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ローコード開発とは?その実情はどうなのか、詳しく解説

ローコード開発に適したプロジェクトと進め方

システム構築やそれに携わるエンジニアにとって、プログラミングやそれに関わるスキルは必須であるというイメージがあります。

しかし近年、プログラミングをほとんど行わないでソフトウェア開発を行うプロジェクトが多くなっています。そのようなプロジェクトでは、ローコードツールを使用した、ローコード開発を行っています。

そのようなプロジェクトでは当然、プログラマーやプログラミングの工程にかける時間を従来の進め方よりも大幅に少なくすることができるため、開発に必要となるコストや時間を劇的に圧縮することができます。

本記事では、そんなソフトウェア開発に大きな変革をもたらすローコード開発によるシステム構築とはどのようなものか、どのような流れで行っていくのか解説していきます。

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文系大学出身で、25歳の時にIT業界に足を踏み入れました。ヘルプデスクから要件定義まで、下流から上流まで文字通り叩き上げでキャリアを築き上げました。取得した資格もいつの間にかもう2桁に。趣味も資格取得。あと、映画鑑賞と飲み会。

ローコード開発の基本知識

ローコード開発によるシステム構築とは前述した様に、殆どプログラミングを行わないでツール側ですでに用意された部品を使ってシステムやアプリケーションの開発を行う手法のことで、ローコード開発ツールを使うのが一般的です。

ローコード開発ツールでは画面上に移されたイメージなどを使って、視覚的に画面遷移の順番や処理内容をドラッグアンドドロップなどをすることで定義することができるます。

従って、ツールについての勉強は行う必要がありますが、そこまで高い専門的な知識が求められるわけではありません。

従って、ソフトウェア開発の敷居が下がり、今までは資金力の無さゆえにアナログな方法で業務を処理、若しくは販売していた会社も、IT技術の恩恵を受うことができるようになります。

従来行っていたシステム構築とは、専門的な知識を持った人材を大量に集め、お金と時間を大量に必要とする作業でしたが、コストパフォーマンスやタイプパフォーマンスという点でローコード開発は一線を画しています。

このように、システム構築に必要なコストや時間がより少なくて済み、予算に余裕が無い中小企業においても自前のシステムやアプリケーションを構築できる可能性が高くなることから、近年頻繁に叫ばれているデジタルトランスフォーメーションを実現するためにもローコード開発は必要不可欠です。

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ローコード開発の進め方

ローコード開発のプロジェクトの進め方は次のとおりです。

1. 要件定義を行う

ローコード開発を使って、どのような開発を行いたいのか、その仕様を要件定義していきます。 しっかりとした要件定義を行っておけば、開発期間のズレやコスト増加による問題を防ぎやすくなります。

2. ローコード開発ツールを選ぶ

検索エンジンで「ローコード開発ツール」と検索すると、たくさんのツール紹介記事が公開されてい ます。先程、作成した要件定義をもとに、機能性や値段、制限の範囲などを見比べて、自社開発 にぴったりなローコード開発ツールを見つけていきます。

3. 使い方を学習する

自社で利用するローコード開発ツールが決まったら、利用方法について学習していきます。ツールによって固有の利用方法があるため、ローコード開発に必要な知識を深めていきましょう。

4. 試作品を開発する

ローコード開発ツールの利用法がわかったら、最低限のコードを使ってシステムの試作品を作成します。要件定義と見比べながら、ユーザーのニーズに合ったシステムを構築していきます。

5. 正式開発後にテストを実施する

ローコード開発のプロジェクトにおいても、テストは必要です。従来行われていたシステム構築とはバグとの闘いだと言っても過言ではないような状況であったため、様々な観点のテスト項目を大量に作り、それを実施していく必要がありました。

そのような従来のシステム構築とは異なり、ローコード開発は既にツール側でテストも行ったうえで用意された部品を組み合わせてシステム構築を行う流れとなるため、プログラミングに関するテストはそこまで必要ありません。

しかし、顧客や経営陣の意思をくみ取れているか、エンドユーザーが使いやすいかなどの観点でテストを行う必要があります。

6. 運用を開始する

ローコード開発における運用作業でも、データのバックアップや、各画面のアクセス数の調査に関連したツールの運用などを行います。

ツール作成にかける時間と労力は少ないですが、ツールの運用方法の整理や実際の運用は、人間が行う必要があります。

例えば、従来においてもJP1などのツールで視覚的にバッチや監視に使う処理の定義をしていました。

ローコード開発によるシステム構築においても、それらのバッチや処理を日ごとに行うのか、何時にどのような順番の流れで行うかなどを顧客と話し合って設定する必要があります。

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ローコード開発の4つのメリット

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ローコード開発によるシステム構築には従来のシステム構築とは異なる、多くのメリットがあります。

冒頭で開発コストを削減できることを記載しましたが、それ以外にもセキュリティリスクや開発期間が少なくなるなど、特に中小企業にとって嬉しいメリットがあります。</span >

開発期間とお金、セキュリティリスクは従来のシステム開発には必ずついてくる悩み事であったため、これらの問題を一気に解決できるローコード開発はIT業界に変革をもたらしていると言っても過言ではありません。

以下にローコード開発における代表的なメリットを4つ紹介します。

開発コストを抑えられる

前述したように、ローコード開発ではプログラミングの工程で必要となる人員や時間を大幅に圧縮することができるため、開発コストを抑えることができます。

プログラミングと言っても様々な種類がありますし、それに加えてデータベースとの接続やクラウドやネットワークの運用など、様々な知識がないと、従来のプログラミングの工程を完遂できませんでした。

そして、それらの知識や経験を高いレベルで保持しているエンジニアは非常に稀有で尚且つ需要が高いため、人件費が高騰しがちですが、ローコード開発ではそこまでのレベルをエンジニアに求める必要がないため、1人当たりの人件費を圧縮できます。

また、大まかな流れ自体は従来のシステム構築とは違わないものの、ローコード開発におけるシステム構築は、開発作業とテストの工程の時間や労力についても劇的に圧縮することが可能になるため1人当たりの人件費だけでなく、エンジニア数についても削減できます。

従って、ローコード開発は従来のシステム構築に比べて人件費などの費用を大幅に抑えてシステム構築を行うことができます。

開発期間を圧縮できる

ローコード開発はプログラミングにかける時間を大幅に圧縮することができますが、それ以外にも必要な時間を圧縮できる工程があります。それはテスト工程です。

従来のシステム構築の流れでは、プログラミングを行った場合、プログラムが意図した通りに動くか、他の画面と繋げた時に入力した値が連携されるかなどの観点でテストを行う必要がありました。

しかし、ローコード開発におけるシステム構築とは既製品を再利用する開発手法であるため、それらの作業を丸ごと削除することができます。

また、テストを行わなくてよいということはバグが生成されることもないため、バグの原因調査や修正にかけていた時間も削減できます。

前述した様に、顧客の要件に沿っているかなどのテストは行う必要性はあるものの、ローコード開発は従来の開発体制に比べて、開発期間を大幅に圧縮することができます。

従来のシステム開発の進め方ではプログラミングやテストには多くの時間を割いており、時には上流工程の人員もフォローに回ることも珍しくなかったため、これら2つの工程の時間を圧縮できることは、業務効率やコストパフォーマンスの上で非常に意義深いです。

セキュリティリスクが少ない

ローコード開発は、使用しているローコードツールが既に何らかのセキュリティのツールを使用・設定していることが多いです。

そしてツールを提供している側で、セキュリティに関連したテストを既に行っている場合が殆どであるため、ローコード開発はセキュリティリスクを低くすることができます。

セキュリティに関連した人材は、需要が高騰しているIT人材の中でも特に需要が高く、セキュリティの企画や実際の設定、テストまで行える人材は非常に希少です。ここまで希少な理由は、単純にセキュリティに関する知識の取得の難易度が高く、専門性が高いからです。

もし中途半端な知識の人材によって脆弱性があるセキュリティを施したがために、顧客の情報流出やシステムのダウンなどのアクシデントを起こしてしまった場合、自社のビジネスにおける信頼や財政に大きな損害を与えてしまいます。

それらの危険を回避しつつもセキュリティに関連した作業がないというリスクの低さという点においても、従来のシステム構築とは一線を画しています。

技術スキルの要求が低い

ローコード開発では、高度な技術スキルが必要ないため、開発者が手軽にアプリケーションを作成できます。このため、開発に伴うハードルが低くなり、気軽に開発に参加できます。

ローコード開発を活用する際の3つの注意点

前述した様にローコード開発によるシステム構築とは、既存の部品や処理内容をリサイクルする開発手法ですが、その要素が良い面に働くこともあれば、悪い面に働くこともあります。

コストの少なさや開発期間の短さと引き換えに、開発内容の多様さや実現可能な処理の複雑さを犠牲にしていると言えます。

従って、ローコード開発を導入するべきではないプロジェクトやシステムというのもあり、もし間違った場面でローコード開発を導入してしまうと、メリットを全く享受出来なくなります。

この章では、ローコード開発を活用してシステム構築を行う際の注意点をそれぞれ解説していきます。

開発内容に制限がある

ローコード開発の進め方の大きな特徴の1つが、最低限のプログラミングでシステムやアプリケーションを開発することです。

それ以外は既存の部品で処理内容を完成させることにより、従来よりも低いスキルレベルでもシステム構築を可能にしていました。これは逆に言うと、開発内容に制限が生じるということになります。つまり、使用するツールが想定していない処理を実現させることが難しくなるということです。

もし既存の部品や処理内容を使って強引にシステムを作り上げたとしても、構造が複雑になって保守性が落ちる上に、後からの変更が極めて難しくなります。

複雑な開発は苦手

そもそもローコード開発の1番の強みは、ITの技術や知識のレベルがそこまで高くなくてもシステムやアプリケーションの開発が可能となることです。この弱みは逆に言うと、複雑な開発がローコード開発では難しいということでもあります。

前述した様にローコード開発は既存の処理内容や部品内容を上手く組み合わせて、あとは最低限のプログラミングしか行いません。これはつまり、ツール側が想定している程度のレベルでしか開発が難しいということでもあります。

従来の進め方であれば、プログラミングやテストに多くの時間を割いているため、複雑な開発も可能でしたが、ローコード開発ではそのような進め方は想定していません。ローコード開発のわかりやすくて簡単な点が、複雑な開発をしようとすると仇になってしまうのです。

利用するには勉強が必要

ローコード開発ツールは、従来のシステム開発に比べると低いITスキルでも開発可能であることを前述しましたが、全くの素人でもシステム開発が可能になるということではありません。

寧ろ、ツールの種類によって操作方法や画面の表示内容や完成までのプロセスが異なるため、専用の勉強は必須となります。また、使用しているツールはどのようなプログラミング言語を使用しているのか、クラウドサーバーは使用しているか、などの情報も習得しておく必要もあります。

これから開発しようとしているシステムがどのように動いているか、仕組みがわかっていないと、不測の事態に対応しきれない場合がありますし、そもそも社内の規則に沿ったシステムなのかどうかすらわからなくなります。

ローコード開発の成功事例

ローコード開発には多くのメリットがある代わりに、前述した様なデメリットもあるため、決して万能の手法という訳ではありません。

しかし、ローコード開発で成功した事例も数多くあり、業務効率の改善などに大きく貢献しています。この章では、ローコード開発の成功事例を2つ紹介します。

PHSからiPhoneに切り替えた事例

岐阜県の松波病院では、元々PHSを社内連絡で使っていましたが、後にiPhoneに切り替え、それに付随して情報共有を効率化するためのシステムをローコード開発で開発しました。

このサイトによって、職員は患者の病態や治療の途中経過などを文字だけでなく、写真などの情報と共に共有できるようになりました。

その結果として、業務効率だけでなく、病院が患者に提供するサービスの質についても大きく向上させることに成功しました。

参考:ローコード開発の導入事例 5 選!成功の秘密を解説 (claris.com)

生産管理で内製化にした事例

長野県上田市にある信州ハム株式会社では、生産管理システムを自社内でローコード開発によって開発しました。元々同会社では、生産管理の際に同じ情報を紙、Excelファイル、当時使っていたシステムなど、複数の媒体に打ち込んでいたため、情報の処理に非常に時間がかかっていました。

そこで、同社の事情や業務の流れをよくわかっており、コストも少なく済むことから自社内でローコード開発で開発を行いました。このシステムによって生産管理に関する情報を一本化することが可能になり、業務効率が飛躍的に上がりました。そしてこのシステムの成功を受け、生産管理の工程だけでなく、他の工程にも同様の試みを行っています。

参考:ローコード開発の導入事例 5 選!成功の秘密を解説 (claris.com)

まとめ:ローコード開発のやり方・進め方と成功ポイント

本記事で述べたように、ローコード開発は大まかな進め方は従来のシステム構築とは変わりませんが、より開発作業を簡略化しているため、開発内容に限りはありますが、費用や開発期間を従来のそれに比べて大幅に圧縮することができます。

この記事を読んで、今作りたいと思っているシステムにぴったりと感じたものの、どのように手を付ければ良いかわからないと思った人もいるかと思います。そのような人はまず、株式会社Jiteraに連絡することをお勧めします。

株式会社Jiteraは要件定義書を書くだけでAIがそのファイルを基に生成するツールを使用しているため、急な変更にも柔軟に対応できます。興味を持たれた方はこちらのリンクをクリックしてください。

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文系大学出身で、25歳の時にIT業界に足を踏み入れました。ヘルプデスクから要件定義まで、下流から上流まで文字通り叩き上げでキャリアを築き上げました。取得した資格もいつの間にかもう2桁に。趣味も資格取得。あと、映画鑑賞と飲み会。

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