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GPT-4 

GPT-4の概要と特徴

GPT-4(Generative Pre-trained Transformer 4)は、OpenAIによって開発された最先端のAI言語モデルです。自然言語処理(NLP)技術を駆使して、文章の作成・理解・翻訳・要約など、人間に代わってあらゆる言語処理を自動化することができます。

旧型モデルのGPT-3.5からさらに進化し、大量のデータセットを用いた学習により、高度な文脈理解と文章生成能力を実現しました。

ChatGPTとGPT-4の違い

ChatGPTとは、自然言語処理で高い性能を示す「言語モデル」を用いたAIチャットボットです。一方、GPT-4とは、AIチャットボットに使用される言語モデルそのものを指します。つまり、ChatGPTの基盤となっているのがGPT-4(GPT-3.5)であると考えて間違いありません。

ただし、現行のChatGPTの一般公開については、旧型のGPT-3.5を用いており、次世代モデルのGPT-4を利用するには、有料プランである「ChatGPT Plus」に加入する必要があります。

GPT-4とGPT-3.5の比較

特徴GPT-3.5GPT-4
パラメータ数13.5B200B+
トークン数20484096
モデルサイズ3.3 GBTBA
学習データインターネット全体TBA
ファインチューニング非常に高速より高速
出力の品質非常に高いより高い
応答時間早いより早い

GPT-4はGPT-3.5に比べ効率的なアルゴリズムを採用し、機能性や処理能力が向上しました。これにより、より高度なタスクを処理できるようになります。

画像・動画入力に対応したマルチモーグルAI

GPT-3.5ではテキスト入力に限定されましたが、GPT-4は画像入力や動画入力にも対応するマルチモーダルAIになります。これにより、画像認識や動画解析を含むアプリケーションへの適用が可能になる予定ですが、2023年3月時点ではまだ非公開の機能です。

大きく進化した処理能力

言語モデルの処理能力は、およそ単語一つ分にあたる「トークン」の処理件数を指標とします。GPT-3.5では4,000トークン程度だった処理能力が、GPT-4では最大32,000トークンまで向上し、おおよそ10倍程度の性能アップをしました。

また、文章の機微を察して入力者の感情を読み取ったり、方言を適切に読み取ったりすることも可能です。さらに、化学式や数式の複雑な問題を解いたり、ストーリー性のある創造的な文章にも富んでおり、多様なタスクへの対応ができるようになりました。

GPT-4は自社のアプリケーションに導入できるか?

性能が向上したことで、利用者の増加が予想されるGPT-4ですが、APIを用いて自社のアプリケーションにも導入することはできるのでしょうか?

2023年3月時点ではアプリケーションには導入できない

2023年3月14日に発表されたばかりのGPT-4は、一部の大企業をのぞいて現時点ではまだAPI(Application Programming Interface)として利用することはできません。そのため、ChatGPTをAPIとして利用するには現行モデルであるGPT-3.5を使う必要があります。ただし、GPT-4をAPIとして利用するための待機リスト(waitlist)は公開されているため、こちらに登録しておくことでいち早くGPT-4のAPIを利用できるようになる可能性は高くなります。いち早く自社開発のアプリケーションにGPT-4を導入するには、早めに待機リストへの登録を済ませておきましょう。

将来的にはAPIを用いて導入することができる

現時点では、GPT-4のAPI導入は一部の企業に限られていますが、待機リストに参加することで、利用可能になったタイミングで既存のアプリケーションや新開発のアプリケーションにGPT-4を組み込むことが可能です。

現行のGPT-3.5とGPT-4の性能の違いは明らかであるため、既にChatGPTを導入している企業であっても、GPT-4へのアップデートは将来的に必要とされるでしょう。

GPT-4の将来性

GPT-4を導入することで、ビジネスシーンにおいてさまざまな進化が期待されます。その将来性について確かめましょう。

カスタマーサポートの向上

GPT-4の高度な会話機能を利用し、AIチャットボットをカスタマーサポートに活用することで、顧客からの質問に素早く正確に回答し、まるでコンシェルジュのようなパーソナライズドされた自然な会話を楽しむ未来も予想されます。

画像入力や動画入力による質問

現時点では、日本で画像・動画入力の機能は公開されていませんが、写真で撮影した映像を解析してチャットボットが会話を返してくれるようになるでしょう。例えば、画像をAIに解析させて面白いところを見つけさせるといったユーモアのある使い方も可能になります。

翻訳機能の向上

他言語での対応を予定しているGPT-4では、翻訳機能も向上するため、外国人のお客様にも母国語でスマートに回答されることが期待されます。外国人のお客さまが多く、対応に時間がかかっていた企業にGPT-4を導入することで効率的でグローバルな接客が可能になります。

倫理的な問題と規制が課題である

様々な機能で進化を続けるGPT-4は、倫理的な問題や規制について議論され続けることが予想されます。プライバシーへの配慮、個人情報保護、捏造した情報の拡散など、GPT-4を含めた大規模言語モデルにはさまざまなリスクが潜んでいるからです。

そのため、企業や開発者はGPT-4の導入にあたって、社会的な責任を持ち、適切な倫理規範やガイドラインを遵守することが求められる可能性が高くなります。また、政府や業界団体による規制策や、AI技術に関する国際的な取り決めについても議論されるでしょう。

将来的にGPT-4を導入してビジネスは進化する

GPT-4は旧型のGPT-3.5に比べて自然言語処理の能力が飛躍的に進化しています。2023年3月時点ではGPT-4のAPIは一部の企業に限られていますが、将来的にはAPIの導入によって高機能な双方向コミュニケーションをローコストで実現させることでしょう。そのため、GPT-4の最新情報をチェックし、いち早く導入できるように準備しておくことが重要です。

一方で、技術の進化は、歴史を見ても倫理的な問題と規制が常に論じられています。GPT-4を導入する企業や開発者はその点も考慮しなくてはならないでしょう。現時点では、APIの導入は順番待ちになっていますが、いち早く取り入れた企業から劇的な成長を見せる可能性をGPT-4は秘めています。

GPT-4を導入する手順

GPT-4をAPIで導入する手順は、以下のようになります。ただし、現時点ではGPT-4がリリースされておらず、GPT-3が利用可能です。GPT-4がリリースされた際にも、手順は類似していると予想されます。

OpenAI APIキーの取得

まず、OpenAIのウェブサイトにアクセスし、APIキーを取得するためにアカウントを作成します。登録後、APIキーが発行されるため、それをメモしておいてください。

開発環境の準備

使用するプログラミング言語や開発環境に合わせて、必要なライブラリやSDKをインストールします。OpenAIはPython用のライブラリを提供していますが、他の言語を使用する場合は、適切なライブラリを見つけるか、直接HTTPリクエストを利用する必要があります。

APIリクエストの作成

GPT-4(GPT-3の場合も同様)を利用するために、APIリクエストを作成する必要があります。以下はPythonでOpenAI APIを利用するためのコード例です。

import openai

\# APIキーの設定
openai.api_key = "your_api_key"

\# リクエストの設定
prompt = "プロンプトに入力するテキスト"
response = openai.Completion.create(
   engine="davinci-codex",  # GPT-4がリリースされた際には、適切なエンジン名に変更する
   prompt=prompt,
   max_tokens=100,
   n=1,
   stop=None,
   temperature=1,
)

\# 結果の取得
generated_text = response.choices[0].text
print(generated_text)

このコード例では、openaiライブラリをインポートし、APIキーを設定しています。リクエストに必要なパラメータ(プロンプト、最大トークン数、生成する文章の数など)を設定してAPIリクエストを送信し、結果を取得しています。

アプリケーションへの組み込み

APIリクエストを作成したら、それをアプリケーションに組み込むことができます。例えば、WebアプリケーションでGPT-4を利用する場合は、上記のコードをバックエンドに組み込み、フロントエンドからのリクエストに応じて生成されたテキストを返すように設定します。

テストとデバッグ

アプリケーションにGPT-4を組み込んだら、適切に機能しているかテストし、必要に応じてデバッグを行います。GPT-4の挙動を調整するために、APIリクエストのパラメータを変更することができます。例えば、temperatureパラメータを調整することで、生成されるテキストのランダム性を制御することができます。

本番環境へのデプロイ

テストとデバッグが完了したら、アプリケーションを本番環境にデプロイします。デプロイ方法はアプリケーションの種類や使用するインフラストラクチャによって異なりますが、一般的には、ソースコードをリポジトリにプッシュし、本番環境に適用するプロセスを経ることが一般的です。

パフォーマンスのモニタリングと最適化

本番環境でのGPT-4のパフォーマンスをモニタリングし、必要に応じて最適化を行います。APIリクエストの数やレスポンスタイムを監視し、エラーや遅延が発生した場合は原因を特定し、改善策を実施します。また、APIのコストを抑えるために、リクエストの頻度やトークン数を調整することも検討できます。

継続的な改善とアップデート

アプリケーションの使用状況やユーザーフィードバックを収集し、GPT-4の利用方法やパラメータを継続的に改善していきます。また、OpenAIから新しいバージョンのGPTやAPIがリリースされた際には、アップデートを適用し、最新の機能や改善点を取り入れることが重要です。

これらの手順を経て、GPT-4(現時点ではGPT-3)をAPIを通じてアプリケーションに導入することができます。ただし、各プロジェクトやアプリケーションの要件に応じて、手順の詳細や実装方法は異なる場合がありますので、適切な対応が必要です