統合開発環境(IDE)とは?初心者にもおすすめのIDE5選とメリットを解説

プログラミング開発環境は、ソフトウェア開発の心臓部とも言える重要な要素です。

IDEはコーディングデバッグビルドといった開発プロセスを一元化して効率的な作業を可能にするツールですが、多様なIDEや関連ツールが存在するため、自分のプロジェクトやスキルセットに最適なものを選ぶことが重要です。

この記事では、初心者から上級者まで、どんな開発者にも役立つ統合開発環境(IDE)の基本から選び方、おすすめのIDEまでを幅広く解説します。

監修者 Kyama23_writer

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    統合開発環境(IDE)とは?

    統合開発環境(IDE:Integrated Development Environment)は、ソフトウェア開発を効率的に行うための総合的なツールを提供するアプリケーションです。
    開発者はコードを記述、編集、デバッグ、テスト、およびデプロイするために必要な機能を一つの統合された環境で行うことができます。

    IDEの主な機能としては、まず、ソースコードを記述・編集するためのコードエディタがあります。このエディタにはシンタックスハイライトコード補完コードフォーマット機能などが含まれています。次に、プログラムの実行をステップごとに実行し、エラーやバグを特定して修正するためのデバッガがあります。そして、ソースコードをコンパイルし、実行可能な形式に変換するビルドツールがあります。
    基本機能については以下で詳しく解説していきます。

    統合開発環境(IDE)の基本機能

    統合開発環境(IDE)は、プログラミングの効率を大幅に向上させるツールです。コーディングデバッグビルドなど、ソフトウェア開発に必要な多くの機能を一つのインターフェースに統合し、開発プロセスをスムーズにします。

    IDEは、開発者がより速く、より効率的に、そしてより少ないエラーで作業を進めることを可能にするため、現代のソフトウェア開発において不可欠なツールとなっています。

    主なIDEの機能として、以下をご紹介します。

    【主なIDEの機能】
    1. ソースコードエディタ
    2. ビルド自動化ツール
    3. デバッガ
    4. バージョン管理システムの統合
    5. 自動コード生成

    それぞれを詳しく見ていきましょう。

    ソースコードエディタ

    ソースコードエディタは、プログラミング言語の構文に応じて色分けされた強調表示などをサポートしており、コードの読みやすさを向上させます。

    例えば、Visual Studio CodeではJavaScriptの関数や変数が色分けされ、エラーがリアルタイムで下線表示されます。また、括弧のマッチングやコードの折りたたみ機能により、複雑なプログラムのナビゲーションを容易にしています。

    ビルド自動化ツール

    ビルド自動化ツールは、ソースコードを一連のコマンドでコンパイルして実行可能なアプリケーションに変換します。

    例えば、Javaの開発ではMavenやGradleがビルドプロセスを自動化し、依存関係管理、テスト実行、パッケージングを一括で行ってくれます。

    そのため開発者は複雑なビルド手順を覚える必要なく、一貫した方法でアプリケーションをビルドできるようになります。

    デバッガ

    デバッガは、コードの実行を一時停止して変数の値を確認したりステップ実行を行ったりすることでバグの原因を特定できます。

    通常のデバッガでは、ブレークポイントを設定してプログラムの特定の行で停止させ、その時点での変数の状態や呼び出しスタックを詳細に調べるなどが可能です。

    バージョン管理システムの統合

    バージョン管理システムは、ソースコードの変更履歴を追跡して複数人での開発をサポートする機能です。Gitと統合されたIDEでは、変更をコミット、プッシュ、プルする操作をGUIから直接行えるため、ブランチの管理やマージのコンフリクト解決もより簡単になります。

    自動コード生成

    自動コード生成は、特定のパターンやフレームワークに基づいてボイラープレートコードを生成し、開発者がよりビジネスロジックの作成に集中できるようにします。

    IntelliJ IDEAでは、Javaのgetter/setterメソッドやtoStringメソッドなどの一般的なメソッドを自動生成できるため、手作業による誤りを減らして開発速度を向上させることが可能です。

    統合開発環境(IDE)のメリット

    IDEのメリットは大きく以下の4点が挙げられます。

    • 開発プロセスを効率化できる
    • コードの品質を保ちながらスピーディーに開発を進められる
    • 開発の品質を保ちながら時短できる
    • プラグインや拡張機能もサポートしている

    開発プロセスを効率化できる

    IDEの最大のメリットは、開発プロセスの効率化にあります。複数のツールを一つのインターフェースで扱えるため、作業の切り替えが少なく、集中してコーディングに取り組むことができます。コードエディタ、デバッガ、ビルドツール、バージョン管理システムなどが一体となって提供されるため、別々のアプリケーションを行き来する手間を省くことができます。

    コードの品質を保ちながらスピーディーに開発を進められる

    自動補完、シンタックスハイライト、リアルタイムエラーチェックなどの機能により、コーディングの速度と正確性が向上します。これにより、タイプミスやシンタックスエラーの発生を減少させ、コードの品質を保ちながら迅速に開発を進めることができます。

    開発の品質を保ちながら時短できる

    プロジェクト管理、バージョン管理、デバッグといった複雑な作業もIDE内で完結できるため、開発の品質を保ちつつ時間を節約できるのが開発者にとっては非常に大きなメリットとなります。これにより、チームメンバー全員が同じ環境で作業できるため、プロジェクトの一貫性が保たれ、開発をスムーズに進めることができます。

    プラグインや拡張機能もサポートしている

    IDEは、豊富なプラグインや拡張機能もサポートしており、ニーズに応じて機能をカスタマイズできる点もメリットの一つです。

    ここまでで紹介した通り様々なメリットを持つIDEは、個人開発者から大規模な開発チームまであらゆる規模のプロジェクトにおいて重宝されています。

     代表的な統合開発環境(IDE)とその特徴

     

    現在は、様々なプログラミング言語に対応した対応した代表的なIDEが多数存在します。知名度の高いMicrosoft社が開発した「Visual Studio」やApple社が開発した「Xcode」、Google社が開発したIDEまで大手企業が開発に手掛けたものも多くあります。

    ここでは、代表的なIDEとして以下のものをご紹介します。

    【代表的なIDE】
    • Eclipse
    • IntelliJ IDEA
    • Visual Studio
    • NetBeans
    • Xcode

    それぞれのIDEについて詳しく見ていきましょう。

    Eclipse

    項目
    対応している言語 Java、C/C++、Python、PHP、JavaScript、Rubyなど
    環境 Windows、macOS、Linux
    料金 無料
    搭載機能 コードエディタ、デバッガ、ビルドツール、バージョン管理ツール
    特徴 豊富なプラグイン、オープンソース、コミュニティのサポート

    Eclipseは、豊富なプラグインがあるのが特徴です。特にJava開発においてはEclipse Marketplaceを通じてさまざまな機能拡張が可能で、カスタマイズ性が非常に高いといえます。

    Eclipseは、Java Development Tools (JDT) プロジェクトによる強力なJavaエディターとデバッガーを提供しており、大規模なプロジェクトにも対応する柔軟性と拡張性を持っています。

    Eclipse

    IntelliJ IDEA

    項目
    対応している言語 Java、Kotlin、Groovy、Scala、Python、PHP、JavaScriptなど
    環境 Windows、macOS、Linux
    料金 有料(Community Editionは無料)
    搭載機能 コードエディタ、デバッガ、ビルドツール、バージョン管理ツール
    特徴 コード補完、スマートリファクタリング、豊富なプラグイン

    IntelliJ IDEAは、コード理解に基づくリファクタリングやデバッグ、コード補完などの高度な機能で知られています。

    特に「Smart Completion」や「Data Flow Analysis」などの機能は、他のIDEよりも詳細な分析ができるため、開発者がより効率的にコードを書くのをサポートしてくれます。

    また、JetBrainsが提供する他のツールとの統合がスムーズなのもIntelliJ IDEAの魅力といえるでしょう。

    IntelliJ IDEA

    Visual Studio

    項目
    対応している言語 C#、C++、Python、JavaScript、TypeScript、F#、Visual Basicなど
    環境 Windows、macOS
    料金 有料(Community Editionは無料)
    搭載機能 コードエディタ、デバッガ、ビルドツール、バージョン管理ツール、デプロイツール
    特徴 豊富な拡張機能、クラウドサービスとの統合、デバッガ

    Visual Studioは、Microsoftの強力なバックエンドと統合されていて、.NET開発において圧倒的な支持を受けています。

    豊富なデバッグツールUIデザインツール(特にXAML)、そしてAzureなどのMicrosoftサービスとの統合は、他のIDEでは見られない特徴といえるでしょう。

    また、Visual Studioは、企業レベルの大規模開発に対応するための強力なコード管理とチーム開発サポート機能を提供しています。

    Visual Studio

    NetBeans

    項目
    対応している言語 Java、PHP、HTML5、JavaScript、C/C++など
    環境  Windows、macOS、Linux
    料金 無料
    搭載機能  コードエディタ、デバッガ、ビルドツール、バージョン管理ツール
    特徴 シンプルで分かりやすいインターフェース、豊富なプラグイン、オープンソース

    NetBeansは、特にJava開発において直感的で使いやすいユーザーインターフェースを提供しています。

    また、PHPやC/C++など他の言語にも対応しており、特にGUIビルダー機能はSwingアプリケーションを開発しやすくサポートしています。

    NetBeansは、コードテンプレート拡張可能なプラグインシステムも提供しており、カスタマイズ性と拡張性のバランスが取れているIDEといえるでしょう。

    NetBeans

    Xcode

    項目
    対応している言語 Swift、Objective-C、C/C++、AppleScript、JavaScriptなど
    環境  macOS
    料金 無料
    搭載機能 コードエディタ、デバッガ、ビルドツール、インターフェースビルダー、テストツール
    特徴 Apple製品開発に最適、統合されたデザインツール、豊富なドキュメント

    Xcodeは、iOSやmacOSなどのApple製品向けのアプリ開発に特化しており、他のIDEとは異なった専門性を持っています。

    Interface BuilderやSwift言語のサポート、シミュレーターを通じたデバイステストなど、Appleのシステムに完全に統合された開発ツールを提供しています。

    また、性能プロファイリングツールメモリ管理ツールなど、アプリのパフォーマンスを最適化するための高度な機能も備えているのが特徴です。

    Xcode

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    統合開発環境(IDE)の選び方

    対応している言語や環境で選ぶ

    IDEを選ぶ際には、まず対応しているプログラミング言語や開発環境を確認することが重要です。例えば、Javaの開発にはEclipseやIntelliJ IDEAが適しており、C#の開発にはVisual Studioが優れています。また、iOSやmacOSアプリの開発にはXcodeが最適です。対応するOSも考慮に入れ、Windows、macOS、Linuxのどれで開発を行うかによって選択肢が変わります。

    機能や使いやすさで選ぶ

    次に考慮すべきは、IDEが提供する機能や使いやすさです。例えば、自動補完、シンタックスハイライト、リアルタイムエラーチェックなどの機能が充実していると、コーディングの効率が向上します。また、デバッガやプロジェクト管理ツールの使いやすさも重要です。UIの直感性やカスタマイズの容易さも、日々の作業に大きな影響を与えます。

    予算を比較して選ぶ

    最後に、予算も重要な要素です。IDEには無料のものと有料のものがあり、プロジェクトの予算や開発チームの規模によって選択が変わります。例えば、EclipseやNetBeansは無料で利用できるオープンソースのIDEですが、IntelliJ IDEAやVisual Studioには有料版があり、より高度な機能やサポートを提供しています。企業規模やプロジェクトの規模に応じて、必要な機能を考慮し、最適なIDEを選びましょう。

    まとめ:統合開発環境(IDE)で開発を効率化!

    本記事では開発環境について、その種類と特徴、統合開発環境(IDE)に関する基礎知識と代表的なIDEの紹介、初心者にもおすすめできる開発環境ツールなどを解説してきました。

    中小企業がアプリ開発を成功させるためには、これらのツールを適切に選定し、導入することが必要不可欠です。これにより、開発プロセスの効率化やエラーの早期検出が可能となり、スムーズなプロジェクト進行が期待できるでしょう。

    また、クラウド開発環境やCI/CDツールの活用で、リモートワークやチームのコラボレーションがより効果的に行えます。

    Jitera社では、これらのツールの導入支援や開発プロジェクトのサポートを行っています。また、JiteraのAI開発プラットフォーム「JITERA」を利用することで、高品質なシステム開発迅速に実現できます。

    開発環境の整備やアプリ開発にお困りの際は、ぜひJitera社にご相談ください。最適なソリューションを提供し、貴社の成功をサポートいたします。

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