定や制御が可能なのです。
画像生成AIとしてStable Diffusionを利用していてモデルをダウンロード済みの場合、このポーズ集を組み合わせることでより高品質な画像生成が可能になります。
Civitaiの使い方

ここではCivitaiの使い方について解説します。主に以下の6つの手法により、使用していきます。
- Civitaiにアクセス
- Civitaiにサインインする
- 各カテゴリからサンプルを確認する
- モデルのダウンロード方法
- LoRAのダウンロード方法
- プロンプトの確認方法
それぞれ画像を交えて解説します。
Civitaiにアクセスする
Civitaiにアクセスすると、以下の画面が出力されます。

Civitaiにサインインする
1.Civitaiにアクセスしたら、サインインの為の手続きをします。
画面上部のSign Inをクリックすると、以下の画面が出力されます。ここに登録用のメールアドレスを入力します。

2.メールアドレスを入力すると、メールにリンクを送信したとのメッセージが出力されますので、メールを確認し、認証します。

3.メールを確認し、認証をしたら、利用規約に同意するか聞かれますので、Acceptをクリックします。
すると以下のようにメールアドレスとユーザー名を入力する画面が出力されるので、メールアドレスは認証時のメールアドレス、ユーザー名は他のユーザー名と被っていない名前を入力します。

4.すると以下の画面が出力され、Doneをクリックすると、ユーザー登録及び、サインイン完了となります。

各カテゴリからサンプルを確認する
Civitaiを使用する際、以下の4つのカテゴリから選択して使用できます。
- Models
- Image
- Videos
- Articles※廃止
これらを一つずつ説明していきます。
Models
Modelsでは、投稿されたモデルのダウンロードや、投稿されたモデルで画像生成できます。

Images
Imagesでは、Civitaiに投稿された画像を確認できます。画像の他に、どのような手法で生成したのかも確認できます。

Videos
Videosでは、Civitaiに投稿された、生成AIによる動画を確認できます。

Articles※廃止
Civitaiに投稿された記事を確認できます。※2024/08/31時点でこの項目が無くなっています。
モデルのダウンロード方法
モデルのダウンロード方法は下記の通りとなります。
1.モデルのページへ移動し、ダウンロードしたいモデルがある画像をクリックします。

2.ここで、画面右のCreateという箇所の横にあるボタンをクリックすると、モデルのダウンロードができます。

LoRAのダウンロード方法
次に、モデルファイルのLoRAのダウンロード方法について解説します。
1.Civitaiのトップページへ行き、Modelsをクリックします。その後、画面右端のFiltersをクリックします。

2.その中からLoRAをクリックします。

するとこのように、CivitaiからLoRAのみのモデルが抽出されるようになり、LoRAモデルのみのダウンロードが可能になります。

プロンプトの確認方法
最後にプロンプトの確認方法について解説します。
1.プロンプトを確認したい画像をクリックします。その際、右下にiのマークが付いている事を確認しておきましょう。

2.この画像の右下にあるiのマークをクリックすると、プロンプトを確認できます。

Stable Diffusionとは

Stable Diffusionは、テキストから高品質な画像を生成できるAIモデルで、AIアートやコンテンツ制作などさまざまな用途で利用されています。
Civitaiは、このStable Diffusionのモデルを無料でシェアしたり、独自のモデルをアップロードできるプラットフォームとして、多くのユーザーに活用されています
Civitaiの使い方を覚えることで、Stable Diffusionを活用し、画像生成に必要なおすすめモデルを見つけたり、商用利用の可否を確認することが可能です。
画像を生成できる
Stable Diffusionは、テキストをもとにAIが自動で画像を生成できる画期的な技術です。
Civitaiで公開されている多様なモデルを活用することで、ユーザーは自由に異なるスタイルやテーマの画像を生成できます。
画像生成の用途に合わせて適切なモデルを選ぶことが、成果を出すコツです。
基本的に商用利用できる
Stable Diffusionは、基本的には商用利用も可能なAI技術ですが、Civitaiで提供されている各モデルには異なるライセンスが設定されています。
そのため、Civitaiでの商用利用を検討する際には、モデルごとに利用条件を確認することが必要です。
多くのモデルが商用利用に対応していますが、著作権が絡む場合もあるため、商用用途では事前にリスクを理解し、正確な情報に基づいて選択するのが重要です。
【Google Colab】stable diffusionでモデルを利用する方法

ここではGoogle Colabを使用して、stable diffusionでモデルを利用する方法について解説します。
主に以下の3つの手順で実行できます。
- Googleドライブにモデルをアップロードする
- Google ColabからStable Diffusionを実行する
- アップロードしたモデルのパスを設定する
Googleドライブにモデルをアップロードする
まず事前に、アップロードするモデルをダウンロードしておきましょう。モデルのダウンロードは記事内のモデルのダウンロード方法で解説していますので、参考にしてみてください。
1.Googleドライブにログインします。

2.Googleドライブにログインしたら、「新規+」クリックし、「新しいフォルダ」を選択します。

3.新しいフォルダと出力されますので、任意の名前を入力し、作成をクリックします。今回はNewModelsとします。

4.作成したフォルダにダウンロードしたモデルを、ドラッグ&ドロップでアップロードします。

Google ColabからStable Diffusionを実行する
1.Google Colabのページへ移動します。

2.ファイルからドライブの新しいノートブックをクリックします。

3.ノートブックを開くと、以下の画面が出力されるので、横にあるGitHubタブをクリックします。

4.この検索窓に
https://github.com/TheLastBen/fast-stable-diffusion.git
と入力します。
5.その後、リポジトリとパスが画面内に出力されますので、以下のように設定します。そしてノートブックを新規作成をクリックします。
リポジトリ:TheLastBen/fast-stable-diffusion
パス:fast_stable_diffusion_AUTOMATIC1111.ipynb

6.すると以下のような画面が出力されますので、それぞれの項目を上から順番に実行していきます。
※その前にランタイムをGPUに接続すると、より速く生成が可能になります。

アップロードしたモデルのパスを設定する
最後に、アップロードしたモデルのパスを設定する事で、モデルを利用できます。
以下の画面で、マウントしたgoogleドライブからパスをコピーし、貼り付けをします。

これでStable Diffusionが実行できます。
【WebUI】stable diffusionでモデルを利用する方法

ここではStable Diffusion WebUIを使用したStable diffusionで、モデルを利用する方法について解説します。
主に
- 指定フォルダにモデルをアップロードする
- Stable Diffusion WebUIを起動する(既に開いている場合は更新する)
- Checkpointからアップロードしたモデルを設定する
これら三つの手順で利用できます。
事前準備として、Python(必ずバージョン3.10を選択してください。3.12だとStable Diffusion WebUIをインストールできません。)及びGitの最新バージョンのインストールを完了させ、以下の操作を行っていきます。
1.任意のフォルダで右クリックし、Open Git Bash Hereを選択します。そして以下のコマンドを実行します。
2.実行したら、任意のフォルダにStable Diffusion WebUIの実行用のファイルやフォルダが作成されます。
指定フォルダにモデルをアップロードする
以下のフォルダにモデルをアップロード(格納)します。
C:\xxx(指定のユーザー名またはフォルダ名)\stable-diffusion-webui\models\Stable-diffusion
Stable Diffusion WebUIを起動する(既に開いている場合は更新する)
1.前述のStable Diffusion WebUIをインストールしたフォルダを開き、以下のwebui-user.batを実行します。

2.するとローカルからStable Diffusion WebUIを通して、Stable Diffusionのインストールが開始されます。

3.インストールが完了すると、以下の画面が出力されます。

Checkpointからアップロードしたモデルを設定する
冒頭にて述べた、アップロードしたモデルをStable Diffusion WebUIで設定する方法について説明します。
以下の画面で、画面左上にあるStable Diffusion checkpointという項目にあるボックスから、ファイル名を選択できます。
ファイル名がそのままモデル名になりますので、選択後、ボックス横にある青いマークをクリックすると、モデルを設定できます。

Civitaiの料金

| 項目 | フリープラン | ブロンズプラン | シルバープラン | ゴールドプラン | 
| 作成できる画像数 | 〜4枚/1作業 | 〜8枚/1作業 | 〜10枚/1作業 | 〜12枚/1作業 | 
| Civitaiで使用できるストレージ容量 | なし | 100GB | 250GB | 500GB | 
| 価格 | 無料 | 月10ドル | 月25ドル | 月50ドル | 
Civitaiには料金プランがあります。基本的にCivitaiにログインし、投稿された画像や動画を見るだけであれば、全て無料です。
しかし、Civitaiは画像生成を主に行っていくプラットフォームでもあるので、Civitaiからモデルをダウンロードして画像を生成する場合、課金をする必要があります。
無料プランはもちろんあります。自分が画像投稿する枚数や、使用するストレージ容量に合わせてプランを指定しましょう。
Civitaiと似ているおすすめの画像生成AIツール5選

画像生成AIツールは、アートやデザインの制作を支援し、ビジュアルコンテンツの可能性を広げてくれる非常に便利な存在です。ここでは、Civitaiと似たおすすめのツールを5つ紹介し、それぞれの特徴や利用シーンについて解説します。
Hugging Face

Hugging Faceは、AI開発者やデータサイエンティストにとって強力なコミュニティおよびプラットフォームです。
Stable Diffusionを含むさまざまなモデルが公開され、簡単にアクセスして利用できます。
ユーザーはモデルを直接試せて、画像生成に加えて自然言語処理や音声生成など幅広いAIモデルも使用可能です。
Lexica

Lexicaは、Stable Diffusionを活用した画像データベースと検索エンジンを兼ね備えたプラットフォームです。
キーワードやテキストプロンプトを入力するだけで、豊富な画像が検索でき、閲覧した画像をそのままダウンロードできます。Civitai同様、ユーザーはキーワードやプロンプトから生成された画像を利用してインスピレーションを得たり、デザインの参考にもできます。
また、インターフェースもシンプルで使いやすいため、初心者からプロまで幅広く活用されており、画像生成プロセスの手軽さと効率性が特徴です。
Artbreeder

Artbreederは、複数の画像やスタイルを組み合わせ、新しいビジュアルを生成するためのユニークなプラットフォームです。
遺伝的アルゴリズムを活用し、ユーザーが画像を「ブリード(組み合わせ)」することで、キャラクターや風景、アニメ風のデジタルアートを自由に生み出せます。
アートやデザインのプロジェクトで、オリジナリティあふれる作品を生み出したいときに特に適しており、Civitaiでの画像生成と組み合わせて利用すると、さらに多様な表現の幅を広げられます。
Midjourney

Midjourneyは、ディスコードをプラットフォームとして利用するAI画像生成ツールで、テキストプロンプトから高品質で芸術的な画像を生成できるのが特徴です。
ユーザーはディスコード上で直接指示を送ることで、リアルタイムで画像生成が可能です。特にアート作品のようなビジュアル表現に強く、ファンタジーや抽象的なデザインのプロジェクトにも適しています。
初心者でも直感的に使える操作性が魅力で、生成される画像のクオリティも高いため、デザイナーやクリエイターに支持されています。
詳細な解説については、以下の関連記事もご覧ください。
Runway ML

Runway MLは、AIを活用した映像編集や画像生成に特化しており、プロフェッショナルのクリエイターからアマチュアまで幅広く利用されているツールです。
画像生成だけでなく、動画編集やフィルターの適用といった多機能が特徴で、画像と映像の両方を扱えるため、マーケティングや広告、エンターテインメントのプロジェクトでも活用されています。
シンプルなインターフェースで初心者にも扱いやすく、ビジュアル制作の自由度が高いため、Civitaiと併用することでプロジェクトの表現をさらに強化できます。
Civitaiのまとめ

Civitaiの概要、アクセス方法から導入方法、料金プランや実際の使用感などを解説していきました。画像生成AIは日を追うごとにどんどん進化していき、絵や漫画、アニメーションの知識がなくとも、画像の生成が可能になっています。
しかし、それには知識とセンスが問われます。モデルの選定や抽出方法の具体的な知識がないと、上手く画像生成できません。
AIの進化により、企業も効率的かつスピーディなコンテンツ制作が求められる中で、CivitaiのようなAIツールをビジネスへ導入することは、競争力を高める一手となります。
そのためAIツールを多様に扱っているJiteraのAIサービスを一度チェックしてみましょう。

 
                         
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